文芸(単行本)作品一覧

サイバラ茸7
文芸(単行本)
解毒不能
サイバラ漫画だけを諸氏との共著から抜いて集めると、アラ不思議。全く別の味わいが。

佳人の奇遇
文芸(単行本)
今夜、コンサートホールに奇跡が起こる
ある日、コンサートホールに集まった人々 超問題児のオペラ歌手と即席マネージャー、マエストロと過去の女たち、大学講師とOL……それぞれの恋の行方は!?島田雅彦による最新恋愛小説
『ドン・ジョバンニ』に乗せて進行するいくつもの<恋の大作戦(ラブオペレーション)>
[登場人物]
●辻アンドレ
テノール歌手。将来有望な天才歌手だが、極度なあがり症。
●まどか
元銀座のナンバー2ホステス。辻アンドレのマネージャーをすることに。
●マエストロ
現代最高の指揮者の1人。現代のドン・ジョバンニともいうべきプレイボーイ。
●春香
28歳のOL。出勤途中に初恋の男性と出会ってしまう。
●オオタケンタ
大学の非常勤講師。専門は哲学。
●植島浩士
42歳の失業者。収入がなくなり、路上デビューを決意する。
●龍野十三
老舗和菓子屋「龍や」社長。長男の嫁・静絵に密かな思いを寄せる。

楽昌珠
文芸(単行本)
白昼夢――目覚めた先は、唐朝の政争のただ中。
夢かうつつか、まぼろしか……。桃林で再会した幼なじみ3人が、眠りに誘われ迷い込んだのは、30年に亘る激動の渦の中。
中国・唐代、二郎・七娘・小妹の幼なじみ3人は、桃林で10年ぶりに再会した。――ふと気づくと、二郎は36歳で、混乱の宮中にあり、清風(七娘)という少女を引き取っていた。それから11年後、洛陽に左遷された二郎は、11歳の小妹を養女としていた。七娘は娘子軍武術師範の女丈夫で、ともに権力争いに巻き込まれていた。さらに10年が過ぎた。清風・弄玉(小妹)・応祥(二郎)はようやく巡りあい、危機からの脱出を決意する。壮大なスケールで展開する中国時代小説。

南大門の墨壺
文芸(単行本)
南大門の屋根裏に、ひっそりと残された墨壺が、静かに語りかける
番匠魂の証
平家侵攻で焼失した東大寺を再建すること、それが東大寺番匠・夜叉太郎にとって、死んだ母と妹への鎮魂と、己の腕の見せ所だった。鎌倉期の奈良・東大寺再建秘話。

柳生大戦争
文芸(単行本)
柳生 vs.柳生
「一然書翰」から始まった戦いは、345年の時を駆け抜け、新たな伝説を生み出した!
炸裂!全開!衝撃の時代小説
これまさに歴史の皮肉!徳川幕府と李朝を揺るがす「一然書翰」。朝鮮の創世神話「檀君神話」の謎を解き明かす、この奇書は、柳生一族をも混乱に陥れた。が、それはまた、新たな柳生伝説の始まりを示唆する一書でもあった……。

いつかは恋を
文芸(単行本)
あの頃を、もう一度。よみがえる恋の季節。
ラブ・ロマンスに再チャレンジ。57歳の今、男と女が愛し合う。
57歳、もう、恋は過去に捨ててきたはずなのに――
夫亡き後、小さな町工場を支えてきた久美子は、タクシー・ドライバーの寺坂と知り合った。妻の顔、嫁の顔、母の顔、社長の顔。長い間、さまざまな顔を使い分けてきたが、今、恋する女の顔を取り戻し、新たな人生を歩めるだろうか。

猫のあしあと
文芸(単行本)
ベストセラー「猫にかまけて」待望の第2弾
それはそれで別にいいんだけれども、君自身そんなことでいいのか? とエルに問いかけるとエルは驚愕したようなまんまるな瞳で私を凝視し、それから、ぴょんかぴょんか、跳びながらやってきて私の手に噛みついた。――<本文より>

花合せ 濱次お役者双六
文芸(単行本)
途轍もない才能が現れた! 新人離れした筆力と、選考委員をうならせた大型新人登場。
江戸・森田座の大部屋俳優・梅村濱次が預かった朝顔の一鉢。それは、不思議な因縁の始まりだった。気品と艶香が匂い立つ長編時代小説。
第2回小説現代長編新人賞受賞作
<各選考委員 絶賛の嵐>
●石田衣良氏
殺人事件やチャンバラがなくても、時代小説は書けるのだというお手本の作。
●伊集院静氏
小説のすじがいい。艶香が匂ってくる。
●角田光代氏
すべての登場人物に魅力がある。おおらかで、独特のユーモアとあたたかみがあり、品がある。
●重松清氏
選考者の立場を忘れて夢中になって読みふけった。物語の開き方、ふくらませ方、閉じ方、いずれもみごと。
●花村萬月氏
よい意味で、まさに新人離れした作品でした。途轍もなく高レベル且つ完成度の高い作品です。

