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2022.06.17発売
伝説のイエロー・ブルース
講談社文庫
「あんたは黒人じゃない。でも、あんたのソウルは黒人よりももっと黒い」。カバン一つと古びたギターをかかえて海を渡った男が、あらゆる屈辱と人種差別を乗り越え、ニューヨークの舞台で贈られた称賛の言葉(オマージュ)。アメリカ合衆国に一人闘いを挑んだミスター・イエロー・ブルース、大木トオルが語る熱気に満ちた青春の軌跡。

2022.06.17発売
菊と鷲
講談社文庫
摩擦と軋轢が高じた今、日米パートナーシップの新しい在り方を提案。「NO」を連発すれば日本は国際的孤立を招く。だが「YES」オンリーでアメリカの51番目の州に甘んじられるか。この二律背反を止揚するのがジャパメリカの発想である。長い間覇権を握り続けてきた国アメリカと共に生きる知恵! 世界的普遍性を持った価値を共有せよ! 第1回読売論壇賞受賞作。

2022.06.17発売
謀殺下山事件 日本の熱い日々
講談社文庫
昭和24年7月6日午前0時20分、国鉄レール上で起こった事件、下山国鉄総裁の死をめぐる謎は深い。占領軍が駐留する混乱した状況下での解明は、「自殺」か「他殺」かをめぐって難航をきわめた。しかし、30年に及ぶ執念の追跡が、昭和史の暗闇に眠る恐るべき真相を解き明かした。事件の全貌を決定的証言で綴る。

2022.06.17発売
この人を見よ ブッダ・ゴータマの生涯
講談社文庫
真実の人生を生きるために出家し、思索し、ついに悟りを得たブッダ。孤独や弟子の反逆にも耐え、本来の生き方を説き続けたブッダ。仏教学の泰斗が、豊かな学殖のすべてと暖い心をこめて、この「偉大なる人」の生のドラマを描く。パーリ原典に依拠し、後世の虚構を排して把えた人間ブッダの真実を描く画期的な評伝!

2022.06.17発売
家族の神話
講談社文庫
野々村英が5歳の時、両親は離婚した。12年後、高3になった英は、スペイン料理店を営むまだ若く美しい母にうっとうしさを覚えている。母と子の微妙な隙間に女子大生・亜紗子が入って来た。英は母に内緒で彼女と同棲する。一方で、記憶の底に潜む幻であり憧れである父との、皮肉な再会が実現するのだが……。家族とは、都会人とは? 文化的で猥雑な時間の洪水のなかで豆粒的に生きる家族を描く。

2022.06.15発売
枢密院 近代日本の「奥の院」
講談社現代新書
「仮普請」の近代国家=明治日本。未熟な政党政治の混乱から「国体」を護るための「保険」として、枢密院は創られた。しかし「制度」は、制度独自の論理により歩みはじめる。そしてついにはようやく成熟し始めた政党政治と対立し、政治争点化する。伊藤博文による創設から第二次世界大戦敗北、新憲法成立による消滅まで、その全過程を描く、新書初の試み。

2022.06.15発売
NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる
講談社現代新書
2021年度新聞協会賞受賞、同年度ギャラクシー賞「報道活動部門」選奨受賞!
19歳女性は軍に銃殺されたのか?
ミャンマー軍はなぜ暴走したのか?
報道は激動の世界で何ができるのか?
新型コロナ禍で現場に行けなくなったNHKスペシャル取材班が、デジタル調査報道で「真相」を突き止めるまで――。
NHKスペシャル取材班が「報道革命」に挑戦した奮闘記。インターネット上の様々な情報や、SNSに投稿された動画や画像、地図情報や衛星画像など誰もがアクセスできる「公開情報」を使って、「不都合な真実」を暴くことはできるのか? デジタル調査チームは新手法をどのように身につけ、成長していったのか?
【本書のおもな内容】
●ロシア・ウクライナ報道でも注目される「オシント(OSINT:Open Source Intelligence)」
●現地に入らずに取材をする「新しい手法」
●1000件以上のデータ分析・検証で見えた「真相」
●「自撮り」でドキュメンタリーを作る
●新型コロナがヒトに感染したのはいつだったのか
●世界中が注目するネット調査集団「べリングキャット」
●ダイニング・キッチンから「軍の非道」を暴く
●SNSから投稿が突然消えていった背景
●「4秒に満たない動画」に映っていたもの
●位置情報や衛星画像という「強力な武器」
●市民への攻撃に使われた兵器を特定する
●元将校たちが明かした「クーデターの真の理由」
●誰もが「権力ウォッチャー」であるために
【目次】
プロローグ 誰も現地に行けなくなった国際報道の現場
■第1部 真相はSNSの海にあり?
第1章 「デジタルハンター」たちとの出会い
第2章 クーデター発生!ダイニング・キッチンでの闘い
■第2部 オールドメディア、「報道革命」への挑戦
第1章 “デジタル調査報道チーム”前途多難の船出
第2章 「エンジェルの死の謎」に挑む
■第3部 「デジタルハンター」成長記
第1章 OSINT技術を学んだディレクターたち
第2章 放送とウェブサイトの連動に挑戦
■第4部 OSINTで「軍の闇」を暴け!
第1章 未解明の“バゴー事件”徹底検証
第2章 軍の暴走の背景に何があったのか?
エピローグ 2月24日にすべてが変わった
制作後記

