創文社オンデマンド叢書作品一覧

テオフラストスの形而上学
創文社オンデマンド叢書
テオフラストスの未検討テキスト『形而上学』を、序論・本文訳・詳細な註解を施して、初期アカデメイアの哲学的議論を解明する。
【目次より】
まえがき
目次
序論
1 テオフラストスの生涯
2 『形而上学』の構成
3 アポリアとしての哲学
4 著作時期について
5 テクストの歴史(伝承・写本・刊本)
本文訳
註解
文献

四書学史の研究(東洋学叢書)
創文社オンデマンド叢書
南宋から清に至る思想史を四書学の継承とその批判克服を意図する新四書学の形成過程と捉え、新資料をも駆使して新生面を開いた力作。
【目次より】
序章
一 四書学史の概況
二 明代人と経書
一 朱子学的学習法の確立
二 明人の読書記誦
三 読書記誦による人格の陶冶
四 晩明における記誦
第一章 四書学の成立 朱子における経書学の構造
一 表裏精粗至らざるは無し
二 朱子学の論理
三 経書註繹の方法
四 四書学の構想
第二章 宋元代の四書学をめぐる政治的思想的状況
一 党禁から従祀に至る朱子学の黜陟
二 宋元思想界における四書学の位置
第三章 朱子以降における『大学』観の変遷
一 朱子の『大学』観
二 朱子以後の『大学』改訂
三 王陽明の『大学』観
四 明代末期の『大学』論議における二三の問題
五 清代の『大学』評価
第四章 四書註釈書の歴史
一 章句集注のテキストについて
二 註釈書の続成 集成書について
第五章 『四書評』の歴史
一 『四書評』について
二 『青雲堂四書評』について
三 『四書評』の余韻
第六章 晩明の四書学
一 周汝登の四書学
二 晩明の四書学
三 四書学の展開と方向性
第七章 科畢と四書学
一 講章の四書学 沿溟四書説をめぐって
二 八股文の四書学
附録 『四書正新録』姓氏・書目 『四書増補微言』新増姓氏・書目 『刪補微言』・『皇明百方家問答』引用書目

ロシア近世農村社会史
創文社オンデマンド叢書
ロシア近代化の起点であるピョートル1世の諸改革と、農村がおかれた諸々の状況と変化の過程を基礎史料から描く、我国初の画期的研究。
【目次より】
まえがき
目次
序論 ピョートル改革の基本的性格
一 北方戦争の時代
二 軍事、行政改革
三 財政改革と工業化
四 教会改革と啓蒙
五 改革と民衆
第一章 戦時下の農村社会
第一節 世帯調査(一六七八─一七一〇)
第二節 兵士、労働者の徴用 「空白」の諸原因(その一)
第三節 逃亡と世帯隠し 「空白」の諸原因(その二)
第四節 ランドラート調査
第二章 農村社会の諸相
第一節 領主経営と農民経営
第二節 領主的諸規制
第三節 農民の日常的諸要求
第四節 『貧富の書』における農村社会像
補論 村の教会と聖職者について
第三章 人頭税の導入と農村社会
第一節 世帯税から人頭税へ
第二節 人口調査 人頭税の導入過程(その一)
第三節 軍隊と農村 人頭税の導入過程(その二)
第四節 農村の疲弊と政府の対応
終章 近世農村の成立
引用欧文文献目録

不均衡理論と経済政策
創文社オンデマンド叢書
「不均衡下に於る望ましい経済政策とは何か」を追求して不均衡理論の有効性を示し、更に現実の経済に対する説明力を明らかにした力作。
【目次より】
序章
付論 最近の非ワルラス動学理論の展開と非ワルラス均衡理論
参考文献
第1章 不均衡理論の学説史的系譜
1 固定価格アプローチ 不均衡理論の第1世代
2 内生的価格決定分析 不均衡理論の第2世代
3 解明された問題と残された問題
第2章 不均衡経済における価格調整と数量調整
数学付録
第3章 不均衡経済における租税,財政支出および貨幣供給
1 不均衡経済における租税
2 不均衡経済における租税と財政支出
3 不均衡経済における貨幣供給
第4章 ケインズ的不均衡経済における期待,インフレーション及びスタグフレ-ション
数学付録
付論 賃金変動とスタグフレーション
第5章 不均衡経済における“bootstrap property"
第6章 非ワルラス経済における情報と合理的推測均衡
第7章 非ワルラス経済の動学分析について
1 研究史と残された問題
2 「せり人モデル」による非ワルラス経済の動学分析
第8章 マクロラショナリストの理論と不均衡経済
結章

