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釧路・網走殺人ルート
2020.12.11発売
釧路・網走殺人ルート
著:西村 京太郎
講談社文庫
公金横領の上に、殺人者の汚名まで着せられた会社員の逃亡ドラマ! 逃亡者の陰の真相を追う十津川警部ーー会社の金1億円を持ち出して、北海道に逃走した古谷は、寝台急行の車中で愛人と合流するが、そのときすでに愛人は、何者かに殺されていた。古谷は、横領犯に加え、殺人犯の汚名まで着せられる。なおも彼を追い詰めてくる、謎の男の正体は? そして意外な真相とは? 十津川警部らが北海道を駆ける長編。
電子あり
寝台特急六分間の殺意
2020.12.11発売
寝台特急六分間の殺意
著:西村 京太郎
講談社文庫
恐怖の殺人予告VS十津川警部らの名推理ーー十津川警部と妻との電話にまぎれ込んだ奇妙な電話は、殺人を相談するショッキングなものだった。キイワードは、6分間、東京駅、午後6時半。数多い列車の中で、条件を満たすのはどれか? そして6分間とは停車時間か? 接続時間? おなじみ十津川・亀井コンビの目まぐるしい活動が始まる……。という表題作など5編を収める、会心の鉄道ミステリー。
電子あり
無名人名語録
2020.12.11発売
無名人名語録
著:永 六輔,装丁:鈴木 成一
講談社文庫
ドキッとしてハッとする名言の数々。巷に生きる無名人が残した名言・箴言・格言・警句の傑作を、どうぞ声を出して読んで下さいーー日本全国1億2000万人が創った、名言・箴言・格言・警句。巷に生きる無名人が残した言葉を、ひたすらメモしてみると、時にドキッとするような内容にであう。ジッとかみしめ想いをひろげていくと、何かそこはかとない共感と連帯の気持ちがわいてくる。ここに集めた傑作を、どうぞ声をだして読んでください。
電子あり
阿蘇殺人ルート
2020.12.11発売
阿蘇殺人ルート
著:西村 京太郎
講談社文庫
死者が殺人を予告? 十津川警部を翻弄する謎ーー火の国での殺人を予告する手紙が、東京警視庁に届いた。だが、差出人とみられる井上は、成城の自宅で死体となって発見された。3日後、阿蘇の雄大な裾野を走る急行「火の山」の車内で、不動産業者が殺される。そして再び、事件の続発を予告する電報が、警視庁へ。発信人は何と井上! 十津川警部を翻弄する奇怪犯罪とは?
電子あり
気ばたらきしてますか
2020.12.11発売
気ばたらきしてますか
著:塩月 弥栄子,装丁:菊地 信義,装丁:山岸 義明
講談社文庫
自分自身を高める生き方のマナーを、自らの波乱の人生をふまえて綴る感動のエッセイ。人生を無駄にしないための知恵袋! ーー気ばたらきとは、社会生活を営む人間にとっては、ごくごくあたりまえの。当然、そなえていなければならない特性です。ちょっとした生活技術の習得です。結婚・離婚・再婚・子どもたちとの再会・夫との死別など、自らの70年近い波乱の人生体験をふまえて、人はいかに生きるべきなのか、人としてのマナーとは何かを、心をこめて綴った感動のエッセイ。人間らしく生きるためのアドヴァイス、人生をムダにしないための知恵。
電子あり
日本シリーズ殺人事件
2020.12.11発売
日本シリーズ殺人事件
著:西村 京太郎
講談社文庫
プロ野球に八百長はあるか? 日本シリーズに仕掛けられた黒い罠を、球界追放の元エースが追及するサスペンス。プロ野球への魔手が華麗舞台で発覚! ーープロ野球の若きエース・梶は、八百長容疑で球界から追放された。それから13年後、梶のもとへ、かつての同僚で現在コーチ業をしている今井から、救いを求めてくる。女性問題をタネに脅迫されている、という。折しも、日本シリーズの直前だ。そして今井の身に異変が……。華やかな日本シリーズの舞台裏にうごめく魔手を、サスペンス満点に描く長編サスペンス。
電子あり
ぼくの好色天使たち
2020.12.11発売
ぼくの好色天使たち
著:梶 龍雄,解説:氷川 瓏,装丁:菊地 信義,装画:シックス,装画:川口 晴美
講談社文庫
戦後の池袋闇市を舞台に、心やさしき「街の天使たち」の連続殺人を描く傑作ミステリー。愛すべき街の天使たちを殺したのは誰だ!? ーーテツガクさん、アラクマさん、春頭さん、トラックさん、リクシ、弘道、そして愛すべき「街の天使たち」……。混沌とした昭和21年、池袋駅前の焼跡に建てられた、闇市マーケットの人間模様。天使の京子が、そして義子が殺された。続いて由美も襲われた……。3つの事件の共通点が、意外な犯人を指名する!
