文芸(単行本)作品一覧

走る家
文芸(単行本)
男は旅人で、女は家である。
大恋愛ではなく、奇妙でもない、淡くて深い“恋”を描いた恋愛小説集
女優、映画監督としても活躍する著者の最新作
それなら結婚してよ。
柳沢晴子は、いつものように玄関で靴紐をといていた須賀くんへ、どういうわけか求婚してしまっていた。夜のしずけさがちいさく裂けるほどのボリュウムで、いつのまにか挨拶がわりに、そう吐き捨てていた。――<冒頭より>

黒髪
文芸(単行本)
ただひたすらに、ひとりの男を愛した女の物語
ロシア人との命懸けの恋 恋愛大河小説の最高傑作
1930年、高田さわは函館のロシア人家庭に女中奉公に出た。そして、いつしか、主人のドミトリーと恋に落ちてしまう。戦争という激動の時代の中で、国境を越え、恋に生きた1人の女。『海猫』の谷村志穂最高傑作
一つにまとめていた髪が解かれた。そのとき、真っ黒な光沢のある髪が滑り落ち、彼女の肩や首筋を覆い、命が広がって見えた。そこに命が漲っていた。――<本文より>

眷族
文芸(単行本)
世代を越え逃れられない血の絆。ケンゾクでは唯一の日本人である曾祖母・トメに連なる高光家。膨大な財産、絡み合う系譜。助け合い、ときに鬩ぎあう人々。戦前から現代まで、愛情、憎悪と欲望とを交錯させながら世代を重ねた人々を、精緻ににして苛烈な筆致で描く息をもつかせぬサーガ。

横浜開港絵巻 赤い崖の女
文芸(単行本)
ラシャメン、居留地、清国人の妻――
横浜・本牧の赤い崖(マンダリン・ブラフ)から、希沙は運命の荒波に呑み込まれていった。
横浜開港150年記念企画
ラシャメンから下働きに落とされた希沙は、ただ一人、優しい言葉をかけてくれていた加世とともに、英国人貿易商ウエルズの家に、岩亀楼から派遣された。が、遊郭も居留地も焼き尽くした豚屋火事で焼け出され、清国人の周とともに神戸に移った。時を経て横浜に戻った希沙は、またも運命に翻弄される。かつて、希沙をどん底に陥れた張本人は誰だったのか。希沙に平安は訪れるのか。150年前の横浜を生きた女・希沙の半生を描く。

十八の子 李巌と李自成
文芸(単行本)
殺さず、奪わず、犯さず
厳しい軍規を掲げ、絶望的な貧困にあえぐ農民達の先頭に立ち、圧制に挑む2人の叛徒
明末期、李自成に指揮された農民反乱を、重厚な筆力で描く中国歴史小説
「悪逆非道な県令は討ち果たしたぞ! われらの勝利だ!」 紅娘子の命を受けたひとりが、大声で叫びながら先導する。吐き気をこらえながら、李信はよろよろと歩きだした。「李公子様のお成りだ!」 政庁の一番高い楼台に李信が姿をあらわすと、熱狂的な歓声が出迎えた。牢を出たときよりもさらに多くの民が、感謝と期待をこめて李信の名を叫んでいる。李信は圧政を正し、飢餓から救ってくれる救世主なのだ。自分を讃える声を聞いていると、徐々に衝撃が癒され、こわばっていた心がたかぶってくるのを感じる。やらねばならないことがある、と信じられる。――<本文より>

晩鐘 続・泣きの銀次
文芸(単行本)
あの銀次が戻ってきた!十手を取って、岡っ引き復活!
10年の時を経て、不惑の銀次が拐かし事件に乗り出す。ご存知、人気捕物長編。
小間物問屋・坂本屋銀佐衛門こと銀次も40歳、不惑の年を迎えた。殺された妹と同じ名のお菊を助けたことから、再び十手を握って、江戸市中を騒がす娘拐かし事件の解決に乗り出す。死人を見ると涙が止まらない、かわった岡っ引き・銀次復活。

マイ スウィート ソウル
文芸(単行本)
韓国最大の新聞「朝鮮日報」で連載され、大ベストセラーとなった新時代の韓国文学、待望の邦訳
「見過ごせない私たちの現実の物語。主人公ウンスを心のなかで、ぎゅっと抱きしめてあげてください。」――絲山秋子
「ちょっとだらしなくて、でもどこか高潔な主人公が魅力的でした。この作者はきっと『幸せの正体』を知っているのだと思います。」――吉田修一
理想的なお見合い相手or年下の男の子or心を許せる男友達 オ・ウンス(30歳)が結婚相手に選ぶのは……?「適齢期」は過ぎたかもしれないけど、幸せを求めて、恋と仕事に挑んでいくソウルの女性たち。そのユーモラスで甘く切ない毎日は、都市に暮らすすべての女性の物語――

