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わたしが棄てた女
1972.12.15発売
わたしが棄てた女
著:遠藤 周作
講談社文庫
2度目のデイトの時、裏通りの連込旅館で体を奪われたミツは、その後その青年に誘われることもなかった。青年が他の女性に熱を上げ、いよいよ結婚が近づいた頃、ミツの体に変調が起こった。癩の症状である。……冷酷な運命に弄ばれながらも、崇高な愛に生きる無知な田舎娘の短い生涯を、斬新な手法で描く。
コロボックルのトコちゃん・ぼくのつくえはぼくのくに ほか四編
1972.11.27発売
コロボックルのトコちゃん・ぼくのつくえはぼくのくに ほか四編
著:佐藤 さとる,絵:村上 勉
つくえの上のふでたてのピエロが、かおるくんをふしぎな世界につれていってくれました。ひろいひろい海をヨットでわたり、小さな島でわるものたいじ。かおるくんはいつのまにか、つくえの国の旅をはじめます。──(「ぼくのつくえはぼくのくに」)
おおきな木がほしい・つくえの上のうんどうかい ほか七編
1972.11.27発売
おおきな木がほしい・つくえの上のうんどうかい ほか七編
著:佐藤 さとる,絵:村上 勉
「大きな大きな木があるといいな……。」かおるは、大きな木があったら、こうしようああしようといろいろ考えます。はしごをかけて、小屋をつくって、見はらし台も用意して、夏になったら……、冬になったら……ってね。──(「おおきなきがほしい」)
おばあさんのひこうき・おしゃべりゆわかし ほか六編
1972.11.27発売
おばあさんのひこうき・おしゃべりゆわかし ほか六編
著:佐藤 さとる,絵:村上 勉
ちょうちょのもようのかたかけは、おばあさんが心をこめてあんだせいか、ふわふわと空をとぶようになりました。どうせなら、これをひこうきにしよう、とおばあさんは考えます……。──(「おばあさんのひこうき」)
ちびっ子太郎
1972.11.25発売
ちびっ子太郎
著:松谷 みよ子
3人兄弟の末っ子、ちびっこ太郎は、からだが小さく、みんなにばかにされていたが、鹿にもらった“うたうひょうたんコ”のふしぎな力に助けられ、地底の国へ旅立っていく。ユーモラスで痛快な冒険物語。 赤い鳥文学賞特別賞受賞
バロック音楽
1972.11.20発売
バロック音楽
著:皆川 達夫,装丁:杉浦 康平,装丁:辻 修平
講談社現代新書
バロック音楽は、ある意味でもっとも現代的な音楽である。いっさいの先入観を必要とせず、虚心に音の美しさにひたりきらせる純粋さ。楽譜は見取り図にすぎず、ジャズにも似て即興演奏が重視され、聞く者の心に応じた多様な接近が可能となる。バッハやヴィヴァルディに象徴されるようにロック・ファン、ポビュラー・ファンにまで幅広く愛されている理由であろう。本書は、バロック音楽に関する最良の解説書であり、ファン待望の書である。 現代に生きるバッハ――最近おもしろいレコードを聞いた。バージル・フォックスという教会オルガニストがロックの会場で、何万というロック・ファンの若者たちにバッハのオルガン曲を聞かせている実況録音レコードである。まともなバッハである。正統的な演奏といってしまってさしつかえないだろう。多少リズムを鋭くし、テンポをいくぶん速目にとっているが、バッハの音楽には何の変形も加えていない。ところが、若者たちはフォックスの演奏を口笛をもって迎え、バッハの音楽の展開につれ、だんだん興奮し、あげくのはては手拍子までとって熱狂してゆくあり様である。わたくし自身、彼の演奏を生で聞いているが、バッハの音楽との違和感を覚えないばかりか、むしろバッハの音楽の普遍性というか、包容性というものにあらためて感嘆してしまったのである。――本書より 書評再録(本書より) ●バロック音楽と、どこかで、ふと偶然に出会った人に、さらにこの世界にふみ入るための手引きとして、本書は書かれている。一応、歴史的な概説を軸としているが、固苦しい学問臭はほとんど感じさせず、著者の個人的体験をまじえながら、バロック音楽の現代人への問いかけの意味を、一緒に考えて行こうとする姿勢に貫かれている。――-読売新聞- ●氏は、音楽にたいしてつねに開かれた態度で接しようとしている音楽学者であり、バロック音楽のすばらしさを説きながらも、それをべつの時代やべつの民族の音楽に対する優越性とすりかえようとはしない。また宗教音楽についても、「日本人には真の理解は難しい」式の俗論とは破綻委に、バッハが教会のためにも世俗のためにも、いかに人間くさい音楽を書いたかを力説する。――-朝日新聞-