2022.06.15発売
うちの旦那が甘ちゃんで 寿司屋台編
講談社文庫
江戸の町で「屋台泥棒」というのが捕まった。それは単なる泥棒のようでいて、屋台を引きながら盗む先を物色しているらしいのだ。ほかにも屋台泥棒はいるらしい。屋台全部が容疑者ということもあって奉行所も手をこまねいていた。事件が大ごとになると「屋台自体を禁止」にされかねないからである。そんなとき.月也のもとに深川の岡っ引き・金吾親分が訪ねてくる。姿を見せない屋台泥棒を捕まえてほしいというのだった。そして月也と沙耶に夫婦で屋台を引くことを提案する。さすがに月也は嫌がったので、沙耶は牡丹に手伝ってもらって「握り寿司」の屋台を選んだ。男装の沙耶が夫役で、牡丹が妻の役。月也とともに屋台を引く。音吉や喜久も手伝うということになった。泥棒は盗賊とちがって単独犯である。しかし単独犯でも複数いればもはや集団といっしょであった。しかもちょっと屋台を休んでいる間に盗んでいるようなのだ。現場を押さえるためには屋台を引くしかなかった……。

2022.06.15発売
インフォデミック コロナ情報氾濫
講談社文庫
テレビのワイドショー制作会社に入社した駒野しおりは、ADとして忙しい日々を送っていた。だが、コロナ報道に対する番組の姿勢や、私利私欲に走るプロデューサーたちの姿に、違和感を覚え始める。そしてしおりが2時間の生放送で曝した恐るべき「真実」とは……。元芸人の作家が2年余のコロナ禍を事実に即して描く、前代未聞の書下ろしメディア小説!

2022.06.15発売
亥子ころころ
講談社文庫
“思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。
親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説!
武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。
全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、
粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。
聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。

2022.06.15発売
ゼロからわかる量子コンピュータ
講談社現代新書
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経済安全保障の最優先課題
「量子コンピュータ」について
わかりやすく解説した入門書!
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自動車・金融・化学・製薬・物流
メタバース・AI……
量子コンピュータは
世界をどう変えるのか?
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いま世界各国では、既存のスーパーコンピュータを
遥かに凌ぐとされる「量子コンピュータ」の
大規模な開発プロジェクトが進み始めている。
本書はそれを無条件に肯定したり、あるいは
逆に頭ごなしに否定するといった内容ではない。
量子コンピュータの基本的な原理から産業的側面、
さらには社会・政治的インパクトに至るまで、
多面的な事実を積み上げ考察を加えることにより、
その際どい実現可能性を検証していくのが
本当の狙いである。
はたして「夢の超高速計算機」は
本当に実現するのか――。
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IBM,グーグル、
マイクロソフト、アマゾン……
ビッグテック参入のウラで
報じられていない実態とは?
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・・・本書のおもな内容・・・
第1章 巨額の投資対象に変貌した「科学の楽園」
――量子コンピュータとは何か
「経済安全保障」の最優先課題
これから高まる“量子人材”の必要性
2023年が実用化へのターニングポイント
グーグルvs.IBMの激しい応酬
別路線を歩むマイクロソフトの意図
猛追するアマゾンの焦り ほか
第2章 現実離れした「量子コンピュータ」のしくみ
ーー謎の超高速計算機はどう動いているのか
量子力学の基本法則
全知全能の神ですらわからない「真の不確実性」
量子ビットの作り方
量子コンピュータ開発の技術的難題
量子コンピュータ=汎用性が高いとは言えない理由
巡回セールスマン問題は解けるのか?
「P≠NP予想」とは ほか
第3章 量子コンピュータは世界をどう変えるのか
【自動車】渋滞を解消しサプライチェーンの最適化
【金融】投資ビジネスの競争優位性を高める
【化学】最適な組み合わせを見つけバッテリー開発に活かす
【製薬】創薬にかかる膨大な時間とコストを圧縮
【物流】配達ルートや輸送手段の効率化
【メタバース】巨大な仮想経済圏を難なく支える超並列コンピューティング
暗号破りコンテストの結果と次世代暗号導入を急ぐ理由
暗号をめぐる中国と米国の駆け引き ほか

