講談社文庫作品一覧

食べるぞ!世界の地元メシ
講談社文庫
ネットじゃたどり着けない絶品地元料理の世界へ。
「タビメシ」の達人が、世界中のうまい!を探す。
垂涎の旅グルメエッセイ!
街なかのちょっとした食堂や一般家庭で、ガイド本に載るような名物料理を超えるウマいモノが食べられていたなんて! タビメシの達人が世界のあちこちをうろつきまわり、嗅ぎまわり、時にはトラブルに巻き込まれながらも見つけた絶品地元メシの数々。読めばきっとあなたも旅に出たくてウズウズするはず!<『腹ペコ騒動記 世界満腹食べ歩き』を改題>
<本書のお品書き>
・キューバの「コーラ缶入りプリン」
・タイの「アヒルラーメン」
・スリランカの「カレーパン」
・イタリアの「レモンピッツァ」
・オランダの「カレー味焼きそばコロッケ」
・セネガルの「チェブジェン」etc.
その他にも多数のメニュー、イラスト、旅に便利な247品ミニ解説をご用意。

脳男 新装版
講談社文庫
猟奇的な連続爆弾犯のアジトで発見された、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが……。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。
あらゆる感情が欠落した男。男の正体の解明に挑む精神科医と共に事件の核心にたどりついた刑事が見たものとは。
全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。2000年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。

ベスト8ミステリーズ2017
講談社文庫
詐欺グループの仲間割れで一千万を持ち逃げされた、老老詐欺の首謀者に届いた脅迫状。騙す側と騙される側、自分がどちらにいるのかが不意に揺らぐ、降田天「偽りの春」を始め、2017年に発表された短編推理小説のなかから、日本推理作家協会が選び抜いた8編を収録。短篇を読む楽しさを味わえる一冊。
「これさえ読めば」のベストセレクション!
「罪を犯すなんて、自分には関係のない話」
――本当に、そう言い切れますか?
ミステリーのプロが厳選した、短編推理小説の最高峰8編!

本のエンドロール
講談社文庫
本の奥付に載っている会社名の後ろには、悩みながらも自分の仕事に誇りを持ち、本を造る「人」たちがいる。豊澄印刷の営業・浦本も、日々トラブルに見舞われながら「印刷会社はメーカーだ」という矜持を持ち、本造りに携わる一人。本を愛する人たちの熱い支持を集めた物語が、特別掌編『本は必需品』を加え、待望の文庫化!

カットバック 警視庁FC2
講談社文庫
人気刑事映画のロケ現場で出た本物の死体。
夢と現のはざまに消えた犯人を追え。
警視庁地域総務課の楠木肇(くすき・はじめ)は、普段はほとんどやる気のない男。しかし、事件となると意外な才能を発揮する。
楠木が所属する特命班「FC(Film Commission)室」には、地域総務課、組対四課、交通課から個性的な面々が集まっている。
FC室が警護する人気刑事映画のロケ現場で、潜入捜査官役の俳優が脚本通りの場所で殺された。
新署長率いる大森署、捜査一課も合流し捜査を始める警察。
なんとしても撮影を続行したい俳優やロケ隊。
「現場」で命を削る者たちがせめぎ合う中、犯人を捕えることができるのか。
人気シリーズ「隠蔽捜査」の戸高刑事も登場!

バッドビート
講談社文庫
てっぺん取れなきゃ、人生じゃねえ!
幼馴染みのワタルとタカトは、ヤクザの下仕事をするチンピラ。将来の希望もなく、ぱしりとして使われながら「ここではないどこか」に行きたいと願っている。ある日、兄貴分から荷物運びを頼まれた2人。簡単な任務に思えたが、気づくと目の前には3人の遺体が――。疾走感溢れる、ノンストップミステリー。

グリーン・レクイエム 新装版
講談社文庫
幼いころに迷い込んだ山奥の洋館。そこで出会った、すいこまれるように深い緑の髪の少女に、信彦は心を奪われる。やがて時を経て再び少女――明日香に会ったとき、彼女に課せられた運命が二人をのみ込もうとする。明日香の髪に秘められた力、彼女の正体、そして帰るべき場所とは。表題作ほか、2編を収録。
恋と、運命と、SFと。
40年の時を経ても色褪せない、SFファンタジーの名作!
帰りたい。繰り返すメロディ。
帰りたい。帰りたい。あたしの故郷へ。
緑色の髪を持つ明日香の秘密、そして、帰りたい場所とは――?

