講談社文庫作品一覧

鏡花幻想
鏡花幻想
著:竹田 真砂子
講談社文庫
芸者出身の妻の側から幻想文学の巨匠を描く! 幻想妖美小説の祖・泉鏡花の生涯を描く野心作。ーー17歳で金沢から上京、尾崎紅葉門下生となった泉鏡花は、神楽坂の芸者・桃太郎との出会う。この出会いは、新進作家・泉鏡花の前途に大きな影響を与え、独自の文学世界を築かせる。絶対的権力をもつ師の尾崎紅葉が、この恋に猛反対した件は、のちに「婦系図」のお蔦と主税に投影される。だが、桃太郎は結局、鏡花の妻となり、苦難の鏡花を側面から支え続けた。耽美小説の祖にして幻想美の天才である泉鏡花の、原点と生涯を精密に描く、力作評伝。
電子あり
見知らぬ海へ
見知らぬ海へ
著:隆 慶一郎
講談社文庫
戦国末期、好きな釣りに出ている時、城が敵の攻撃を受け、父と兄を失った男がいた。魚釣り侍と揶揄された向井正綱だが、遺志を受け継ぎ、北条水軍との駿河湾決戦で向井水軍の長として頭角を現していく。迫力溢れる戦闘場面、戦乱の世での父と子の生き様、徳川家康をも唸らせた、海の武将を描く歴史ロマン。(講談社文庫) 戦国末期、好きな釣りに出ている時、城が敵の攻撃を受け、父と兄を失った男がいた。魚釣り侍と揶揄された向井正綱だが、遺志を受け継ぎ、北条水軍との駿河湾決戦で向井水軍の長として頭角を現していく。迫力溢れる戦闘場面、戦乱の世での父と子の生き様、徳川家康をも唸らせた、海の武将を描く歴史ロマン。
古代史紀行
古代史紀行
著:宮脇 俊三
講談社文庫
年表と地図と時刻表を手に旅する古代日本史。 鉄道と時刻表に興味を抱く旅行作家の著者が、日本の歴史を、その歴史の成り立つ順に史跡を求めて旅する。『魏志倭人伝』に紹介された対馬から、道鏡左遷の地・下野薬師寺跡まで、約500年の古代日本史の現場に立ち、歴史の舞台となった場所を実地検分した上での「臨場感ある歴史」をここに再現する。
電子あり
コミック昭和史(4)太平洋戦争前半
コミック昭和史(4)太平洋戦争前半
著:水木 しげる
講談社文庫
南太平洋に眼をむけた日本軍の快進撃も、ミッドウェー海戦を転機に終わりをつげる。やがて運命のガダルカナル島の戦いを迎える。各地で全滅、玉砕、撤退へと追いこまれる。しかし、国内では軍部への翼賛体制ができあがり、「ほしがりません 勝つまでは」の檄がとぶ。「鬼畜米英撃滅」のスローガンが舞う。 戦時体制は日ましに国民生活を圧迫していった。砂糖やマッチは配給切符がないと買えなかった。マッチは1日5本以上使ってはいけなかった。
電子あり
コミック昭和史(3)日中全面戦争~太平洋戦争開始
コミック昭和史(3)日中全面戦争~太平洋戦争開始
著:水木 しげる
講談社文庫
中国人民のねばりづよい抵抗にあい、日中戦争は膠着状態におちいった。撤退もままならぬ中で、日本の軍部は太平洋に眼をむけた。石油資源を確保するためである。大東亜共栄圏の美名のもとに作戦が練られる。開戦を避ける日米交渉も決裂。昭和16年12月8日、真珠湾に奇襲をかけ、ついに太平洋戦争へ突入。 軍統帥部からは日米交渉よりも開戦準備をという声も出始めた昭和16年9月6日開戦決意の御前会議が開かれる。
電子あり
はやぶさ新八御用帳(三) 又右衛門の女房
はやぶさ新八御用帳(三) 又右衛門の女房
著:平岩 弓枝
講談社文庫
