文芸(単行本)作品一覧

アサッテの人
アサッテの人
著:諏訪 哲史
文芸(単行本)
村上龍以来、約30年ぶりの快挙! 第50回群像新人賞、第137回芥川賞をダブル受賞した小説「アサッテの人」が刊行となりました。 群像新人賞では選考委員各氏が絶賛し、芥川賞では、小川洋子氏、川上弘美氏、黒井千次氏ほかの支持を得ての受賞となりました。 下記に各氏の選評を紹介します。 *一度読んで楽しむだけでなく、繰り返しめくれば、あちこちに新しい発見がある(中略)個々のエピソードが光っていて、音に身を寄せた精密な言葉送りに頭の中がからからと明るくなった。 -多和田葉子氏- *文章や構成に緊張感がありとにかく面白く読める。 -藤野千夜氏- *「アサッテ」的リズムが、なんともいえない滑稽さともの悲しさを醸し出している。 -堀江敏幸氏- *ノンセンスの馬鹿馬鹿しさと高度に知的な設計とを破綻なく共存させた力業だ。 -松浦寿輝氏- *きわめて意識的な言葉へのこだわりをもとに書かれている。そのこだわりには、一度身体ごとそれにもっていかれた人ならではの自然さがある。 -加藤典洋氏- ●本の内容 「ポンパ!」 突如失踪してしまった叔父が発する奇声! アパートに残された、叔父の荷物を引き取りに行った主人公は、そこで叔父の残した日記を見つける。 現代において小説を書く試みとは何なのか? その創作の根源にある問いに、自身の言葉を武器に格闘し、練り上げられていく言葉の運動。精緻にはり巡らされた構造と、小説としての言葉の手触りを同居させた、著者の大胆な試み。 読書家としても知られる各氏をうならせた、驚異の才能のデビュー作!
私的生活
私的生活
著:田辺 聖子
文芸(単行本)
これが日本の恋愛小説の底力。 田辺聖子「最高傑作」3部作 復刊第2弾! 結婚→離婚。乃里子33歳。わたしの私的生活は、彼に侵されてしまった。 「愛してる」よりも「もう愛してない」と告げることの、難しさ。
日本人への遺言
日本人への遺言
著:城山 三郎,著:高山 文彦
文芸(単行本)
城山三郎が日本人への思いを語る未発表対談。 大義を信じ特攻を志願した城山氏が作家になった原点=戦争・終戦・『大義の末』と、その硬骨漢が晩年声を荒げた個人情報保護法反対を結ぶ、心からの言葉の数々。
ザ・ベストミステリーズ2007
ザ・ベストミステリーズ2007
編:日本推理作家協会
文芸(単行本)
選考方法変更 小説誌15誌と、ミステリーのプロに選ばれた傑作短篇15作! 推理小説年鑑2007年版 「買って損をした」と、決して読者にはいわせない。――日本推理作家協会理事長・大沢在昌 2006年に小説誌等に発表された数多くの短篇ミステリーの中から選ばれた15篇。 2006年推理小説界の概況、ミステリー各賞の歴代受賞リストも付いた、50年を超える歴史を誇る国内唯一無二の推理年鑑です。 「罪つくり」――横山 秀夫 「ホームシックシアター」――春口 裕子 「ラスト・セッション」――蒼井 上鷹 「あなたに会いたくて」――不知火 京介 「脂肪遊戯」――桜庭 一樹 「標野にて 君が袖振る」――大崎 梢 「未来へ踏み出す足」――石持 浅海 「ラストマティーニ」――北森 鴻 「エクステ効果」――菅 浩江 「落下(おち)る」――東野 圭吾 「早朝ねはん」――門井 慶喜 「オムライス」――薬丸 岳 「スペインの靴」――三上 洸 「心あたりのある者は」――米澤 穂信 「熊王ジャック」――柳 広司
兄いもうと
兄いもうと
著:鳥越 碧
文芸(単行本)
正岡子規と律、壮絶な兄妹愛。結核で若き命を散らした俳人・子規。無償の愛で、兄を支え続けた妹の律。死病と闘う日々、兄は妹に何を伝えたのか。生きるとは――今日を諦めないこと。書き下ろし長編小説。余は今迄禅宗の所謂悟りといふ事を誤解して居た。悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思つて居たのは間違ひで、悟りといふ事はいかなる場合にも平気で生きて居る事であつた。――<正岡子規「病牀六尺」より>
グローイング・ジュニア
グローイング・ジュニア
著:内山 安雄
文芸(単行本)
IQ150の少年はドスケベでその親友は“超”純粋無垢だった。 「女性のアレ」を追い求めてデコボコ小学生コンビがおりなす友情、努力、Hの冒険物語! IQ150の小学4年生・山口春夫には親に言えない秘密がある。大人なみの知能を持つ春夫は「女性のアレ」が見たくて仕方がなかったのだ。アレが黒く塗りつぶされたヌード写真ではもはや満足できない彼は、類まれなる知能を駆使して実力行使へ。夏休みの宿題と称して純粋無垢な親友・クロちゃんとともに「アレ」の真実を探り始めた! 昭和36年と現在の北海道を舞台に、友情、初恋、家族、そして性の目覚め、男なら誰もが思春期に経験するテーマを奇想天外に描く青春小説!
