講談社文庫作品一覧

殉教者
講談社文庫
海を越え、砂漠を進む。
主(イエス)に捧げる巡礼の旅――
400年前、聖地エルサレムを訪れた初の日本人・ペトロ岐部カスイ。
ローマで司祭となり、キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる日本に戻った男の生涯。
構想30年。
著者渾身の傑作長編!
解説 姜尚中(東京大学名誉教授)
キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期。
信仰と志を胸に、ペトロ岐部カスイは密かに長崎の港を後にした。
目指すは、聖地エルサレム。
時に水夫として海を越え、時に駱駝曳きとして沙漠を進む。
五年かけて辿り着いたローマで司祭となると、岐部は再び日本へと旅立ち――。

ツベルクリンムーチョ The cream of the notes 9
講談社文庫
森博嗣は、
ソーシャル・ディスタンスの
達人だ。
2ページで深くて面白い。
上質エッセィ100編 ! 文庫書下ろし
コロナ禍において日本人が否応なく見せつけられたものとは/
庭仕事が楽しい毎日を送っている/初めて、靴下を自分で買ってみた/
なんでも、個人の自由です ほか
社会からも人からも、いつも多めに距離を取っているベストセラ作家の目から見たコロナ禍の日本とは。もやもやしていたことが一気にクリアに見えてくる明快エッセィ100編を収録。人と同じでなくても良い、つながらなくて良い。人生が生きやすくなる言葉に満ちた、深くて楽しい人気シリーズ!
僕が小学生の頃である。(中略)当時の男の子は、道を走るクルマの車種がすべて言えるくらいカーマニアが普通だった。モデルチェンジするとTVで宣伝が流れ、そんな新型車を初めてみるだけで興奮した。「あ、新型コロナだ!」と歓喜したのである。
(p.26「コロナといえば、日産のブルーバードと競ったトヨタの人気車の名でしょう」より)

キネマの天使 レンズの奥の殺人者
講談社文庫
スクリプター・東風亜矢子。
ベテランの多い映画業界ではまだまだ若手。
人気映画監督が率いるチーム-正木組-で、現場全体を冷静に眺めることができるスクリプターゆえに、トラブル解決に奔走する日々だ。
職人気質のスタッフたちと、強烈な個性をもった役者たちと共に取り組む新作撮影もこれからが佳境――という最中、アクションシーンに欠かせないスタントマンが刺殺されてしまう。
一体誰が、何のために!?

到達不能極
講談社文庫
南極遊覧中のチャーター機がシステムダウンを起こし不時着。添乗員の望月拓海は、乗客のランディ・ベイカーと物資を探しに「到達不能極」基地へ向かう。そこは大戦中、ナチスが極秘実験を行なっていた基地だった――。過去と現代が大胆に交錯する、圧倒的スケールの第64回江戸川乱歩賞受賞作。受賞後第一作となる、表題作のスピンオフ『間氷期』も初収録。
南極×SF×冒険
第64回江戸川乱歩賞受賞作
過去と現在が、最果ての地で再会する。
スピンオフ『間氷期』初収録!!

「国境なき医師団」を見に行く
講談社文庫
大震災後のハイチで新生児の命を救う産科救急センター、中東やアフリカから難民が流れ込むギリシャの難民キャンプ支援、フィリピンのスラムで女性を守る性教育プロジェクト、南スーダンから100万人の難民が流入したウガンダでの緊急支援――。
各国のリアルな現場を訪ね大きな話題となったルポルタージュ。
Yahoo!好評連載、待望の文庫化!
※ 本書の売上の一部は「国境なき医師団」に寄付されます

緋色の囁き 〈新装改訂版〉
講談社文庫
本当の「魔女」誰――?
名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して――。
美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ「赤い記憶」の秘密。
夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?
鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。

本性
講談社文庫
「あなた、一年後に死ぬわよ」。嘘っぱちの予言から二年。
全てを吹っ切って“普通”から飛び出したサイコは、地蔵と結婚したエリと奇妙な同居生活を送っている。
ある晩二人は、浮気したという地蔵に別れを告げるべく、中目黒の道端に返しに行くが――。(超不自然主義)
人間の内なる歪さに、華麗に切り込む短編集。
★文庫書下ろしの”あとがき”も必見!★

素晴らしき世界(下)
講談社文庫
ロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードが、ハリー・ボッシュと共演。深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを分署から追いだしたバラードだったが、ある事件に興味を示す。十五歳の家出少女がハリウッドの路地で殺害されたかつての未解決事件だった。彼女はボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に取り組むが、日々の捜査にも追われ、ボッシュと別行動を余儀なくされ、思わぬ危機に直面することになる。

