講談社文庫作品一覧

ソフト技術者の反乱
講談社文庫
情報処理産業の将来を見通した男が、優秀なスタッフとともに、子会社の枠を破って、シンクタンク化構想に着手した。ところが、親会社はつぶしにかかる。いかにその桎梏から逃がれるか? 凄絶なたたかいが始まった。飛躍をめざすソフト技術者と、従順な子会社に抑えこもうとする首脳陣、資本内衝突を描く経済小説の傑作。『大いなる志』を改題
親会社の桎梏と闘った情報産業の旗手たち!将来を見通す能力にたけた男が、優秀なスタッフと共に子会社のシンクタンク化をめざした。ところが親会社は首切りの処置に出る。なぜか。社内衝突を描く経済小説

ミステリ-傑作選(27) 真犯人は安眠中
講談社文庫
見えない動機、絶妙の伏線、多彩な謎――選びぬかれた秀作を一堂に集めた傑作アンソロジーの定番。11人の人気作家が技を競う豪華ミステリー劇場をお楽しみ下さい。
-収録作家-高橋克彦・山崎洋子・島田荘司・中津文彦・吉村達也・伴野朗・原りょう・ジェイスン・ウッド(木村仁良)・夏樹静子・服部まゆみ・斉藤澪

越後会津殺人ル-ト
講談社文庫
十津川警部が犯人の奸計に落ちた!自分の名刺と特急券を持つ被害者の謎を追い旅に出た十津川を何が待つか?
井の頭公園に若い女性の刺殺体。彼女の所持品に十津川警部の名刺と特急の切符があったため、十津川は単身浅草発の東武特急に乗りこむ。すると女性の声で「会津若松から喜多方を経て新潟へまわれ」との電話が。その指示こそ十津川を途方もない罠に落す第1歩だった。旅情豊かな舞台で起る白熱のサスペンス。

首を売る死体
講談社文庫
秩父郊外の鬼島家。その屋敷跡で、右手に首をぶら下げた死体が発見された。調査した結果、なんと胴体と首は別人だった。数日後、新聞社に「怨みの首一つ一億円也」の怪文と女性の髪が、首屋の名前で送られてきた。この一帯を牛耳る政治家の下にも同じものが……。犯人の狙いは何か? 猟奇殺人の謎を巡る、本格的推理小説。

管理職の叛旗
講談社文庫
会社は誰のものか! ついに決起す。ワンマン経営者に叛旗を翻した管理職たちの勇気あるたたかいの行方は……。綿密な社内改革の作戦が練られる! ーー会社は誰のものか! 30年近くトップの座に君臨してきた会長の妄執と横暴に、ついに怒りが爆発。叛旗を翻した管理職たちは、社内改革に綿密な作戦計画をたてる。一方、ワンマン経営者は人事権を乱用して、切りくずしにかかる。不気味な沈黙の日が続くが、覚悟の対決は目前に迫る。<『人事権執行』改題作品>

遅番記者
講談社文庫
全裸で殺された女性5人の四肢は切断されていた。彼女たちは、なぜ簡単に男の誘いに乗ったのか。事件の謎を追う遅番記者サム・ホーンは、交通事故で亡くした妻のクレアが、上司の編集局長ルールと苦しい恋をしていたことを知った。そして――。「NYタイムズ・ブックレビュー」紙も激賞の傑作ミステリ。

お金物語
講談社文庫
金(カネ)を発明したときから、人類のさまざまな不幸せは始まった――。ひとの儲けを皮算用する「他人の懐」や相続をめぐるドタバタの「被相続人」ほか、恋愛、結婚、形見分けと、お金が生みだすペーソスを、明るく笑いのめす12編。読み出したとたん、お金の摩訶不思議な力に搦めとられていた自分を発見。笑うしかない! お金に換算するから悩みが始まる。人生をカネで眺めたパスティーシュ。人生を金に換えるといくらになる?

崩れ
講談社文庫
山の崩れの愁いと淋しさ、川の荒れの哀しさは、捨てようとして捨てられず、いとおしくさえ思いはじめて……老いて一つの種の芽吹いたままに、訊ね歩いた「崩れ」。桜島、有珠山、常願寺川……みずみずしい感性が捉えた荒廃の山河は、切なく胸に迫る。自然の崩壊に己の老いを重ね、生あるものの哀しみを見つめた名編。

アンジェリク(22)氷の都ケベック(下)
講談社文庫
春が訪れ、本国から、待望の国王の親書が。
ついに明かされた、国王の心の内。アンジェリクのとるべき道は?
ケベックにようやく春が訪れると共にアンジェリクの身辺にも矢つぎ早に事件が起こる。謎の神父が放った密使との闘い、夫ジョフレへのひそかな疑い、市の周辺まで迫ったイロコイ族の大襲撃とその和平交渉。やがて、本国から最初の船が到着し、待望のルイ14世の親書が届けられたのだが……。(全26巻)

アンジェリク(21)氷の都ケベック(中)
講談社文庫
大河は凍り、吹雪が襲う北の都の長い冬。
社交界の女王となったアンジェリク。そして、まつわりつく命の危険。
雪と氷にすっかり閉ざされたケベックの長い冬。宗教行事と華やかな催しの日々のなかで、社交界の中心人物となったアンジェリクとペイラック伯爵をめぐって、嫉妬や誘惑が渦巻くが、執拗な敵からの挑戦もつづいた。そして、ある日氷原へ遠出したアンジェリクの背後に狂気の暗殺者が忍び寄る。(全26巻)

