講談社文庫作品一覧

病葉の踊り
病葉の踊り
著:黒岩 重吾,解説:郷原 宏,装丁:亀倉 雄策,装画:箕村 禧男
講談社文庫
旧満州の曠野に見棄てられ、死を待つばかりの重症結核患者。その幽鬼ただよう悲憤を、反戦の気するどく追求した処女作「北満病棟記」。看護士相手におどける俺を嘲笑う、女の冷やかな眼。肉体に欠陥をもつ男が過去を暴かれ、おのれの全存在を否定される恐怖を描いた表題作。ほかに、「相場師」「天穴は見えず」など7編を収録。
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奇妙な愛の物語
奇妙な愛の物語
著:落合 恵子,装丁:亀倉 雄策,装画:森 麗子
講談社文庫
唇はもっと乾いていて、その唾液は陽に暖められた枯草の香りがするにちがいない……。婚約者と唇を重ねながら、婚約者の美しい弟を獲物にしたいと願っている女子学生。しかしその満願の一夜が明けた時、少年は……。夢が壊されてゆく現実社会のそれぞれの場所で、さまざまに営まれる愛の形を感性豊かに捉えた18楽章。
電子あり
海の日曜日
海の日曜日
著:今江 祥智,解説:山下 洋輔,装丁:亀倉 雄策,装画:宇野 亜喜良
講談社文庫
銀色に輝やくマリンスノーを一目見て魅せられた三郎。少年の馬への憧れと挫折を描く! ーー目の前に銀色に輝く馬が立っていた。近くの厩舎から逃げ出したらしい。三郎はその馬、マリンスノーを一目見てすっかり魅せられてしまい、ぜひ、自分のものにしたいと心に誓ったが……。少年の馬への強い憧れと挫折をファンタスティクに描いた、今江祥智最初の書き下ろし長編小説。サンケイ児童出版文化賞受賞作品。
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おれたちはブルースしか歌わない
おれたちはブルースしか歌わない
著:西村 京太郎
講談社文庫
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お伽噺殺人事件
お伽噺殺人事件
著:斎藤 栄,解説:影山 荘一,装丁:亀倉 雄策,装画:阿部 隆夫
講談社文庫
たぬきに天誅! とは、不動産会社の社長邸放火犯が残した貼り紙。そして、仮住まいのテントに浴びせられた汚物……。それが、かちかち山をなぞる手口とわかったとき、事件は恐怖の「泥舟殺人」予告へと変貌した――。日本のお伽噺を現代の寓話におきかえ、残酷で華麗な、7つのトリックの宇宙を創世した、鬼才独創、話題の異色推理連作集。
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凶獣の島
凶獣の島
著:田中 光二,解説:瀬戸川 猛資,装丁:亀倉 雄策,装画:加藤 直之
講談社文庫
田中光二の新しい衝撃! SF+冒険小説……。狩られるのは誰か? 伊豆沖の無人島でひっそりと催されたゲームのスリルとサスペンスを痛烈なパンチで描く「凶獣の島」。冒険と悲壮美にあふれた釣り物語の「最後の渓谷」など、異常の世界に躍動する爽快さと苦さに満ちた青春を描く8編を収録する傑作短編集。
電子あり
密航船水安丸
密航船水安丸
著:新田 次郎,解説:尾崎 秀樹,装丁:亀倉 雄策,装画:熊谷 博人
講談社文庫
無償の情熱に生きた、開拓者・アメリカ及甚の劇的生涯! 待つのは栄光か悲惨か? ――1906年・明治39年、及川甚三郎が率いる82人の密航者は、宮城県の荻浜港から、帆船で新天地・カナダへ向かった……。日本人の理想郷をつくるため、あらゆる困難を乗りこえ、勇気と行動力とで、その夢の実現に生涯を賭けた、男及甚を描く長編力作。水安丸を待つのは、栄光か悲惨か?