9歳から99歳までの 絵本 般若心経
9歳から99歳までの 絵本 般若心経
著:瀬戸内 寂聴
文芸(単行本)
声に出して読む、なぞって書く! 体と心で楽しむ、まったく新しい般若心経。 誰の心にも届く、人が幸せになる呪文! なぞり書き練習帳セット 世界の子供たちが幸福への願いを込めて描いたイラストと、瀬戸内寂聴によるわかりやすい現代語訳のコラボレーション。 ひらがなでも読み書きができ、般若心経のもつ深遠な意味を、お子さんも一緒に考え、楽しむことができる。 なぞり書き練習帳の中身 ●ひらがななぞり書き ●一行練習帳 ●全文なぞり書き ●全文仕上げ ※筆、筆ペン、鉛筆、ボールペン、万年筆など、何で書いても練習できます。 <付録>専用お手本&豪華写経紙 まあ、やってごらんなさい。楽しいですから――瀬戸内寂聴
生きることは愛すること
生きることは愛すること
著:瀬戸内 寂聴
文芸(単行本)
瀬戸内寂聴が贈る勇気と希望のことば。 現役高校生から寄せられた数々の質問に、瀬戸内寂聴がこたえる、「生」の問答集。 ●恋と愛の違いは何ですか? ●幸福な人生とはどんな人生ですか? ●今の時代と昔、どちらがいいですか? ●自分の才能はどうやれば見つかりますか? ●戦争はまた起こりますか? ●差別やいじめをなくすには? ●ひとりで生きていくことはできませんか? ●他人に自分を理解してもらうことはできますか? ●怒りや憎しみの感情はよくないものですか? ●願いはどうしたら叶うのですか? ●生きる意味とは何ですか? ●有名になることはいいことですか? ●お金持ちと結婚したほうがいい? ――ほか 母校の高校で行われた瀬戸内寂聴の講演を特別収録。
新装版 寂庵説法
新装版 寂庵説法
著:瀬戸内 寂聴
文芸(単行本)
人はなぜ、生き、愛し、そして死ぬのか――。 命の根源を見つめながら、生について語る、瀬戸内寂聴、渾身の説法(ことば)。 大ロングセラー書が、読みやすい活字になって新装復刊! ●全13篇を収録 出逢いについて むなしさについて 幸福について 無常について 別れについて 命について 祈りについて 加持について 老いについて 愛について 怒りについて 母と子について 死について
KENZAN! vol.3
KENZAN! vol.3
著:荒山 徹,著:阿部 牧郎,著:池永 陽,著:石川 英輔,著:岩井 三四二,著:五味 康祐,著:畠中 恵,著:平岩 弓枝,著:細谷 正充,著:森福 都,著:森谷 明子,著:米村 圭伍
文芸(単行本)
熱、熱、熱。 今、時代小説は、ふつふつと沸いている。 熱い風 逆巻く波 時代小説のルネサンス 怒濤見参! ●阿部牧郎「曇天に窓があく」 ●荒山 徹「柳生大戦争」 ●池永 陽「緋色の空」 ●岩井三四二「南大門の墨壺」 ●五味康祐「真田八勇士色かがみ」 ●畠中 恵「アイスクリン強し」 ●森福 都「雲門簾」 ●森谷明子「葛野川異聞」 ●米村圭伍「山彦ハヤテ」
箕作り弥平商伝記
