講談社文庫作品一覧

十津川警部 箱根バイパスの罠
講談社文庫
新宿のホテルで黒沢美佐男という男が毒殺された。捜査が難航する中、十津川警部は、事件の二ヵ月前、新聞に「あなたは、黒沢美佐男を知っていますか?」という奇妙な広告が載っていたのを見つける。広告の意図は何? 被害者は何者? 広告主が犯人なのか? 深まる謎を解決するため、十津川は掟破りの罠を張る!

サウスバウンド
講談社文庫
父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。

零崎人識の人間関係 零崎双識との関係
講談社文庫
零崎人識、十七歳。もっとも自由だった全盛期の春。“呪い名”六名の寄せ集め、裏切同盟と兄・双識との戦闘に否応なく巻き込まれる。

新装版 朝の歓び(下)
講談社文庫
ボタンのかけ違いでもう会わないと決めた良介と日出子。親友の内海から愛人が妊娠したという相談を受け、ゴルフの師と仰ぐ大垣老人からは思いがけない過去を打ち明けられる。亡き妻に似てきた娘、登校拒否の息子、そして別れた二人の思いは? 人生における朝と夜、人間の幸福について問う傑作長編小説。

新装版 朝の歓び(上)
講談社文庫
妻を亡くした良介は、会社を辞めたことを子供たちに告げないまま旅に出た。昔愛した日出子の故郷を訪ねて再会した二人は、彼女が学生時代に旅行先で出会った少年の成長を確かめるためにイタリアへと旅立つ。それは良介にとっては父親と喧嘩して出奔しローマで暮らす兄と再会するための旅でもあった……。

ドッグ・ラン!
講談社文庫
夢から覚めた探偵・鯉沼と鷹羽の首に時限爆弾が仕掛けられていた。依頼を果たせなければ48時間で首輪が爆発するという。横浜ベイサイドを舞台に、貧乏探偵コンビと愛犬マーロウが、ヤクザ、警察、チャイニーズ・マフィアのアンダーグラウンドの抗争に巻き込まれる、ジェットコースター・アクション・ミステリー。第二回エキナカ書店大賞を受賞した『ミッドナイト・ラン!』に続く、待望の横浜事件シリーズ第2弾!
悪夢から覚めた私立探偵・鯉沼柾は相棒の鷹羽俊作と共に横浜・黄金町の旧い映画館にいた。首に時限爆弾が巻き付けられている。スクリーンに映るのは指定された銀行で指定通りの時刻に1000万円を強奪せよと言うゴリラのお面の男。約束を守れなければ48時間で首輪が爆発すという。貧乏な探偵事務所を営む二人はそんな大金を工面できるわけもなく、銀行に押し入ることを選ぶ。強盗の最中ぶつかった男とバッグを取り違え、拾って持ち帰ったバッグの中には金はなく、代わりにくまモンのぬいぐるみ。銀行の二階では殺人も行われて二人は凶悪犯として警察に追われる。川崎のヤクザが関内の事務所に二人を探しにくるが、助手の堀川陽子と愛犬マーロウがジークンドーの技と犬の牙で撃退、ぬいぐるみの中にはヤクザの秘密情報が記されたマイクロ・フィルムがあるらしい。結局、ヤクザに拉致される鯉沼と警察に確保される鷹羽……。横浜ベイサイドを舞台に、貧乏探偵コンビと愛犬マーロウが、ヤクザ、警察、チャイニーズ・マフィアのアンダーグラウンドの抗争に巻き込まれる、ジェットコースター・アクション小説。第二回エキナカ書店大賞を受賞した『ミッドナイト・ラン!』に続く、待望の横浜事件シリーズ第二弾!

