講談社文庫作品一覧

ステップファザー・ステップ 新装版
講談社文庫
こんな時代だからこそ家族小説(ホームコメディ)を読みませんか?
疑似父子が挑む7つの事件。
読めば読むほど優しい気持ちになれる
傑作ハートウォーミング・ミステリー!
講談社文庫創刊50周年新装版
仕事中に屋根から落ちてしまった泥棒の俺。
大ケガした俺を助けてくれたのはその家に住む中学生の双子の兄弟だ。
ところが二人に弱みを握られた俺は、家出中の両親に代わって父親となるハメに。
家庭生活を始めた俺らを襲う七つの事件。三人で謎解きを始めたが……。
魅力的な謎とユーモアあふれた会話が彩る大傑作!

ニムロッド
講談社文庫
仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……
「すごく好きです。胸がつまって泣きそうになりました。」――島本理生さん
(TBS系毎週土曜日あさ9:30~放送中「王様のブランチ」より )
【芥川賞選考委員絶賛、選評より】
「地上から塔の頂上へと、軽々と読者を運んでいく垂直の跳躍力こそがこの作家最大の魅力である。」――吉田修一さん
「ここには小説のおもしろさすべてが詰っている。」――山田詠美さん

完パケ!
講談社文庫
たった一つのことにすべてを賭けた、あの輝かしい日々。
経営難で閉校が噂される武蔵映像大学で、卒業制作のドラマ映画を撮れるのは、たった一人。感覚の安原と理性の北川。お互いの才能を認め合いながらも性格がまったく合わない二人は、同じ題材を使ってコンペで勝負をすることに。撮影は、前途多難の幕開けとなったが――。

奇科学島の記憶 捕まえたもん勝ち!
講談社文庫
元アイドルの捜査一課刑事・七夕菊乃と変人捜査官・深海安公がバカンスに出かけたのはかつて不老不死研究が行われていたという“奇科学島”。このいわくつきの島で連続殺人が発生した!ところがこの事件、殺された被害者が生き返りもう一度動いたとしか思えない不可思議な痕跡ばかり。不老不死人間が実在したとしか思えぬ事件の真相とは? 『Q.E.D. iff -証明終了-』『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』の著者入魂の、長編ミステリ第3弾!

野良猫を尊敬した日
講談社文庫
現代を代表する人気歌人であり評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍する著者による最新エッセイ集。無邪気になれなかった子供時代、何もなかった青春、そして大人になっても未だ世界とうまく折り合えない日常。
人生、そんなに頑張らなくてもいいんじゃない?
自分らしく生きていい。ユーモアを織り交ぜて描く、ちょっと変で愛しい、魅力のエッセイ62篇。

花の下にて春死なむ 香菜里屋シリーズ1〈新装版〉
講談社文庫
人生に必要なのは、
とびっきりの料理とビール、
それから、ひとつまみの謎。
三軒茶屋の路地裏にたたずむ、ビアバー「香菜里屋」。
この店には今夜も、大切な思いを胸に秘めた人々が訪れる――。
優しく、ほろ苦い。
短編の名手が紡ぐ、不朽の名作ミステリー!
第52回日本推理作家協会賞 短編および連作短編集部門受賞作
解説 瀧井朝世
春先のまだ寒い夜。ひとり息を引き取った、俳人・片岡草魚。
俳句仲間でフリーライターの飯島七緒は、孤独な老人の秘密を解き明かすべく、
彼の故郷を訪れ――(表題作)。
バー「香菜里屋」のマスター工藤が、客が持ち込む謎を解く連作短編ミステリー。

戦時下の外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六
講談社文庫
国民に嘘をつく国家は滅びる――
佐藤優が最も尊敬する外交官が明かす、
ナチス・ドイツ崩壊の真実
日本の外交官と外務省の隅々までを知り尽くす佐藤優が、
これまでに接した当事者のなかで能力、実績、人格ともに最高に評価するのが吉野文六氏。
吉野氏は、沖縄返還において日米両政府間に密約が存在したことを、
2006年に日本側の交渉当時者として初めて明らかにした。
外交官の「職業的良心」はいかに生まれ、形成されていったのか。
・生い立ち、旧制高校時代、帝国大学での学生記者経験、行政科・司法科・外交科すべて合格した高等文官試験。
・外務省へ入省後、真珠湾攻撃前夜の太平洋を横断、たどりついた北米大陸での見聞、動乱の欧州を視察してベルリンへ。
・松岡洋右外相、野村吉三郎駐米特命全権大使らのエピソード、各在外公館でおこなわれていた諜報活動、またソ連のドイツ侵攻時に、在ベルリン大使館から南方へ避難した大島浩大使から下された決死の司令。
・1945年5月ナチス・ドイツ第三帝国が崩壊する瞬間に立ち会う。そして命を賭してシベリア鉄道横断からの帰国。
1941年から1945年にかけ、激動の欧州を目撃した青年外交官の物語。