江戸の町に地震が続き、南町奉行所内が緊張する中、高木用人は途方にくれた様子。心配する新八に、刀剣鑑定の名家に嫁いだ娘の、離縁話を打ち明ける。地震騒ぎに関係があるらしい。仲立ちに訪れた新八の眼前で、刀剣をめぐって更に大難題が持ち上がるが……。次々と起こる怪事件を捌く、好評シリーズ第3集。(講談社文庫) 江戸の町に地震が続き、南町奉行所内が緊張する中、高木用人は途方にくれた様子。心配する新八に、刀剣鑑定の名家に嫁いだ娘の、離縁話を打ち明ける。地震騒ぎに関係があるらしい。仲立ちに訪れた新八の眼前で、刀剣をめぐって更に大難題が持ち上がるが……。次々と起こる怪事件を捌く、好評シリーズ第3集。
時代小説傑作選 剣よ風を呼べ
時代小説傑作選 剣よ風を呼べ
編:日本文芸家協会,編集委員:伊藤 桂一,編集委員:尾崎 秀樹
講談社文庫
百花繚乱!大名家のお家騒動、巷をさわがす吸血鬼、江戸の風景、明治への胎動等々、読者の期待を満喫させる精鋭14作家が競う時代小説決定版。 <収録作家>井上ひさし・戸川幸夫・平岩弓枝・日影丈吉・安西篤子・白石一郎・梅本育子・藤沢周平・神坂次郎・津本陽・早乙女貢・北原亞以子・遠藤周作・泡坂妻夫
天保九年の少年群
天保九年の少年群
著:南條 範夫,解説:縄田 一男
講談社文庫
未熟な悪党達の哀歓、当世若者気質・天保版ーー賄賂と談合の横行する、腐敗した千代田城の城下で、泰平の世の中からはみ出して、浅草の貧しく仲間宿にとぐろをまく少年たち。御家人くずれの悪童、妖しい美少年、博打と女遊びに夢中の未熟なほっつき歩く放蕩者などの、単純で素朴な生と死。あくどく派手な徳川時代の世紀末に、刺激的で妙な魅力をもつ集団の消長、時代と人間の関わりを、練達の筆で暖かく描く、心に残る名作。
電子あり
幕末剣客伝
幕末剣客伝
著:津本 陽
講談社文庫
元新撰組隊士の生々流転。もう一つの維新史ーー明治5年旧暦3月はじめ、東海道・浜松宿、日暮れどき。軒を連ねる旅籠(はたご)町で、狼藉をはたらくごろつきたちの前に、ヌッと立った一人の土族。元新選組隊士・中島登。剣士の体の中を走る熱い血のたぎりは、登を東京へ向かわせた。幕末から明治へかけ、激動の時代を生きた男の、生々流転を見事に描く。もう一つの維新史。
電子あり
夢ざめの坂(下)
夢ざめの坂(下)
著:陳 舜臣,解説:権田 萬治
講談社文庫
失踪人捜しから浮かびあがる日中戦争の裏面史ーー失踪した夫探しは、浦上隆志を、はからずも日中戦争の裏面史へ引きずりこんだ……。民族抑圧に抗した明末清初の画家・八大山人への敬慕。中国の故事「銜石」に託して描く、日中戦争下の知日派中国人の苦悩。しだいに明らかとなり、上海に見えかくれする主人公半生の謎。悠々たる筆致でつづる物語は意外な展開に! <上下巻>
電子あり
夢ざめの坂(上)
夢ざめの坂(上)
著:陳 舜臣
講談社文庫
ある男の失踪。その軌跡の果てに浮かぶ謎は!? ーー「文化教室」を営む浦上隆志を訪れた初対面の女性・杉坂房子は、こともあろうに、失踪した夫を探してくれと、隆志に頼む。その夫・伊庭潤は、1年前、水墨画教室に在籍したのだという。隆志の奇妙な失踪人探しが始った……。いつかおちいる房子との恋。その語らいの中に浮びあがる隆志の生いたち。滋味溢れる推理長編。<上下巻>
電子あり
犬を飼う武士 十時半睡事件帖
犬を飼う武士 十時半睡事件帖
著:白石 一郎
講談社文庫
松林に捨てられた子犬が縁で、めぐり合った若い侍と武家の娘。犬好きの二人は、やがてほのかな愛を互いに抱くのだが、現実には二人とも意に添わない縁談に縛られ、苦悩していた。やがて二人は、武家社会の掟破りに挑む。福岡・黒田藩の総目付・十時半睡が、泰平の世に起きる武家社会の難問を裁く、シリーズの第4集。NHKでドラマ化もされた名シリーズ!
