講談社文庫作品一覧

飯盛り侍 すっぽん天下
講談社文庫
本能寺の変の陰謀を知り、遠江頭陀寺城に身を寄せていた弥八を、天下人秀吉は再び台所奉行に召抱える。権力への妄執から次第に病魔に蝕まれていく秀吉の死の床で、弥八はあえて野暮の極みの”すっぽん汁”を献じた。家康の脅威が迫るなか、”飯の力”で天下に安寧は訪れるのか? シリーズ圧巻の終幕!<文庫書下ろし>

新装版 夜中の薔薇
講談社文庫
気に入った手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22歳の冬以来、“いまだに何かを探している”……(「手袋をさがす」)。凛として自己主張を貫いてきた半生を率直に語り、人々のありふれた人生を優しい眼差しで掬いあげる 名エッセイの数々。突然の死の後も読者を魅了してやまない著者最後のエッセイ集。文字が大きく読みやすく、カバーの絵も美しくなった新装版。解説/太田 光

スカウト・デイズ
講談社文庫
毎年、ドラフトで隠し球を指名するのが『堂神マジック』だ。その怪物スカウトに見習いとしてついた純哉は、次々出される不可解な指示に翻弄される。競合球団を出し抜き、幻手を寝返らせるための想像を絶する手練手管。奪い合いと騙し合い、壮絶な駆け引きに満ちた世界を描いた白熱のエンターテインメント!

霞隠れの女 駆込み宿 影始末
講談社文庫
器量よしで身持ちも堅い、けなげに働く町娘が立て続けに消えた。それを追うように超大物幕閣の身辺を密かに洗っていた目付筋の斬殺死体が発見される。二つの事件をつなぐ手がかりは新進の大商人! 影の指令に苦戦する老始末人・宗八郎の前に美しいくノ一が現れ、驚くべき黒幕の存在が明らかに!-文庫書下ろし-

未明の闘争(下)
講談社文庫
かつて私が話をしたという「前世の記憶」という言葉に触発されてずーっと考えてきたことをアキちゃんは熱く語り、私は十五歳も年下なのに高校生に戻ってうずうずした村中鳴海といきなり旅に出たときの記憶を鮮やかによみがえらせる。その間にも猫と人間に流れる時間は続いていく……。野間文芸賞受賞作。
年老いて目が離せなくなった猫たちとともにある暮らしに、
友がやって来て小説やマンガについて語り合い、
音楽を聴き、思いは時空を超えていく……。
私たちの生(リアル)のすべてがここにある!
*内容紹介*
かつて私が話をしたという「前世の記憶」という言葉に触発されてずーっと考えてきたことをアキちゃんは熱く語り、私は十五歳も年下なのに高校生に戻ってうずうずした村中鳴海といきなり旅に出たときの記憶を鮮やかによみがえらせる。その間にも猫と人間に流れる時間は続いていく……。野間文芸賞受賞作。
「小説の作者とは、書き手でも、読み手でもない、小説自身こそが真の作者なのではないか? そんな捨て台詞でも吐いてやりたくなるほどに、『未明の闘争』は汲み尽くせない。私など足元にも及ばない、作者である保坂和志も見上げる遥かな高みに、ただ『未明の闘争』という小説だけがそびえ立っている。」
――磯崎憲一郎「解説」より
小説の概念をはるかに凌駕する傑作長編