エンペドクレス研究
創文社オンデマンド叢書
ダイモーン・四根対応説という独自の見地からエンペドクレス思想を統一的に把握、初期ギリシア哲学研究の空隙を埋める。学士院賞受賞。
【目次より】
序言
引用方法・省略符号
第一章 『ペリ・ピュセオス』の宇宙円環(予備考察)
第二章 『ペリ・ピュセオス』と『カタルモイ』の関聯1(研究者諸氏の見解)
第三章 三つのイメージの対応
第四章 三人称人称代名詞の正体
付録 四根の分子
第五章 ダイモーンの正体
第六章 霊魂の特性と四根
付録一 アリストテレス『霊魂論』の証言
付録二 『ペリ・ピュセオス』の霊魂
第七章 二つの表現群の連鎖
付録 断片二七・三ー四行の四根‐擬人化の表現
第八章 愛憎の正体
第九章 ダイモーンの転生の円環と四根の転生の円環の対応
付録一 愛の可死者を生成させる性質
付録二 ヒッポリュトス『駁論』の証言
第一〇章 三つの障壁の除去
一 カーンの四根説批判
第一一章 ダイモーンの転生と四根の転生の齟齬
第―二章 『ペリ・ピュセオス』と『カタルモイ』の関聯2(結論)
付録 両作品の関聯の度合
補遺
1 エンペドクレスと血‐認識器官説
2 エンペドクレスと細孔説
3 〓の正体
一 研究者諸氏の見解
4 〓の正体
5 〓の正体
6 断片二六・五行の〓
7 断片一三一~断片一三四の帰属
8 両作品の規模
9 両作品執筆の年代と場所
跋語
引用文献

政党支持の分析
創文社オンデマンド叢書
戦後わが国有権者の政党支持の特性と発展を、全国的規模の政治意識調査データをすべて収集し、長期視野に立って統一的に分析。
【目次より】
序
第1章 政党支持と社会構造・国際環境の変動
1 始めに 2 職業構成の変動 3 都市への人口移動 4 経済的生活意識と石油危機 5 新旧世代の交替 6 高学歴層と政治的シニシズム 7 国際環境の変化 8 時期区分によるまとめ
第2章 政党支持の類型とその特性
1 始めに 2 党派性の諸側面の尺度 3 政党支持の類型 4 政党支持の変動と支持の類型 5 政策に対する態度と政党支持の類型 6 投票における政党選択と政党支持の類型 7 1967年ミシガン調査データによる政党支持類型との比較 8 結び
第3章 政党支持の変動と支持の幅
1 始めに 2 政党支持の変動:長期的,短期的変動要因 3 政党支持の幅の仮説 4 政党支持の幅の尺度の構成 5 政党支持の幅の尺度の相対的安定性 6 政党支持の幅と政党選択 7 結び
第4章 政党支持の社会化過程
1 始めに 2 父親の支持政党の認知 3 両親と子の政党支持の一致 4 政党支持強度に対するグループの影響 5 政党支持をめぐる初期社会化と後期社会化 6 社会化効果の相対的ウェイト 7 結び
第5章 政党支持と職業利益
1 始めに 2 政党支持のデモグラフィック要因による多変量解析 3 政党支持の社会化過程と職業移動 4 職業カテゴリーと職業代表政党 5 職業代表政党から支持政党へ 6 職業代表政党なし層の政党選択 7 新中間層の政党支持と生活満足度 8 結び
第6章 「保守ー革新」イデオロギーと態度空間
1 始めに 2 「保守ー革新」イデオロギーのコンポーネント 3 「保守ー革新」次元の認知的前提 4 保革自己イメージ 5 政党空間における保革次元 6 政策空間における保革次元 7 政策イメージの変換機能 8 結び
第7章 政策争点・政党の政策イメージ・政党選択
1 始めに 2 政策争点と政党選択の関連モデル 3 政策争点と政策イメージの認知 4 政策イメージ尺度の構成とその分布 5 「政党の政策イメージ」と政党支持 6 「政党の政策イメージ」と投票における政党選択 7 結び
第8章 政党支持強度の消長
1 始めに 2 いくつかのモデルの検討 3 データと政党支持強度の尺度 4 政党支持強度に対する年功効果と時勢効果 5 政党支持強度と投票との一致 6 支持強度に及ぼすフォーマル・インフォーマルな集団の影響 7 政治不満の蔓延と政党支持強度の低下 8 結び
引用文献
調査一覧
補遺I
補遺II
あとがき