電子あり
毒婦四千年
毒婦四千年
著:柴田 錬三郎,解説:草森 紳一
講談社文庫
末喜(ばっき)、妲己(だっき)、褒ジ(ほうじ)、驪姫(りき)……。絶世の艶容、その性(さが)、残忍にして陰険。ケタはずれの中国後宮の毒婦、とりわけ武后――疑心暗鬼のままに幾千人を殺し、なお清々しい眸子と水々しさを保つ武后を、その眉をつくり化粧を施し続けた男の目を通して描く「皇后狂笑」。ほかに、西太后などを描いた7編を収録。ケタ外れのおもしろさ! 柴錬得意の中国物の世界。
電子あり
女王 卑弥呼
女王 卑弥呼
著:三枝 和子,解説:森 まゆみ
講談社文庫
血みどろの戦乱をくぐりぬけ、卑弥呼は邪馬台国の王となる。視覚にハンディを持ちながら気品と美しさを備えた女王に対して、周辺の国は並々ならぬ関心を寄せる。危い女王を全力で補佐する老将・伊支馬の奮闘と異相の愛。そして卑弥呼の決断のときが来た! 謎の王国と女王のありようを新しい視点で描き上げた、問題の秀作。九州・吉野ヶ里の海と山野に展開する古代人の争闘とロマンを大胆に描く!
電子あり
ザンギリ愚連隊
ザンギリ愚連隊
著:早乙女 貢
講談社文庫
慶応4年5月の上野彰義隊の闘いは、政権奪取をはかる薩長土に抗して、江戸の侍たちが誇りと意地を貫いた負け戦であった。新政府の下の、江戸っ子たちは変心していった……。元旗本直参で生き残った彰義隊士・奥野左京らは切歯扼腕の毎日を送っていたが、薩長の目にあまる横暴に我慢できず、怒りはついに爆発した。歴史をあざむく権力者たちに挑んだ若者の悲劇を描く、長編時代小説。上野彰義隊の残党が大あばれ!
電子あり
アンジェリク(19)謀略の影法師(下)
アンジェリク(19)謀略の影法師(下)
著:S.&A・ゴロン,訳:井上 一夫
講談社文庫
過去の陰にわけ入るケベックへの旅。 怪しい船の乗客からの恋文。果たしてそれは、敵か味方か? 船団が寄港したフランス領の入植地ターダサクで、アンジェリクの許へ1通の手紙が届けられた。「忘れることのできない、あなたのエメラルドの目……」熱い思慕の情をつづったその恋文の主は彼女と夫ペイラック伯爵の運命を握るルイ14世の特使であり、過去の世界から現れた意外な人物だった。(全26巻)
アンジェリク(18)謀略の影法師(上)
アンジェリク(18)謀略の影法師(上)
著:S.&A・ゴロン,訳:井上 一夫
講談社文庫
霧深い峡谷に隠された謀殺の罠! 危地に陥った夫を救うために、敢然と立ち上ったアンジェリク。 冬も間近いセント・ローレンス河を溯って、ペイラック伯爵の率いる船団はケベックへの旅を続ける。かつて2人を追放した祖国、フランスの領土ケベック。アンジェリクの不吉な予感の通り、敵は霧深い峡谷に、恐ろしい死の罠を用意していた。夫を救うため、彼女は敢然と敵に立ち向かうが……。(全26巻)
決戦の時(下)
決戦の時(下)
著:遠藤 周作,解説:縄田 一男
講談社文庫
男の世界は容赦も仮借もない。相手の命を奪わねば己れが殺される――ひたすら敵をあざむく策で、駿河、美濃を攻略した信長は、天運をも味方に天下布武の野望を抱く。朝倉・浅井の連合軍を破り、ついに武田軍団との決戦が迫る。秀吉、小六・将右衛門らの川筋衆の働きを新資料によって縦横に描く傑作。
決戦の時(上)
決戦の時(上)
著:遠藤 周作
講談社文庫
神をも仏も、己れの他に何も信じぬ。余は魔王になるぞ――信長18歳。うつけ者と信長を棟梁に認めぬ叔父、弟を謀殺、やがて尾張を襲うだろう大敵、今川、斉藤との勝目のない決戦に死を覚悟で挑む。内憂外患の若き信長の孤独と、唯一人心を許した年上の恋人、吉乃との交情を初めて詳細に描く歴史長編。
葦が泣く 平手造酒異聞
葦が泣く 平手造酒異聞
著:太田 蘭三,解説:磯貝 勝太郎
講談社文庫
女を泣かせ男を斬る平手造酒のニヒルな境涯天保十三年春。吉原の妓楼で暴れる浪人二人を斬った平田深喜は、その暗い人生の中で初めて剣の腕を世に知らしめた。後の平手造酒の虚無的な生き様の真因を探る!