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東北学/忘れられた東北
トウホクガクワスレラレタトウホク
- 著: 赤坂 憲雄

南/北の種族=文化が相交わる境としての東北。いまだ自らの歴史や文化の核たるものが語られていない東北。稲作中心史観に養われた南からのまなざしを斥けたとき、そこには縄文的なものと弥生的なものが重層的に織りなされ北方へとつながる深い相貌が見えてくる。柳田民俗学の限界を乗り越えて「いくつもの日本」を発見するための方法的出発の書。(講談社学術文庫)
「東北学」構築への第一歩となった記念の書。南/北の種族=文化が相交わる境としての東北。自らの歴史や文化の核が未だ語られていない東北。そこに「常民」の幻像を覆し、日本を相対化する手掛かりを探る。
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目次
学術文庫版まえがき
プロローグ 東北へ/東北から
1 歴史を笑え、と幼い詩人に祖父は教えた
2 サイの河原に、早池峰を仰ぐ児らがいた
3 ナマハゲの鬼は男鹿の山から来た、という
4 日時計の向こうに、縄文の夕陽が沈んだ
5 大同二年に、窟の奥で悪路王は死んだ
6 その晩、鮭の大助は月光川をのぼる
7 山に生かされた者らよ、と石の環が囁く
8 鉱山で、山の神の代官たちが福音を説いた
9 ネブタ囃しに、遠く異族の血が燃えて騒ぐ
10 不意に、埋もれた記憶が黄昏の底に甦る
11 北からの呼び声に、いま岩谷の扉が開かれる
12 箕を携えた姫が、大同の庭に降り立った
13 さらば芭蕉、と囁きかける川風を聴いた
14 雪の野づらに、木地屋の夢が紡がれる
15 たちのぼる煙の下に、山の人生が転がっていた
16 なめとこ山の夜、熊たちの祭りがはじまる
断章 呟きの声、とりあえずの終わりに
エピローグ あすの東北学のために
書誌情報
紙版
発売日
2009年01月09日
ISBN
9784062919326
判型
A6
価格
定価:1,155円(本体1,050円)
通巻番号
1932
ページ数
304ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
「東北学へ1 もうひとつの東北から」として、1996年に作品社より刊行。
著者紹介
関連シリーズ
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死と生の民俗
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日本動物民俗誌
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「大東亜民俗学」の虚実
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風景の生産・風景の解放
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弥勒 宮田登
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今を生きる思想 宮本常一
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包み結びの歳時記
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女神誕生
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世界の音 楽器の歴史と文化
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女人禁制
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日本人の死生観
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埋もれた日本地図
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日本の古式捕鯨
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言霊の民俗誌
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土葬の村
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日本人の原風景 風土と信心とたつきの道
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民俗学
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神主と村の民俗誌
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おとこ・おんなの民俗誌
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江戸東京の庶民信仰
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ニッポンの奇祭
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氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史
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神々の精神史
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言霊と他界
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故郷七十年
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滑稽の研究
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「怪異」の政治社会学
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日本古代呪術
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金太郎の母を探ねて
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霊山と日本人
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魚の文化史
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地名の研究
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東北学/もうひとつの東北
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民間暦
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物語の中世 神話・説話・民話の歴史学
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江戸滑稽化物尽くし
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憑霊信仰論 妖怪研究への試み
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明治大正史 世相篇
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民俗学の旅
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魔の系譜
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年中行事覚書
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日本藝能史六講
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日本の鬼 日本文化探求の視角
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生態と民俗 人と動植物の相渉譜
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桃太郎の母
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庶民の発見
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蛇
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子守り唄の誕生
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山の神 易・五行と日本の原始蛇信仰
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熊野詣
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金枝篇
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境界の発生
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早川孝太郎 花祭
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花の民俗学
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塩の道
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ももんがあ対見越入道 江戸の化物たち
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ふるさとの生活
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ニライカナイから届いた言葉 声に出して味わいたいウチナーグチ