ディースターヴェーク研究 その初等学校改革構想とプロイセン議会
創文社オンデマンド叢書
19世紀ドイツで活躍した教育家ディースターヴェークによる、初等学校改革とプロイセン議会=近代以降の公教育が孕む教育と政治の緊張関係を解明した力作。
【目次より】
はしがき
序章 研究の課題と方法
第一節 先行研究と目的
第二節 考察の方法と構成・資料
第一章 「三月以後」五〇年代における初等学校政策の推進とディースターヴェーク教育構想との対立
第一節 三月革命の終焉とプロイセン名望家政治体制の創出
第二節 議会における党派形成とブルジョアジーの教育的思惟 一八五三年の工場法制定をめぐって
補論 一八三九年規程の制定とブルジョアジーの対応 一八五三年法の成立前史
第三節 プロイセン三規程とディースターヴェーク教育論
補論 一八五三年工場法と三規程 初等学校の学習内容の制限をめぐって
第二章 「新時代」の議会における初等学校論議とディースターヴェークの対応
第一節 「新時代」のディースターヴェーク・自由派・衆議院
第二節 初等学校教育改善の請願と審議
第三節 初等教師の待遇改善・学校運営参加の請願と審議
第四節 宗派混合学校問題とディースターヴェークの対応
第三章 六〇年代における初等学校管理体制の再編政策とディースターヴェークの改革構想
第一節 ドイツ進歩党の結成とディースターヴェークの参画
第二節 学校行政分権化の模索 学校共同体制度の廃棄
第三節 ドイツ進歩党の改革案とディースターヴェークの指導的役割
第四節 「自由な国の自由な学校」構想とその周辺 学校共同体の再生と解体
結章 「三月以後」プロイセン名望家政治体制における初等学校政策とディースターヴェーク改革構想の意義と役割
資料・文献
ディースターヴェークの議会活動年表

古代キリスト教思想家の世界 教父学序説
創文社オンデマンド叢書
オリゲネス、エウセビオス、アウグスティヌスなどの古代キリスト教思想家を、聖書・伝承・哲学・異端・神学・司牧との関わりのうちに概観し、信仰と愛に生きたその姿を描く。
【目次より】
序言
目次
序言 ペテロ・ネメシェギ
序章
第一章 教父とは
第二章 教父と聖書
第三章 教父と伝承
第四章 教父と哲学
第五章 教父と異端
第六章 教父と神学
第七章 教父と司牧
第八章 教父・信仰の人
索引・地図

ヘーゲル宗教哲学の研究 ヘーゲルとキリスト教
創文社オンデマンド叢書
ヘーゲルのキリスト教肯定の立場を保守的とする従来の解釈を吟味し、その革新的性格を明かにする本邦初の業績。
【目次より】
凡例
目次
緒論
第一章 ヘーゲル研究史展望
第二章 宗教哲学の位置
一 問題の所在
二 『宗教哲学講義』テキストの問題
本論
はじめに
第一部 宗教の概念
第一章 宗教哲学の概念
一 信と知
二 和解
三 宗教と哲学
四 宗教哲学と哲学
五 宗教哲学と既成宗教
付論 経典(正典)化の問題
解釈
六 時代の原理
第二章 宗教の概念
1 予備問題
2 内容区分
一 ヘーゲルの神観
二 宗教論
三 宗教的意識の諸形式
1 直接知
2 感情
3 直観
4 表象
四 思惟の形式における宗教
1 表象の弁証法
2 宗教的意識の自己自身における媒介
A 直接知と媒介
神の存在証明
(a) 一般論
(b) 宇宙論的証明
(c) 自然神学的証明
(d) 存在論的証明
(e) 存在証明の評価
B 媒介知 有限・無限関係
3 宗教の思弁的概念
五 儀式
1 信仰論
2 儀式形態
3 国家論
第二部 規定的宗教
第一章 自然宗教
一 直接的宗教
1 魔術
2 その客観的規定
3 その儀式
二 意識の自己内分裂
形而上学的概念
1 中国の宗教
2 想像の宗教
3 自己内存在の宗教
三 自由の宗教への移行段階にある自然宗教
1 ペルシアの宗教 善の宗教、光の宗教
2 シリアの宗教 苦の宗教
3 エジプトの宗教 謎の宗教
第二章 精神的個別性の宗教
移行とこの宗教の形而上学的概念
一 崇高性の宗教
二 美の宗教
三 合目的性の宗教
第三部 絶対的宗教
総論的に
第一章 父の国
三一論
第二章 子の国
一 罪責論
二 和解論
三 神の死
第三章 霊の国
結論
あとがき
付録
I グロックナー版 ヘーゲル宗教哲学講義総目次
II ラッソン版 ヘーゲル宗教哲学講義総目次
参考文献