考えろ丹太!
講談社文庫
6月のある夜、堤防から河に転落する自動車を目撃したのは、中学1年生の丹太とミチだった。現場から立ち去るバクに似た男、河口で発見された死体……。事故死と判断する警察の考え方に疑問をいだいた、丹太たち少年探偵団をとりまいて起こる怪事件。ミステリー風な物語に、人間社会の歪みと真実を見ぬく知恵をおりこんだ、現代児童文学の誕生期をかざる名作。

スメル男 新装版
講談社文庫
岡山から上京して東京の大学に通うぼく・武井武留は、母親を亡くした喪失感のためか、無嗅覚症になっていた。東大で作物の研究をしている親友・六川が、ぼくのために「臭い」の研究もしてくれるが研究所で事故死する。悲嘆にくれていると六川の恋人だったというマリノレイコが現れ、六川からぼく宛の荷物だと言ってシャーレを持ってきてくれる。マリノレイコによるとチーズの匂いがするというシャーベット状の中身に触ったときからぼくの身に異変が起こり始める。最初は犬が騒ぎ出し、次にはぼくの臭いを嗅いだ人がみんな嘔吐。住んでいるマンションに警察が調べに来たり、ついには東京都内を巻き込む異臭騒ぎにまでなってしまう。解決の糸口が見つからないまま、こんどは謎の組織に狙われることになり、なぜか味方になってくれた天才少年たちやマリノレイコといっしょの逃亡劇に!

友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の約束」
講談社文庫
大学時代までラグビーをやっていた山中伸弥は、平尾誠二にずっと憧れ続けていた。ついに叶った対面。友情を温める二人を襲ったのが、平尾誠二のガンという悲劇だった。山中が平尾の闘病に寄り添っていたという事実は、生前はほとんど知られていなかった。本書は、その二人の出会いから死別までを追う、感動のノンフィクションである。

別れの霊祠 溝猫長屋 祠之怪
講談社文庫
見習いとして働くため、ついに溝猫長屋を出た忠次たち。
だが、お多恵ちゃんの祠に手を合わせる日々が終わってからも、幽霊を「見る」「聞く」「嗅ぐ」能力は続いたまま。
本来なら下の子たちに引き継がれていくはずなのに――一体なぜ?
さらに、自称「箱入り娘」のお紺にも縁談話が持ち込まれ!?
人の良さそうな質屋と強面で評判の悪い質屋。
お紺の縁談の行方は!?
人気シリーズ、堂々完結!

神楽坂つきみ茶屋 禁断の盃と絶品江戸レシピ
講談社文庫
★★★★★講談社文庫、2021年最初の勝負作★★★★★
突然、事故死した両親に代わって、神楽坂の割烹「つきみ茶屋」を継ごうと決意する剣士。
幼馴染の翔太とワインバーへ改装しようと夢見るが、ある晩、翔太が代々伝わる“禁断の盃”で酒を飲んでしまう。
すると、豹変。
「おいおい、鮪の脂身なんざぁ、生で食ったら死ぬぜ!」
食べかけの大トロを窓から投げ捨て、見たこともない料理を作り出す。
これはまさか…江戸時代の料理!?
なんと、翔太に江戸時代の料理人・玄の魂が憑いてしまったらしい!
果たして翔太は元に戻れるのか?そして「つきみ茶屋」の行方は――。
面白さ、天下一品!笑って泣ける絶品グルメ小説第1弾!
※シリーズ第2巻は2021年5月発売予定

帰蝶さまがヤバい 1
講談社文庫
天文十七年(1548年)、世の中は群雄割拠でみなが天下統一を狙っている。もちろん美濃もそうだ。そんな折、「結婚するわ」と国主・斎藤道三の娘の帰蝶は稲葉山城で父に向かって言い放った。「なぜおまえが決めるのだ」「どうして決めてはいけないのですか?」押し問答の末、帰蝶は結婚相手が尾張の織田三郎信長だと告げる。「いやいや、ご冗談でしょう」侍女の皐月が思わず口を挟む。「でもする」とすかさず返す帰蝶。帰蝶と信長は本当に結ばれるのか──時代を先取りする夫婦魂。新機軸・恋愛歴史小説!