2022.06.15発売
維新ぎらい
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仮想敵をつくって対立を煽る維新と
橋下徹氏の圧力に
政治家・大石あきこが抗う理由とは?
分断を生む「維新政治」で
本当にいいのだろうか?
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橋下徹さんの世界観は、大阪の地域政党
「大阪維新の会」に引き継がれ、
その後、国政政党「日本維新の会」へと
つながっています。
大阪を中心に全国でも支持を広げており、
2021年秋の衆院選では
野党第2党に躍り出ました。
「身を切る改革」をキャッチフレーズに
野党第1党に迫る支持率を得ています。
リベラルな政策も掲げています。
はたしてそれらの実態はどうなのか?
「維新政治」の何が問題なのか?
維新が発足してから10年あまりが
経ちました。
本書では、
この間の大阪で何が起き、
橋下さんや維新がどのような役割を
果たしてきたのかを検証していきます。
私がなぜ維新に嫌悪感を
抱かずにはいられないのかも
考察します。
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「お腹がすいた」こそが正義。
素人集団でも悪政は止められる。
草の根の力で未来を切り開こう!
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―――本書のおもな内容―――
序 章 橋下徹と私:似て非なる者
――転機となった「14年前の出来事」
第1章 橋下徹が大阪に残したもの
――公務員バッシングで得したのは誰?
第2章 私のたどってきた道
――不安と挫折から得たもの
第3章 政治家・大石あきこ
――仲間を増やして世の中を変えるために
第4章 私が「維新ぎらい」の理由
――有権者をあざむく裏切りの“だまし絵”
第5章 息苦しさの正体
――無意味な競争、やめませんか?

2022.06.15発売
異動辞令は音楽隊!
講談社文庫
三十年間犯罪捜査ひと筋、「足を使え」が口癖のゴリゴリ昭和気質の刑事・成瀬司は、世が令和になってもかまわず「刑事の勘」を頼りに法律スレスレの捜査を行い、コンプライアンスを無視した行動を続けた結果、パワハラの告発を受け捜査の最前線から、これまで存在すら知らなかった広報課警察音楽隊への異動を命ぜられる。
社会のため組織のため家族のためと一心不乱に働いてきたのに、気づけば組織からは時代遅れとはみ出してしまい、家族はバラバラ。異動先にも当然なじめず、人間関係にも、音楽隊の演奏にも、不協和音が鳴り響いてーー。
ロングヒットを記録した映画「ミッドナイトスワン」の内田英治監督が、ミドルエイジの葛藤、生き様、そして音楽が繋ぐ絆を描く爽快なエンターテインメント!〈文庫書下ろし〉
刑事(デカ)→ドラム奏者!?

2022.06.15発売
本格王2022
講談社文庫
一編15分、世界がぐるりと裏返る。
本格ミステリ作家クラブが選んだ2022年の本格ミステリ短編の最高峰!
☆☆☆
目次
序 本格ミステリ作家クラブ会長 東川篤哉
道尾秀介「眠らない刑事と犬」
大山誠一郎「カラマーゾフの毒」
芦沢央「アイランドキッチン」
方丈貴恵「影を喰うもの」
浅倉秋成「糸の人を探して」
森川智喜「フーダニット・リセプション」
解説 廣澤吉泰
☆☆☆

2022.06.15発売
真理のひびき 天風哲人 新箴言註釈
講談社文庫
人生はただ一回限りである。ならば何としても生き甲斐のある人生を送らなければならない。「健康や運命が意のままにならないときほど『心』を積極的にする」「自己の言行をできる限り人の世のためになることに重点を置く」「不平不満を口にしない」「気取ったり、ぶったりしない」「どんな場合にも慌てない」「不幸に直面しても、現在生きていられることに感謝する」「腹を立てている人には決して過度の共鳴をしない」「自己自身を正しく向上させるために反省を行う」など──、価値ある人生建設に必要とされる心得を集録した、天風哲人絶筆本。

2022.06.15発売
大変、大変、申し訳ありませんでした
講談社タイガ
謝るのはタダ
赦されるには1000万円
暴利の謝罪コンサルタントと事務員の私が大騒動!?
「謝罪」にまつわる爽快お仕事小説!
―――
冷徹冷血で報酬は法外、謝罪コンサルタントの山王丸は、
炎上必至の謝罪会見を裏から操り、コーディネートする凄腕だ。
パワハラのワンマン社長の被害者、国民的清純派女優、
気鋭の女性研究者―― 炎上を恐れて今日も様々な人が事務所を訪れる。
頭脳明晰の難ありアシスタント・氷室と、
単なる事務員の私をなぜか巻き込んで、
今日も謝罪会見の幕が上がる!
前代未聞の謝罪お仕事小説!