習慣の哲学
創文社オンデマンド叢書
古代・中世の習慣概念の形成と展開を歴史的に跡づけ、さらに習慣の体系的考察により今日閑却されている習慣の復権を主張した問題作。
【目次より】
再版への序言
初版はしがき
目次
第一部 序論
第一章 習慣の概念
第二章 経験主義と習慣の問題
第二部 習慣論の歴史的研究
第三章 トマスの習慣論
はじめに
第一節 歴史的源泉
第二節 習慣の本質
第三節 習慣の原因
第四節 習慣と徳 トマスの人間論
第五節 トマス以後の展開
第四章 パースの習慣論 経験主義と形而上学
第五章 デューイの習慣論 経験と習慣
第三部 習慣論の体系的研究
第六章 習慣と価値
第七章 習慣と自由
第八章 習慣と意志
第九章 意志と徳
第十章 習慣と法
第十一章 習慣と因果性
第十二章 習慣と確実性
第十三章 習慣と形而上学
あとがき

知と愛
創文社オンデマンド叢書
詩の扉をあけると、思索の旅が始まる。美しい詩を手がかりに、やさしく綴る哲学への招待。
【目次 より】
第一部
第一章 どこからきてどこへゆくのか
第二章 問うものと問われるもの
第三章 知と愛
第四章 書かれない言葉
第五章 故郷喪失
第六章 ひとりのありか
第七章 美しい身体・美しい心
第八章 眠りと夢
第九章 魂はひた走りに
第十章 みつめる
第二部
第一章 歳月
第二章 はるかな子守唄
第三章 約束
第四章 手紙
第五章 ゆうべの国
第六章 夜想曲
第七章 美をたずねて
第八章 冬の花
第九章 名を知らず
第十章 帰郷
小さな情景 あとがきに代えて

宋詞研究(唐五代北宋篇)(東洋学叢書)
創文社オンデマンド叢書
唐代に起り宋代に盛行した詞は、未開拓な研究分野であるが、本書は詞の様式的発展過程を解明し、その特色を総合的に論じた力作。恩賜賞・日本学士院賞受賞。
【目次より】
荒自序
緒言
序説
第一章 「詞」の語義と韻文様式としての「詞」
第二章 詩と詞
上篇 唐五代詞論
第一章 詞源流考
第二章 温飛卿詞論
第三章 五代詞論
下篇 北宋詞論
第一章 綜論
第二章 張子野詞論
第三章 柳耆卿詞論
第四章 蘇東坡詞論
第五章 周美成詞論
附論一 望江南菩薩蛮小考
附論二 漁父詞考
附論三 霓裳羽衣曲考