零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係
講談社文庫
汀目俊希として中学校に通う零崎人識の許に友人として現れたのは、“殺し名”序列第一位、匂宮雑技団の次期エース、匂宮出夢だった。

ノクチルカ笑う
講談社文庫
死体って、光るのかな。文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て呟いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。人をつっつくこと、陥れることが趣味のイケメン沖津は、人形を造った美術部男子が光る死体の秘密を知っていると勘づく。卒業生・由良が母校の美術教師に。「由良シリーズ」待望の新作。
「死体って、光るのかな」文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て呟いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。お化け屋敷のネタがばれクラスが崩壊の危機を迎えるが、やっとのことで開催にこぎつけた文化祭。そのまっただ中、つっつくことが趣味、人を陥れることばかりを考えて生きているイケメン沖津の最大の興味は、人形を作った美術部・真名井に光る死体の秘密を聞き出すことだった。卒業生・由良彼方が美術部教師として赴任する、「由良シリーズ」最新作。

皇女の霊柩
講談社文庫
皇女和宮が降嫁の際に立ち寄った馬籠宿の脇本陣には、幻の柩が残されていた――。姪に頼まれた、人類学研究室職員の女性殺害事件の謎を追って妻籠・馬籠を訪れた浅見光彦は、彼の地でも女性が殺されていたことを知る。二つの殺人を結ぶ柩。和宮の怨念が、浅見の前に立ちはだかる。シリーズ屈指の傑作歴史ミステリー。

コミック 獣の奏者2
講談社文庫
真王の誕生日の宴で、王権の転覆を狙う〈血と穢れ〉が動いた。真王を狙った矢は王権の象徴である王獣をかすめ、護衛のイアルに突き刺さる。誰が刺客を放ったのか。疑念が王都を覆う。ジョウンと蜂ともに野山を巡り14歳になったエリンは、母と同じ獣ノ医術師を志しカザルム学舎で学び始める。そこには矢傷を負い、人間を拒む幼い王獣リランがいた。エリンはリランの命を救うため、獣と心を通わそうとする。大河コミック第二巻。

変愛小説集
講談社文庫
「愛」をつきつめていくと「変」になる。木に恋をしたり、バービー人形と真剣交際したり。奇想天外で切ない思いがつまった11篇。

プシュケの涙
講談社文庫
夏休み、補習中の教室の窓の外を女子生徒が落下していった。自殺として少女の死がひそかに葬られようとしていたとき、目撃者の男子に真相を問い詰めたのは少女と同じ美術部の由良だった。絵を描きかけのまま死ぬはずがない。平凡な高校生たちの日常が非日常に変わる瞬間を鮮烈に描いた、青春ミステリーの傑作。
夏休み、補習中の教室の外を女子生徒が落下していった。上の四階からの飛び降り自殺として少女・吉野の死が静かに葬り去られようとしていたとき、目撃者の男子・榎戸川と旭に真相を問い詰めたのは少女と同じ美術部の男子・由良彼方だった。登校拒否で授業に出ていなかった吉野は、ひそかに美術部に蝶の絵を描きに来ていたのだ。絵を描きかけのままで死ぬはずがない……やはり二人は彼女の死の真相を知っていた。彼女は自殺ではなかったのだ。少女が迎えた悲劇は自殺より更に残酷で無情だった。平凡な高校生たちの日常が非日常に変わり人間模様が陰影を織りなす瞬間を、デリケートな筆致で綴る青春ミステリ-。

妖怪極楽
講談社文庫
日本語教師の職が東京にあると聞き、田舎を飛び出してきた女子大生・花。歌舞伎町の外人ホスト・ジンジャーに催眠術をかけられ、朽ち果てそうな古いビルに連れ込まれる。そこは魑魅魍魎の魔窟「歌舞伎砦」、ジンジャーの本性は猫の妖怪だった。花は法外な高時給に誘われ、妖怪たちの日本語教師となる。いつから、なぜ、こんな場所が存在するのか? 花はついに驚くべき砦の秘密を知る。
「歌舞伎町に行って日本語教師になる」。親の猛反対を押し切って田舎から東京・新宿に来た女子大生・花。唯一のアテは謎の祖父・周蔵じいさんだ。住所を辿って行き着いた場所は新宿コマ劇場跡地、いまは「歌舞伎砦」という異名で知られるひび割れたコンクリートの魔窟だった。ぶんぶんうなる歌舞伎砦の中へ、猫耳の外人ホストに案内される花。砦は魑魅魍魎たちの巣窟で、海外から歌舞伎砦に流れ着いてきた各国の妖怪だらけだった。そして花を待ち受けていた語学クラスは、とんでもない事件が頻発して妖怪達の妖術合戦と化し、教室は大混乱。砦の秘密をさぐり、花は砦の主の元を目指す!

