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東方的
トウホウテキ
- 著: 中沢 新一

地球をおおいつくそうとするひとつの世界システムに「地域の論理」たちは繊細なたたかいを挑む。閉ざされつつある世界に、新しい超空間への通路を開く。
ボストーク――東の方。人間を乗せた最初の宇宙船の名前である。偉大なる叡智=ソフィアは、科学技術文明と近代資本主義が世界を覆い尽くす時こそが、真実の危機だと告げる。バルトーク、四次元、熊楠、マンダラ、シャーマニズム、製鉄技術、方言、映画とイヨマンテ……。多様なテーマで通底する「無意識」に、豊饒な叡智を探求する。(解説・沼野充義)
『東方的』は、……西欧的な知のあり方の行き詰まりを踏まえて、「東方的」な「ソフィア」(叡智)の方向に新たな可能性を見出そうとした、美しい希望の書物である。(略)その「明確なモチーフ」は……、「第四次元、あるいは日常的なリアリティを超えた高次元の霊的な世界が、われわれが普段住んでいる物質的な世界と接触した時、何が起こるか」ということに帰すのではないかと思う。――<沼野充義「解説」より抜粋>
※本書の原本『東方的』は、せりか書房より1991年に刊行されました。
Ⓒ中沢新一
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目次
はじめに
東方的
四次元の花嫁
高次元ミナカタ物質
脳とマンダラ ポストモダン科学のチベットモデル
エコソフィアとしてのシャーマニズム
鋼鉄はいかにして造られたか
方言論
映像のエティック
エピローグ 木のように、森のように
この本のための小辞典
解説 精神と物質が直接出会う場所へ(沼野充義)
書誌情報
紙版
発売日
2012年10月11日
ISBN
9784062921374
判型
A6
価格
定価:1,265円(本体1,150円)
通巻番号
2137
ページ数
384ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2019年06月28日
JDCN
06A0000000000118022V
初出
原本「東方的」は、せりか書房より1991年に刊行された。
著者紹介
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