講談社文庫作品一覧

夜の明ける前に
夜の明ける前に
著:曽野 綾子,解説:外尾 登志美,装丁:菊地 信義,装画:司 修
講談社文庫
人間の生のいとなみは、いかに脆いものか。微妙な心理の揺曳をすくいあげる短編傑作選。永遠の生命を求め現実を照射するーー生死の極限に立たされたとき、人間は何を観るか。たゆたう心の奥底から、日常生活では把みえぬ真実の相貌が、少しずつ浮かびあがるにつれ、生のしたたかさにおののく。沖縄での戦争体験を語る神父の懊悩と回心を描く表題作から、戦争・病い・孤独な老境など、それぞれの裸にむかれた人間の内面を描く12編。
電子あり
斎藤道三
斎藤道三
著:桑田 忠親,装丁:菊地 信義,装画:倉橋 三郎
講談社文庫
電子あり
悪意のきれっぱし
悪意のきれっぱし
著:生島 治郎,解説:阿刀田 高,装丁:菊地 信義,装画:谷口 茂
講談社文庫
透視能力を授かった未亡人の性と哀しい運命(「死ぬほど愛して」)や、天才雀士の「眼力」の隠された秘密(「片眼の男」)など、奇妙な味の小説がたくさん。それは「センスとユーモアと恐怖と、そしてプラスアルファ」の魅力のアマルガム。――このジャンルの名手が、つぶよりの10短編の不思議な世界を贈ります。恐怖と笑いとエロチシズム、心の奥底に潜む願望と不安をえぐり出す傑作選!
電子あり
男の家計簿 雨彦のサラリーマン講座(4)
男の家計簿 雨彦のサラリーマン講座(4)
著:青木 雨彦,著:熊井 明子,装丁:菊池 信義,装画:サトウ サンペイ
講談社文庫
父は会社におもむかん。女房よ、おれはガンバルぞ! ああ雄々しき家長、サラリーマン。妻よ子よ、父は懸命に働いているのだよ! ーーサラリーマンと言う。男である。恥ずかしながら、中年である。亭主である。父親である。恥ずかしながら、中堅である。マイホームのローンと退職金の計算は、暗記している。定時に出勤し、帰宅時間はまちまちでも、必ず帰ってくる。一家を支えているつもりだが、テレビほどには中心的存在ではない。哀しいか、ご同輩!? サラリーマン講座・全5巻。
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ふしぎの国のアリス
ふしぎの国のアリス
著:L・キャロル,訳:高杉 一郎,装丁:菊地 信義,装画:舟橋 菊男
講談社文庫
川べりでうとうとしていたアリスが、チョッキを着たうさぎを追って穴にとびこむと、そこは奇妙で不思議な冒険の世界――。これまでの教訓的な児童文学とちがって、ゆめとナンセンスとことばあそびで構成され、一見子どものためのお話に思えるが、そこにもりこまれているのは真実と深い洞察。世界の児童文学の歴史であり、「ファンタジー」のジャンルを切りひらいた、夢と笑いあふれる不朽の名作。
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松風の記憶
松風の記憶
著:戸板 康二,解説:小泉 喜美子,装丁:菊地 信義,装画:小松 久子
講談社文庫
歌舞伎俳優の浅尾当次が、巡業先で変死した。早朝、人里離れた山寺に当次を呼び寄せた人物は何者か? やがて、当次には息子の当太郎のほかに、二人の隠し子がいることがわかった――。親友の老優の死の謎に挑む名探偵・中村雅楽の滋味あふれる名推理が、芸に生きる人間たちのもつれた愛憎の糸を解きほぐす、大人の味の傑作長編ミステリー。名探偵・雅楽、情理を尽くした裁きの妙!
電子あり
蜜と牙
蜜と牙
著:勝目 梓,解説:香山 二三郎,装丁:菊地 信義,装画:水原 徹
講談社文庫
義母を愛してしまった、中学3年の少年・敏彦――。ふたりの関係が濃密になるにつれて、敏彦の父に対する憎悪は、ますますふくれ上がっていく。そしてそれはある晩「まさに空に輝く勇士オリオンに啓示を受け」て、現実的な殺意へと変わる……という「オリオンの殺意」はじめ、禁じられた性と暴力のゆえに滅ぶ人間を描いた短編傑作選。表題作のほか5編を収録。
電子あり
1973年のピンボール
1973年のピンボール
著:村上 春樹,装丁:菊地 信義,装画:佐々木 マキ
講談社文庫
さようなら、3(スリー)フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との〈僕〉の日々。女の温くもりに沈む〈鼠〉の渇き。やがて来る1つの季節の終わり――『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた待望の第2弾。
自動車絶望工場
自動車絶望工場
著:鎌田 慧,解説:本多 勝一
講談社文庫
働く喜びって、なんだろう。毎日、絶望的に続くベルトコンベア作業の苛酷さ。現代の矛盾の集中的表現としての自動車は、労働の無内容さと人間の解体を満載し、排気ガス、石油資源などの諸問題を前にして、いま大転換を迫られている。自ら季節工として働いた体験を、生きいきと再現した傑作ルポタージュ。
ブラック・ジョーク大全
ブラック・ジョーク大全
著:阿刀田 高,装丁:菊地 信義,装画:畑田 国男
講談社文庫
反社会性と共に、すさまじい毒をもつのが本来のブラック・ユーモア。笑えたとしても、その笑いの裏にはゾッとする恐怖や苦々しい思い、あるいは狂気が潜んでいる。そんなジョークを、スマートに紹介してみた648編。ジョークなしでは生きられぬ現代人間に、この書は毒となるか薬となるか?
