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2024.07.12発売
ひきこもり処世術
講談社文庫
オタクやヘンタイに続き、世界に誇るニッポン原産種HIKIKOMORI(ひきこもり)が、
コロナ禍で立場逆転、時代の最先端に。
世界中がひきこもる中、その道のプロである著者が時に鋭く本質を突き、
時に笑いと愛を込めてひきこもりを語り倒す60編。
文芸サイト・treeで評判を呼んだ連載を書籍化!<文庫オリジナル>

2024.07.12発売
『別れる理由』が気になって
講談社文芸文庫
1968年から1981年という長きにわたり文芸雑誌「群像」に連載され、1982年に全3巻で刊行されると野間文芸賞を受賞した、小島信夫の『別れる理由』。
長期におよんだ連載中、「筆者と編集長しか読まない」と揶揄されたことすらあったという大長篇小説に江藤淳『自由と禁忌』以来久々にスポットライトを当て、江藤淳を含む同時代の他の評者が掴まえそこねた作品世界の全貌を初めて明らかにする作品論が本書である。
現代日本文学の最高傑作、あるいは天下の奇書、どちらとも取れる『別れる理由』は平易な文体で描かれるが、やはり小説でしかなしえない異様な世界を形成している。
そのような作品がいかなる状況下で成立したのか、その作中に流れる時間はいかなるものなのか、作家小島信夫が執筆当時に考えていたことはいかなることなのか、……多彩な要素に満ちた大長篇小説にきっちりと寄り添うことで筆者坪内祐三が掴んだものに触れるとき、読者は批評的な読解の愉しみを知ることになるのである。

2024.07.12発売
レーテーの大河
講談社文庫
満州から引き揚げてきた三人の戦災孤児。彼らを助けたのは関東軍の重要資材運搬を命ぜられた陸軍中尉だった。戦後、オリンピックの好景気に沸く日本で、日銀の現金輸送担当者が列車から転落死を遂げ、二人の幼馴染みが姿を消す。一見無関係に思えた点と点が繋がるとき――運命の列車が、闇のなかを走り出す。
あの戦争は、まだ終わっていない。
闇を裂き疾走する機密列車
鉄道現金輸送担当者の転落死
姿を消した二人の幼馴染み
乱歩賞作家が放つ、ノンストップ鉄道サスペンス!

2024.07.12発売
ひかりの剣1988
講談社文庫
剣の天才、帝華大の「伏龍」清川吾郎と、東城大の「猛虎」速水晃一が鎬を削る!「阿修羅」高階顧問の計略で、医学部剣道大会を制さなければ丸坊主と約束させられた清川。そこに現れたのは、謎の女剣士・朝比奈ひかりだった!ドラマ原作「ブラックペアン」シリーズの原点となる青春譚!<『ひかりの剣』改題>

2024.07.12発売
Tokyo Disney Resort Photography Project Imagining the Magic Reflections of Dreams
写真集・画集
東京ディズニーリゾート・フォトグラフィープロジェクト「Imagining the Magic(イマジニング・ザ・マジック)」とは、新たな東京ディズニーリゾートの魅力を紹介するプロジェクト。パークの楽しい想いとともに撮った写真は、ときに魔法のような瞬間を切り撮ります。”Imagining”の”in”をとると「イメージング(Imaging)に。”魔法を画像化する”……タイトルには、そんな意味も込められています。
※この本に収録されている写真は、東京ディズニーリゾート内販売グッズの写真集「Reflections of Dreams」に掲載された画像を中心に再構成したものです。

2024.07.12発売
十一人の賊軍
講談社文庫
命は奪えても、誰にも魂は奪わせない――。本屋大賞作家が放つ、書き下ろし大型時代エンタメ。小説版「十一人の賊軍」!
戊辰戦争のただ中、侍殺しの罪で捕まった駕籠かき人足の政(まさ)は、薩長率いる「官軍」から砦を守るよう命じられる。勝てば無罪放免、負ければ死。共に戦うのは、あらゆる悪事を犯した十人の罪人たち。果たして、彼らは生きて帰ることができるのか――。強者の狭間で足掻く者たちの熱き闘いを描く、極上の時代アクション!
映画「十一人の賊軍」
主演:山田孝之 仲野太賀
監督:白石和彌 原案:笠原和夫 脚本:池上純哉
2024年11月1日(金)公開!!
(C)2024「十一人の賊軍」製作委員会

