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江戸お留守居役の日記
エドオルスイヤクノニッキ
- 著: 山本 博文

根まわしに裏工作――現代社会の原像
藩の命運を賭けてたたかう外交官
時代は江戸初期。江戸藩邸に詰めて幕府・諸藩との折衝にあたった萩藩江戸留守居役、福間彦右衛門の日記『公儀所日乗』。そこには二千人の藩士が暮らす藩邸の生活の様子や留守居役の実像が細かく記されている。由井正雪の乱や支藩との対立など、迫りくる危機を彼らはどのように乗り越えたのか。第一級史料が描き出す、藩の命運を賭け奮闘する外交官の姿。
江戸時代初期の環境の中で、幕藩間をむすぶ留守居役の活動は、藩にとって死活をとわれる緊張した重要任務であった。のちの留守居役のように、糸目をつけない交際費を使って、吉原でどんちゃん騒ぎをしていられる時代ではなかったのである。……当時の社会の雰囲気と江戸藩邸の実態を、留守居役とかれをとりまく人々をとおして感じとっていただきたい。――(本書「はしがき」より)
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目次
第1章 お留守居役と幕閣・旗本
1.藩主と留守居役
2.取次の老中
3.旗本とのつきあい
4.さかんな有力者の牢人斡旋
第2章 支藩との対立
1.本家から独立の画策
2.秀元と秀就
3.対立はつづく
第3章 萩藩の江戸屋敷
1.麻布下屋敷の拝領
2.屋敷の拡張
3.麻布下屋敷の構造
4.江戸勤番の生活
第4章 他藩との交渉
1.領民をめぐるトラブル
2.隣の御屋敷とのトラブル
3.武家奉公人の「走り」
第5章 町人と江戸藩邸
1.江戸藩邸と町奉行支配
2.町方の者との紛争
3.寛永の大飢饉と江戸藩邸
第6章 御家のために
1.福間彦右衛門の日常
2.諸家留守居役の連携
3.正保国絵図の色分け
4.東大寺領没収の攻防
第7章 二つの代替わり
1.秀就の死
2.由比正雪の乱の波紋
3.長門国目付の派遣
4.本藩・支藩関係の安定
書誌情報
紙版
発売日
2003年10月10日
ISBN
9784061596207
判型
A6
価格
定価:1,320円(本体1,200円)
通巻番号
1620
ページ数
376ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
原本:1991年、読売新聞社より刊行されたものを原本とした。
著者紹介
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