未明の闘争(上)
講談社文庫
池袋の「ビックリガードの五叉路」で、私は一週間前に死んだ篠島が歩いていた。彼の告別式で久しぶりに再会した高校の同級生のアキちゃんが、ブンとピルルという猫たちと暮らす家に、妻が不在の夜に突然訪ねてくる。さらにはお隣の三池さんの娘さんも加わって終わらないおしゃべりに、思いは時空を超える。
今という時のかけがえのなさのみならず、
生の時間におけるあらゆる記憶が
鮮やかに立ち現れて幾重にも折り重なり、
ずっと一緒にいた犬や猫たちも、
かつての自分も友達もみんな愛おしくなる未明の世界。
*内容紹介*
池袋の「ビックリガードの五叉路」で、私は一週間前に死んだ篠島が歩いていた。彼の告別式で久しぶりに再会した高校の同級生のアキちゃんが、ブンとピルルという猫たちと暮らす家に、妻が不在の夜に突然訪ねてくる。さらにはお隣の三池さんの娘さんも加わって終わらないおしゃべりに、思いは時空を超える。
やみくもに大切なものを抱きしめたり、ロッド・スチュワートが聴きたくなったり、眠ったり、子供の頃を思い出したり、セックスしたり、叫びたくなったり、どこか知らないところに行きたくなる、富士山と文学と音楽と猫と世界への愛にあふれた小説
野間文芸賞受賞作

証言拒否 リンカーン弁護士(下)
講談社文庫
犯行を否定し続ける容疑者。不動産差し押さえに絡む莫大な金をめぐり人間の欲が蠢く。息詰まる法廷劇。コナリーらしさが炸裂する傑作

証言拒否 リンカーン弁護士(上)
講談社文庫
ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが殺人の容疑者に。被害者は銀行の上席副頭取。社会的事件に挑む人気弁護士

レジェンド歴史時代小説 東福門院和子の涙(下)
講談社文庫
将軍家から朝廷に初めて嫁いだ徳川二代将軍の娘、和子。「稀なる福運の姫君」と称えられた慈愛の国母を描いた、感動の長編小説!

レジェンド歴史時代小説 東福門院和子の涙(上)
講談社文庫
武家から朝廷に初めて嫁いだ徳川二代将軍の娘、和子。「稀なる福運の姫君」と称えられた、慈愛の国母を描いた、感動の長編小説。

新装版 風の遺産
講談社文庫
偶然がもたらした伊村と蓉子との邂逅。乾徳山、鷹取山、丹沢……。二人は共通の趣味、登山を通して深く関わりあっていった。蓉子は夫から疑惑の目を向けられつつも伊村と冬の谷川岳に挑む。猛吹雪で七日間閉じ込められた彼らを待ち受ける残酷な現実とは? 精緻な心理描写が光る異色山岳小説。

踊る人形
講談社文庫
身体を自在に着脱できる人形男がどこまでも追ってくる! 目的は、自分の生みの親である博士にもう一体動く人形(ゴーレム)を作らせること。これに対し少年探偵隊は、唯一の弱点である頭部内の「命を生む紙」を入手しようとする。しかし、ようやく目にしたのは聞いたのとはまったく違う文字だった! 周到な論理によって構築された極限状況ミステリ。

韓国新幹線を追え
講談社文庫
日韓関係が緊張を続けるなか、日本側特使を暗殺する計画が密かに練られていた。舞台は、韓国新幹線KTX。危険を察知した十津川と亀井は韓国に飛ぶが、時速三〇〇キロで疾走するKTXは、犯人グループにハイジャックされてしまう。十津川らは計画を阻止できるのか。犯人の目的は? 終盤の闘いは、まさに瞠目!

語りつづけろ、届くまで
講談社文庫
「日本一不幸なサラリーマン」が奮闘する『走らなあかん、夜明けまで』『涙はふくな、凍るまで』人気シリーズ最新作。食品会社のサラリーマン・坂田勇吉は新商品を宣伝するため、東京下町の老人会に通っていた。老人たちやボランティアの咲子の心もつかんでいた彼に、健康枕のセールス指導のバイトが持ちかけられる。打合せ会場に着いた坂田の目の前には、刺殺体が。ヤクザがらみの厄介な事態に巻きこまれた坂田に危険が迫る!

