講談社文庫作品一覧

江戸禁断らいぶらりい
講談社文庫

孤愁の岸(下)
講談社文庫
誰のために? 何のために? 慣れない重労働に、疫病で死ぬ者200名、巨大な権力に捨身の抗議をぶつけて屠腹する者50名。未曾有の難工事は薩摩藩士の死屍累々の上についに完成するのだが――。泥海の中に潰え去った男たちの無念に、平時のいくさの惨酷さを見事に描き切った著者の代表作。

孤愁の岸(上)
講談社文庫
財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。
財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。(講談社文庫)

天保図録(二)
講談社文庫

商戦
講談社文庫
東京大井、横浜本牧、そして神戸ポートアイランド。外貿港に建造進む巨大コンテナ埠頭を横目に、それにともなう荷役機器の利権独占をはかる、2つの商社の壮烈な肉弾戦と、友情さえも犠牲にする非情の論理と商魂で、コンテナ商戦を勝ち抜いた、エリート商社マンをモデルに、日本株式会社の先兵たちの栄光と転落を描いた、長篇企業情報小説。

あしたの貌
講談社文庫
雑誌業界の競争の陰でうごめく、男女の野望と愛。捨てられた女の決心とは? ーー女性雑誌で活躍中のスタイリスト・北山麻生が失踪? 彼女は、恋人のカメラマンと沖縄へ撮影に行ったはずだった。ところが、妹・リツ子が調べると、姉は初めから撮影に参加していないし、恋人ともうまく行っていなかった。そして、事態は意外な展開を見せ……。雑誌業界の激烈な競争と愛の表裏をからませたサスペンス秀作。

飾り窓
講談社文庫
詩人の感性と豊かな幻想とで、愛の本質を謳いつづける立原えりかの、殊玉の童話集。冬の真夜中、そこだけあかりがともっている、デパートの飾り窓。その前に立ちどまった孤独な青年に、窓の中から人形が語りかけますーーという表題作。愛に目ざめていく少年の心を描いた「ピアノのおけいこ」、一枚のハンカチがくりひろげるメルヘン「海のハンカチ」など、愛と夢を描く15編を収緑。

柊の館
講談社文庫
神戸異人館で青春を過した女性が語る恋の思い出、奇妙な殺人劇……。情趣あふれる連作推理ーー柊の樹に包まれ、神戸でも異彩を放つ「とんがり屋敷」は、イギリス系船会社の宿舎だった。そこに17歳で勤め、多くの外人たちと共に青春の充実したときを過した日本女性。彼女が語る古き良き昔の恋や奇妙な殺人劇、それは時代、人種をこえた愛憎ドラマとして清新に今よみがえる。異色の構成による、連作推理小説
まぼろしの邪馬台国
講談社文庫
邪馬台国ブームの原点となった話題の名著。失明という不幸を克服し、精緻な文献読破と夫人の献身に支えられた実地踏査をもとに邪馬台国の謎に挑む凄絶な姿。古代史研究の枠をこえた人間の書。

孤独の吠え声
講談社文庫
日本狼の烈しい闘争心と、犬の賢さをあわせもつ、ハイブリッド狼・虎毛。陸奥の大自然を舞台に、虎毛は生きるため恋のために戦いつづけ、山の覇者となる。だが、狼たちの王国は人間の手で無残に侵され、虎毛もついに罠におちる。異国の空に響く虎毛の老残の吠え声、その悽愴な旋律に滅びゆく種への哀惜をこめた、動物小説の名篇。動物文学の第一人者が絶滅した種にささげる野生のロマン!

大将とわたし
講談社文庫
「守れ、墳墓の地」を旗印に、住民の先頭に立った〈大将〉は、暴には暴、法には法で、権力の横暴と闘い抜いた……。熊本〈蜂の巣砦〉を拠点に、10余年にわたるダム反対闘争を展開した老主人公の、痛憤と痛快な闘い振りを描いた、記念碑的作品。ほかに、組合長選挙を諷刺した「△」、単行本未収録の「その箱はなぜ黒いのか」を併録。

天保図録(一)
講談社文庫

小説三井物産(下)
講談社文庫
本店米方へ抜擢され、房州での買付に成功して、昇進。軍艦への糧米納入。相場をした責めを負い、左遷。苛酷な石炭運搬船への乗組み。そして混迷の中国大陸、上海支店へ……。一企業の中の一個の人材として、山本条太郎が辿らされた波瀾の人生を中心に、「三井物産」疾風怒濤の草創期を描き、モーレツ巨大商社の原点に迫る。

小説三井物産(上)
講談社文庫
幕末から明治中期、不平等条約の足かせのもと、欧米諸国に商権を独占されていた東洋市場に、独自の企業理念と創意・根性をひっさげて、敢然と躍り出た強者たちがいた――初代社長の益田孝、横浜支店長・馬越恭平、いまだ小僧の山本条太郎……。彼らの身を粉にした奮迅の活躍と、彼らが求め貫いた「商人道」の「誠」。「三井物産」疾風怒濤の草創期をダイナミックに描きながら、巨大商社の原点に迫る力作。〈上下 全二巻〉

薩摩軍法
講談社文庫

闇の歯車
講談社文庫
屈託ありげに黙々とのむ常連。浪人に遊び人、老隠居に商家の若旦那。そしてこの4人につきまとう謎の男。やがて男たちは夕闇に消えていった。誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引きこむ闇の歯車が回る。――押し込み強盗をはかった男達と、それぞれに関わる女達の数奇な人生を描いたサスペンス時代長編。

神々の夕映え
講談社文庫
治癒の見込みのない重度障害児の手術中、医師村中は一瞬の空白に襲われる。危険な手術を執拗に求めた母親の中には子供の死を願う気持ちがあったのではないか?末期癌の苦悶や、植物人間を抱えた極限状態で、死は最後の救いなのか?生と死の選択を委ねられる医師の側から安楽死の意味を問う長編問題作!

天下を取る
講談社文庫
二流大学卒ながら、エリート人間とはひと味違うバイタリティを社長にみこまれ、東洋物産に入社した大門大太。入社早々、「天下取り」を宣言し、参謀を買って出た同期の亀村兵治、爽快な生き方に惚れた安原沢子らの協力で、次々に難関に体当りを開始する。快男子の型破りな行動を痛快に描く、現代サラリーマン出世物語。
トマト・ゲーム
講談社文庫

出向を命ず
講談社文庫
土下座すれば事が成ると思っているばかりの天下り無能専務との意見衝突がもとで、九州への出向を蒙った香村だったが、陰湿な妨害の手は出向先にも執拗に伸びて……。大手プレハブ業界の内状と単身赴任者の孤独の現実を背景に、尻尾をふることを拒んだサラリーマンが受ける理不尽な屈辱と痛烈な復讐を描く企業小説。