2024.07.12発売
忍者に結婚は難しい
講談社文庫
静岡書店大賞小説部門 第1位!
フジテレビ系ドラマ木曜劇場「忍者に結婚は難しい」原作!
伊賀市、甲賀市公認の忍者ラブコメディ。
映像化が早すぎて、文庫をお待たせしてすみません!――著者
互いの正体を知らずに結ばれた二人
離婚寸前の夫婦に託されたのは、日本の命運!?
「ルパンの娘」シリーズ著者横関大が送る、現代の忍者活劇!
伊賀と甲賀。消えたはずのライバル忍者一族は、令和の今も人知れず暗躍していた。
手裏剣術などの古き伝統を守りつつ郵便ネットワークを牛耳る大組織・伊賀、
麻酔銃やドローンなどを積極的に活用する少数精鋭の実力派集団・甲賀として。
お互い忍者だと知らずに結婚した悟郎と蛍。燃え上がったのは最初だけで、
悟郎の男尊女卑的役割分担に辟易した蛍が三行半をたたきつけようとしていた。
ある日、伊賀系の大物政治家が暗殺された。現場を去るあの後ろ姿は見慣れたあいつ?
文庫化に際し、短編「忍者に披露宴は難しい」を追加収録!

2024.07.12発売
ディズニープリンセス きらきらおしゃれ あいうえお
講談社の絵本
おしゃれなもの、キラキラしたカワイイものが大好きなお子さまにぴったり!
ディズニープリンセスのイラストもたっぷり!
おしろ、しんでれら、てぃあら、ゆびわ、りぼん……など、ディズニープリンセスの世界や、キラキラしたもの、かわいいもの、おしゃれアイテムを中心に、お子さんの胸がときめくものの名前を通して、あいうえおの文字に親しめる絵本です。
それぞれのページに、
「あ」「い」といった46音の文字と、
「ありえる」「いやりんぐ」といったような
その文字からはじまるアイテムのイラストが並んでいます。
単語とイラストを、目でみて、声に出す、
それを繰り返すことで、自然に文字が身に付く絵本です。
文字とイラストを大きくしたシンプルで読みやすいデザインと、
たくさんのディズニープリンセスたちのかわいいイラストが、
お子さんのやる気を引き出してくれますよ!
軽量な手のひらサイズなので、お出かけにも便利☆
<対象年齢:2歳から>

2024.07.12発売
歌の終わりは海 Song End Sea
講談社文庫
妻からの依頼は、浮気調査だった。
夫の大日向慎太郎は有名作詞家だが、人づき合いもせず、妻と息子と暮らしていた。
敷地内には実姉の家もあり、周辺では「姉が恋人」と噂されていた。
浮気の兆候が見えぬまま、調査は続き、
探偵の監視下に置かれた大日向邸で、不審な死体が発見される。
XXシリーズ第二作!

2024.07.12発売
くらのかみ
講談社文庫
行者に祟られ、座敷童子に守られているという古い屋敷に、
後継者選びのため親族一同が集められた。
この家では子どもは生まれても育たないという。
夕食時、後継ぎの資格をもつ者のお膳に毒が入れられる。
夜中に響く読経、子らを沼に誘う人魂。
相次ぐ怪異は祟りか因縁かそれとも──。
小野不由美の隠れた名作。