電子あり
好太王碑の謎 日本古代史を書きかえる
2020.12.11発売
好太王碑の謎 日本古代史を書きかえる
著:李 進煕,装丁:志賀 紀子
講談社文庫
なぜ古代の日朝関係碑文が改ざんされたのか? 隠された狙いと作りかえの真相を明かす。参謀本部が加えた碑文改竄の狙いは何か? ーー「謎の四世紀」といわれる日本古代史にあって、「任那日本府」の存在を裏づける不可欠な資料が、好太王碑であった。ヤマト政権の成立と統一の時期を論ずる根拠として利用され、教科書にまで登場している。しかし、そこには意図した歴史の作りかえがなされていた。なぜ、古代の日朝関係碑文が改竄されたのか。多年の研究から決定的な真相を明かす。
電子あり
パズル百科
2020.12.11発売
パズル百科
著:高木 茂男,解説:下平 和夫,装丁:菊地 信義,装画:平松 尚樹
講談社文庫
古今東西のパズルに結晶した遊びの枠を大公開! リンド文書にある数学遊戯から、西欧中世の魔法陣、迷路、清少納言「知恵の板」、江戸時代のなぞなぞまで、パズルにまつわるエピソードを紹介し、問題を解きながら妙味を満喫する百科。知的遊びと機知・頓才の術を身につければ、あなたの創造力は倍増すること、まちがいなし。
電子あり
海を見ないで陸を見よう
2020.12.11発売
海を見ないで陸を見よう
著:梶 龍雄,解説:氷川 瓏,装丁:菊地 信義,装画:山下 昌也
講談社文庫
美しい姉妹と青年との避暑地の恋の結末は? ーー昭和23年、高志は、東舞子の浜に建つ伯母の別荘で、ひと夏を過すことになった。久しぶりの再訪、そして、隣家の美人姉妹との戦争をはさんでの再会。互いに成人した彼らの間に、微妙な感情が芽生える。そんな折に、妹の津枝子が水死した。ひそかに恋人ときめていた津枝子の死に、悄然となりながらも、高去は、死因に疑いを抱く。美しい海に青春の痛みをからめた、本格長編ミステリー。
電子あり
冗談ばっかり
2020.12.11発売
冗談ばっかり
著:永 六輔,解説:J.F・ジルベンシ-,装丁:菊地 信義,装丁:山岸 義明
講談社文庫
現代世相の本質にズバリ斬り込む、六輔辻説法! 面白、可笑しく、冗談でまじめ、まじめで冗談に、「離島独立」「福祉」「天皇制」「女と男の文化」などを大考察。限りなく不透明な浮世の深みから、隠された真実をすくい出し、行き交う人々の胸に爽やかな共感をひろげる。ペンは剣よりも強く、口舌はペンより強し!
電子あり
透明な季節
2020.12.11発売
透明な季節
著:梶 龍雄,装画:滝波 明生,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
ミステリーの傑作。江戸川乱歩賞受賞作。ぼくは夜明けまで犯人を追っていた……ーーポケゴリが死んだ。しかも、殺されたのだ。あの憎い配属将校の死は、とても喜ばしい。殺した奴は、ほんとうに偉い、と思う。でも、あの美しい薫さんが、あいつの奥さんだったなんて、ぼくの胸は、張り裂けそうだ。……戦時下の学園生活を舞台に、年上の女性に淡い思慕を抱く一中学生の体験を描く、青春推理長編。江戸川乱歩賞受賞作!
