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花の民俗学
ハナノミンゾクガク
- 著: 桜井 満

万葉の花、正月の花、花と祭り……
日本人の生活と文化に花はどのように生きてきたか
日本人にとって花とはいったい何であろうか――。豊かな実りへの願望をこめて開花を待ち、四季折々に花を愛で、その移ろいに「あはれ」を感じ、いけ花という芸術を生んだ日本人。その心の原点を、万葉集、古今和歌集など古典の世界に渉猟し、各地の祭りや正月、雛祭り、端午の節供、重陽の節供など年中行事の民俗に探訪する、花をめぐる生活文化史。
本来、ハナは、実りの先触れ・前兆といった意味をもつのであり、サクラという語は、サは田の神・穀霊のことで、クラは神座の意であったから、田の神の依代と考えられての呼称とみられる。その花は、田の神の意志の発現であると信じられたに違いない。それは、田仕事にとりかかろうとする時期に、パッと咲くみごとな花に名づけられたのであろう。――<本書「花見の伝統」より>
※本書は、1985年4月、雄山閣出版より刊行された『花の民俗学〈新装版〉』を原本としました。
Ⓒ桜井 満
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目次
序説
花と生活史
花と古典
結びにかえて
書誌情報
紙版
発売日
2008年01月12日
ISBN
9784061598577
判型
A6
価格
定価:1,265円(本体1,150円)
通巻番号
1857
ページ数
360ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2022年08月26日
JDCN
06A0000000000553990A
初出
原本:1985年4月、雄山閣出版より刊行された『花の民俗学<新装版>』を原本とした。
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