好かれようとしない
文芸(単行本)
わたし、好きだ、このひと。
鍵屋の若旦那に恋をした風吹の心に、やすやすとは開けられない錠前が取りつけられてしまった――!?
注目新人の、書き下ろし長編ラブストーリー
「好かれようとしないことよ」大家の声が聞こえてくる。でも、好かれようとしないこと、と、嫌われるようなことをする、のとは全然違う。「一寸先は闇なのよ」とも、大家はいった。生兵法は大けがのもと、そもそも兵法なんてないんだし、といったあと、大家は視線をのばしていた。――<本文より>

ハナシをノベル!! 花見の巻
文芸(単行本)
落語家と小説家のコラボレーション!
人気作家の書き下ろした新作落語9本収録
<収録作品>
●田中啓文「真説・七度狐」「時たまご」
●北野勇作「寄席の怪談」
●田中哲弥「病の果て」
●我孫子武丸「貧乏花見殺人事件」
●浅暮三文「動物記」
●牧野修「百物語」
●飯野文彦「戯作者の恋」
●森奈津子「正直課長」
<特別付録>月亭八天 実演CD

KENZAN! vol.4
文芸(単行本)
時代小説は何でもありの面白さ。
爽快、大展開 時代小説は面白い!
沸騰見参!
●阿部牧郎「曇天に窓があく」
●池永陽「緋色の空」
●稲葉稔「八丁堀手控え帖」
●田牧大和「三悪人」
●畠中恵「ゼリケーキ儚し」
●火坂雅志「骨董屋征次郎真贋帖」
●平山夢明「朧夜半次郎」
●森谷明子「松原腥風」
●米村圭伍「山彦ハヤテ」
●戸板康二「辻のわらじ」

京極夏彦原作『ラジオドラマ百器徒然袋』CDブック
文芸(単行本)
人気作品のラジオドラマがCDブックに!
朝日放送で昨年放送された話題のラジオドラマがCDブックになって登場。
佐々木蔵之介ら人気俳優のインタビューや全作品脚本も収録した、ファン必携のアイテム

中原の虹 第四巻
文芸(単行本)
そして王者は、長城を越える。
龍玉と天命を信じ、戦いに生きる。英雄たちの思いは、ただ1つ。
ついに歴史が動く。感動の最終章。浅田次郎の最高傑作、堂々完結!
「答えろ。なぜ宦官になどなった」
「将軍はなにゆえ、馬賊などにおなりになられたのですか」
最後の宦官になった春児と、馬賊の雄・春雷。極貧の中で生き別れた兄弟は、ついに再会を果たし、祖国は梁文秀の帰国を待ち望む。
龍玉を握る張作霖。玉座を狙う袁世凱。正義と良識を賭けて、いま、すべての者が約束の地に集う。
第42回吉川英治文学賞受賞

わすれないよ 波の音
文芸(単行本)
文の京文芸賞 最優秀賞受賞作!
虐待の連鎖とたたかった母子の姿を描く、感動作品
選考委員・青木玉氏、奥本大三郎氏、加賀乙彦氏、絶賛!
「何よ、何怖がってんのよ、あんたが悪かったくせに。顔上げなさいよ」波子は友香の髪をわしづかみにして、力ずくでふせている顔を上げさせた。友香の目は深く、底の見えない穴のようにぽっかり開いている。――<本文より>

災厄
文芸(単行本)
病んでいるのは、いったい誰だ?
妊婦連続殺人事件の容疑者を夫が弁護――。妊娠5ヵ月めの妻の恐怖は、それから始まった。現代社会の病理を描く、衝撃の書下ろしサスペンス
妊婦ばかりが次々と狙われる連続殺人事件の容疑者は、男子高校生だった。しかも夫がその弁護を……。妊娠5ヵ月めの美沙緒の周囲がめまぐるしく変化する。

彩乃ちゃんのお告げ
文芸(単行本)
明日はきっと、いいことあるよ。
小学生にして「教主さま」。ふしぎな力をもつ少女、彩乃ちゃんがひきおこす3つの奇蹟の物語。
注目の著者が描く優しいファンタジック・ストーリー
「誰かの人生にかかわって、ちょっとだけ方向を変える。それでみんな、少し幸せになる」
素朴で真面目で礼儀正しくて。一見ふつうの5年生だけど彩乃ちゃんには、見えている。周りの人のちょっとした未来。うまくいかない相手と仲良くする方法。幸運をよぶ少女と迷える人たちのひと夏のできごと。
ほんの小さなきっかけで世界はたしかに、変わってく。

