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逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想
イツオウジジョデンハンキュウソウギョウシャコバヤシイチゾウノカイソウ
- 著: 小林 一三

阪急電鉄の創業者、宝塚少女歌劇の生みの親として知られる小林一三銀行を辞して妻子とともに大阪に行った彼は妻子を抱えてたちまち生活に窮してしまいます。しかし、電鉄事業に将来性を見た彼は、「箕面有馬電気軌道」なる会社の専務に就任。ここから大きく運命が拓けてきます。顧客は創造するものと考えた小林は、郊外に宅地造成、割賦分譲販売、遊園地や劇場、ターミナルデパートと次々とアイディアを繰り出していく……。
阪急電鉄の創業者、宝塚少女歌劇の生みの親として知られる小林一三。甲州から東京に出、慶應義塾に学んだ若き日の小林は小説をものする文学青年でした。卒業後、三井銀行に入った彼は、仕事はするものの必ずしも評価はされず、放蕩に明け暮れる問題行員と目されていました。
日露戦争後、かつての上司で北浜銀行を設立した岩下清周から、設立予定の証券会社の支配人にならないかとに誘われた小林は、このままウダツが上がらないよりはと、銀行を辞して妻子とともに大阪に赴任します。しかし証券会社設立の話は立ち消えてしまい、妻子を抱えてたちまち生活に窮してしまいます。
このとき、小林は箕面有馬電気鉄道設立というの話を聞きつけます。電鉄事業に将来性を見た彼は、岩下を説得し北浜銀行に株式を引き受けさせることに成功。「箕面有馬電気軌道」と社名を改めて専務に就任。ここから大きく運命が拓けてきます。
顧客は創造するものと考えた小林は、線路敷設予定の沿線の土地を買収し、郊外に宅地造成開発をおこない、割賦で分譲を開始します。さらには遊園地や劇場をつくることによって行楽客をつくりだし、ターミナルデパートという誰も考えつかなかったものを産み出します。本書は傘寿を迎えた希代のアイディア経営者が、週刊誌の求めに応じて往時を回想した自叙伝の傑作です。
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目次
第一章 初めて海を見た時代
第二章 二十代
第三章 その頃の大阪
第四章 その頃の名古屋
第五章 その頃の大阪(再び)
第六章 その頃の三井銀行
第七章 大阪町人として
1 株式惨落にて浪人する
2 阪鶴鉄道に拾われて
3 大胆なる契約書
4 箕面電車の設立
5 箕面電車の開業
6 動物園の失敗
7 松風閣の思い出
8 破天荒の社債
9 疑獄事件の真相
10 宝塚新温泉の計画
11 宝塚歌劇団の誕生
12 北浜銀行事件
13 大阪新報との関係
14 一難去ってまた一難
15 憂鬱の時代
16 阪神電車との合併談
第八章 結 び
書誌情報
紙版
発売日
2016年04月12日
ISBN
9784062923613
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
通巻番号
2361
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2016年04月22日
JDCN
0629236100100011000W
初出
本書は1990年に図書出版社から刊行された『逸翁自叙伝』を底本とし、あらたにサブタイトルを付して文庫化したものです。なお、原著は産業経済新聞社より1953年に刊行されました。
著者紹介
小林一三(こばやし いちぞう) 明治~昭和期の実業家、政治家(1873~1957)。山梨県北巨摩郡韮崎町(現・韮崎市)に生れる。慶應義塾卒業後、三井銀行入社。箕面有馬電鉄(現・阪急電鉄)創立に参加して専務、のち社長。宝塚少女歌劇、東宝映画などを創設。阪急百貨店、東京電灯(東京電力の前身)社長。第2次近衛内閣の商工相、幣原内閣の国務相、復興院総裁を歴任。戦後、公職追放解除後に東宝社長。逸翁は号。
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