JAL 虚構の再生
講談社文庫
負債総額2兆3221億円。破綻したJALには多額の公的資金が投入され、「見せかけの再建劇」が演出された。その間公正な競争は歪められ、結局日本の空の国際競争力は低下するばかり。稲盛和夫CEOの経営手腕を手放しで賛美するだけでは、問題の本質を見抜けない! 世間の常識を覆す、告発のドキュメント。今、待望の文庫化!
JALはなぜ破綻し、どのように「再生」したのか?
省益を優先し、垂れ流した巨額融資を突然ストップする財務省。
批判を恐れ、債権の政府保証に逡巡する政治家。
足を引っ張りあい、リーク情報を流しあう経営トップ。
勝利なき撤退を余儀なくされていく、企業再生のプロたち。
積み上がった負債総額は、2兆3221億円――。
腐肉で膨れあがったフラッグキャリア・JALの迷走劇を、余すところなく描いた意欲作。
「JALの再生」が検証される今、待望の文庫化!

僕はビートルズ2
講談社文庫
新人賞大賞原作を「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじが完全漫画化。鮮烈にビートルズを描いた傑作を新たな装いで講談社文庫として刊行!

僕はビートルズ1
講談社文庫
新人賞大賞原作を「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじが完全漫画化。鮮烈にビートルズを描いた傑作を装いも新たに講談社文庫として刊行!

カレチ 車掌純情物語 2
講談社文庫
乗客の安全を第一に、プロの仕事を追
い求める荻野カレチ(=客扱専務
車掌)。その熱意は時に、先輩車掌や機
関士、さらには国鉄すべての運行を管理
する列車指令との衝突をも引き起こす――。
厳しさと優しさが同居する昭和の職場を
あたたかく描き、サラリーマンに圧倒
的な共感を得た名作漫画、文庫化第二弾。

カレチ 車掌純情物語 1
講談社文庫
昭和四十年代後半、激務の大阪車掌区
に所属する新米カレチ(客扱専務
車掌)の荻野憲二は、それぞれに事情を
抱えて列車に乗り込む乗客への対応に追
われながらも、国鉄マンとして成長して
いく。国鉄全盛期を舞台に、プライ
ドを賭けて職務を全うする男たちを描い
た、切なくも熱い名作漫画文庫化第一弾。

恋愛小説
講談社文庫
23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。――しかし、ついサスケと寝てしまった。健太郎と一緒にいるのが絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも好き――そんな身勝手な美緒とサスケの恋は、次第に様相が変わる。あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。
『るり姉』『しずかな日々』『その青の、その先の、』――心の襞を描く作家・椰月美智子が贈る「生きた」恋愛大河小説。
二十三歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。
――しかし、ついサスケと寝てしまった。
サスケは、実は健太郎と美緒ともともと同僚だった男の子。確かに話が合うし、一緒にいて楽しいし、昔から仲はよかったけれど、その頃は同じ会社の彼女がいた。健太郎の方がイケメンだし、育ちがいいし、家族も仲がいい。健太郎と結婚するのが、絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも、別に好きなのだ。
そしてサスケは、健太郎という彼がいるけれど、自分には今特定の彼女はいないけれど、美緒のことが大好きなのだ。
いいじゃない、気が合う同士、会いたいもの同士、会ってるだけなんだから――。
しかしそんな身勝手な美緒とサスケの恋愛は次第に、様相が変わり始める。
好意、愛情、執着、秘密、嫉妬……。人を好きになる気持ち、好きでいる気持ち、恋愛の感覚全てが書きとめられた、恋愛小説の真骨頂。 あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。

湖底の城 三 呉越春秋
講談社文庫
伍子胥は父・五奢、兄・伍尚とともに楚に仕える身だった。だが、楚王の佞臣・費無極が弄した奸計により、父と兄は誅せられてしまう。血涙を振るって危地を脱した伍子胥は、「つぎに楚都にくるときは、楚を滅ぼすときだ」と復讐を固く誓いつつ中原諸国をさすらうのだった。大河中国歴史小説の伍子胥篇、第三弾。