電子あり
針の誘い
2020.12.11発売
針の誘い
著:土屋 隆夫,その他:上原 徹
講談社文庫
P国公使館の角を曲った千草検事の前に、いきなり飛びだしてきた若い女性は、幼児が誘拐された、とつげる。500万円の身代金を要求する脅迫状も、発見される。身代金は、刑事の監視の中で手渡されるが、持参した母親が、殺害されてしまった。家族をも巻き込む熾烈な企業競争を背景に、綿密に仕組まれた犯罪を追求する、本格ミステリー。
電子あり
ベストカーのトラックマガジンfullload  VOL.39
2020.12.10発売
ベストカーのトラックマガジンfullload  VOL.39
編:ベストカー
■世界のトラック 【その他の国々編】見たこともないトラックの競演 旧ソ連地域、中東、そして北朝鮮まで ■誌上開催IAA2020/燃料電池大型トラック最新動向 ■新型キャンター解説 ■ふそうスーパーグレード公道試乗 ■素晴らしき超重量物輸送の世界 ■ビルダーの1台 木材チップ輸送車 ■架装メーカーの方途
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パリ歴史探偵
2020.12.10発売
パリ歴史探偵
著:宮下 志朗
講談社学術文庫
景色にまぎれた不自然な段差、小さな抜け道。かすかな違和感に導かれ、古地図を広げて一九世紀のガイドブックや文学作品を繙けば、モーパッサン、ランボー、ゾラが暮らした時代の空気がみるみる立ち上る! 当時の風習や世相までをも、ユーモラスな視点で活写。中世から一九世紀を自在に飛び回る旅へ、中世・ルネッサンス研究の泰斗が貴方を誘う。 (一部抜粋) 本書は、パリの街角のさりげない光景のなかに、この都市の記憶を、あるいはこういってよければ、パリという馥郁(ふくいく)たる香りの酒瓶の底に沈んだ澱のようなものをたどろうとした試みである。「神々は細部に宿れり」をモットーにして、半ば意識的に、モニュメントとはいいがたい些細な「モノ」をめぐるささやかなる探偵紀行を展開してみた。――「プロローグ」より 目次 プロローグ 1章 三つの壁、三つの時代・  1 中世に飛ぶ   2 古地図のなかのパリ   3 入市税関の時代   ●コラム『タブロー・ド・パリ』  2章 パサージュを渡り歩く 「昔の香りただようショワズール小路よ」/ヴァリエテ座の楽屋口  /パサージュ対ギャルリー/ジュフロワ小路からヴェルドー小路へ  /「ソルボンヌ小路」を発見!/セピア色のパサージュ  ●コラム『ナナ』  3章 昔のガイドブックから  1 『パリ= ディアマン』一八六七年版 ●コラム『居酒屋』  2 局留め便、ひとむかし前のメール ●コラム『肉体の悪魔』   3 写真館の時代   「小さな肖像」/ランボーを撮った写真家/「立体写真」ブーム 4章 まぼろしの公衆トイレを求めて 5章 記憶の場としてのマルヌ川  1 『居酒屋』の時空間   2 マルヌ川の岸辺で思うこと   3 思いがけず廃線歩き  6章 印象派の散歩道 学術文庫版付録「青春のカルチエ・ラタン」 あとがき 本書は2002年、講談社現代新書より刊行された『パリ歴史探偵術』を改題、一部、加筆修正したものです。
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《英雄》の世紀 ベートーヴェンと近代の創成者たち
2020.12.10発売
《英雄》の世紀 ベートーヴェンと近代の創成者たち
著:樺山 紘一
講談社学術文庫
ベートーヴェンはナポレオン戴冠の知らせを聞いて作曲中の第三シンフォニーの楽譜を床にたたきつけたといいます。「ボナパルト」なるタイトルを持つはずだったこの交響曲は標題をあらため、英雄交響曲《シンフォニア・エロイカ》として発表されました。ナポレオンに落胆したものの、革命の時代に終止符をうつ「英雄」を待望していたのです。 ドイツ人作曲家ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770-1827年)の生きた18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパは、革命の進行する激動の世紀でした。