初めて彼を買った日
講談社文庫
もうすぐ28歳の誕生日を迎える瑞穂は、親友の里香からプレゼント代わりにあるカードをもらう。それは「クラブ・パッション」というボーイズクラブのカード。若い男の子が、1時間1万円で何でもしてくれるらしい。瑞穂は女性にとっての最高の年齢を27歳だと思いこんでいた。ところがその1年間をセックスどころかキスさえ1度もせずにあと10日で終えようとしているのだった。瑞穂は迷った末にクラブ・パッションに連絡し、ビルの高層階のレストランで相手を待った。現れたのはリョウという、大学生くらいの清潔感のある男の子だった……。大人気「娼年」シリーズのプレストーリーとなる表題作を含む8編を収めた、セックスにまつわる愉悦の世界を美しく楽しむための魅惑の短編集!

チェーン・ポイズン <新装版>
講談社文庫
「その自殺、一年待ちませんか?」
平凡な日々を送り、生きる意味を見いだせずに死を決意したOLは、「死のセールスマン」からある取り引きを持ちかけられた。
人気絶頂のバイオリニスト、陰惨な事件の被害者家族、三十代のOL。三つの自殺に不思議な関連性を見出した週刊誌記者・原田は、彼らの死の謎を追う。「それなりの人生」はつまらないのか。人が生きる意味を問いかける、驚きと感動のミステリー。

猫のハローワーク2
講談社文庫
何かに夢中になっている猫たちは、まるで何かの仕事をしているかのよう。その仕事内容を、ふたたびインタビューしました。

倒錯のロンド 完成版
講談社文庫
”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。受賞間違いなし、と自信を持って推理小説新人賞に応募しようとした作品が、何者かに盗まれてしまった! そして同タイトルの作品が受賞作に。時代の寵児になったのは、白鳥翔。山本安雄がいくら盗作を主張しても誰も信じてくれない。原作者は執念で盗作者を追いつめる。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていく衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の”原点”に位置づけられる名作、32年越しの改訂が加わった新装完成版。

追跡
講談社文庫
仇を取る。そのために生きてきた――。
大人気シリーズ「おれは一万石」「下り酒一番」の著者による、心揺さぶる涙の名作!
板前になる夢が破れた若者・磯市は身を持ち崩し、
高利貸しの手先となって厳しい取り立てを行う毎日を過ごす。
そんな時、幼馴染みのおしなと再会し、荒んだ思いを抱く。
おしなの父・菊右衛門は、深川の名店の主人。
彼には、板前仲間だった磯市の父を殺したとの噂が……。
復讐劇の結末が心を打つ、涙の名作!

奇譚蒐集家 小泉八雲 白衣の女
講談社文庫
若き日の小泉八雲が大英帝国で出会う怪異と謎。
父母を亡くし辺境の寄宿学校に編入したオーランドは、この世の怪を蒐集する少年ラフカディオ・ハーン――小泉八雲と出会う。彼の故郷アイルランドで休暇を送る二人は、死を呼ぶ≪女の妖精(バン・シー)≫があらわれる館を訪ねる。旧家に隠された一族の秘密とは。
のちに日本に帰化し、『怪談』を著す八雲若き日の青春奇譚!
仄暗い生と死の境界領域を、彷徨わざるをえない宿命を負った二人の若者。かれらが遭遇するミステリアスな事件と、その意外な真相とは?──東雅夫(解説より)

鬼棲む国、出雲 古事記異聞
講談社文庫
民俗学研究室に所属する橘樹雅は、指導教官の御子神伶二に研究テーマ・出雲について「殆ど理解できていない」と厳しく指摘される。傷つきながら現地へ旅立った雅は、出雲大社、佐太神社などを巡るうちに『古事記』や『日本書紀』の伝える出雲神話に疑問を持ちはじめる。神話に隠された「敗者の歴史」を描く歴史ミステリー。