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ヘーゲルを越えるヘーゲル
ヘーゲルヲコエルヘーゲル
- 著: 仲正 昌樹

精神を中心とした「歴史」の発展を描いたヘーゲル。有名な「主」と「僕」の弁証法、承認論と共同体の議論等を通じて現代思想に与えた影響を探る。そしてラカン、ハーバマス、アーレントなど現代の思想家のヘーゲル解釈を紹介することで、哲学の根本課題・「人間」と「精神」の基礎である「理性」「自由」「市民社会」「法」「国家」などを体系づけたヘーゲルを読み解く。本書は現代を生きる我々=人間にとって必要な知性である。
序 ヘーゲルの何が重要なのか?
多文化主義の旗手、またラカン派精神分析を資本主義批判に応用する思想家など、ヘーゲル研究を出発点とし、ヘーゲル研究に拘る哲学者は少なくない。
現代思想でヘーゲルはなぜ重要であり続けるのかを、アクチュアルな議論の状況に即して考える。
第一章 「歴史の終わり」と「人間」
ヘーゲルの歴史哲学は、マルクスをはじめその後の社会思想を決定づけたその要因を探る。
第二章 「主」と「僕」の弁証法
高著『精神現象学』の有名な「主」と「僕」の弁証法の論理を再確認する。
第三章 承認論と共同体
初期ヘーゲルの「承認論」の意味を考える。ハーバマスとの比較も読ませる内容である。
第四章 「歴史」を見る視点
再度マルクスに立ち返りヘーゲルの「歴史」を総合的に検討する。ベンヤミンとの論争やアーレントとの関連性なども視野に入れる。
Ⓒヘーゲルの現代思想への影響力
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書誌情報
紙版
発売日
2018年10月17日
ISBN
9784065130759
判型
新書
価格
定価:968円(本体880円)
通巻番号
2497
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社現代新書
電子版
発売日
2018年10月17日
JDCN
06A0000000000068029F
著者紹介
1963年、広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。文学や政治、法、歴史などの領域で、アクチュアリティの高い言論活動を展開している。著書に『ポスト・モダンの左旋回』(世界書院)、『「不自由」論』『お金に「正しさ」はあるのか』(以上、ちくま新書)、『日本とドイツ 二つの全体主義』(光文社新書)、『集中講義!日本の現代思想』(NHKブックス)、『精神論ぬきの保守主義』『教養としてのゲーテ入門』(以上、新潮選書)、『〈法と自由〉講義――憲法の基本を理解するために』『プラグマティズム入門講義』『ポスト・モダンの左旋回』(以上、作品社)、『今こそアーレントを読み直す』『いまを生きるための思想キーワード』『マックス・ウェーバーを読む』、『ハイデガー哲学入門――『存在と時間』を読む』(以上、講談社現代新書)などがある。
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