文芸(単行本)作品一覧
木枯しの手帳
文芸(単行本)
愛、死、別れ。人生の機微を描く佳篇九篇。母の死と祖父の事績、中学時代の担任との不愉快な再会、幾人かの女との出会いと別れ、元トップ屋の訃報に接しての感懐など、黒岩文学の原点をなす珠玉の作品集。

盗聴
文芸(単行本)
今、注目の気鋭作家の秀作ミステリー5編
盗聴──違法電波から聞こえてきた殺人現場の音。[狩り]に出た盗聴器ハンターが都会の夜を駆ける。
再会──黒く塗り潰された電話のメモ。再会した同級生の中に、妻を死の淵へ追いやった者がいる?
漏水──新築したばかりの家を訪れた怪しげな男。漏水調査係と名乗るが、男には別の目的が……。
タンデム──ライダーの命を奪い、男女の仲を引き裂いた1本のワイヤーロープ。暴走族グループの犯行か。
私に向かない職業──ナイフで刺された男を見て、私は立ち尽くした。組事務所の屋上を訪れたしがない探偵のとる道は!?
夢見る貝の伝記
文芸(単行本)
芥川賞作家のみずみずしい感性による長篇!七歳の姉が貯水池に落ちて死んだ夏の日、あの事故は果して本当にあったことなのだろうか?そして黒人リ-グの伝説的巨人の打った球の行方は?待望の傑作長篇。
時のほとりで
文芸(単行本)
時のほとりで人生を見据える確かな眼差し。思い屈する時、春を待つ一本の樹に自身を託す。移りゆく時のなかで、人生と日常をみつめ、旅、オペラ、小さいものを愛し出逢ったひととの交流を綴るエッセイ集。

泉光院江戸旅日記
文芸(単行本)
文化文政の6年間、南は鹿児島から北は秋田まで日本を歩き回った僧・泉光院の見聞記
黄金の麒麟 異聞八百屋お七
文芸(単行本)
悪の残虐、正義の拷問。面白時代小説決定版江戸の夜空を紅蓮の炎にそめた天和のお七火事。犯人・お七の処刑をめぐってからみあう悪と善。濃厚なサディズムと時代小説の王道を行くチャンバラの魅力。書下し
森の人
文芸(単行本)
樹木をめぐるユニークな連作、出色の10篇連続婦女暴行殺人犯として逮捕された元級友を、かつて共に郊外の雑木林で遊んだ記憶を折り交ぜながら描く表題作の他、樹木をモチーフにした出色の連作短篇10篇
海潮音
文芸(単行本)
本能寺の変の直後、堺の冒険商人を描く傑作堺に生まれ、父を信長に殺された若き日の伊丹屋助四郎の成長を動乱の歴史のなかでとらえ、ひとりの国際人の活力にあふれた海陸の行動をダイナミックに描く長篇!
恋に散りぬ
文芸(単行本)
裂れた愛を取戻そうと苦悩する武家の女たち藩政の渦に巻込まれ、毎夜外出し、かまってもくれぬ夫に焦立つ新妻。姑の嫉妬で夫との間を裂れた幼な妻。下級武士の妻たちの愛の葛藤を描く8篇を収録。
人生のうた
文芸(単行本)
激辛評論家の原点を明かす文学的エッセイ!石川啄木と田中角栄の共通点は?俵万智と『心の花』、正岡子規と田中秀征の母……。著者が長年愛誦してきた短歌や俳句で男と女の心情を書き綴った人生のうた。

近代日本の百冊を選ぶ
文芸(単行本)
近代100年の「面白い名著」100冊
本好きの人に応える絶好のガイダンス
本書の特色
いま読んで面白い名著を選んでいる。
政治・経済・自然科学・文学・漫画にいたるまで、あらゆるジャンルに目配りしている。
芥川龍之介・志賀直哉・川端康成・三島由紀夫などの作品を選ばない見識を示している。
多彩な執筆陣による内容解説が充実している。

