講談社文庫作品一覧

ロウソクの科学
ロウソクの科学
著:M・ファラディ,訳:吉田 光邦,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
たった一本のロウソクを駆使し、物質とその燃焼の不思議を興味深く説き明かす、物理学者・ファラデー。1860年におこわれたクリスマス講演筆記ながら、精妙な自然の営みを語って、今日なお新鮮である。京都大学科学史の博雅による、各種文献を参照した、最も忠実明快に訳出された決定版。
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学問のすすめ
学問のすすめ
著:福沢 諭吉,その他:土橋 俊一,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといえり」なる言葉より説きおこし、人の心に根深く巣くう封建思想を排撃、明治という新しい時代の個人、国家の在り方を広く一般に訴えた、福沢の代表著作の一つ。現代表記に改め、懇切な校注を付した。明治維新という新時代の個人・国家の在り方を、一身の自由独立という立場より説き起こし実学を奨励した、当時の驚異的ベストセラー。 明治維新という新時代の個人国家の在り方を一身の自由独立という立場より説き起こし実学を奨励した当時の驚異的ベストセラー。「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」なる冒頭の句は余りにも有名。
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青い麦
青い麦
著:コレット,訳:新庄 嘉章,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
美しいブルターニュ海岸の自然描写の中に、思春期の男女の悩ましい官能の芽生えを、みずみずしいタッチで描き、詩的・音楽的な表現を得た、不朽の青春小説ーー。鋭い感覚で豊かな本能の流れを捉え、近代フランス女流文学の第一人者と称されるコレット中期の代表作。 詩的、音楽的な感性と文体で、今世紀フランス女流文学の第一人者と称されるコレットが、美しい南仏海岸の自然描写の中に、思春期の男女の微妙な官能の芽生えを流麗清新な名文で描いた代表作。
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古典落語(上)
古典落語(上)
編:興津 要,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
人情の機微を、人生の種々相を笑いの中に捉えて、生きた庶民の歴史を語る伝統話芸、古典落語。それは、市井のスケッチであり、庶民の声でもあった。ここに収録する各作品は、先人が心血を注ぎ、みがきぬかれた芸の香気を伝える代表的名作ばかりである。本巻収録作品32編。全6巻。
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花伝書(風姿花伝)
花伝書(風姿花伝)
編:世阿弥,その他:川瀬 一馬
講談社文庫
わが国の古典中、もっとも異色である作品で、申楽者・観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した、稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても、現代に生きている。校注は、世阿弥研究の第一人者・川瀬一馬博士。平易な現代語訳の決定版。
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カナダ・エスキモー
カナダ・エスキモー
著:本多 勝一,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
白夜の地・カナダ北極圏、人類の住むに最悪の永久凍土地帯。この苛酷な自然条件の下でユーモラスに生きる狩猟民族、カナダ・エスキモーの姿を心を、文化人類学的視点で捉え、みごとに活写する異色のルポルタージュ。「その後のカナダ・エスキモー」も収録。 過酷な自然条件の下でユーモラスに生きる狩猟民族の姿を、文化人類学的視点で捉え、みごとに活写する異色のルポルタージュ。付録に「その後のカナダ・エスキモー」を収録。
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夜の鶴
夜の鶴
著:石川 達三
講談社文庫
二十数年間いつくしみ育ててきた娘の結婚を前にして、寂しさにたえ、限りなき親の愛を寄せて、未来の伴侶に理解ある忠告を贈る父親の姿――。「焼野の雉子夜の鶴」にも比すべき父性愛あふるる書。 二十数年間いつくしみ育ててきた娘の結婚を前にして、寂しさに耐え、限りなき親の愛を寄せて、未来の伴侶に理解ある忠告を贈る父親の姿――。「焼野の雉子夜の鶴」にも比すべき父性愛あふれる書。
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和解・小僧の神様 ほか十三編
和解・小僧の神様 ほか十三編
著:志賀 直哉
講談社文庫
透徹した人間観察の眼で、生命観にあふれた独自の世界を築き、格調高い近代日本文学の典型を創造した志賀直哉の初期中短編集。表題作のほか「網走まで」「城の崎にて」など13編を収録。という原本に、志賀直哉を正しく理解するための数編の短篇と自筆の絵などを加えた完全版。
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平家物語(上)
平家物語(上)
その他:高橋 貞一
講談社文庫
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり……。その響は、平家物語の連想を必然して、日本人に久しい。元和9年刊行の片仮名交り附訓12行整版本を底本に、平家諸本研究の権威・高橋貞一教授による厳訂本。適切簡明な脚注・補注、全文にわたる振り仮名など、読みやすい古典平家物語。巻1より巻6までを収録する。
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樹影
樹影
著:水上 勉,装丁:丹阿弥 丹波子
講談社文庫
布施学園理事長の布施英之は、布施家へ養子に入る前、実家の女中・雪子に子供を生ませる。英男である。英男は、別府の愛育園で育つ。20年目に再会した時、雪子と英男は浦和にいたが、雪子が前夫と関係を続けているのを知り、英男は家出して別府に戻る。折も折、英之の妻はガンで死亡。反対派の策謀により学園を追われた英之は、布施家を去る決意をして、英男を別府に訪ねる……。豪壮な邸宅に住む裕福な人々も、逆境に耐えていきる貧しい人々も、みな三尺の影をひきずって生きている。その孤独な影を、哀調豊かに描いた話題の長編小説。
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ある告白
ある告白
著:石坂 洋次郎,装丁:荻 太郎
講談社文庫
夫の父である人との結婚を決意した野口ふじ子は、少女時代からの自分の性の歴史をふりかえった。小学校の男の子との幼いペッティング、女学校のクラスメートとの同性愛……。彼女のまわりには、母を犯した孝行息子もいたし、純朴な青年に肉の果実を饗して死んでいった女教師もいた。体験や見聞を通して、ふじ子は、セックスがさまざまな人間たちの中に、原始の祭典のように生きていることを知った。明るく悲しいことだった……。現実に目をそむけることなくセックスを描くことで、作者は観照の深い人間論を展開する。石坂文学のエキスをすべてとかしこんだ長編!