東京駅之介
文芸(単行本)
今日生きるか、明日死ぬか。
戦後の混乱のなか、東京駅で眠り、飯を食う。「団塊の世代」の少年時代。その「陰の現実」を描いた青春群像劇。
第2回小説現代長篇新人賞奨励賞作品
「選考会の中でも、今どうして戦後まもない時代を描かなくてはいけないのかが話題になった」(伊集院静氏)作品が、全選考委員の驚嘆の声から奨励賞となり、堂々、単行本刊行!
●石田衣良氏
映画化された『香水』を思わせる汚濁に満ちたスタートから異様な緊張感があった。
●伊集院静氏
題材も面白いし、文章も新鮮で登場人物のキャラクターが活き活きと浮かんできた。
●角田光代氏
大量な資料を必要としたと思うが、資料がきちんと咀嚼され作者の言葉になっている。
●重松清氏
特に物語の舞台・東京駅のにおいや湿り気を感じさせてくれる描写がいい。
●花村萬月氏
評するのが難しい。けれど強く惹かれ、私は○をつけて選考会に挑みました。

深く深く、砂に埋めて
文芸(単行本)
「今夜も、そして、明日も、あなたとこうしていたい」
ただ、本能の赴くままに、天衣無縫に生きる1人の女。そして翻弄される男たち。その行く末はあまりに惨く、悲しい結末だった。
「啓介様。メッセージ、聞きました。でも、ごめんなさい。今日はどうしても他に用事があって、そちらには行けないの。今日だけではなくて、2、3日……ううん、もしかしたら1週間は戻れないかも。ごめんなさいね。でも、淋しく思わないでね。私の代わりに、私以上にあなたのことをお世話してくれる女性を向かわせるわね。きっと、あなたの孤独を慰めてくれるはずよ。私だと思って、楽しんでね」――(本文抜粋)

書庫の母
文芸(単行本)
いまは亡き人たちへ。
生と死、現在と記憶のあわいを描いた珠玉の作品集。
書庫の暗がりに浮かぶ母の残光。その幻の光が映し出す人たちの姿。パリに消えた妹、父への想い――。家族を巡る6篇の私的短篇小説集。
転居するために書庫を整理する「僕」。残された母の蔵書に目をとめた「僕」は、その中に、もうひとりの母の姿を見つける。父のこと、歌人たちとの交流、そしてある死刑囚の存在。書庫の薄暗がりに映し出された揺れ動く心を描く表題作と「死刑囚と母」、父への想いを語る「遅い詫状」、パリに消えた妹を訪ねる「落葉」、「いもうと探し」、ほか1篇。『父の肖像』野間文芸賞受賞作家が描きだした、6篇の傑作、私的短篇小説集。

三日月
文芸(単行本)
ポップでリアルな労働ガールズ小説集
「精神的な疲労より肉体的な疲労の方が幸せだ!?」 デブ&ブスなニート・せり、生意気な不登校小学生・ルリ、高校中退勤労娘・涼子が探る、働く醍醐味とは?

ターンAガンダム 月に繭 地には果実(上)
文芸(単行本)
これぞ0(ゼロ)年代のためのガンダム。
福井晴敏×ガンダムの衝撃。
行き過ぎた戦争で、壊滅寸前まで地球を傷つけた人類。生き残った人々は、ある者達は月へ逃れて地球の治癒と帰還の時を待ち、ある者達は、月の人々の存在ごと滅亡の記憶を封印した。それから2000年後。月の民(ムーンレィス)の地球帰還作戦の先駆けとして地球に送り込まれた「献体」――少年・ロランは、「ターンA」の名を持つMS(モビルスーツ)のパイロットとして、月と地球、双方の人類を巻き込む壮大な戦火の渦に飲み込まれていく――。
『亡国のイージス』『終戦のローレライ』で日本を席巻した圧倒的才能が描ききった、文学史上最高のガンダムを目撃せよ。
福井晴敏が描く時――ガンダムは文学でも神話になる

不気味で素朴な囲われた世界
文芸(単行本)
退屈な“日常”はいらない。欲しいのは、“異常”――。
西尾維新が今再び放つ、「きみとぼく」本格ミステリ!
ともかく、そういう小説を読んでいると名探偵の非人間性というものについてよく考えさせられるのです。名探偵は殺人事件が起きれば推理し、犯人を特定します。それがミステリー小説の基本的な筋です。しかしどうでしょうね、人が死んでいるというのに暢気に推理なんかしている場合なのでしょうかね?