中国古典名言事典
1972.11.16発売
中国古典名言事典
著:諸橋 轍次,装丁:及部 克人
多面的活用に堪える本事典の特色 1 テーマ別の件名索引により、必要に応じ縦横な活用ができる。 2 出典書目は、著名な中国古典および個人の詩集、随筆にもおよび約2百に近い。 3 約1万項目の50音索引は、文章の中間の語句からも検出できるように細分してある。 4 重要な出典書目には、簡潔な解説をつけ本文成立の背景を理解できるようにした。 5 採録した項目は、約4千8百であり、書下し文に照応する原文を付けてある。 中国の古典の中には人生の指針ともなり、励ましともなり、あるいはまた慰めともなる名言格言が数多く存在する。それを纒めたら己れを益し人を益することが定めし多かろうとはかねがね考えていたことであった。名言格言は語句が短くて覚え易く、かつ内容が多種多様に亘っているから人生百般のことに通用が出来る。これらの一言一句で一生の運命を定めた偉人傑士の例も少なくはない。ただ名言格言はただに読むというべきものではない。これを鑑として我が身をこれに映し、反省の資とすべきものである。もし読者がこの心もて本書に対して下されるなら必ずや益するところがあるであろう。著者としての希望はただその一事である。――著者のことば
ふたりのイーダ
1972.11.10発売
ふたりのイーダ
著:松谷 みよ子
直樹は、夏休みにおとずれた田舎の町で、イーダという小さい女の子の帰りを待ちつづけている、ふしぎないすに出会った。イーダというあだ名をもつ妹のゆう子といすの謎を追う直樹は……。原爆の惨禍を告発する傑作。 赤い鳥文学賞特別賞受賞
日本人の意識構造
1972.10.25発売
日本人の意識構造
著:会田 雄次
講談社現代新書
子どもを危険から守るとき、日本人はかならず前に抱きかかえる。それはなぜか――。日常の何気ない動作や人間関係に表われる意識下の民族的特質に注目しつつ、ユニークな視点から日本人像をあざやかに浮かび上がらせ、独特の歯切れのいい会田史観を展開した快著。話題のロングセラーの新書版である。 短距離とマラソン――わたしたちはかならず、ひじょうに短い目標を定める。10日間がんばれ、20日間がんばれ、せいぜい1年間がんばれということになり、そういうときにはエネルギーが集中する。背中で対象を感得できる程度に短期目標であり、想像力でも把握できるように具体的な競争相手を明確に設定するとき、はじめて、その達成にひじょうな努力を払うということになる。突貫工事とか、追いつけ追いこせ、という形にするときひじょうにうまくいく。これは、内側を向いている人間の心理、内側を向いている精神的姿勢の特徴であろう。それは、ひじょうな長所であるかもしれない。一方、ヨーロッパ人に対して、3日間だけ、1年間だけがんばれといっても効果はすくない。壮大な長期目標がないと元気が出ないというのがヨーロッパ人、つまり外側に向いている人間の弱さである。――本書より 書評再録(本書より) ●日本人とは、どういう民族なのか、その特質はどこにあるのか、いまほど問題にされているときはない。国際的にもそうである。本書は、日本人の意識構造の特質を、独自の発想法でみごとにえぐり出している。――-毎日新聞- ●だれもが知っていること、逆に、だれもが見のがしていたことを手がかりに、日本人の長所や短所が、アメリカやヨーロッパと対比のうえで描き出されてゆく。……実にみごとな料理ぶりというほかない。――鯖田豊之氏-読売新聞- ●学問の通常のワクを越えた発想をしながら、それが単なる思いつくではなく、ユニークな体系にまで発展し、それが文化や時務の解明、批判の武器として活用されている……氏のものはいつも独自であり、新鮮である。――尾鍋輝彦氏-サンケイ新聞-
司馬遷―史記の世界―
1972.10.15発売
司馬遷―史記の世界―
著:武田 泰淳,装丁:亀倉 雄策,装画:田中 岑
講談社文庫
歴史家は無為である、また為さざることなし――容易にみえて容易ならざる覚悟と執念で、司馬遷が記録した大著『史記』。司馬遷の歴史家としてのきびしい態度と、そこに描かれた世界の中心たる政治的人間たちを著者は浮き彫りにする。そして歴史と人間世界を空間的・全体的に把握しようと試みた古典的名箸。
北斗の人
1972.10.15発売
北斗の人
著:司馬 遼太郎,装丁:亀倉 雄策,装画:川田 幹
講談社文庫
剣に賭ける周作の悲願は、古法の兵法から合理的な竹刀剣術への創始にあった。江戸表の他流に挑むや、天賦の才は忽ち冴えて並ぶ者なく、かつて苦渋をなめた馬庭念流と雌雄を決すべく上州へ乗りこんでゆく――。奥義にいう“それ剣は瞬息、心気力の一致”北辰一刀流開祖、千葉周作の生涯を描く傑作。
楊貴妃伝
1972.09.15発売
楊貴妃伝
著:井上 靖,装丁:亀倉 雄策,装画:関野 準一
講談社文庫
玄宗皇帝の寵愛を受け、後宮の最上位を占めた後、皇帝の妃となった楊貴妃の運命的な短い生涯を、唐代の史実の中に掘り起こしながら、女の愛の不思議さと、権力者の非情な心のからみあう人間ドラマを、絵巻物のように浮かび上らせ、壮大な叙事詩として構築した名編。
モモちゃんとプー
1972.09.04発売
モモちゃんとプー
著:松谷 みよ子
ちいさいモモちゃんのうちに赤ちゃんがうまれて、モモちゃんがおねえさんになるまでのおはなし。黒ねこのプーにもジャムという友だちができて……。いつも元気でおしゃまなモモちゃんの楽しいおはなし17編を収録。 赤い鳥文学賞特別賞受賞
幸福者
1972.08.15発売
幸福者
著:武者小路 実篤,装丁:亀倉 雄策
講談社文庫
快楽への誘惑と闘い、自然の大生命に身を投じて敢然と自己を昇華させてゆく「師」--。新約聖書的プロットのもとに「新しき村」の理想と情熱をこめ、熱烈な求道精神を結晶させたユニークな思想小説。
おじさんの話・鯨小学校 ほか
1972.08.10発売
おじさんの話・鯨小学校 ほか
著:松谷 みよ子
大むかし、北の海辺に鯨がおしよせて、そのおかげで“鯨小学校”が建ったという話など、おじさんの語るおもしろい話26話をおさめる。うそかまことかわからないところに、現代の民話のユーモラスな味わいがある。 赤い鳥文学賞特別賞受賞
青春の門 自立篇(下)
1972.07.28発売
青春の門 自立篇(下)
著:五木 寛之
正しく考えるために
1972.07.28発売
正しく考えるために
著:岩崎 武雄
講談社現代新書
人間は「考える」ことなしには生きてゆけない。よりよく生きるとはよりよく考えることである。よりよく考えるにはどうしたらいいか。論理的に誤りのない「正しい」判断ができるだけの心構えと論理を身につけることである。本書は、ともすれば陥りやすい論理や判断の落し穴を具体例に即して教えた、考えるための手引書である。
コッペパンはきつねいろ・むささびのコロ ほか
1972.06.23発売
コッペパンはきつねいろ・むささびのコロ ほか
著:松谷 みよ子
絵かきのおとうさんと高原の山小屋でくらしはじめたノンちゃんは、子ぎつねのコンとなかよしになったことから、いろんなふしぎな体験をする。『コッペパンはきつねいろ』ほか2編を収録。 赤い鳥文学賞特別賞受賞
ソフィアの秋
1972.06.15発売
ソフィアの秋
著:五木 寛之
講談社文庫
俄
1972.06.15発売
著:司馬 遼太郎
講談社文庫
〈わいの生涯は一場の俄や……〉どづかれ屋から身を起した不死身の万吉は、“金こそ命”のド根性と勘で、侠客明石屋万吉となり、米相場破り、果ては幕末維新の騒乱に、親分から侍大将となり、場当り的に生き抜く。その怪ッ態な男の浮沈を、独得な史眼でとらえた異色の上方任侠一代。