Cocoon2 蠱惑の焔
講談社文庫
☆☆☆白川紺子、絶賛!(『後宮の烏』『九重家献立暦』など)☆☆☆
花魁と鬼斬り、二つの顔を持つ瑠璃は、黒雲の任務で向かった祟り堂で「羽化する」鬼に遭遇する。
飛雷の一撃では仕留められない、かつてない鬼。アレは一体なぜ、今現れたのか。
黒雲以外の怪しげな退魔士の噂や、四君子と名高い花魁が相次いで失踪するなど不可解なことが続く中、瑠璃たちの前に真の敵が姿を現す!
戦う花魁シリーズ第二弾!
=====
瑠璃は、けして光の側に立って鬼を一方的に葬り去る正義のヒーローではない、ということです。立っているのは狭間です。どちらかといえば瑠璃は闇のなかにあり、もがきながら光を目指す少女にわたしには思えます。
――白川紺子(解説より)
=====

院内刑事 ザ・パンデミック
講談社文庫
<公安警察OBが大病院を守る人気シリーズの第4弾>
「絶対に医療崩壊はさせない」
新型コロナの集団感染が発生した大型クルーズ船が、横浜港に入った。
感染症のスペシャリストを擁する川崎殿町病院には次々と難題が舞い込む。
元警視庁公安の“院内刑事”廣瀬知剛は、コロナとどう戦うのか?
非常時の大病院の裏側を徹底したリアリティで描く!
【文庫書き下ろし】

世紀の愚行 太平洋戦争・日米開戦前夜 日本外交失敗の本質 リットン報告書からハル・ノートへ
講談社文庫
GDP4倍の相手に挑み、全国を焼土とし、推計戦没者軍民310万人。戦死者の約6割が病死・餓死だったという。最後通牒とされたハル・ノートをあくまで叩き台に交渉継続し、開戦回避ができれば、米ソ冷戦構造の中、20世紀中盤に重要なプレイヤーとなることも可能だった。最終局面にいたる外交交渉過程には数々の愚策が重なり、冷静で明晰な対応がとられることなく、外交という国際政治の舞台で身動きがとれなくなった遠因を満州事変後リットン調査団の訪日から遡っていく。
日露戦争後まで極めて良好だった日米関係。世論の反発により、南満州鉄道の米資本との共同経営が頓挫して以降、アメリカは日本を仮想敵国とみなしていく。日本の北進を恐れたソ連による外交的駆け引き、国際防諜活動が活発化、日中戦争の泥沼化により、軍指導部は南進策を選び、結果、開戦に踏み切ることになる。多くの国民も大陸進出や開戦の熱に浮かされ、戦時体制に進んで協力し、世論が開戦への最大の圧力ともなった。一億総玉砕を叫び、市民と兵士、英霊の膨大な犠牲のうえに立って我々は一体何を望んだのだろう。【戦後75年書下ろし】

ホサナ
講談社文庫
愛犬家が集うバーベキューパーティーが、すべての始まりだった。私と私の犬は、いつしか不条理な世界に巻き込まれていく。
「君はどんな世界を作りたいんだ」
「俺はどんな世界も作りたくない。どんな世界も作らないことが俺の目標だよ。ほおっておくと世界が作られてしまうからな」
「なにを言っているのかまったくわからない」
「いけばわかるよ。真の栄光、真のバーベキューについても」(本書より)
迷える民にもたらされた現代の超約聖書。
町田康の新たな代表作。
人間の根源を問う傑作大長編小説。
私たちを救ってください。

凪の残響 警視庁殺人分析班
講談社文庫
切断された二本の指がクランベリーソーダに沈められていた。
如月塔子は被害者救出に奔走するも、嘲笑うかのように犯人は遺体の在り処を告げる。
だが、なぜか遺体からは親指だけが見つからず、代わりに警察に対する異様な音声メッセージが残されていた。
犯人の恐ろしい狙いとは。
息もつかせぬノンストップミステリ!

ネタ元
講談社文庫
人生最大の特ダネを物にせよ!
「爆発事故発生」。
一年生記者・佐藤亜紀良は、深夜、ツイッターで奇妙なつぶやきを見つける。
しかし、消防と警察に電話しても、同僚に現地を見てもらっても、何も起きていないという。
つぶやきは単なる悪戯なのか――(「不拡散」)。
夜討ち朝駆け、タレコミ、インターネット――真実は、どこだ。
五つの時代を舞台に、特ダネを追う新聞記者たちを描いた、著者渾身の短編集!