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婉という女・正妻
婉という女・正妻
著:大原 富枝
講談社文庫
政争の犠牲となり4歳にして一族と共に幽囚の身となった野中兼山の娘婉。40年の後、赦免が彼女に訪れる……無慙な政治の中にほろびゆく愛する男たちの姿を眺める他ない、哀しくもつよい女のいのちを鮮麗に描いた名作。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞。兼山の妻市を主人公として姉妹編「正妻」を併せ収録。
生物の世界
生物の世界
著:今西 錦司
講談社文庫
生物社会の構成原理を生物と環境・社会論と歴史論の面から明確にし、今西生物学の所謂「棲み分け理論」をはじめとする思想的自画像風のユニークな文化論。生態学への関心が強い折その基本書として必読。
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官能の女
官能の女
著:川上 宗薫,装丁:野見山 暁治
講談社文庫
鳥居恭に、「棚からボタモチ」がころがりこんできた。友人の結婚式で会った、彫りの深いインド人のような美女が、一晩トコトンつきあいたいと申し出たのだ。きけば、気のすすまぬ見合い結婚を前に、相手の男に復讐してやる気になったという。思いがけない一夜の幸運に酔いしれる鳥居だが、それにつけても思いだすのは、毎日通勤電車で見かけるあの女のこと。豊かな胸をもち、歩くたびに腰の部分にポックリえくぼができそうな、つまりはこぼれるような愛嬌がにおってくる、理想のタイプの女なのだ。日頃の空想を実現するため、鳥居は大胆な「行動計画」に着手した……。
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太陽と鉄
太陽と鉄
著:三島 由紀夫
講談社文庫
近代の運命を一身に担い、その復権の試みに生命を賭けた英才三島由紀夫が、死の決意の下に発見した文学の新しい領域――告白と批判の間に位す〈自伝的評論〉の形で、自己のうちなる様々な堆積を詩的な文体表白――その芸術と思想の遺書ともいうべき問題の書。併せて文学的自伝「私の遍歴時代」を収録。
徒然草
徒然草
著:吉田 兼好,その他:川瀬 一馬
講談社文庫
現存最古の版本といわれる流布系統本を底本に、懇切な校注、解説ならびに現代語訳を添え、連綿と読み継がれてきた、必読の随想録「徒然草」に流れる思想・哲学・人生観を、わかりやすく現代に蘇らせた、新編集。巻末に語彙索引を付す。
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かの子撩乱
かの子撩乱
著:瀬戸内 晴美
講談社文庫
奔放で奇矯な行動と常に噂の絶えることのなかった男性遍歴、また夫一平との世俗の常識を超えた異常の愛――。岡本かの子は童女か、聖女か。絢爛豪華な文学遺産と多くの伝説を残したまま火のような生涯を閉じたかの子の内面を会心の筆で抉る伝記文学の傑作!
花散里
花散里
著:円地 文子
講談社文庫
舞踏家・鹿野艶子、近代的未亡人・朝吹頼子、俳人・立川喜和……おんなの夕映えともいうべき年齢の3女性が、日常生活を律する倫理を超えた、性の神秘を経験していく過程を通じて、艶やかに人生の無常をうたう名作。
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狩りの時刻
狩りの時刻
著:戸川 昌子,装丁:ボネ
講談社文庫
悪夢か? 現実か? 「侍従」と称する中年男に、毎夜、誘(いざな)われて、平凡なOL・小金井依理子がさまよいこんだ、不可思議な性の世界……。そこで、謎の美女・徳乃本夫人に、女同志の愛を教えられた依理子は、突然姿を消してしまった夫人のあとを追って、徳乃本もと侯爵の宏大な邸に忍びこんだ。逞しい青年を愛撫する侯爵、犬を相手に孤独なセックスを楽しむ料理女、奇怪な蝋人形館に閉じこめられた少年……。悪魔の館に棲む人々を垣間みた依理子を最後に待ちうけていたものは、残酷な初夜の儀式だった……。女性の欲望を利用して巧妙に仕組まれた犯罪の罠を描く長編小説。
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海辺の光景 ほか六編
海辺の光景 ほか六編
著:安岡 章太郎
講談社文庫
海に臨んだ精神病院で狂死する母、それを看取る父と私。父はもと陸軍獣医少将。だがそんな父を軽蔑した母と私。――人間の奥底に潜むエゴイズムを赤裸々にえぐり出し、夫婦とは、親子とは、人生とはを追求した、芸術選奨&野間文芸賞W受賞の表題作。ほかに卓抜な感性の冴えを示す6編を収録。
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