電子あり
梅は匂い 人はこころ
梅は匂い 人はこころ
著:城山 三郎,解説:井尻 千男,装丁:亀倉 雄策,装画:野中 昇
講談社文庫
常務の彼を、多くの社員はまだ「英三さん」と呼んだ。経営者の一族でありながら、工場育ちで飾り気のない人柄がそう呼ばせた。戦後、退社を決意していた彼を会社に引き戻したのは、心情を一にしていた部下たちだった。しかし競争激化、新製品開発、流通改革の戦後史は熾烈だった。花王石鹸元社長・伊藤英三を描く傑作評伝小説。逞しくも爽やかな男の一生! 常務の彼を、社員は「英三さん」と呼んだ。経営者一族でありながら、工場育ちで飾り気のない人柄がそう呼ばせた。戦後、退社を決意していた彼を会社に引き戻したのは、心情を一にしていた部下たち。しかし競争激化、新製品開発、流通改革の戦後史は熾烈だった。花王石鹸前社長伊藤英三を描く評伝小説。
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世間知らず
世間知らず
著:田辺 聖子,装丁:亀倉 雄策,装画:小沢 良吉
講談社文庫
ハイミスほど女を深く知る年代はない、いわば女の分別ざかりだ。熟年の女心を描く秀作ーーこの年代でひとり旅をすると、宿でうさんくさく扱われる。自殺志願か、いや道ならぬ恋の片割れかもしれへんでェ……。若さがいつしかあせた女が独りで生きるとき、彼女は人生をいやというほど知らされる。そして、女の人生の深みを増してゆく。ハイミスは、女の分別ざかり。彼女たちの変幻自在な姿を巧みに描いた秀作集。
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春秋の檻 獄医立花登手控え(1)
春秋の檻 獄医立花登手控え(1)
著:藤沢 周平
講談社文庫
島送りになる若者の頼み事。無実を訴える男の正体。御家人毒殺未遂の真相。恋人を刺した女囚の愛憎。さまざまな暗い人間模様が江戸小伝馬町の牢屋に持ちこまれる。小さな罪の背後にうごめく大きな悪。心優しい青年獄医立花登が市井の人情も細やかに、柔術の妙技と推理の冴えを見せて事件を解く時代連作集。
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花と骨群
花と骨群
著:黒岩 重吾,解説:郷原 宏,装丁:亀倉 雄策,装画:箕村 禧男
講談社文庫
部下との浮気でノイローゼになった課長代理が入院。そこで、神経障害者や精神病患者たちの必死の形相にぶつかる。病いに蝕ばまれた心と体の苦悩と、〈健康な生〉への凄まじい執着を追った表題作。ほかに、「さ迷える魂」など、生きること、愛することの苦しみと悲しみを、極限に追いつめられた人間群像のうちに見た6編を収録。
電子あり
天保図録(五)
天保図録(五)
著:松本 清張,その他:亀倉 雄策,装丁:伊藤 憲治
講談社文庫
電子あり
日本の唱歌(下) 学生歌・軍歌・宗教歌篇
日本の唱歌(下) 学生歌・軍歌・宗教歌篇
編:金田一 春彦,編:安西 愛子
講談社文庫
多くの人々に歌い継がれ、時代とともに歩んできた歌……。学生歌(寮歌・校歌・応援歌)/軍歌・戦時下の歌/労働歌・平和運動歌/時の歌・行事の歌/宗教歌の各分野から、秀歌・138曲を年代順に編成し、詳細な解説を付けた決定版。<全3巻・完結>
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かぎろい頌
かぎろい頌
その他:棟方 志功,その他:保田 與重郎,装丁:亀倉 雄策,装画:棟方 志功
講談社文庫
幻の板画集! 棟方志功・保田與重郎の遺志を継いで集成、刊行! ーー日本浪曼派の総帥・保田與重郎が詠んだ和歌を、昭和23年から20余年間も彫り続けた板画家・棟方志功。棟方・保田とも鬼籍に入ったが、50作で纏める計画は遂に「未完成板画集」となった。故人の遺志を継ぎ、改めて全国的規模で調査・収集を敢行し、判明した32柵で編む、初めての作品集。 ◎棟方志功  「かぎろい頌」は、保田氏のつくられた歌を五十くらいつくって、一本にしようではないか、というので、制作にかかりました。ー(略)ーまだ未完ですが、五十首完成ののち、好きに出来たものを発表しようと思っています。<昭和31年刊『板画の道』より> ◎保田與重郎  棟方さんが私の歌を彫ったのは戦後になってからのことだが、以来、折にふれ長期にわたって、私の歌を板画にしてくれた。ー(略)ー私の歌にふれた作品は、彼の各時代の手法が現われていて、作品年譜を見るようで、おもしろい。<昭和51年刊『グッドバイ棟方志功』より>
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赤と白の賭け
赤と白の賭け
著:仁木 悦子,解説:山本 多津,装丁:野田 竜二,その他:亀倉 雄策
講談社文庫
ある日、見知らぬ老人から受けた招待、それは思いがけなくも復讐劇の始まりだった……。出世のため、ひたむきに愛してくれた娘を捨て、死に追いやった男への――。死を招く二者択一の恐怖を描く、サスペンスドラマ「赤と白の賭け」。ほかに「ひなの首」「悪漢追跡せよ」など、素人探偵活躍の6編を加えた、本格推理短編集。平々凡々の日常のなかに、ふと忍び寄ってくる7つの事件!