アンジェリク(20)氷の都ケベック(上)
講談社文庫
夢に見たフランス領の都市ケベックに到着。
歓迎の群集のなかにひそみ、アンジェリクを凝視する、激しい視線。
長い間夢に見た北の都ケベック。アンジェリクと夫ペイラック伯は、ついにこのフランス領の地に到着した。奪われた過去の地位と名誉のすべてを取り戻すための伯爵の危険な賭けでもあった。盛大な歓迎、思いがけない人々との再会。だが、姿を隠した敵は、ふたりの新しい生活をじわじわと脅かす。(全26巻)

聖なる死の塔
講談社文庫
神戸の名門校・マリア女子学園で、高さ25メ-トルの塔から一人の若い修道女が転落し、不審な死をとげた。高梨洋子は、親友の不可解な死の謎を探るため、学園に駆けつけた。そして、いっけん平和そうな女の園の奥深くに、邪悪な意志と策謀を知る。学園のペットの無惨な死、女学生たちの不可解な行動、さらに続く修道女の不気味な死……。サントリーミステリー大賞読者賞の気鋭女流による、傑作推理長編。修道女を殺そうとする者がいるのか? 名門女子学園に起きた、奇怪な連続殺人事件。闇に葬られた過去の謎は? 愛と憎しみがよみがえる。

あのひとの行方
講談社文庫
私が生まれてすぐ、どんな事情があるにせよ、父親を放棄したあのひと。肉親にたよらず他人の中を泳いできた男がなぜ、最後に私を頼るのだろう。20歳になって初めて出会ったあのひとに忍びよる死の影、それを醒めた眼でみつめるポルノ女優の娘。父と娘の凄絶な生と性の有様を描いた、自伝的連作長編小説。

なまいき始め 私の転職・留学物語
講談社文庫
厳しい就職戦線を勝ち抜いて、保険会社でのOL生活が始まった。つかの間の昼休み、渋谷の街を行きかう人々を眺める私の心をよぎる思いは、いつも同じ……。このまま、こうしていていいんだろうか? 私は、まだ何もしていない! 焦りや迷いに揺れ動く、20代の心模様を鮮やかに切りとった、青春プレイバック! ここに、きっとあなたがいます。すったもんだの転職・留学奮戦記。「クリスタルは嫌いよ」でデビュ-した著者の、女20代泣き笑い日記。

抱け、そして撃て
講談社文庫
超ハードバイオレンス&エロス巨編
殺しの前に女を抱け!そして無垢な少女を殺した男に復讐の銃口を向けろ。
殺し屋業から足を洗って4年、今は新宿の場末でバーを開いている男がその日、何者かに狙撃されたが、弾は男の傍の少女に命中した。昔、男に仕事を斡旋した女は殺しを依頼した夜、必ず男とベッドで燃えた。女から過去をたどるしかない男は、怒りを胸に目に見えぬ敵に銃口を向けた。バイオレンス巨編。

第一生命広報部長からの手紙
講談社文庫
仕事と趣味の日々を語り合う、出色の往復書簡集。美術館、コンサートホールをまわり、読書を楽しみ、手紙を書き続け、しかも、会社の仕事はきちんとこなす広報部長。いつもどこか旅にいる永六輔さんと交わした手紙には、豊かな男のロマンがいっぱい。ビジネスマンはかくありたい。一つの処世、一つの人生に乾杯!

ドイツ 傷ついた風景
講談社文庫
第二次世界大戦の戦後処理、経済復興、東西統一問題に、ドイツ人はどう対処したのか。強い経済力によって、平和な生活を享受しているかのように見えるドイツ人。しかしその実体は、ユダヤ迫害に起因する自己喪失と、民族本来がもっている自信過剰・傲慢さの葛藤に苦しみ、精神分裂症に陥っている。新潮学芸賞受賞の名作。二つの過去にさいなまれる民族の悲劇とは? ドイツの全貌を描いた名作。
水晶の夜から来たスパイ
講談社文庫
ドイツ統一は是か?排外主義を巡る推理小説’89年11月、ベルリンの壁は崩れ、ドイツは歓喜の渦に包まれた。だが、その一方で取り残された旧東ドイツの治安組織が、復興の計画を密かに進めて動き出した

メリケンざむらい
講談社文庫
米田桂次郎は、万延元年(1860年)に16歳で、日米修好通商条約批准交換のための幕府遣米使節団に、通訳見習いとして随行した。アメリカ人にトミーと呼ばれる人気者で、当時の通詞の中では抜群に英語がうまくなった。帰国後はハリスに仕え、戊辰戦争で敗走。激動の時代を大正初期まで生きぬいた、米田桂次郎の波瀾の生涯。

南海の風雲児・鄭成功
講談社文庫
明朝末期の海商を父に、そして日本人を母に持った鄭成功は、海上貿易の巨利を背景に、父を屈伏させた清朝と対決する。厦門を奪って拠点にし、また台湾を占拠していたオランダを追放して、台湾解放もなし遂げた。だが、彼の願った明朝の復活は、夢に終る。17世紀に活躍した、日中混血の海将の、波瀾に満ちた生涯を、日中双方の視点で描く傑作!