聖域
文芸(単行本)
関わった者たちを破滅へ導くという未完の原稿「聖域」。1人の文芸編集者が偶然見つけるが、得体の知れぬ魅力を秘めた世界へ引きずりこまれる。この小説を完成させようと、失踪した女流作家・水名川泉(みながわせん)の行方を捜し求めるその男は、「聖域」の舞台である東北へ辿りつく。山本賞・直木賞受賞作家の長編サスペンス。
夢とロマンの共和国
文芸(単行本)
行動する作家・森村誠一の最新エッセイ集!評論・解説・対談、反戦・政治・憲法、人生・恋愛、そして山・旅・食物etc…。多岐にわたり、著者のすべてをジャンル別に披瀝した、ファン待望のエッセイ集。
半日寂寞
文芸(単行本)
人々の心に響く音に耳を澄ます特別随筆集。社会生活の表面にうかぶ音のもっと深みにたたえられた人間の謎。「日経新聞」連載中から評判の特別エッセイだが、筆者の視線は文学の奥、人々の死生観に届く。

百恋一首
文芸(単行本)
王朝の時代とうた心を紹介するエッセイ集。恋に生き、愛をうたって詠みつがれてきた和歌の数々の中から24首をとりあげ、その読み人と恋の諸相をやさしく綴る。藤原道信、大海人皇子、小野小町等々。
王朝の時代とうた心を紹介するエッセイ集。恋に生き、愛をうたって詠みつがれてきた和歌の数々の中から24首をとりあげ、その読み人と恋の諸相をやさしく綴る。藤原道信、大海人皇子、小野小町、王等々。
ドラキュラ公
文芸(単行本)
ドラキュラのモデル・ヴラドへの香華の書。’12年、ロンドン。「吸血鬼ドラキュラ」の著者スト-カ-のもとを異国の青年が突如訪れ、三夜にわたって物語ったワラキア公ヴラドの生涯とは。菊地秀行氏推薦

伊集院大介の新冒険
文芸(単行本)
都会の稀薄な人間関係の中で起こる不可解殺人。事件の核心を見抜く伊集院大介の慧眼!人気シリーズ最新作7篇。
平和で小綺麗なだけが取り柄の新興住宅地から、主婦と娘が蒸発した――2つの死体を後に残して……。それまでお互いに無関心だった住人達が、事件について情報交換をし始める姿を眺めながら、若き伊集院大介は何を想うのか?――「顔のない街」より
糧断
文芸(単行本)
コメ開放が含む真の危機を抉る衝撃的作品。人工種子で世界の食糧制覇を企む米企業。陰謀を暴かんとする日本の大物政治家と研究者。日米を舞台に「食糧危機」をテ-マにサスペンスで演出した異色の情報小説

朝の歓び(下)
文芸(単行本)
生きてるってことは、朝。夜はいつか、朝になる。
かけちがえたボタンを外そう──良介の言葉に、日出子は両手を広げて答えた……「じゃあ、全部外して」
「奥さんが死んで、私に逢いに来た。そう思ったとき、血がたぎったの」「どうして?」「うんと困らせてやろうって気持ちが半分。やっぱり私を忘れられなかったんだって歓びが半分。どっちも、女にとったら、眠ってた血がたぎるようなことよ」日出子は、体をゆっくり動かして、自分の胸から上を、良介の腕の下にもぐり込ませた。

朝の歓び(上)
文芸(単行本)
おはようって、素敵な言葉。気が遠くなるくらい。
妻を亡くした良介と再会した日出子。互いに隠しごとを秘め、ふたりはイタリアへの旅の途にあった……。
「4年前、私に足りなかったものが何かを、私、やっと、わかってきたの。私には、感謝する心ってのがなかったの。いつも、リョウに、ひどいめにあわされてるって思ってたわ」「日出子は、4年前、理不尽な立場に置かれてたよ。いまもそうかもしれない」日出子は、ここは日本ではないのだからと言い、良介の唇に自分のそれを軽く重ねた。