日本農業の成長過程(数量経済学選書)
創文社オンデマンド叢書
明治以降、土地条件的には恵まれない日本農業が、いかにしてアメリカなどに迫る成長を遂げたのか。その理由を資源配分の工夫に探る。
【目次より】
まえがき
表目次
第1章 序論
1.1 経済発展と農業成長
1.2 日本農業の国際的位置づけ
1.3 分析の視点
1.4 本書の構成
第I部 成長の数量的把握
第2章 日本農業の成長率
2.1 産出の趨勢
2.2 生産要素の投入と相対価格の変化
2.3 生産性の趨勢
2.4 農業成長過程の要約
第3章 初期成長局面は実在したか 生産統計の信憑性をめぐって
3.1 農業産出データと経済成長モデル
3.2 初期水準と成長率の比較
3.3 ナカムラ説の要約と文献的検討
3.4 産出系列の斉合性テスト
3.5 結語
第II部 成長の要因
第4章 農業技術進歩の諸源泉 マクロ生産関数による接近
4.1 技術進歩の源泉に対するアプローチ
4.2 府県別データによる生産関数の計測
4.3 農業成長への会計的接近
第5章 農業生産力の非農業的基礎
5.1 肥料2
5.2 トラクター
5.3 結語
第III部 成長の諸局面
第6章 農業成長の局面変化と米作技術の集積と拡散
6.1 問題と仮説
6.2 府県別水稲反収データによる検証
6.3 結語と展望
第7章 市場条件と農業成長
7.1 朝鮮・台湾における米作開発政策の背最
7.2 外地米作開発と技術移転
7.3 朝鮮・台湾米の流入と日本農業の停滞
付論 戦後局面の展望
付録A 1874~89年における米生産統計の修正
B 要素分配率の推計
C 基礎資料

トマス・アクィナス哲学の研究
創文社オンデマンド叢書
トマス哲学の根底に潜む「存在の経験」をつきとめ、その経験を徹底することが神や精神への形而上学的探究を促している構造を解明する。
【目次より】
第三刷まえがき
まえがき
引照著作および略号
目次
序論
第一章 トミズムの形成 中世経験論の成立過程
第二章 神学と哲学
第一部
第三章 認識と存在
第四章 認識の対象
第五章 親和性(connatualitas)による認識
第六章 能動知性と存在
第七章 普遍の問題
第八章 心身論
第九章 存在と類比 「経験」の論理としての類比
第二部
第十章 倫理学における理性
第十一章 善の観念
第十二章 倫理的経験としての自然法
第十三章 経験主義と形而上学

中世イギリスの地方行政(増補版)
創文社オンデマンド叢書
著者が研究室に入って以来9年間取り組んできた中世イングランドの地方行政に関する研究の成果。治安判事制、中世イングランドのコロナー、中世後期の地方行政とそれぞれ別のテーマを持つ3論文を収録。旧版の一部を補った増補版。
【目次より】
序
第一篇 治安判事制成立史試論
はじめに
第一章 治安判事制はいつ成立したか
第二章 治安判事制はいかなる制度か
第一節 治安判事職の管轄権
一 土地管轄 二 事物管轄 法廷内の活動
第二節 治安判事職の人的構成
一 社会的出自 二 資格 三 俸給
第三節 治安判事の任命
第四節 治安判事職の監督 王座裁判所との関係
第三章 治安判事制成立をめぐる利害の対立
第一節 ジェントリーの態度
第二節 貴族の態度
第三節 中央政府の態度
むすび
第一篇付論 一四世紀における治安裁判所
はじめに
第一節 治安判事の就任
第二節 開廷日および開廷場所
第三節 起訴陪審
第四節 訴訟手続
第五節 訴訟の結果
第二篇 中世イングランドのコロナー
はじめに
第一章 起源
第二章 管轄区域・選挙・人的構成
第三章 職務
第一節 職務上当然の義務
第二節 特別委任に基づく職務
第四章 効果 俸給・監督
むすび
第三篇 中世後期イングランドの地方行政 シェリフを中心にして
はじめに
第一章 前史 一三世紀に至るまでのシェリフ職
第二章 シェリフ職の任命・任期・人的構成
第一節 任命
第二節 就任
第三節 任期
第四節 資格
第五節 社会的出自
第三章 シェリフ職の管轄権
第一節 土地管轄
第二節 職務
一 司法上の職務 二 行政上の職務 三 財政上の職務 四 職務量
第四章 シェリフ職の報酬・腐敗・監督
第五章 シェリフの下僚
第一節 州全体を管轄区とする下僚
第二節 州の一部を管轄区とする下僚
一 ハンドレッド・ペイリフ 二 治安官
第六章 特権領
第一節 特権
一 司法上の特権 二 行政上の特権 三 財政上の特権
第二節 特権領
第三節 特権領役人
第四節 特権に伴う義務と中央の監督
むすび
第四篇 一四世紀のエスチーター
はじめに
第一章 エスチーター職の歴史
第二章 エスチーター職の構成
第三章 エスチーターの職務
むすび
付篇一 「中世イギリスの地方行政」再論 批判に答える
付篇二 名望家支配の典型としての治安判事制