この時代の人々にとって、自前の代表者をもちえないドイツですら、「英雄」とは実在する観念でした。どのようにして英雄像はリアリティを持ったのでしょうか。 馬上のナポレオンを目撃したヘーゲル。皇帝となったナポレオンに謁見したゲーテ。 ナポレオンという「英雄」は幻想にすぎなかったのか。ベートーヴェンの生涯をたどりつつ同時代の偉人たちをとおして、「英雄の世紀」を臨場感あふれる筆致で描きます。 西洋史の泰斗が達意の文章でおくる近代創成のロマン!! 【本書の内容】 はじめに 第一章 英雄(エロイカ)の世紀 第二章 啓蒙の賢人から普遍の天才へ 第三章 啓蒙都市民の誕生 第四章 ヨーロッパ国際関係のなかのドイツ 第五章 ナポレオン革命 第六章 ナポレオン・ショック 第七章 市民と英雄 第八章 古典主義からロマン主義へ 第九章 静穏の一八二〇年代 主要参考文献 学術文庫版あとがき 関係年表
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現代民主主義 思想と歴史
2020.12.10発売
現代民主主義 思想と歴史
著:権左 武志
講談社選書メチエ
 日本では民主主義(デモクラシー)の使徒とみなされるルソーが、欧米では全体主義の思想家とみなされるのはなぜか。なぜ、民主主義はナポレオンやヒトラーのような独裁を生み出してしまうのか。民主主義は何に敗北してきたのか。そもそも民主主義とはいったい何なのか――。  本書は、民主主義、そして民主主義の双子ともいうべきナショナリズムをめぐる思想がどのように生まれ、変容してきたのか、原点であるフランス革命の基盤となったルソー、シィエスの思想にさかのぼり、トクヴィルやJ・S・ミルによる自由主義者からの民主主義への反論、世界大戦期ドイツのヴェーバーとカール・シュミットの思想、さらに全体主義批判を踏まえた冷戦期のアレント、ハーバーマスを経て冷戦終結後の現在に至るまで、思想家たちが生きた時代的背景とともに、一気呵成に描き出す。  民主主義とはなにか、この根源的な問いの答えは、幾多の血を流しながら民主主義が歩んできた歴史のうちにこそ見いだされる。著者渾身の民主主義思想史!! 【本書の内容】 はじめに 序章 民主主義のパラドクス 第1章 近代民主主義とナショナリズムの誕生  第1節 フランス革命とルソー、シィエスの思想  第2節 ドイツ・ナショナリズムとフィヒテの思想 第2章 自由主義者の民主主義批判とナショナリズムの発展  第1節 民主主義革命とトクヴィル、ミルの思想  第2節 ナショナリズムの統一運動と民族自決権の思想 第3章 民主主義観の転換とナショナリズムの暴走  第1節 第二帝政期ドイツとヴェーバーの思想  第2節 ワイマール期ドイツとカール・シュミットの思想  第3節 民族自決権の適用とその帰結 第4章 民主主義の再検討とナショナリズムの封じ込め  第1節 全体主義批判と民主主義論の再構築  第2節 民族自決権の受容と回帰 結び 冷戦終結後の民主主義とナショナリズム あとがき
電子あり
中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代
2020.12.10発売
中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代
著:氣賀澤 保規
講談社学術文庫
講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版。第3回配本、第5巻と同時発売の第6巻は、古代東アジアに君臨した隋唐帝国の興亡史。 後漢末以来、400年にわたった分裂は、589年、隋によって統一された。2代皇帝・煬帝は大運河を開鑿するなど強権を発動したが、高句麗遠征に失敗して求心力を失う。煬帝の死後、3代恭帝から禅譲された李淵は唐王朝を樹立。2代太宗は、均田制・租庸調・府兵制を中心とする律令体制によって国力を充実させ、国際都市・長安を中心とする当時世界最高の文明国を現出させた。唐は一時、中国史上唯一の女帝・則天武后の周朝により中断するが、第6代玄宗により中興を果たすと、唐詩の李白・杜甫、書の顔真卿らを輩出して文化面でも繁栄を極めた。しかし、8世紀半ば、突厥の母とソグドの父を持つ安禄山の反乱、さらに9世紀後半の黄巣の乱へと混乱の度を加え、907年、朱全忠の簒奪により唐王朝は滅亡する。 シルクロードと都市の発展、女性たちの進出、日本からの遣唐使と円仁の求法の旅、朝鮮・ウイグル・チベットなど周辺諸国の動向もまじえ、世界帝国の300年を鮮やかに描き出す。 〔原本:2005年6月、講談社刊〕
