神々の精神史

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神々の精神史

カミガミノセイシンシ

講談社学術文庫

<カミ>を語ることは、日本人の精神の歴史を語ることである。著者は、神話・伝説・昔話などの構造分析を手がかりに、文化人類学と民俗学のはざまから揺さぶりをかける。神々の棲む村、民話的想像力の背景、根元神としての翁、フォークロアの先達・筑土鈴寛(つくどれいかん)など、日本文化の深層にひそむ民俗的発想の原点を探り、柳田・折口以後の民俗学を鋭く批判した。人類学的視点から問いかけた刺激的な知の軌跡。


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目次

学術文庫版まえがき
序 神々の棲む村
1 民話的想像力について
 民話的想像力とその背景 『江差(えさし)郡昔話』
 神霊(かみ)の変装(やつし)と人間(ひと)の変装(やつし) 昔話の構造論的素描
 怪物退治と異類婚姻 『御伽草子』の構造分析
 最後に笑うもの 「物くさ太郎」に見る笑いとユーモア
2 民衆の思想について
 根元神としての翁(おきな) 猿楽の翁と稲荷の翁を中心に
 世捨てと山中他界 山岳空間の認識論的構造
 海上他界の思想 「うつぼ舟」を中心に
 屍愛譚(しあいたん)をめぐって 伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)二神の冥界譚を中心に
 国占(くにじ)めと国譲りをめぐって 日本神話における占有儀礼
3 筑土鈴寛の世界
 筑土鈴寛(つくどれいかん)の民俗学 異端のフォークロア
 日本的記述の方法 筑土鈴寛論拾遺
 筑土鈴寛と超世の霊童 筑土鈴寛補遺
旧版あとがき
増補新版あとがき
福武文庫版あとがき
初出一覧
索引

書誌情報

紙版

発売日

1997年05月09日

ISBN

9784061592797

判型

A6

価格

定価:1,320円(本体1,200円)

通巻番号

1279

ページ数

380ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

本書の原本は、1992年1月、福武書店(現ベネッセ)から刊行されました。

著者紹介

著: 小松 和彦(コマツ カズヒコ)

小松和彦(こまつ・かずひこ) 1947年生まれ。埼玉大学教養学部卒業。東京都立大学大学院博士課程修了。現在、国際日本文化研究所教授。専門は、文化人類学、民俗学。 著書に、『憑依信仰論』『日本妖怪異聞録』『妖怪学新考』『異人論』『悪霊論』『神隠し』『説話の宇宙』『神になった人びと』『神隠し譚』『京都魔界案内』『神隠しと日本人』 『異界と日本人』『妖怪文化入門』『日本人の異界観』 など多数ある。

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