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万葉秀歌(二)
マンヨウシュウカ
- 著: 久松 潜一

本書は、生涯『万葉集』を愛しつづけた久松博士が、最期まで情熱を傾注してその解釈と鑑賞を行った、万葉の秀歌900首の集大成であり、著者の絶筆である。選びぬかれた秀れた歌、人口に膾炙した歌の1つ1つに加えられた、わかりやすく、ゆきとどいた注釈と、深い理解にみちた鑑賞とがあいまって、『万葉集』の心を伝え、現代人に一層親しみやすいものとなっている。本巻には、『万葉集』巻第3・巻第4の歌から180首を収録する。
目次
1 万葉集巻第3
1.雑歌
1.滝の上の三船の山に
2.大君は千歳に座さむ
3.聞きしごとまこと貴く
4.葦北の野坂の浦ゆ
5.隼人の薩摩の迫門を
6.三津の崎浪をかしこみ
7.珠藻刈る敏馬を過ぎて
8.淡路の野島の崎の
9.稲日野もゆき過ぎがてに
10.ともしびの明石大門に
11.天ざかる夷の長道ゆ
12.飼飯海の庭好くあらし
13.やすみししわが大君
14.矢釣山木立も見えず
15.もののふの八十氏河の
16.苦しくも降り来る雨か
17.近江の海夕浪千鳥
18.むささびは木末求むと
19.旅にして物恋しきに
20.桜田へ鶴鳴きわたる
21.磯の崎榜ぎたみゆけば
22.わが船はひらの湖に
23.いづくにか吾はやどらむ
24.妹もわれも一つなかれも
25.とく来ても見てましものを
26.吾妹に猪名野は見せつ
27.いざ児ども大和へ早く
28.白菅の真野の榛原
29.ここにして家やも何処
30.真士山夕越え行きて
31.名くはしき稲見の海の
32.大君の遠の朝廷とあり通ふ
33.はだ薄久米の若子が
34.常磐なる石室は今も
35.石室戸に立てる松の樹
36.み吉野の芳野の宮は
37.昔見し象の小河を
38.天地の分れし時ゆ
39.田児の浦ゆ打出て見れば
40.皇神祖の神の命の
41.ももしきの大宮人の
42.みもろの神なび山に
43.明日香川川よど去らず
44.あをによし寧楽の京師は
45.わが盛また変若めやも
46.わが命も常にあらぬか
47.浅茅原つばらつばらに
48.白縫筑紫の綿は
49.憶良らは今は罷らむ
50.験無き物を念はずは
51.酒の名を聖と
書誌情報
紙版
発売日
1976年07月09日
ISBN
9784061580039
判型
A6
価格
定価:1,375円(本体1,250円)
通巻番号
3
ページ数
440ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
著: 久松 潜一