2024.07.12発売
暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ
講談社文庫
人類初の原子爆弾は、なぜ"ヒロシマ"に投下されなくてはならなかったのか。
第48回大佛次郎賞受賞の傑作ノンフィクション
NHK BSスペシャル 2024年12月放送予定
陸軍兵士の海上輸送という、日本軍事史上最も重要で、最も未解明の問題に光を当てた素晴らしい本だ。――東京大学名誉教授 北岡伸一
本書『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』を読んで、先の大戦の敗戦に対する「身近」な感じが、身を切られるような切迫した今ここにある課題なのだということを確信した。――ジャーナリスト 船橋洋一(解説より)
誰よりもこの国の船舶事情を知り尽くし、開戦に反対して罷免された軍人がいた。自ら開戦決定の歯車となり、破綻する輸送現場に立ち尽くす参謀がいた。そして敗戦を確信し、海ではなく原子野に立つことを選んだ司令官がいた。彼らの存在が、そして軍港宇品の記憶が、あまりに早く忘却の彼方に追いやられてしまったのは、世界で最初の被爆地となったヒロシマの宿命でもあった。(序章より)
人類初の原子爆弾は、なぜ"ヒロシマ"に投下されなくてはならなかったのか。
日清戦争から始まり満州事変、日中戦争、太平洋戦争に至るわが国の近代戦争の中枢にあった、旧日本軍最大の輸送基地・宇品。
その司令官たちとヒロシマが背負った「宿命」とは何だったのか。
第48回大佛次郎賞受賞の傑作ノンフィクション。

2024.07.12発売
起終点駅
講談社文庫
終点はやがて、始まりの場所となる――。人生の終わりに向かう男女が、果ての街で出会い、分かち合ったものは。直木作家の代表作!
愛する女性を失い、己を罰するように生きてきた鷲田完治。国選弁護人として静かに暮らす彼の前に、弁護を担当した椎名敦子が現れる。ある人を捜してほしいという。個人の依頼は受けないはずだったが、寄る辺のない彼女の人生を知り、やがて完治の心は動き始める(表題作「起終点駅」)。北海道に生きる人々の孤独と光を描いた名篇集。
解説は本屋大賞作家・町田そのこ氏!
24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』、第二弾『氷の轍』に続き、本作『起終点駅 ターミナル』、8月『霧』と続きます。

2024.07.12発売
動物たちの可愛いウンチ
講談社+α文庫
ウンチは愛のメッセージ、奥が深くて魅力がいっぱい!――動物大好きの動物学者が、ウンチを求めて北は礼文島から南は西表島、そしてアフリカの奥地へ。照れたような神妙な顔つきで息張っているイヌやネコ。潔癖性のナマケモノ、かぐわしいマッコウクジラのウンチ。アルマジロやオタマジャクシのあれってどんなの? 動物たちの可愛くて、ちょっと恥ずかしい姿を通して、人間のことを考えてみる一冊!!

2024.07.12発売
ジャイアンツ愛 原辰徳の光と闇
原辰徳は名監督か、それとも!?――長嶋茂雄からの監督禅定劇、松井FA、桑田復活の舞台裏。水原茂、藤田元司、そして父・貢から受け継ぐ「名将」の血。 巨人軍のすべてがわかる、日本一おもしろい、ベースボール・ノンフィクション!
<本書だけが知っている「原辰徳」をダイジェストで紹介!>
●昭和56年4月、プロ・デビュー戦の夜、孤独を噛みしめながらひとりで飲んだビールの味。
●2年間の結婚生活に破れた明子に、躊躇なくプロポーズした「愛」の真実。
●引退、監督就任……、節目節目に見え隠れする長嶋茂雄の暗い影。
●松井が抜けペタジーニを獲得したことを、「いいニュースだ」と言い続けた真意。
●「潰れたって構いやしない」と言わんばかりの、頑固な投手起用法のルーツ。

2024.07.12発売
バントの神様 川相昌弘と巨人軍の物語
主役=川相昌弘と「偉大なるミスター」が演じた不条理劇、原、清原、元木、一茂らが繰り広げるスラップスティック。――ハミ出し野球記者が描き切る巨人軍10年の真実!! 誰も書かなかったベンチ裏の人生模様。 痛快!「ジャイアンツ劇場」。
長嶋茂雄「おい、川相。バントの世界記録な、あといくつだったっけ?」
原 辰徳「よく地団駄踏んでるんだよ、おれ」
元木大介「ああ、今年も、野球をやる身体になってきた」
村田真一「ジイ(川相)のユニフォーム、もう用意してあるんや。おれらと同じ80番台のユニフォーム」
川相勇太(長男)「どうして江藤なんか獲るんだよ!パパが守るところがなくなっちゃうじゃないか!」
川相昌弘「残ったのはおれと桑田だけや」

