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リヴァイアサン
リヴァイアサン
- 著: 長尾 龍一

世界の部分秩序である国家を、「主権」という、唯一神の「全能」の類比概念によって性格づける国家論は、基本的に誤った思想であり、また帝国の「主権国家」への分裂は、世界秩序に責任をもつ政治主体の消去をもたらした、人類史上最大の誤りではないか……。ホッブズ、ケルゼン、シュミットという西欧の3人の思想家の「国家論」を基軸として、国家史の再構成を試みた画期的論考。文庫オリジナル。
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目次
●第1部 国家の概念と歴史
1 四つの国家観
2 国家の概念
3 国家の起源
4 ポリスから帝国へ
5 帝国の解体──「主権国家」の登場
6 神と国家
7 十八・十九世紀のヨーロッパ
8 第一次大戦
9 日本
10 第二次大戦とその後
●第2部 近代国家の思想
1 ホッブズ死後三百年
2 ケルゼン小伝
3 カール・シュミットの死
4 ケルゼンとシュミット
5 ホッブズとシュミット
6 ホッブズとケルゼン
●付 国家の未来
書誌情報
紙版
発売日
1994年09月05日
ISBN
9784061591400
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
1140
ページ数
266ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
1938年、中国生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学名誉教授。専攻は法哲学。著書に、『日本法思想史研究』『日本国家思想史研究』『ケルゼンの周辺』『カール・シュミットの死』『アメリカ知識人と極東』『法哲学入門』『ケルゼン研究』(全3冊)ほか、講談社学術文庫に『日本憲法思想史』ほか。
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