悪魔と呼ばれた男
講談社文庫
累計700万部「心霊探偵八雲」完結後、
神永学が送る
新たなヒーローは、
この男だ――!
警視庁特殊犯罪捜査室所属・阿久津。
彼の掌は、悪を摘む。
☆☆☆
悪魔が刻む逆さ五芒星は、死の証――。
警視庁に新設された特殊犯罪捜査室。
配属された天海志津香は犯罪心理のスペシャリストとして、
捜査一課のエース・阿久津と、通称〈悪魔〉による連続殺人を追うことに。
続発する猟奇事件の裏側に国政をも揺り動かす巨大な陰謀が……。
一気読み必至の神永マジックに刮目せよ!

コンタミ 科学汚染
講談社文庫
【注意】この本には、「信じたくない」真実が含まれています。東京大学大学院出身の著者が放つ、私たちの身近に蔓延る「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンス! あなたは真実を知る覚悟はありますか?
「ニセ科学」――それは、根拠のないでたらめな科学用語をちりばめた、科学を装う「まがいもの」。大学院生の圭は、新進気鋭の生物学者・宇賀神と共に、ニセ科学批判の急先鋒である蓮見教授の元を訪ねる。そこで告げられたのは、宇賀神のライバルであり、想い人でもあった女性研究者の美冬に関する信じ難い事実だった。神秘の深海パワーで飲むだけでがんが治る、「万能深海酵母群」。「VEDY」と名付けられたニセ科学商品の開発に手を貸し、行方をくらませたのだ。
ニセ科学を扱うことは、研究者にとって「死」に等しい。なぜ彼女は悪魔の研究に手を染めたのか? 圭は宇賀神に命じられ、美冬の消息を追うが……。 すべての真相が明らかになったとき、「理性」と「感情」のジレンマが、哀しい現実を突きつける――。
新田次郎文学賞受賞作『月まで三キロ』の著者が放つ、われわれの身近に蔓延する「汚染された科学」に迫るサイエンス・サスペンスミステリー。

女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。
講談社文庫
如何にモテるか――それだけをこの胸に問い続けて、今日まで生きてきた。この本の主成分は、これまで恋に関して沈黙するしかなかった有象無象たちの涙なのだ。
「有象くん」と「無象くん」というフツーの男子大学生をはじめ、女の子たちをめぐりもろもろ事件が起きる春夏秋冬のエピソードが綴られる連作短編集。「イケメンくん」に「二番手くん」「ダンベル先輩」「抜け目なっちゃん」、「都合良男先輩」などキャラクターを強調された登場人物たちの悲喜こもごもが描かれる青春ストーリー。

おもかげ
講談社文庫
涙なくして読めない最終章。
人生という奇跡を描く著者の新たな代表作。
孤独の中で育ち、温かな家庭を築き、定年の日の帰りに地下鉄で倒れた男。
切なすぎる愛と奇跡の物語。
エリート会社員として定年まで勤め上げた竹脇は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ意識を失う。家族や友が次々に見舞いに訪れる中、竹脇の心は外へとさまよい出し、忘れていたさまざまな記憶が呼び起こされる。孤独な幼少期、幼くして亡くした息子、そして……。涙なくして読めない至高の最終章。著者会心の傑作。
時代を超えて胸を打つ不朽の名作『地下鉄(メトロ)に乗って』から25年――
浅田次郎の新たな代表作、待望の文庫化。
解説・中江有里

さんかく窓の外側は夜 映画版ノベライズ
講談社文庫
「私といれば怖くなくなりますよーー。」
書店で働く三角康介は、幼い頃から霊が見える体質に悩まされていた。
恐ろしい姿をした彼らが恐ろしく、人間と幽霊を区別するためメガネが手放せない。
ある日、書店に冷川理人と名乗る男が訪れる。
「私といれば怖くなくなりますよ」という言葉に心を動かされ、三角は冷川の”仕事”を手伝うことに。
だが、あるバラバラ殺害事件に関係する霊が、祓われる際に恐ろしい言葉を残す。
「ヒウラエリカに騙された」
ヒウラエリカとは何者なのか? なぜ、霊を”騙し”ているのか。
3人の”運命”が交わる時、東京中を巻き込む大事件が起きる。

祝葬
講談社文庫
「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは祝福してくれ」自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているという――。 簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。