2024.07.12発売
島唄!
おばぁといっしょに沖縄「こころの旅」へ! 美しい風景と癒しの文章で心安らぐフォトエッセイ。――「歌の島・踊りの島」沖縄。幼い頃から心に焼きついている島唄のルーツを求めて、本島ヤンバルから宮古、石垣、西表、与那国まで……「ちゅらさん」終えたおばぁが島々をめぐって綴った沖縄カルチャーガイドブック決定版!!
●島々村々いたるところに咲いている野花のような島唄の数々、そしてわたしの60年の芝居人生のなかで心に焼きついた島唄を、ヤンバルから八重山まで、一つ一つたずね歩いて、いろいろなことを勉強したいと思います――(「まえがき」より)

2024.07.11発売
地中海世界の歴史3 白熱する人間たちの都市 エーゲ海とギリシアの文明
講談社選書メチエ
「地中海世界」4000年の文明史を、古代ローマ史研究の第一人者が描きつくす全8巻シリーズの第3巻。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。
第3巻のテーマは、エーゲ海とギリシアの文明。「神々の世界」から「人間」が歴史の主役となる、「人間主義の黎明期」である。紀元前3000年頃に始まるエーゲ文明は、前半をミノア文明、後半をミュケナイ文明に代表されるが、前1200年頃、ドーリア人や「海の民」の侵入・襲撃などにより崩壊する。その後の「暗黒時代」を経てアテナイ、スパルタに代表される都市国家(ポリス)が発達し、前5~4世紀に最盛期を迎える。
ギリシア世界は、ギリシア本土だけでなく、小アジア・黒海沿岸から、イタリア半島南部、シチリア島、さらにマルセイユやリビア沿岸へと広がり、各地に植民都市が建設された。それらの都市では、自然科学や哲学が産声をあげ、理性に根ざした芸術や文学とともに、人間は自由で平等であることを自覚するようになり、民主政治をも生み出したのだった。
しかし、その「自由な市民社会」は奴隷制度と表裏一体であり、プラトンやアリストテレスら卓越した知識人さえも、「自然による奴隷」を自明のものとしていた。そこに古代社会の深淵が顔をのぞかせていたのである。
目次
はじめに
第一章 陽光は暗黒を照らす
1 エーゲ海の宮殿文明
2 英雄叙事詩が語る「新しい人間」
3 ポリスの誕生
第二章 拙き理知の彼方に
1 神々と人間への讃美
2 軍国主義の覇者・スパルタ
3 交易の都市、哲学の都市
4 大国アテナイの僭主と賢人
第三章 熱意と思索の結晶
1 クレイステネスの民主政
2 先進国ペルシアとの戦争
3 下層市民の政治参加と教育論争
4 ペリクレスの黄金時代
5 行動する人々の祝祭
第四章 都市の自由と古代社会の深淵
1 ペロポネソス戦争、二七年の激闘
2 アテナイの哲人たち
3 混迷するギリシア世界
4 「古典期」の女性と社会
5 奴隷と自由人
おわりに