箕作り弥平商伝記
著:熊谷 達也
文芸(単行本)
“魂の器”を作る誇り高き職人がいた 秋田で美しい箕(み)を作る青年・弥平。持ち前の度胸と根性で、関東平野をめざして販路拡大の旅へ出た。大正末の騒乱期を舞台に、弥平の恋と理不尽な差別との闘いを描く、感動の長篇小説。
大江戸人情花火
大江戸人情花火
著:稲葉 稔
文芸(単行本)
生まれて初めて夢を見た。下町の夜空が、橙色に染まる夢を。 文庫界の新星人気作家、堂々の単行本進出! ひたすら真面目に生きてきた職人に、降って湧いた暖簾分けの話。恋女房と二人三脚で、「玉屋」を創った男の感動一代記。 「何だって応援するから。わたし、あなたの女房よ」 天下の花火屋「鍵屋」の主に新しい店を託されてから、手代だった市兵衛は死に物狂いで駆け回った。鍵屋の大番頭の妨害に悩まされながらも、新参の「玉屋」は鍵屋に追いつき追い越してゆく。いつも明るくて前向きな女房・おみつのおかげだった。
パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.7 Seventh Heaven~最上の天国~
パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.7 Seventh Heaven~最上の天国~
著:清涼院 流水
文芸(単行本)
救世主誕生 京都転覆を企む邪悪な“黒の陰陽師”の魔手が迫り来る中、エースの下した決断は――。 「きららちゃん、ぼくを殺してくれ!」 日本三大祭りにも挙げられる京都最大のイベント「祇園祭」が1ヵ月ずっと続く7月の京都で、“黒の陰陽師”たちが暗躍する気配と明かされた“救世主”の秘密に、激しくとまどうエース。お祭り騒ぎのクライマックスへ向け、予言された悲劇への残り時間は、確実に削られ続けていく。そして迎えた、「運命の1日」――エースが下した最後の決断は……!? 衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第7弾! 物語を読むだけで、“英語”と“京都”と“運命”の達人に!
刀語 第七話 悪刀・鐚
刀語 第七話 悪刀・鐚
著:西尾 維新,絵:竹
文芸(単行本)
西尾維新×竹が放つ、待ってました! の時代活劇絵巻! 天才 vs.無刀 「おれはとがめのために戦うって決めたんだ。それがおれのためでもある」 奇策士とがめと旅を続ける無刀の剣士・鑢七花を襲う、最大・最恐・最悪の試練――。刀大仏が鎮座する聖地・清涼院護剣寺で、この世で唯一血を分けた姉との、血で血を洗う死闘! 悪刀『鐚(ビタ)』を携え、七花の前に立ちはだかる姉に、七花はその剣を振り下ろせるのか――!? 刀語、第7話の対戦相手は、虚刀流不世出の天才・鑢七実(ななみ)! 衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第7弾! 西尾維新が挑む時代活劇! こんな物語を待っていた!!