ひぐらしのなく頃に 第二話~綿流し編~(下)
文芸(単行本)
園崎詩音、自縄自縛!
禁忌(タブー)を犯した詩音を追い詰める“オヤシロさま”の祟りとは――!?
昭和58年、雛見沢村。村に伝わる秘祭・“綿流し”の晩、夜陰にまぎれて“オヤシロさま”を祀る“祭具殿”に立ち入った園崎詩音と前原圭一――。最大の禁忌を犯した2人の周りで次々と起こる異変は、“オヤシロさま”の祟りか、それともただの事件か……?嘘に嘘を重ね、真実から目を背けようとする圭一たちを待ち受けるのは、歪んでしまった“日常”が生み出した血塗れの結末だった……!?
かつてない恐怖、そして来るべき未来の物語(ストーリーテリング)の可能性を斬新に詰め込み、あらゆるメディアを席捲したゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント、『ひぐらしのなく頃に』の最終形態は、今ここに「小説」として結晶する――。
これぞ小説。『ひぐらしのなく頃に』の到達点にして新たな原点!

パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.11 Eleven-plus~選抜試験~
文芸(単行本)
最期の刻(とき)
「運命」の仲間と共に「ワンネス」へ最終突入するエース。辿りついたその先に見えるものとは……。
「みんな、ありがとう。行ってきます」
10年前の事故の時から、なにもかも宿命(さだめ)られていた。「運命」の審判(ジャッジメント)で選ばれた仲間と共に、みずからの因縁の場所を、決死の覚悟で目ざすエース――。はじまりの十字路(クロスロード)が、すべての終幕の舞台となってしまうのか?世界の神秘「ワンネス」を前に「13人」は立ち尽くし、静寂の中、生命は終焉を迎える。
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第11弾!
物語を読むだけで、“英語”と“京都”と“運命”の達人に!

知床の少女
文芸(単行本)
雄大な自然が少女に語る、生きるということ高校受験に失敗した亜樹は、祖父の企みで知床へ向かう。水産加工会社を経営する「さくらばあ」のもと、自然を相手に働く人々に触れた少女は――。感動成長物語。
「さくらばあ」と会ったのは「地の果て」だった。
優しさを知り、恋を知り、少女は女になっていく――。
渡辺淳一氏推奨
「都会に住むすべての人々に読んでもらいたい、一途で爽やかなビルドゥングスロマン(成長物語)である」
知床・羅臼の加工場「三上水産」に集まる、鮭を愛する人々
●伊原亜樹…高校受験に失敗し浪人中の15歳。祖父・孝蔵の企みにより、羅臼に向かう。
●さくらばあ…三上水産会長。78歳になっても工場の現場に立つ、元気なお婆さん。
●タカさん…三上水産社長。働き者の元不良。
●敏子さん…タカさんの妻で妊娠中。亜樹の面倒をみてくれる。
●潤…さくらばあの孫で高校2年生。無期停学中で羅臼にいる。
●カズさん…三上水産工場長。漁師の父親を海で亡くしている。
●祐一郎…東京の医大6年生。繁忙期のアルバイト。

刀語 第十一話 毒刀・鍍
文芸(単行本)
西尾維新×竹が放つ、待ってました!の時代活劇絵巻!
刀工 vs. 無刀
「おれの父親は――親父だけだよ」
伝説の刀蒐集完了まで残りあと2本!!毒刀『鍍(メッキ)』を手にした真庭鳳凰は触れるもの全てを斬殺する殺意の化身と化し、真庭忍軍の本拠地“新・真庭の里”に向かう。虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめも、鳳凰と刀を追い、伊賀の山中へ!血塗れた里にひとり佇む鳳凰から告げられる、“乱世”を貫く壮大な秘密とは――!?悲劇の“終局”まで待ったなし!刀語、第11話の対戦相手は、真庭忍軍十二頭領がひとり、真庭鳳凰!
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第11弾!
西尾維新が挑む時代活劇!こんな物語を待っていた!!

だいにっほん、ろんちくおげれつ記
文芸(単行本)
さらなる闘争の書、発射!! 孤高の作家・笙野頼子の戦いはさらにヒートアップ! ロリリベ、国家に加え二次元評論家まで! 熾烈なバトルを強烈なイメージで描出した闘争の書。グレードアップした第2弾、待望の発射! 無恥のネオリベよ、無策の「左翼」よ、呪われた市場経済に向けて放つ最終兵器「俺」。メタの女王にして純文学の問題児のさらなる十字架!
さらなる闘争の書、発射!!
孤高の作家・笙野頼子の戦いはさらにヒートアップ! ロリリベ、国家に加え二次元評論家まで! 熾烈なバトルを強烈なイメージで描出した闘争の書。グレードアップした第2弾、待望の発射!
無恥のネオリベよ、無策の「左翼」よ、
呪われた市場経済に向けて放つ最終兵器「俺」
メタの女王にして純文学の問題児のさらなる十字架
特別収録論考! 「ひとりで国家と戦う君だけに愛を」