さくら、さくら おとなが恋して<新装版>
講談社文庫
結婚しない人は恋をすればいい。水曜日の食事だけを男に与えられ、自分の恋に思いを馳せる女。冴えない男だったのに、いつの間にか心惹かれていることに気づく女。不倫と割り切る寂しさ、恋を恋する喜び。男と女の綾なす恋模様を、円熟味あふれる筆致で描く、大人のための12編の小説集。

螢坂 香菜里屋シリーズ3〈新装版〉
講談社文庫
ビールの苦みが、心に寄り添う夜がある――
何度でも味わいたい、極上のミステリー!
若き日の面影を探して街をさまよううち、
カメラマンの有坂祐二はビアバー《香菜里屋》に辿り着く。
十六年前に別れた恋人の名を耳にした男は、
料理上手で聞き上手のマスター工藤に心をほぐされ、
胸の奥底にしまっていた過去を語り始める。
そこには思いもよらぬ謎が――(表題作)。
連作短編ミステリーの傑作!
解説 藤田香織

真夏の旗
講談社文庫
夏の夜の小さな事件が、真治と町の人気スター・彰五を友だちにした。純粋で奔放な生き方をする彰五たちの世界は、北の港町の大人には受け入れられないが、平凡な少年・真治に、新鮮でめくるめくような夏の日々を体験させた……。やさしく繊細な目で若者たちを生き生きと描いた、三木卓の少年小説の傑作。

七まいの葉
講談社文庫
生と死、光と影の織りなす、繊細で透明な三木卓の世界を謳い上げた、短編童話集。「ふみ子のおともだち」「はなっていいな」「そらのひつじ」「コップの海」など、人間の内面を凝視し、宇宙的広がりをもつ作品7編と、「けんかして」「さようなら」「おこっている」「もうひねくれたぞ」など少年詩12編を収録。

コーチ! はげまし屋・立花ことりのクライアントファイル
講談社文庫
恋も仕事もそこそこ、流されるままに25年生きてきたことりの転職先は「はげまし屋」。求職情報で偶然見つけた、おんぼろマンションの一室にあるオンライン専門の人生相談所だ。身近には打ち明けられないひそかな悩みが、ことりの元に次々と舞い込む。新米コーチのことりにクライアントの悩みを解決できるのか?「これは経費で落ちません!」著者によるユニークオフィス小説!
《ことりが担当する悩めるクライアントたち》
いいね探しのポリアンナちゃん
ー24歳・女性・派遣社員・クリエイティブな職種に転職希望
白雪姫に恋したカサノバさん
ー45歳・男性・貿易会社経営・妻子あり・初めての失恋を経験
小説家になりたいジェインさん
ー33歳・女性・小説家志望・家庭は裕福で結婚願望なし
終わらないエイジさん
ー36歳・男性・ネットビジネススターター・行動力はあるが非常識

宿命 國松警察庁長官を狙撃した男・捜査完結
講談社文庫
警察庁長官狙撃事件は、なぜ解決できずに時効を迎えなければならなかったのか。濃厚な容疑を持つ人物が浮上していながら、なぜ、オウム真理教団の犯行に固執しなければならなかったのか。日本警察の宿命を説く第一線捜査官による衝撃の手記。
文庫版で「第九章 エージェントD」を加筆!
単行本刊行後、「協力者」から手紙が届いた。「元刑事」となった著者は、協力者との接触を図る。本当の意味での「捜査完結」に向け、緊迫の場面に臨む――。
1995年3月30日朝、東京・荒川区において、國松孝次警察庁長官が何者かに狙撃された。警視庁は、当時の社会情勢等から、オウム真理教団による組織的テロと見て、警察の威信をかけた大捜査を展開、2004年に至り、オウム真理教関係者の逮捕にこぎつける。しかし、被疑者らが起訴されることはなく捜査は迷走し、2010年3月、多くの謎を残したまま事件は時効を迎えてしまった。
実は、この捜査の陰で、濃厚な容疑を持つ人物が浮上していた。その人物は民兵組織の結成を目指した「中村泰」。中村の内偵を進めた原氏は、徹底抗戦する中村の取調べを継続し、ついに中村から、警察庁長官を狙撃した自供を引き出す。そして、その供述は、現場の状況に合致して迫真に富み、犯人しか知り得ない内容に満ちていた。原氏が率いる捜査班は、幾多の困難を克服しながら中村の捜査を推し進め、多くの証拠を蓄積していくが、中村が立件されることはなかった。
なぜ、中村の捜査は封印されたのか。警視庁幹部、警察組織、現場捜査員、被疑者、社会情勢等、様々な「宿命」が絡み合い、葬り去られた事件の真相に迫る。

一緒にお墓に入ろう
講談社文庫
六十四歳の誕生日。
銀行役員の大谷俊哉は、十年来の愛人・麗子の「お墓を買って、一緒に入ろうか」という言葉にうろたえていた。
愛人とも妻とも、とうにマンネリ。
かたや仕事でも、頭取就任は望み薄。
そんな中、田舎の母の死でお墓の問題が急浮上。
妻は夫と同じお墓には入りたくないと言い!?
痛快《終活》小説!