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結婚って何さ
結婚って何さ
著:笹沢 左保,解説:武蔵野 次郎,装丁:谷口 茂,その他:亀倉 雄策
講談社文庫
必死の逃亡者となった元OLが、恐るべき謎の殺人事件を解く、サスペンス&ロマン・ミステリーの傑作長編ーー行きずりの男と一夜をともにした女が、いつの間にか殺人事件の容疑者に仕立てられていく、その戦慄すべき罠。彼女は身内も友人もすてて、たった一人、狂わされた自分の人生をみずから修復すべく、逃亡と真犯人探索の旅へと出立する……。
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プラトン的恋愛
プラトン的恋愛
著:金井 美恵子,解説:秋山 駿,装丁:亀倉 雄策,装画:金井 久美子
講談社文庫
読者にも作品を書くことのエロティシズムを共有させる、研ぎぬかれた文学。泉鏡花賞受賞作ーーあなたの名前で発表された小説を書いたのはわたし……との書き出しで届く奇妙な手紙は、小説を発表するたびに必らず送られてきた。小説を書くことによって、初めて彼女との関係が始まるのだ……。書くことに内包されたエロティシズムの悦楽と恐怖とを、読者=作者に鋭く突きつけた、現代文学の成果。泉鏡花賞受賞作品。
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自我の構図
自我の構図
著:三浦 綾子,解説:久保田 暁一,装丁:亀倉 雄策,装画:星 一
講談社文庫
愛も許しも献身も、ついに自己本位のものでしかないのか。美貌の人妻美枝子への傾斜が、なぜ自分に苦しい境涯をしいるのか、慎一郎にはわからなかった。美枝子の夫でかれの絵の師藤島の嫉妬、そして起った衝撃的な事件。傷つけ合わねば生きてゆけぬ人間同士の姿を見つめ、鋭い問いを投げかける問題長編。
転覆 ―海運・大型乗っ取り事件―
転覆 ―海運・大型乗っ取り事件―
著:本所 次郎,解説:佐高 信,装丁:野中 昇,その他:亀倉 雄策
講談社文庫
ニクソン・ショックによる混乱と不安が、経済界を震撼させていたその年の秋、エースラインの株価が突然と火をふき、緊急役員会の席上、社長が心臓発作で急死した――三光汽船(当時河本敏夫社長)によるジャパンラインの株買占め事件の真相をモデルに、海運再編の密謀と、企業人たる男たちの凄まじい闘いを描いた、著者渾身の傑作長編
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心斎橋幻想
心斎橋幻想
著:黒岩 重吾,解説:郷原 宏,装丁:亀倉 雄策,装画:箕村 禧男
講談社文庫
堅実な生活設計を立て、誘惑に負けない決意を固めて、女ひとり、大都会での生活を始めたが……。という、聡明な娘の転落を、都会の非情さにからめて描いた、表題作。華やかなネオンの海で送る男と酒を相手の虚飾の日々。したたかに泳ぐ女、辛酸をなめる女、傷つく……。運命に翻弄される薄倖の女たちの哀歌をうたった8短編。
電子あり