自然法論
創文社オンデマンド叢書
本書は「ばら戦争」最中の一四六一-六三年頃、王座裁判所首席裁判官の経験もあるジョン・フォーテスキューによって、ランカスター朝ヘンリ六世の権原を擁護するという実践的意図の下に書かれたものである。イングランドにおける従来の相続法準則によれば、ヨーク朝による王位継承権の主張が有利であったため、フォーテスキューは「被相続人たる国王に男子直系卑属が存在しない場合に、娘およびその子たる孫と国王の弟のいずれが王位継承権を有するか」という――現実の王位継承争いがその応用問題となるような――形で問題を設定し、自然法を準拠法として「弟」に有利な結論を導き出す。詳細な訳註を付した本訳書は、一九世紀の刊本と一六世紀の残存写本(Lambeth MS 262)の厳密な校合に基づく決定版。
【目次より抜粋】
凡例
覚書
第一部 自然法の本質について
第一章 ここで著者は、その執筆の理由を示す。
第二章 これは法に属する問題ではあるが、著者は他の諸分野の援助を拒むものではない。
第三章 この問題の解決は、カノン法あるいはローマ法以外の法を必要とする。
第四章 モーセの手を介して律法が与えられるまで、自然法のみが但界を支配していた。
第五章 自然法は他のすべての人定法にまさっている。
第六章 メルキゼデクは自然法の下でのみ王とされた。
〔省略〕
第四〇章 いかにして正義の名が人の名に等しいものとさせられるか。
第四一章 ここでは、始源的正義が自然的正義といかに相違するかを見よ。
第四二章 自然法は何故に神に属すると言われ、また神法の娘と言われるのか。
第四三章 人定法の神法に対する関係は、月の太陽に対する関係のごとくである。
第四四章 ここでは、神法の目的と人定法の目的が問われ、それが示される。
第四五章 知性を通して活動する意思の目的は二つある。
〔省略〕
第二部 至高の諸王国における継承権について
第一章 提起された問題において正義が裁判官として選ばれ、立てられる。
第二章 王の娘の権原
第三章 王の娘が主張した最初のことに対する王の孫の返答
第四章 王の娘が主張した第二のことに対する〔王の〕孫の返答
第五章 イスラエルおよびユダの王国において、女達は決して継承権を有してはいなかった。
[省略]
第七一章 慣習は、上位のものを知らない王国において女が継承することを可能としない。
訳者あとがき

英米法の歴史家たち
創文社オンデマンド叢書
本書は、イングランド法制史の泰斗、ホウルズワースが一九二七年に行った連続講義の記録であり、イングランド法の流れとその論点が鳥瞰的に把握できる第一級の入門書である。内容は、法制度の伝統を築いた法律家、学者についての列伝、学説史であるが、メイトランドの「なぜイングランド法の歴史は書かれざるや」という問題提起に対し、何が書かれ、何が書かれていないのかについて明確な見解が述べられ、イングランド法制の重要な論点について興味ある指摘が、主著『イングランド法の歴史』を踏まえて各所でなされる。巻末には、本講演の契機ともなったメイトランドの有名なダウニング講座就任講義「なぜイングランド法の歴史は書かれざるや」を併せて収載する。
【目次より】
凡例
英米法の歴史家たち
第1章 実務家的伝統
第2章 十七世紀と十八世紀の歴史家たち
第3章 四人のオックスフォード大学教授
第4章 米国と外国の貢献
第5章 メイトランド
原注および訳注
なぜイングランド法の歴史は書かれざるや
訳注
解題
訳者あとがき

