講談社文庫作品一覧

颱風とざくろ(上)
颱風とざくろ(上)
著:石坂 洋次郎,装丁:亀倉 雄策,装画:鈴木 義治
講談社文庫
葬儀屋の娘・英子と産婦人科病院長の息子・一雄は、家族ぐるみの交際をもち、家族同士で、男女関係の赤裸々な意見を交換しあうほどの、幸福な日々を送っていた。ところが、一雄が冬山の雪崩で遭難するという突然の不幸が、英子の身にふりかかった……。健康なエロティシズムとユーモアにより、新鮮な人間像を描いた巨匠の傑作長編。〈上巻〉
電子あり
太閤秀吉(八)
太閤秀吉(八)
著:舟橋 聖一,解説:尾崎 秀樹,デザイン:亀倉 雄策,装画:御正 伸
講談社文庫
一代の英雄・秀吉も、ついに死んだ。まだ若い世継ぎの秀頼を案じながら……。家康と三成の確執は表面化し、関ケ原決戦へ突き進む。西軍は敗れ、三成は刑死。さらに、政略と愛憎の渦巻く秀頼と千姫の結婚もむなしく、冬の陣の砲声がとどろき、豊臣家は崩壊する……。独裁者・秀吉の人間像と、彼をめぐる女人たちの運命の転変を、艶やかな名文で綴った、歴史文学の名編。<全8巻・完結>
電子あり
女じめり
女じめり
著:宇能 鴻一郎,装丁:原 弘,装画:杉浦 幸雄
講談社文庫
芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、ユニークな文体と軽快なタッチで明るいエロティシズムを描く官能長篇ーー仮にもあたし、あの人の、義姉なんだもの。あたしみたいなお色気たっぷりで、どこもここもムチムチした女ざかりのからだに、もし徳さんがフラフラとなって手を出してきても、うまくそらして、無事に妹の手にもどしてあげなくちゃ。それでも、もしあの人が、しつこく迫ってきたら、どうしよう。夜なんて、あんなにせまい家に二人きりで寝るんだもの。いくら義理の姉と弟だといっても……。江戸の町の四季おりおり、恥ずかしいことの大好きな大工の若女房がまき起こす、ハプニングの連続。
電子あり
大関松三郎詩集 山芋
大関松三郎詩集 山芋
その他:寒川 道夫
講談社文庫
貧しい生活環境と時代の流れの中をたくましく生きぬいた大関松三郎少年が、生活のうえでのさまざまな感動を、みごとに歌いあげた不朽の詩集に、恩師である寒川道夫氏の愛と真情あふれる、「解説と指導記録」を同時に収録した古典的名著。詩は「山芋」「虫けら」「雑草」「ぼくらの村」など23編収録。
電子あり
終末曲面
終末曲面
著:山田 正紀,解説:田沢 幸男,デザイン:亀倉 雄策,装画:滝野 晴夫
講談社文庫
SF界の異才・山田正紀が放つバイオレンスと終末の黙示録。ーー終末の時、日本人は全員が発狂しているはずだ……。個体維持本能と種族維持本能の軋轢値Ωは、あの赤い光点で示される。この曲面は、Ω点がある時点まで連続的に変わり、ジャンピング・ポイントP点で突然に大変化を起こすことを表わしている……という表題作の「終末曲面」。ほかに6篇を収録する山田正紀の第一短篇集。
電子あり
空気の階段を登れ 第二部
空気の階段を登れ 第二部
著:平木 国夫,解説:佐貫 亦男,装丁:亀倉 雄策,その他:熊切 映彰,その他:村山 豊夫
講談社文庫
外国の飛行機の進歩はめざましいのに、資力乏しい伊藤音次郎らの苦闘は続く。より高く、より遠くへ、技術は漸進し、飛行艇や無尾翼機の開発に成功。また、音次郎の夢であった飛行機の実用、人間や郵便の空輸も始まる。パイロットでもある著者が、伊藤音次郎を中心に、空翔ける男たちの夢と冒険を描いた一大ロマン。傑作ノンフィクション・ノベル。<全2巻>
電子あり
純愛(下)
純愛(下)
著:瀬戸内 晴美
講談社文庫