2024.07.11発売
賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪
講談社学術文庫
参政権の平等と民衆の政治参加という理想を追い求めた古代ギリシアの人々。しかし、政治の暗黒面を避けて通ることはできなかった。それが賄賂である。では賄賂とは、いつから、なぜ、「犯罪」とされるようになったのだろうか――。
紀元前5世紀なかばに直接民主政の骨格を完成した都市国家アテナイを、国力の絶頂期に導いたペリクレスは、「賄賂になびかない政治家」として知られる。友人からの供応を嫌い、宴会の招きに応じることもなかったという。それが贈収賄の温床になることを知っていたのである。
しかし、賄賂と贈与はどう違うのか。古代ギリシアはもともと、贈与交換が重視される社会だった。贈与の機能は多様であり、現代ならば、それは謝礼、賃金、報償、あるいは賄賂となるが、それは総じて「贈り物」と呼ばれたのである。そのなかで、私的な利益を誘導する賄賂への態度は、民主政の始まりによって一変したわけではなかった。賄賂を断罪する姿勢があらわれるのは、ギリシア人がペルシア戦争という未曽有の困難に直面し、賄賂が公共性にとって破壊的な結果をもたらすことに気づいたときだった。アテナイのパルテノン神殿の建設という大公共事業に際しても、贈収賄事件を実証する記録は1件も見当たらないという。
〔原本:『賄賂とアテナイ民主政――美徳から犯罪へ』山川出版社、2008年刊〕
目次
1 賄賂と贈与
2 贈り物は神々をも説得する
3 ペルシア戦争という転機
4 さまざまな賄賂
5 罪と法
6 賄賂と民主政
あとがき
学術文庫版あとがき

2024.07.11発売
日本法制史講義 公法篇
講談社学術文庫
本書は古代から江戸時代までにおよぶ日本の通史である。ただし、大化の改新や本能寺の変といった政変や戦乱の歴史ではなく、たとえば大和朝廷時代の臣(おみ)、連(むらじ)、伴造(とものみやつこ)にはじまり律令制を経て鎌倉幕府の組織、さらに室町幕府、江戸幕府の組織に至るように、租庸調から年貢に至る税制、荘園制をふくむ土地制度、裁判制度など、この国を成り立たしめている制度の歴史、いわばこの国の「かたち」の歴史を一望する。
「佐藤君とは違って、僕は中田さんの講義を聴いたからねえ」。かつて石母田正は楽しそうに佐藤進一に語ったという。戦後日本史学の礎を築いた二人の巨人の間でこのような会話をせしめた「中田さん」こそ、中田薫その人であり、本書は、「中田さんの講義」の一つ、東京帝国大学で行われた日本法制史講義公法篇の講義録である。
中田薫(1877-1967年)は、日本における法制史研究の創始者で、法制史はもちろんのこと、前述の会話からも明らかなように日本史学にも絶大な影響を残した。西欧のみならず中国など世界中の法に通暁し、厳密な近代的法概念によって論理的に前近代の法や社会を分析することを通して、その後の日本の歴史像の土台を築いた。
当時の法律雑誌に「聞いて居ては頗(すこぶる)る面白い。通常なら乾燥無味な法律の条文解釈とは別に川柳が出たり、江戸文学の顕著な傑作や貴い珍奇な文献が読み上げられたりするので、その時は無性に面白い。それでいよいよ試験となると最もつらい一科目である」と評された名講義を、講義最終年度にあたる昭和十(1935)年度の講義録を底本に、他年度の講義録や弟子たちによる貴重なノートを参照しつつ編纂。『人物叢書 中田薫』(吉川弘文館、2023年)で入念な調査を重ねその人生に迫った編者による渾身の講義録。
【本書の主な内容】
第一編 上世
第一期 大化前代
天 皇/人民の階級/官制(中央官制)/地方制度/税制および兵制/土地制度/法源/刑法および裁判手続ほか
第二期 大化後代
天皇および皇族/人民の階級/氏姓制度/中央官制/官職(官吏法)/位階の制/地方制度/戸籍および計帳/土地制度/財政/兵制/庄園/法源/刑法/裁判所(司法制度)ほか
第二編 中世
天皇および朝廷/将軍および幕府/人民の階級/庄園/封建制の発達/地方制度/土地制度/財政/法源/刑法/裁判所(司法制度)ほか
第三編 近 世
天皇および朝臣/将軍および幕臣/幕府の中央官制/人民の階級/地方制度/土地制度/財政/封建制/法源/刑法ほか
編者解説

2024.07.11発売
月ぬ走いや、馬ぬ走い
文芸(単行本)
第67回群像新人文学賞受賞!新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能!21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。
先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する!
島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。
―― 島田雅彦
十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。
―― 古川日出男
「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば)
ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ!