文芸(単行本)作品一覧

言い寄る
文芸(単行本)
これが日本の恋愛小説の底力。田辺聖子「最高傑作」3部作
30年の時を経て復刊第1弾!
愛してないのに気があう剛。初めての悦楽を教える大人の男、水野。恋、仕事。欲しいものは手にいれた、31歳の乃里子。でも、唯一心から愛した五郎にだけは、どうしても、言い寄れない。
女たちに読み継がれ男たちを震撼(?)させた快作、復刊!
<女>
●復刊!? やった! 読ませたい人がいっぱい!(33歳 独身 婚約中)
●最近つくづく、「好きな人ほど言い寄れない」って、わかる……(35歳 独身 彼氏微妙)
●そういえば、私の本棚にある。ずっとある。(42歳 既婚 彼氏あり)
●何十回読み返しただろう。そのたびに発見して共感して、怖いくらい揺さぶられる。こんな小説はほかにない。(35歳 既婚 彼氏なし)
<男>
●こんなの10代で読んでたの!? ……女にはかなわねー……(34歳 既婚 彼女なし)
●……色っぽい小説だね。へえ こういうの好きなんだ。(41歳 既婚 彼女あり)
●30年前に書かれたとは思えない。我々はこれで現代の女性を勉強すべきだ。(62歳 離婚 彼女あり)

ロック母
文芸(単行本)
川端賞受賞作品(「ロック母」)収録
1992-2006
芥川賞候補作品から川端賞受賞作品まで15年にわたる代表的短編小説7編を収録
この短編集には、1992年から2006年までに書いた小説がおさめられている。これほど時間差のある小説をまとめて本にするのは、私にははじめてのことで、あっちをうろつき、引き返し、さらに迷い、今度はこっちをうろうろするような、頼りなげな足跡が、おもしろいほどくっきりと浮かび上がっているのではないか。……私はこの、迷える足跡をこそ、1冊の本にまとめたかったのだ。――<あとがきより>

僕の検事へ 逃亡殺人犯と女性検事の40通のメール
文芸(単行本)
追う側と追われる側、2人のメールで事実が明らかに!
メールのみで構成された、迫力あふれる犯罪心理ミステリー
話題沸騰の傑作イタリア小説
ルーカはコンピューター・セキュリティ会社社長。友人の父親からある企業向けのプログラムを依頼され納入するが、顧客専用HPに外部から侵入可能という重大な欠陥が。その後、その友人と鉢合わせし、からかわれ、車でひき殺してしまう。逃亡したルーカと女性検事の長いメールのやりとりが始まり、犯人は殺人に至った経緯を検事につづり、検事はメールでの供述をもとに捜査を進める。ハッカーの技術を駆使し自ら捜査に乗り出すルーカだが、さらなる事件も起こり、徐々に追いつめられていく……。

べろなし
文芸(単行本)
皇紀2666年(西暦2006年)。戦争はまだ続いていた。外国諸国と。そして抑圧者とも。
期待の新鋭が描く驚愕のパラレル・ワールド!
戦時統制下の中、好ましからざる情報を広めようとしてお堂に閉じ込められた老人「べろなし」。彼が落とし紙に木炭を使って書いた物語に胸を躍らせた2人の少年は、その複製本を作ろうと企んだ――。

最後の命
文芸(単行本)
芥川賞受賞後、はじめての長篇小説。
浮浪者たちに輪姦されている精神薄弱の女・やっちりを目撃した私と友人・冴木。
夜の工場跡地で体験した、暴力の光景。後日、やっちりは死体となって発見される。
少年時代に体験したひとつの死。
二人の生き方は、成長するにつれだんだんと社会から逸れていってしまう。
ある日、大人になった私のもとに冴木から電話がかかり、二人は再会する。
数日後、私が自宅に帰宅すると自分の部屋の中で、ひとりの女が死んでいた。
それは、よく指名するデリヘルのエリコだった……。
心の闇、欲望、暴力とセックス、そして人間とは何か。
暴力と人間をテーマに描く芥川賞作家が全精力を傾け、ミステリアスな物語とスピード感あふれる文章で描き出した傑作長篇小説。

とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起
文芸(単行本)
この苦が。あの苦が。すべて抜けていきますように。
「群像」連載時より大反響! 話題の<長篇詩>遂に刊行
たらちねの母といえども、生身であります。昔は小さな女の子でありました。怖いときには泣いてました。父や母や夫や王子様に、助けてもらいたいと思っておりました。何べんも助けてもらいました。父にも母にも、夫や王子様にも。でも今はだーれもおりません。父は老いて死にかけです。母も死にかけて寝たきりです。夫や王子様には、もう頼れません。このごろじゃすっかり垂れ乳で、ゆあーんゆよーんと揺すれるほどになりまして、足を踏ん張り、歯をくいしばり、ちっとも怖くないふりをして、苦に、苦に、苦に、苦また苦に、立ち向かってきたんですけど、あゝあ、ほんとに怖かったのでございます。

パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.6 Sixth Sense~第六感~
文芸(単行本)
すべて真実!
次々と明らかになる驚愕の事実に絶句するエース。まさか、これが……!?
「それじゃあ決着をつけようか、レイ」
エースの「変身」のカラクリ。金髪の美青年・レイの正体。ありえないほど愛らしい少女・明神きららの悲しい秘密。そして、謎の「ケモノのニオイ」が意味するもの――戦慄の“京都転覆計画”……! 次々に明かされる事実に、希望を絶たれるエース。認めたくない現実。しかし、すべて真実だった――。
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第6弾!
物語を読むだけで、“英語”と“京都”と“運命”の達人に!

フリクリ(下)
文芸(単行本)
光速ベスパを置いてってやる
コツさえつかめば宇宙も飛べるよ
すべての非日常の元凶、ベスパ女のハル子は家政婦としてナオ太の家にやってくる。頭から飛び出る角、そしてロボット! ナオ太の加速する非日常の果てに待っているものは……!? 書き下ろしカラーイラストを加え、入手困難だった傑作を待望のBOX化!
日本漫画界で今もっとも無謀な男・ウエダハジメ。この漫画表現、まさに破格!

刀語 第六話 双刀・鎚
文芸(単行本)
西尾維新×竹が放つ、待ってました! の時代活劇絵巻!
怪力 vs.無刀
「とがめはな――どんな苦境にあったって、自分の決断を後悔することだけはねえんだよ」
絶対凍土の地、蝦夷の踊山を彷徨う無刀の剣士・鑢七花と美貌の奇策士・とがめの前に姿を現したのは、天真爛漫な少女、凍空(いてぞら)こなゆき――! 吹きすさぶ豪雪と疾風のなか、七花が絶体絶命の危機に!! 追い詰められた真庭忍軍の切り札と、とがめを狙う謎の第三勢力の蠢動やいかに!? 前半戦、まさにここに極まれり!
衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第6弾!
西尾維新が挑む時代活劇! こんな物語を待っていた!!

灰色のダイエットコカコーラ
文芸(単行本)
家族を笑え。恋人を捨てろ。社会人を見下せ。
――だって僕には“才能”があるんだ!
ロスト・ジェネレーション(失われた十年)を代表する記念碑的傑作がついに現れた!
「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?
――さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ!

戦力外通告
文芸(単行本)
55歳リストラされた。新しい人生は、そこから始まった。
戦う男たちを救うのは、仕事? 妻? 恋? 子供? 友情?
リストラの恐怖、夫婦の危機、家族の崩壊、肉体の衰え……。悩みは山ほどあるが、まだ未来は開けているはずだ。転換期を迎えた男たちの、心の惑いを描く、渾身の長編小説。
新しい中年男の姿を模索する――。翳りがさしてきたとはいえ、まだまだ元気なのだ。その元気をもてあましている歳だとも言えるだろう。本当の戦力外通告を受けるのはもっと先のことだ。