レジェンド歴史時代小説 近藤勇白書(下)
講談社文庫
池田屋事件で名をあげ、声望を高めた新選組。だが皮肉にも、それは過剰なまでの使命感を生みだし、血で血を洗う粛正の嵐を引き起こしてしまう。その間に政情は一変。朝敵の汚名を着せられ、追われる身となった彼らには、苛酷な運命が待ち構えていた――。動乱の時代に生きた男の姿を鮮やかに描いた時代巨編。

レジェンド歴史時代小説 近藤勇白書(上)
講談社文庫
幕末の動乱期、風雲急を告げる京で幕府側に立って剣を振るった新選組。もとは寄せ集めの浪士集団だった彼らを束ねた近藤勇とは、どのような男であったのか。優れた剣の腕を持ちながら、臆病ととられるほどに温和な人柄だったという近藤の半生を、池波正太郎ならではの人間味あふれる筆致で描いた時代巨編。

おれ、力士になる
講談社文庫
父さんは早くに亡くなった。女手ひとつで自分と弟を育ててくれている母さんに、早く楽をさせてあげたい――。そんな想いを抱く少年が、裸一貫で勝負する道を選ぶ。数百年前から脈々と続く角界のしきたり、師匠や兄弟子たちの温かな人情。純粋無垢な少年の眼を通して相撲の世界を爽やかに描いた青春小説。
父さんは早くに亡くなった。女手ひとつで自分と弟を育ててくれている母さんに、早く楽をさせてあげたい――。そんな想いを抱く少年が、裸一貫で勝負する道を選ぶ。数百年前から脈々と続く角界のしきたり、師匠や兄弟子たちの温かな人情。純粋無垢な少年の眼を通して相撲の世界を爽やかに描いた青春小説。 推薦のことば……振分親方(元小結・高見盛)

三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン
講談社文庫
都会の路地裏にあるプラネタリウム「三軒茶屋星座館」。その店主・和真のもとへ、十年ぶりに弟の創馬がおしかけてきた。小学生の娘、月子を連れて……。星座館で語られる超現代語訳”ギリシャ神話”が人の絆をつくり、仲間を家族に変えていく。声をあげて笑い、本気で泣ける、心温まるエンターテインメント小説。

ノボさん(下) 小説 正岡子規と夏目漱石
講談社文庫
子規は、今も私たち日本人の青空を疾走している。
小説家・伊集院静がデビュー前から温めてきた、正岡子規の青春。
俳句、短歌、小説、随筆……日本の新たなる文芸は、子規と漱石の奇跡の出逢いから始まった! 偉大な二人の熱い友情を描いた感動作!
<内容紹介>
心血を注いだ小説の道を断念した子規は帝大も退学し、陸羯南が経営する日本新聞社に入社する。母と妹の献身的な世話を受け、カリエスの痛みをおして俳句をはじめとする文芸の革新に取り組む子規を多くの友が訪れ、「ホトヽギス」も創刊されるが、漱石はイギリスへと旅立っていく……。司馬遼太郎賞受賞作。
「子規が語られるとき、どうしても近代文学史に刻まれたおびただしい業績を中心にスーパーマンのような偉人として描かれがちだが、本書を読むと、等身大の人間正岡子規としての「ノボさん」がくっきりと立ち上がって、読者に向かって微笑んでくるのだ。ページを手繰るうちにわれわれも、「ノボさん」の友人の一人のようになり、飾らぬ伊予弁の口調になごみながら、誠実でひたむきな人柄にほだされていく。」
――清水良典「解説」より

ノボさん(上) 小説 正岡子規と夏目漱石
講談社文庫
「ノボさん、ノボさん」「なんぞなもし?」
べーすぼーるに熱中し、文芸に命をかけたノボさんは、
人々に愛され、人々を愛してやまない希有な人。
明治維新によって生まれ変わったこの国で、夢の中を全速力で走り続けた子規の、人間的魅力を余すところなく伝える傑作長編!
<内容紹介>
伊予・松山から上京した正岡常規(子規)は旧藩主久松家の給費生として東京大学予備門に進学すると、アメリカから伝わった「べーすぼーる」に熱中する。同時に文芸に専念するべく「七草集」の執筆に取り組んでいる頃、同級生で秀才の誉れ高い夏目金之助と落語で意気投合するが、間もなく血を吐いてしまう。
司馬遼太郎賞受賞作