民法総則講義(二訂版)
創文社オンデマンド叢書
司法試験に好個のテキストとして評判の高い著者の≪民法講義シリーズ≫総則篇。二訂版では大改正がなされた成年後見制度の叙述がいっそう充実し、消費者契約法、特定非営利活動促進法、中間法人法など関連諸法律の成立にも充分目が配られ、すべての項目について大幅な加除・修正がほどこされた。
【目次より】
二訂版について 初版まえがき 改訂版について
第一章 自然人
第一節 権利能力
第二節 判断能力不十分な者の保護制度
第二章 法人
第一節 組合
第二節 公益社団法人
第三節 公益財団法人
第四節 法人一般について
第三章 契約ないし法律行為
第一節 序説
第二節 内容を理由とする契約の無効
第三節 表示者が自己の意思表示によって拘束される範囲
第四節 契約の無効と取消
第五節 法律要件一般について
第四章 代理
第一節 総説
第二節 代理権
第三節 代理行為
第四節 代理行為の効力
第五節 代理に類似した諸概念
第五章 時効
第一節 序説
第二節 取得時効
第三節 消滅時効
第四節 時効制度についての総論
第六章 むすび(民法総論)

英国の私家版
創文社オンデマンド叢書
自らデザインし彫り上げた活字や挿絵の木版を使って自分が書いた文章を自分で組版し手引き印刷機で印刷する。こうして作られた書物を英国では「私家版」(プライヴェット・プレス)と呼ぶ。本書は「私家版」の伝統が今日まで脈々と生き続けている英国において、ウィリアム・モリス、コブデン・サンダスン、セント・ジョン・ホーンビーなど、私家版工房(プライヴェット・プレス)の創設者たちが持っていた社会と芸術に対する理想像を克明に分析し、その歴史的・社会的背景を明らかにした異色の書。240頁におよぶ「書誌」は私家版研究の格好の手引き。
【目次より】
『日本語版』への序文
第二版への覚え書
目次
序文
I 英国の私家版
ダニエル・プレスと一九世紀のオックスフォード
ケルムスコット・プレスとウィリアム・モリス
アシェンディーンと紳士の素養
エセックス・ハウスとギルド社会主義
ヴェイル、エラニと審美運動との関連
ダヴズ・プレスと高遠な理想主義
グリガノッグ・プレスとゴグマゴッグ・プレス
ゴールデン・コッカレル・プレスとシェイクスピア・ヘッド・プレス
その他のプレス
蒐集
II 書誌
序文
ダニエル・プレス
ケルムスコット・プレス
アシェンディーン・プレス
エセックス・ハウス・プレス
ヴェイル・プレス
エラニ・プレス
カラドック・プレス
ダヴズ・プレス
グリガノッグ・プレス
ゴールデン・コッカレル・プレス
シェイクスピア・ヘッド・プレス

債権法講義(四訂版)
創文社オンデマンド叢書
債権総論・各論全般に亙る生き生きとした講義。身近な問題が法といかにして係わっているかを簡明に論じながら、複雑な概念規定、要件、効果の問題をおのずと理解させるユニークな方法で定評の書。四訂版では定期借家権の新設、任意後見契約法、消費者契約法の制定等、近時の改訂を踏まえて、大幅な改訂が加えられた。
【目次より】
四訂版について
初版まえがき
改訂版について
二訂版について
三訂版について
第一章 不法行為
第一節 不法行為の古典的要件
第二節 古典的要件論の修正
第三節 不法行為の効果
第四節 共同不法行為
第二章 売買
第一節 売買契約の成立
第二節 買主の義務
第三節 特定物売主の義務
第四節 種類物売主の義務
第五節 代金支払い債務と目的物引渡し債務との牽連性
第六節 売買当事者相互の相手方保護義務
第七節 割賦販売
第三章 贈与
第四章 消費貸借
第一節 序説
第二節 無利息消費貸借
第三節 利付き消費貸借
第四節 準消費貸借
第五節 弁済以外の事由による貸金債権の回収
第六節 貸金債権の人的担保
第七節 貸金債権の譲渡と借入金債務の引受
第五章 賃貸借と使用貸借
第一節 賃貸借
第二節 使用貸借
第六章 他人の労務を利用する契約
第一節 雇傭
第二節 請負
第三節 委任
第四節 寄託
第七章 契約法についての補遺
第八章 不当利得
第一節 他人の財貨からの不当利得
第二節 給付不当利得
第三節 三角関係的不当利得
第四節 不当利得法における類型論