電子あり
ノルゲ Norge
ノルゲ Norge
著:佐伯 一麦
文芸(単行本)
人、言葉、季節、音……、未知との出会い、意識、時間が織りなす壮大なタペストリー(長篇小説) 妻の留学に同行するため、ノルウェーに旅立った主人公。北欧の透き通った空気、太陽とともにある季節。さまざまな人びと、そして言葉との出会い。ノルウェーでの1年の体験、その心に映るものを、繊細に、大胆に、編み、織りあわせた希望の再生の物語。6年の歳月を経て、待望の刊行! ノルウェーの美術大学に留学することになった染色家の妻。その旅に同行することになった主人公。妻の主任教授・エディット、同級生・メリエッタ、同じアパートに住むリーヴ、心に傷を負った少年・エスペン。ノルウェーの小説家・ヴェーソースの小説『The Birds』を訳しながら、主人公はノルウェーでの野鳥のさえずりに興味を持ちはじめる。光り輝く北欧の夏、太陽の消える陰鬱な冬、歓喜とともに訪れる春。ノルウェーでの1年間を、自らの体験、意識をとおし、細やかに紡ぎ出した傑作長篇小説。6年の歳月を経て書き継がれた、精神の快復、そして希望の再生の物語。私小説作家の新境地。 第60回野間文芸賞受賞
エソラ vol.4
エソラ vol.4
編:小説現代編集部
文芸(単行本)
第4号刊行! 新しい物語、満載!! 14の個性が時代を変える―― すべて読み切り、書き下ろしの小説・漫画。 【小説】 伊坂幸太郎/伊藤たかみ/Oka-Chang/金原ひとみ/しまおまほ/恒川光太郎/中原昌也/仁木英之 【漫画】 五十嵐大介/カラスヤサトシ/とりのなん子/細川貂々 【翻訳】 岸本佐知子 【漫画+小説】 舞城王太郎
六月の桜 伊集院大介のレクイエム
六月の桜 伊集院大介のレクイエム
著:栗本 薫
文芸(単行本)
名探偵を迷わす禁断の恋 66歳の年の差は許されるのか!? 桜木の下で出会った老人と少女。 禁断の恋が不吉な事件を呼び起こす! 世間から孤立した大金持ちの老人と、いじめを受けて学校で孤立する少女。傷を舐め合うように2人は接近し、あってはならない関係に堕ちてゆく。――桜の狂気か情念か? やがて怪事件が伊集院を翻弄する!
ふじこさん
ふじこさん
著:大島 真寿美
文芸(単行本)
生きることをやめたかった子ども時代、ふじこさんがわたしを、救ってくれた 記憶の中できらきら輝く、運命の「出会い」の物語 「ある日、出会うの。リサはリサの宝物に」 この世には、まだ見ぬ素敵なことが、きっとある。 離婚寸前の父と母にはさまれ なにも楽しいことのない毎日を送るリサの前に現れたふじこさんは、乱暴できれいで、あっけらかんとしていて、これまでに見たことのない、へんな大人だった。 幻のデビュー作「春の手品師」を含む、著者会心の短編集
言い寄る
言い寄る
著:田辺 聖子
文芸(単行本)
これが日本の恋愛小説の底力。田辺聖子「最高傑作」3部作 30年の時を経て復刊第1弾! 愛してないのに気があう剛。初めての悦楽を教える大人の男、水野。恋、仕事。欲しいものは手にいれた、31歳の乃里子。でも、唯一心から愛した五郎にだけは、どうしても、言い寄れない。 女たちに読み継がれ男たちを震撼(?)させた快作、復刊! <女> ●復刊!? やった! 読ませたい人がいっぱい!(33歳 独身 婚約中) ●最近つくづく、「好きな人ほど言い寄れない」って、わかる……(35歳 独身 彼氏微妙) ●そういえば、私の本棚にある。ずっとある。(42歳 既婚 彼氏あり) ●何十回読み返しただろう。そのたびに発見して共感して、怖いくらい揺さぶられる。こんな小説はほかにない。(35歳 既婚 彼氏なし) <男> ●こんなの10代で読んでたの!? ……女にはかなわねー……(34歳 既婚 彼女なし) ●……色っぽい小説だね。へえ こういうの好きなんだ。(41歳 既婚 彼女あり) ●30年前に書かれたとは思えない。我々はこれで現代の女性を勉強すべきだ。(62歳 離婚 彼女あり)
ロック母
ロック母
著:角田 光代
文芸(単行本)
川端賞受賞作品(「ロック母」)収録 1992-2006 芥川賞候補作品から川端賞受賞作品まで15年にわたる代表的短編小説7編を収録 この短編集には、1992年から2006年までに書いた小説がおさめられている。これほど時間差のある小説をまとめて本にするのは、私にははじめてのことで、あっちをうろつき、引き返し、さらに迷い、今度はこっちをうろうろするような、頼りなげな足跡が、おもしろいほどくっきりと浮かび上がっているのではないか。……私はこの、迷える足跡をこそ、1冊の本にまとめたかったのだ。――<あとがきより>