燎子は、夫も浮気していることを知った。それも、熟知の人妻・眞知子が相手だ。眞知子は、燎子の若い情人・秋彦とも深い仲らしい。惑乱する燎子に追い討ちをかけ、妊娠という現実が……。他方、慧子は、愛人・須山の妻から、家庭の破壊者として糾弾した手紙を受けとった……。愛の本質を軸として現代社会の問題点を抽出した大作。<上下巻>
電子あり
純愛(上)
純愛(上)
著:瀬戸内 晴美
講談社文庫
北見慧子と大槻燎子は、大学時代のクラスメートであった。慧子は、ブック・デザイナーとして自立をめざし、ひそかに妻子ある建築家との愛も育んでいる。一方、家庭に入った燎子は、夫との間の亀裂が深まる虚しさを癒すべく、野放図な若い男との情事にはしる。ふたりの女性の対照的人生と愛の表裏をみごとに描く問題作。<上下巻>
電子あり
殺人航路
殺人航路
著:大谷 羊太郎,デザイン:亀倉 雄策,装丁:入江 健介
講談社文庫
死んだ夜明けに
死んだ夜明けに
著:結城 昌治,解説:中島 河太郎,デザイン:亀倉 雄策,装画:小松 久子
講談社文庫
インテリヤクザの佐度井が絞殺された1ヵ月後、佐度井の友人・宮下の婚約者が、同じ手口によって全裸のまま絞殺された。事件の真相を究明する佐度井と宮下の学校時代の友人・石津は、自分も生命をねらわれていることを知り慄然とする……。という表題作「死んだ夜明けに」のほかに4篇。いずれもハードボイルドの傑作。
電子あり
松本清張社会評論集
松本清張社会評論集
著:松本 清張,装丁:亀倉 雄策,その他:舟橋 菊男
講談社文庫
汚職・政治献金・教科書検定・改憲・不公平税制に鋭いメスを入れ、下山・松川事件を中心に裁判・司法権の問題を突くなど、戦後日本の政治・社会の病根を抉る。特に、不屈に戦う人々の日々を伝え、同時に考古・民俗学界との交流の橋渡しともなった北ベトナム紀行は貴重である。――松本清張の真面目躍如たる評論集。
電子あり
五十万年の死角
五十万年の死角
著:伴野 朗,装丁:亀倉 雄策,装画:谷口 茂
講談社文庫
太平洋戦争開戦の日、日本軍は、北京の医大研究施設を急襲した。貴重な文化財である、北京原人の化石骨を接収するためだった。ところが、めざすものはすでに、金庫から消えていた。何者が持ち出したのか? 化石骨を追い、日本軍、中国共産党、国民党などの激しい暗闘が始まる。壮大なサスペンス横溢の、第22回江戸川乱歩賞作受賞作品。
電子あり
母系制の研究(下)
母系制の研究(下)
著:高群 逸枝,装丁:亀倉 雄策,その他:K.B.K
講談社文庫
日本での母系制の存在を論証した画期的労作。「古事記伝」一冊から始め、7年余をかけた、著者の女性史研究の第一作。同時にそれは、日本における男性中心の歴史観を訂正する、最初の科学的女性史の誕生であった。本書は、新撰姓氏録と姓氏録記載の氏族に関する一切の系譜的記録を採集したものを基に、多祖・複氏・諸姓・賜氏姓に分け研究され、古代系譜の根底に潜む母系遺存の事実を摘発する。さらに、母系遺存の俗が国作り・氏作り・部作りを、国家の中央統制をいかに平和裡に成就せしめたかを探る。家父長制の呪縛の下で、解き放たれた目で系譜を読み直し組立てる、高群逸枝をまって得た、女性史の成果であった。
電子あり
マヤの一生
マヤの一生
著:椋 鳩十,解説:鳥越 信,装画:中谷 千代子,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
マヤがわたくしの家に着いた時は、片手にのる程の小さな犬だった。マヤは、はじめに抱いてくれた次男に、一番なついていた。ニワトリのピピ、ネコのペルとも仲良く暮していたが、戦争が激しくなった時、国からマヤを殺すようにと通知が来た――戦時下、動物と人間との愛のドラマを淡々たる筆致で描いた、動物文学の名作。赤い鳥文学賞受賞。