損料屋見鬼控え 1
講談社文庫
文政元年(1818年)、損料屋(江戸時代のレンタルショップ)巴屋の惣領息子・又十郎は17歳になってからも親から丁稚扱いをされていた。損料屋といえばいちばんの得意先は長屋。長屋から長屋への引っ越しなどではわざわざ家財道具は購入せずレンタルで済ますことが、上方ほどではないにせよ江戸でもそれなりにあった。最初の事件は巴屋の店の入っている長屋だった。大家にヘンな物音がする部屋があるので見てほしいと頼まれてついていくと、部屋の隅に見事な幽霊の姿。もともと霊感らしきものが強いとは自覚していたが、あまりに鮮明なそのお姿に又十郎は腰を抜かしてしまう。これが「事故物件」のなせる業なのか!

アンダルシア 外交官シリーズ
講談社文庫
「謎の女」「殺された男」「消せない過去」 謀略の果てに待ち受ける絶望と涙。
不屈の外交官・黒田康作が欧州を疾駆する国際サスペンス小説。
欧州の小国・アンドラで殺人事件が発生した。SOSを受けた黒田康作はバルセロナから現地へ急ぐ。
日本人女性を助けて、スペインへ戻るが、その身元には不審な点が……。
彼女を追ってアンダルシ アへ向かう黒田に危機が迫る。
フランスとスペインの国家警察を巻きこむ陰謀とは何か。大好評「外交官シリーズ」第3弾!

改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木
講談社文庫
さらし首の名所だった「暗闇坂」にそそり立つ樹齢二千年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだのか。近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは。とうてい信じられない怪事件に名探偵・御手洗潔が敢然と挑む。しかしながら真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨を極めるものだった。本格ミステリーの巨匠が精力を注いだ大傑作。

四月七日の桜 戦艦「大和」と伊藤整一の最期
講談社文庫
「特攻作戦中止」。
沈む「大和」艦上で、その命令が、多くの命を救った。
「大和」と運命を共にした司令長官・伊藤整一の
信念に満ちた生涯を描く傑作ノンフィクション!
戦艦「大和」、司令長官の生涯。
「いとしき
最愛のちとせどの――」
「大和」での出撃直前に書かれた三通の遺書。
日本海軍の中枢であまりにも厳しい戦争の現実と向き合いつづけた
伊藤を支えたのは、家族との絆だった。
貴重な資料と証言で綴る感動のノンフィクション
太平洋戦争末期、沖縄へと向かう戦艦「大和」に乗艦予定だった少尉候補生らの命を救ったのは、司令長官・伊藤整一の英断であった。九州の農家に生まれ、海軍の中枢に上り詰めた伊藤の、真珠湾攻撃以降の苦悩、「大和」での最期。信念に満ちた生涯と家族との絆を多数の証言から克明に描くノンフィクション。

邪魔(下) 新装版
講談社文庫
ついに何かが、決壊する――
奥田英朗の、大藪春彦賞受賞作。講談社文庫創刊50周年新装版!!
静かに見える毎日の暮らしに、
隠されている極限状況。
奥田英朗は、新人の頃から凄い!
夜の冷気が空から降りかかってくる。
地面も九野の体温を奪おうとしていた。
死なないでくれよ。恭子のことを思った。死ぬことはない。
自分で死ななければならないことなど、人生にはないのだ。(本文より)
どうして自分が、こんな目に。
夫への疑念が深まり、いたたまれない恭子は、仲間に誘われた会社との「団体交渉」にのめりこんでゆく。放火の容疑者を追う九野は、容疑を確信しつつ逮捕にこぎつけられない。心がぎりぎりまで追い詰められた二人の中で、何かがついに決壊する――。日常に潜む極限状況を鮮明に描く傑作。【大藪春彦賞受賞作】

邪魔(上) 新装版
講談社文庫
奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作!!
その幸福は、本物ですか?
ほんの小さなきっかけから、追い詰められてゆく人たち。
平穏な日々が、暗転するーー。
ドアホンを手に取ると「警察です」という男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。
心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。
怖がることなんか何もない。
うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。
何も起こるわけがないじゃないか。
妻を事故で亡くして以来、不眠症に悩まされている刑事・九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始めるーー。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作!