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〈自由〉の条件
ジユウノジョウケン
- 著: 大澤 真幸

まず、自由についての思弁的、また社会学的な探究が進められる。やがて、現代社会における自由の本質的な困難が明らかになる。そこで、自由を自由たらしめている要因の原点まで遡ることで、〈自由〉が蘇生する可能性が示される。なんと、他者の存在こそが〈自由〉の本来的な構成要因なのである。つまり、〈自由〉とは、他者との共存、つまり〈公共性〉という問題へと展開されうるものなのである。
まず、自由についての思弁的、また社会学的な探究が進められる。
やがて、現代社会における自由の本質的な困難が明らかになる。
そこで、自由を自由たらしめている要因の原点まで遡ることで、
〈自由〉が蘇生する可能性が示される。
なんと、他者の存在こそが〈自由〉の本来的な構成要因なのである。
つまり、〈自由〉とは、他者との共存、
つまり〈公共性〉という問題へと展開されうるものなのである。
目次
1 自由と時間
開封前に舌打ちするひと/祈りの時間性/二つの名前/触るとき/男と女
2 現代社会における自由の困難
消極的自由/積極的契機の追補/蓋然性について/江夏の「この一球」と予期の階級的構成/資本の原理/不確実性を裏打ちする確実性/そして知っている者はどこにもいなくなった/リベラリズムの不可避の変質/回帰する超越性
3 記憶の困難
私は伝送された?/分身/スキゾは本当にやってきた/記憶の困難/死の欲動
4 もうひとつの〈自由〉
キリストの贖罪/〈自由〉のもう一つの可能性へ/不確定性の効用/マゾヒズム的転回/〈公共性〉に向けて
補遺 自由意志と因果関係
Ⓒ大澤真幸
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書誌情報
紙版
発売日
2018年11月11日
ISBN
9784065137505
判型
A6
価格
定価:2,860円(本体2,600円)
ページ数
576ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2018年11月09日
JDCN
06A0000000000065733A
初出
「群像」1999年1月号~2000年12月号。本書は2008年5月刊行の単行本『<自由>の条件』(講談社)を底本とし、訂正を施したものです。
著者紹介
大澤真幸(1958・10・15~)社会学者。長野県生まれ。 東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。1990年、『行為の代数学 スペンサー=ブラウンから社会システム論へ』で東京大学社会学博士の学位を取得。その後、千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。2007年、『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞受賞。10年、個人思想誌『大澤真幸THINKING「O」』の刊行を開始。12年、『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎との共著)で新書大賞受賞。15年、『自由という牢獄 責任・公共性・資本主義』で河合隼雄学芸賞受賞。他に『虚構の時代の果て』、『不可能性の時代』、『〈自由〉の条件』、『夢よりも深い覚醒へ 3・11後の哲学』、『〈世界史〉の哲学』(古代篇、中世篇、近世篇、東洋篇、イスラーム篇)、 『可能なる革命』、 『憎悪と愛の哲学』など著書多数。