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共同体のかたち イメージと人々の存在をめぐって
キョウドウタイノカタチイメージトヒトビトノソンザイヲメグッテ
- 著: 菅 香子

グローバル市場経済の秩序が政治に優先されるなか、人間は国民国家内部では表象されえず、市場の「リソース」となる。一方でそれと同期して現れる「エクスポジション」と呼ぶべきアート群。共同性を表象する効果を担ったイメージ(像)は失われたのか。結びつきの根拠が揺らいでいる状況のなか、共同体はどこに見出せるのか。アートの機能とナンシー、アガンベンなどの思想から、人間と共同性の関係を考察。
グローバル市場経済の秩序が政治に優先されるなか、人間は国民国家内部では表象されえず、市場の「リソース」となる。一方でそれと同期して現れる「エクスポジション」と呼ぶべきアート群。
共同性を表象する効果を担ったイメージ(像)は失われたのか。結びつきの根拠が揺らいでいる状況のなか、共同体はどこに見出せるのか。
イメージの機能やナンシー、アガンベン、エスポジトなどの思想を参照し、いまや「剥き出しの生」となった人間の存在様態を考察する。
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目次
序――共同体をめぐる問いと芸術作品
第一章 絵画に登場する「人々」――われわれはどこから来たのか
第二章 「人々」の位置――われわれは何者か
第三章 さらけ出される「生」――われわれはどこへ行くのか
第四章 出来事としての共同体――互いに露呈されるということ
第五章 イメージと人々と共同性
1.「共」を問うナンシー
2.「国家」以外の共同性を探るアガンベン
3.生の前提条件に遡るエスポジト
結び――共同性の経験として現れる美的経験
書誌情報
紙版
発売日
2017年02月11日
ISBN
9784062586467
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
通巻番号
643
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2017年02月24日
JDCN
0625864600100011000N
著者紹介
著: 菅 香子(スガ コウコ)
1977年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現代思想をベースに芸術、とくに現代アートと共同体の関係についての研究を進めている。
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