きみとぼくの壊れた世界
文芸(単行本)
世界に取り残された「きみとぼく」のための本格ミステリ――。
西尾維新の最高峰との呼び声も高い傑作、待望のハードカバー化。
それにしてもどうして推理小説に登場するキャラクターはこうも容易(たやす)く人を殺してしまうのだろうか。まるで足し算か引き算でもしているように、この人は邪魔、こいつ嫌い、的に殺人を起こす。どころか、色んな策を弄して奇を衒い、まるで殺人を楽しんでいるかのような有様だ。お前らは革命者か。

あじさい日記
文芸(単行本)
「あなたがどんなに隠しても、わたしにはわかる。」
「夫以外でも、誰かの腕の中で眠りに堕ちてみたいと思う。」
自分の浮気が、ここまで見抜かれていたとは……。日記に記された妻の本音を盗み読む夫。男と女の深淵を描いた文芸大作。
――(日記より)――
結婚して15年の川嶋省吾と志麻子。妻の寝室で、夫が偶然見つけた1冊の日記帳。そこに記されていたのは、男が気づかぬ女の本音だった。やがて彼女は、思いもかけぬ変貌をとげる……。

リベルタスの寓話
文芸(単行本)
進化し続ける天才、最強の新作!!
ボスニア・ヘルツェゴヴィナで、心臓以外の臓器をすべて他の事物に入れ替えられる、凄惨な切り裂き事件が起きた!
MMORPG(オンライン・ゲーム)の闇を御手洗潔が暴く!
中世クロアチアの自治都市、ドゥブロブニク。ここには、自由の象徴として尊ばれ、救世主となった「リベルタス」と呼ばれる小さなブリキ人間がいた――。ボスニア・ヘルツェゴヴィナの一都市モスタルで、心臓以外の臓器をすべて他の事物に入れ替えられるという、酸鼻をきわめる殺人事件が起きた。殺されたのはセルビア人の民族主義グループの男たちだが、なぜか対立するモスリム人の男の遺体も一緒に残されていた。民族紛争による深い爪痕と、国境を越えて侵食するオンライン・ゲームによる仮想通貨のリアル・マネー・トレード。2つの闇が交錯するとき、複雑に絡み合う悲劇が起こる。
同じく民族紛争を題材とした中編「クロアチア人の手」も同時収録

黒帯
文芸(単行本)
一子相伝、空手の継承の証を手にするのは誰か。
闘いとは、本物の自分に出会うための旅である――。
激動の時代をまっすぐに生きた、3人の男たちの物語。
まっすぐ、強く。真の強さとは何か?
「黒とは、他の色に決して染まらず、自らの信念を貫く強さを持った色である……」英賢師匠は黒帯に手をのばした。「この黒帯は、我が空手を継ぐべき者が手にするもの」義龍が、大観が、長英が息をのんで帯を見つめた。この中の誰がこの黒帯を継ぐのだろうか。――<本文より>

日曜農園
文芸(単行本)
ようこそいらっしゃいました。あなたは94567人目のどてかぼちゃです。
忽然と姿を消した父が残した畑とホームページ。萌は父をさがして、農園に立った。しずかな悲しみと再生の物語。
……夜の畑は、ずいぶん様子が違う。月光を吸い込んだハクサイが足下を冷艶に灯し、日中は光そのものである野菜たちが、影になって眠っている。噂をするように葉が擦れて、風は足音のようだった。昼の農園で見る野菜は食べるもの、夜の農園で見る野菜はひそかに生きるもののようだ。
ツルタ家のサツマイモたちは夜空にむかって元気よく葉をひらいていた。長生きするんだよ。萌は声をかけながら葉を撫でた。――<本文より>

ひぐらしのなく頃に 第二話~綿流し編~(上)
文芸(単行本)
園崎魅音、虚々実々!勝負事の女王は、何事においても負け知らず――!?
昭和58年、雛見沢村。前原圭一の前に現れた、園崎魅音の双子の妹――詩音。ミステリアスな双子と戯れながら、圭一の刺激的な学校生活はいつまでも続くと思われた――“綿流し”と呼ばれる祭りの晩に、あの“祭具殿”へ立ち入るまでは……。村の禁忌“オヤシロさま”に触れてしまった圭一と詩音の罪は、決して許される事はない……!?
かつてない恐怖、そして来るべき未来の物語(ストーリーテリング)の可能性を斬新に詰め込み、あらゆるメディアを席捲したゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント、『ひぐらしのなく頃に』の最終形態は、今ここに「小説」として結晶する――。
これぞ小説。『ひぐらしのなく頃に』の到達点にして新たな原点!