相死相愛
相死相愛
著:森村 誠一,解説:郷原 宏,装丁:菊地 信義,装画:南 正雄
講談社文庫
名探偵に乾杯
名探偵に乾杯
著:西村 京太郎
講談社文庫
遂に4人の名探偵のうち、ポアロが死んだ。その追悼会が、明智の花幻の島の別荘で開かれる。招かれたのはクイーン、メグレの他に、ポアロの親友ヘイスティングズ。そこへポアロ2世と自称する若者が現れた。彼はポアロゆずりの才智を示すべく、突発した殺人事件に首を突っこんだ。クリスティ追悼の傑作。
遠ざかる影
遠ざかる影
著:夏樹 静子,解説:永岡 正巳,装丁:菊地 信義,装画:島田 章三
講談社文庫
宝石会社の社長・龍門寺は、中国大陸からの引揚者である。佐賀の唐津に住む中谷遼子は、母親から、本当の父が龍門寺だと聞かされ、龍門寺をさがして上京する。その頃、宝石会社では、合成宝石への進出をめぐって、内紛の火が噴こうとしていた。そして殺人が……。雄大な構図と鮮やかな展開で描かれる、本格推理長編。
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飢えて狼
飢えて狼
著:志水 辰夫
講談社文庫
山登りとボート技術に長(た)けた渋谷に、最近奇妙な男たちが接触を計り始めた。その矢先、彼は海上で大型クルーザーに襲われ、又、何者かに経営する店を焼かれ店員を殺された。この突然の出来事が、国際的陰謀を孕む事件の発端であろうとは!?湘南と北方の海を舞台に男のロマンが躍動する本格冒険スパイ小説。
大滑空
大滑空
著:佐野 洋,解説:清水谷 宏,装丁:菊地 信義,装画:森 秀雄
講談社文庫
自由の翼、われにあり……。一人ソアリングを楽しんでいた私のグライダーの無線機に、突然、他機から異様な声……。私は必死に相手機をリモートコントロールして、無事着地させたが、機内には男の死体が! 大空の中で発生した不可解きわまる殺人事件を描いた「大滑空」など、佐野ミステリーの傑作6編を収録。
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優しい密室
優しい密室
著:栗本 薫,解説:麻田 実
講談社文庫
名門女子高の校内でチンピラの他殺死体が発見された。しかも現場は密室だった!?お上品な平和にはあきあきしていた森カオルは勇躍、事件の渦中へ……名探偵伊集院大介とワトソン役カオルが邂逅し事件の謎をとく好評シリーズ第2弾。著者自らの高校生活が色濃く投影され女高生の心理が躍如と描かれた秀作。
猿丸幻視行
猿丸幻視行
著:井沢 元彦,解説:中島 河太郎
講談社文庫
猿丸大夫、百人一首にも登場するこの伝説の歌人の正体は?“いろは歌”にかくされた千年の秘密とは……。眼前に展開した友人の悲劇的な死のなぞを解き明かす若き日の折口信夫の前に、意外な事実が次々に姿を現わしていく。暗号推理の楽しさも満喫させるスリリングな長編伝奇ミステリー。第26回江戸川乱歩賞受賞。
真夜中のための組曲
真夜中のための組曲
著:赤川 次郎,解説:二上 洋一
講談社文庫
ラジオの身上相談、ラッシュアワーの席の譲り合い、何の気なしにする署名……そんな些細な行為の足元に黒々と口をあけている落とし穴が!退屈で平凡な日常と背中あわせの恐怖を8つのテーマで多彩に描きわけた奇妙な味のミステリー。登場人物はサラリーマン、OL、主婦……そう、あ・な・た・です。
電子あり
密室探求 第一集
密室探求 第一集
編:鮎川 哲也,装丁:菊地 信義,装丁:玉井 ヒロテル
講談社文庫
朝ごとの花束
朝ごとの花束
著:立原 えりか,解説:浜畑 賢吉,装丁:菊地 信義,装画:渡辺 藤一
講談社文庫
いちごの酒、リラの木、レモンと蝶、森のお茶の会、星の小箱……など、鋭い感受性をやさしい心でつづった、小さなメルヘン童話集。毎朝、窓辺に届けられる、愛らしく清々しい花一輪のように、傷ついた心をなぐさめ、勇気や希望を起こし、また人生についてひっそりと語りかけてくれる好短編を、花束にまとめました。「朝風売ります」「記念撮影」など、朝の目覚めのようにさわやかで楽しい、いろどりもあざやかな童話83編。
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