2022.06.15発売
将軍の宴 公家武者信平ことはじめ(九)
講談社文庫
舞うは義のため
斬るは人世のため
累計140万部突破!
これぞ江戸活劇!
実在した公家武者を描く大人の時代小説
―――
四代将軍家綱の御台所顕子女王暗殺の謀あり。
将軍の宴を汚すは天下の一大事。
信平は情報源の公家・千田有能に協力を求めるが、
どうやら元公家の信平に二心があるらしく……。
宴に沸く庭園、進む武舞と迫る危機に信平の秘剣が瞬く(将軍の宴)。
実在した公家武者の爽快無比な立身譚、始まりの物語第九弾!

2022.06.15発売
りぽぐら!
講談社文庫
超絶技巧!!!
「30音で小説は書けるのか!?」
活字を愛するすべての人に捧ぐ、言葉遊びの真骨頂!!
文庫書下ろしリポグラムも収録!
特定の語や特定の文字を使わないという制約のもとに書かれた小説=リポグラム。
何文字あれば小説は書けるの!?
「妹は人殺し」「ギャンブル『札束崩し』」「倫理社会」の3編を、
それぞれ異なる文字制限に従い、4パターン執筆。
言葉遊びの奇才が放つ、超絶技巧の小説集!
文庫書下ろし掌編「地球にスペースはない」収録。

2022.06.15発売
カラー図説 生命の大進化40億年史 古生代編 生命はいかに誕生し、多様化したのか
ブルーバックス
本書は、40億年にわたる生命の進化史を綴る全3巻企画の一冊目、古生代編です。進化の新たなステージに登場した特徴的な種を特に取り上げ、豊富な化石写真と美しいカラー復元画とともに解説していきます。
古生代編では、生命の誕生から哺乳類の祖先に近いグループである単弓類の登場までを7つの地質時代を通して見ていきます。生命の誕生した先カンブリア時代から、多種多様な多細胞生物が登場したカンブリア紀、三葉虫類やウミサソリ類が繁栄したオルドビス紀とシルル紀、魚類が大繁栄し、脊椎動物が四肢をもち陸上への足がかりを築いたデボン紀、植物が大森林をつくり、巨大昆虫が栄え、爬虫類が登場した石炭紀、そして哺乳類の遠い親戚である単弓類が繁栄したペルム紀までの37億5000万年の生命進化の歴史。各時代に現れた、進化史上で重要なおよそ80種をピックアップして紹介。本書に登場する生物を追っていくだけで、生命の進化の流れが理解できる構成になっています。
目次
第1章 はじまりの時代 先カンブリア時代
第2章 爆発的進化の時代 カンブリア紀
第3章 先駆者たちの時代 オルドビス紀・シルル紀
第4章 革命の時代 デボン紀
第5章 終焉の時代 石炭紀・ペルム紀
著者紹介
土屋 健
オフィス・ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者、サブデスク(部長代理)を経て2012年に独立し、現職。近著に『機能獲得の進化史』(みすず書房)、『地球生命 水際の興亡史』(技術評論社)、『恋する化石 「男」と「女」の古生物学』(ブックマン社)など多数。

2022.06.15発売
地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球
ブルーバックス
地球温暖化、そして「気候変動」は、どうすれば解明することができるのか?
2021年、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士。
この受賞は、「気候システム」という複雑系の物理分野に贈られた初のノーベル賞でもありました。
その「気候システム」という遠大な謎への挑戦が、本書では詳細に語られます。
真鍋先生が初期の研究で用いた大気層を18層に区分、その放射・対流を計算する「1次元の鉛直モデル」からはじまり、成層圏までを、さらに雲による太陽放射の反射率の変化、陸上と海上の違い、極域での氷の面積の変化、緯度・経度による変動や季節要因による変化。さらには、海洋の対流による深層への熱の移動、そして土壌や河川における水の移動まで、2万年前の古気候を再現するというプロジェクトから始まった気候システム解明への挑戦は、その努力によって精緻なシミュレーションを可能としました。
この研究の成果は、非常に高い精度で「地球温暖化」の予測を可能にしていることも知られています。
シミュレーションの中で、CO2の濃度を変化させていったときに、どのような結果が表れるのか。
その結果は、カラーの図とともに本書の随所でていねいに解説されています。
地球温暖化とはなにか? それは、どう考えるべきものなのか?
いま大きな科学、社会的な関心事でもある地球温暖化についても、深い理解を得ることができます。
本書は、プリンストン大学での真鍋博士の講義をもとに構成されています。
また、本書の監訳を担当した、増田耕一博士、阿部彩子博士も、真鍋先生が1983年に東京大学で行った講義や、その講義録で学んだ研究者でもあります。
「気候システム」という大きな謎、そして地球温暖化という人類的な問題に挑む科学者の探求の軌跡として、21世紀を生きる私たちにとって必読の科学書の登場です。