カシオペアの丘で(下)
文芸(単行本)
大空に輝き続ける命の物語。
未来を見つめ、過去と向き合う。人生の締めくくりに俊介が伝えたものは――。
限られた生の時間のなかで、家族へのこす言葉を探すために、俊介はふるさとへ帰ってきた。幼なじみとの再会を果たし、過去の痛みを受けとめた俊介は、「王」と呼ばれた祖父とともに最後の旅に出る。

カシオペアの丘で(上)
文芸(単行本)
帰ろう、俺たちの丘へ。
『流星ワゴン』『その日のまえに』、そして――魂を刻み込んだ、3年ぶりの長篇小説。
肺の腫瘍は、やはり悪性だった――。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。封印していた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか……

作家の値段
文芸(単行本)
文学の本当の価値は、値段でわかる。
古本屋は知っている。本当に残るべき文学、消えていく文学とは?
古本の「市場原理」から文学の歴史と今を斬る――
古書を知り尽くした筆者が初めて書いたホンネ中のホンネの文学論。
古本の売価には、むろん、しかるべき根拠がある。でたらめに、値を付けているのではない。(中略) 本書は、「古本屋の作家論」といってよい。普通の読み方ではない。著書に売価をつけるための読み方である。――<あとがきより>

花降り
文芸(単行本)
歌人道浦母都子の初の小説!
あなたは純愛を信じますか? それは、甘く切なく、美しい。
ただ一度 この世を生きて 自らの いのちと思う 一人に会いぬ
魂に響く、余りにも美しい恋愛小説。

滝山コミューン一九七四
文芸(単行本)
「僕は感動した。子供たちの裏切られた共和国だ!!」――作家・高橋源一郎氏
マンモス団地の小学校を舞台に静かに深く進行した戦後日本の大転換点。たった1人の少年だけが気づいた矛盾と欺瞞の事実が、30年を経て今、明かされる。著者渾身のドキュメンタリー
東京都下の団地の日常の中で、1人の少年が苦悩しつづけた、自由と民主主義のテーマ。受験勉強と「みんな平等」のディレンマの中で、学校の現場で失われていったものとは何か? そして、戦後社会の虚像が生んだ理想と現実、社会そのものの意味とは何か?
2007年、今の「日本」は、1974年の日常の中から始まった。
第30回 講談社ノンフィクション賞受賞

遭難、
文芸(単行本)
「トラウマ」のせい? 単なる「嘘つき」?
鶴屋南北戯曲賞、最年少受賞! 放課後の職員室。乗り込んできたのは自殺未遂の生徒の母親。「諸悪の根源」は誰なのか? 本谷有希子の話題の戯曲を完全収録。

中原の虹 第三巻
文芸(単行本)
革命の果てに、北京、落城す。
あまりに幼き最後の皇帝。西太后の遺志は全うされるのか。
混沌の末に見える希望の光。激動の中国歴史ロマン、白熱!
「革命だと? そんなものァ、俺様の知ったこっちゃねえ」
相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満洲では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき――。
龍玉を握る張作霖は乱世を突き進み、新しい時代が、強き者の手で拓かれる。
第42回吉川英治文学賞受賞

6時間後に君は死ぬ
文芸(単行本)
回りつづける運命の時計――未来を賭けた戦いが始まる!
稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のカウントダウン・ミステリー
運命の岐路に迷う時、1人の予言者が現れる。
「6時間後に君は死ぬ」。街で出会った見知らぬ青年に予言をされた美緒。信じられるのは誰なのか。「運命」を変えることはできるのか。
未来は決まってなんかいない 明日を信じて、進むだけ――

ミノタウロス
文芸(単行本)
革命。破壊。文学。
「圧倒的筆力、などというありきたりな賛辞は当たらない。これを現代の日本人が著したという事実が、すでに事件だ」――福井晴敏氏
20世紀初頭、ロシア。人にも獣にもなりきれないミノタウロスの子らが、凍える時代を疾走する。――文学のルネッサンスを告げる著者渾身の大河小説。
第29回吉川英治文学新人賞受賞