電子あり
妖星伝 第四部 黄道の巻
妖星伝 第四部 黄道の巻
著:半村 良,その他:亀倉 雄策,装丁:横尾 忠則
講談社文庫
鬼道衆の頂点に立つ外道皇帝はまだ童児である。そして異星からきた2人のニセ皇帝は着々と侵犯を続ける。この2人を狙う美しい尼僧天道尼。彼女の目的は遠大であった。「この星では将軍を倒した者が将軍になれるそうな」という天道尼の、容姿とはうらはらな超能力!いよいよ佳境に入る壮大ロマン第4部。
ポトラッチ戦史
ポトラッチ戦史
著:かんべ むさし,解説:豊田 有恒,デザイン:亀倉 雄策,装画:佐々木 侃司
講談社文庫
日本SF界の第一人者・かんべむさしが描く、波瀾万丈の傑作SF小説集。コロンブスがポトラッチをアメリカ西海岸から持ち帰り、アッという間に全世界に広まった。ポトラッチのエスカレートで地球は大騒ぎ、そして……という表題作の「ポトラッチ戦史」。ポトラッチとは? それは、本書で読んで下さい! ほかに7編の傑作を収録。 コロンブスがアメリカ西海岸から持ち帰ったポトラッチとは……。表題作ほか、「ママが死んだら」「家族同好会」「勤務時間」「赤裸々なる将軍」「いかがでしょう」「ビジネス・タレント」「還らざる彼ら」を収録。
電子あり
空気の階段を登れ 第一部
空気の階段を登れ 第一部
著:平木 国夫,その他:村山 豊夫,装丁:亀倉 雄策,その他:熊切 映彰
講談社文庫
伊藤式恵美31型飛行艇の完成や無尾翼機の開発……民間航空黎明期の飛行機野郎の冒険を描く! ーー飛行機は、目に見えない空気の階段を、一段一段ふみしめるように上昇させる。それは、政府の助成も資本の援助もなく、飛行機をみずから作って飛ばすことに心血をそそいだ開拓者たちの、情熱と努力の象徴でもあった。民間航空の先覚者・伊藤音次郎の日記を骨子に、飛行機野郎たちの苦悩と夢と冒険を活写する、傑作ノンフィクション・ノベル。<全2巻>
電子あり
永い夜
永い夜
著:立原 正秋,解説:武田 勝彦,装画:丹阿弥 丹波子,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
官能の行きつく果てに横たわる、生の荒廃。生を支えるはずの性の力があまりにも大きく、逆に生を破壊してしまう可能性を秘めている。性の極限には死が存在する――。愛欲の深淵を通して滅びの歌をうたいあげる、立原正秋作品集。「渚通り」「狂い花」「曠野」「双頭の蛇」「永い夜」の短篇5篇を収録。
電子あり
太閤秀吉(七)
太閤秀吉(七)
著:舟橋 聖一,デザイン:亀倉 雄策,装画:御正 伸
講談社文庫
京畿一帯を襲った、文禄5年の大地震。加えて、指導的切支丹26人の処刑、泥沼化した朝鮮戦役への再出征などは、豊臣の終末を告げる前兆か。そんなとき、何度も命を狙われながら難を免れてきた秀吉が、病いには勝てず、醍醐の花見の宴で倒れる。側室たちの献身的な看護のうちに、政権の中枢は家康派と三成派に分れ、次期政権を巡ってにわかに政権奪取の暗躍を始める。<全8巻>
電子あり
小さい心の旅
小さい心の旅
著:関 英雄,解説:与田 準一,デザイン:亀倉 雄策,装画・その他:中尾 彰
講談社文庫
8歳で父をなくした昌男は、小学校を卒業すると給仕になったが、満たされず、小僧奉公に出ても、どれも長続きしない。童話作家になりたいと願う昌男を、元気づけてくれるのは、文通をしている北国の少女だった……。大正から昭和への転換期を生きる少年の、心の成長をつづった、自伝的小説。日本児童文学者協会賞、赤い鳥文学賞、サンケイ児童出版文化賞受賞作品。
電子あり