電子あり
中国の歴史5 中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝
2020.12.10発売
中国の歴史5 中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝
著:川本 芳昭
講談社学術文庫
講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版。第3回配本の第5巻は、220年の後漢滅亡から隋の天下統一(589年)にいたる大分裂の時代を取り上げる。 前漢・後漢の400年の大帝国は、後漢末期の混乱の中に崩壊し、魏・蜀・呉が争う三国時代を経て、晋の司馬炎による再統一をみるが、まもなく匈奴・鮮卑・羯・羌など異民族の大侵攻を招いていわゆる「五胡十六国」の大混乱時代に突入する。 華北はやがて鮮卑が建てた北魏が統一し(439年)、東魏、西魏、北斉、北周と興亡を繰り返す。一方、江南には漢民族の王朝である宋に続き、斉、梁、陳と次々に王朝が交替する。胡漢の勢力がたがいにしのぎを削るなかで、華北では雲岡や龍門の壮麗な石窟寺院が営まれ、江南には建康(現在の南京)を中心に陶淵明、顧ガイ之らで名高い六朝文化が栄える。 この魏晋南北朝時代は、日本列島には邪馬台国や倭の五王が登場し、朝鮮半島には高句麗・百済・新羅が興って、東アジアの「世界秩序」が形成された。その中心をなす「中華」も分裂と融合を繰り返し、非漢民族が漢化(中国化)するなかで拡大し、新たな中華世界を形作っていったのである。現代に続く中華意識と民族問題を視野に、東アジア世界の秩序の源流へとさかのぼる一冊。〔原本:2005年2月、講談社刊〕
電子あり
渋沢栄一「青淵論叢」 道徳経済合一説
2020.12.10発売
渋沢栄一「青淵論叢」 道徳経済合一説
著:渋沢 栄一,編・訳:鹿島 茂
講談社学術文庫
〈渋沢栄一が"怒濤の人生"を振り返り、後世の私たちに語りかける〉 〈「最後の肉声」に込められた希望のメッセージ〉 時勢が緊迫する昭和のはじまりにあって、人生の黄昏を迎えていた「日本資本主義の父」は、後世に何を言い遺こそうとしたか。 「家訓」にはじまり、倫理観、経済観、政治観、人生観など広汎なテーマについて32項目にわたって、幕末維新の経験をふまえ、日本の明日を憂いながら語り尽くした談話集「青淵論叢」を、渋沢という人物を知り尽くした鹿島茂が読みやすく現代語訳し、さらに懇切に解説。 「金というものは社会の力を表彰している役にたつ道具ですから、これを貴ぶのは正当なことですが、しかし、必要な場合にはよくこれを消費しなければなりません。消費はもちろんよいことなのです。よく集めてよく散じ、もって社会を活発にし、それによって経済界の進歩を促すのはまさに有為の人が心がけなければならないことなのです。真に経済のよくわかった人は、よく集めてよく散じるようでなければなりません。よく散じるとは正当に支出することです。金を善用することです」(本書「富者の要務」より) 「江戸の封建主義に代わって明治・大正の資本主義が登場しても、官は官のもの、民は民のものという疎外的分担体制はよりひどくなっている。  これは、自分にも責任があるのだから、なんとしても最終解決しなければならない。  では、どうすればいいのか?   これが、日本の資本主義をほとんどゼロから独力で作り上げた渋沢が古希にあたって再度、自分に問いかけた疑問だったのである」(本書「編訳者解説」より) 【本書の主な項目】 立身出世の秘訣/信用を得る人得ない人/叱言(こごと)の云い方/真の成功とは何か/予の人物鑑識法/大国民は斯う有り度い/外来思想と咀嚼消化の力/国家観念と世界主義/政治経済と道徳観念/道徳と経済の合一説/事業経営に必須の条件 ほか
電子あり

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