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事故の哲学 ソーシャル・アクシデントと技術倫理
ジコノテツガクソーシャルアクシデントトギジュツリンリ
- 著: 齊藤 了文

ディープラーニングしたAIの判断の責任は、だれがとればよいのでしょうか?人工物が複雑化すればするほど、事故の因果関係は不明瞭になります。被害は存在しても、加害者を特定できなくなります。また、小さな過失が、巨大事故を引き起こす可能性もますます大きくなっています。人工物が第二の自然になり、事故が第二の天災となる時代に、倫理はどうあるべきなのでしょうか。現在進行中の問題に深く切り込みます。
AI、iPS細胞、自動運転、IoT……。技術の発展は、とどまるところを知りません。身近な医療事故から超巨大な原発事故まで、事故もどんどん巨大化、複雑化しています。
産業革命以降、人工物(主に工学的に人間が作り出したもの)は、ますます大きなエネルギーを社会の中に出現させています。つまり、巨大事故の可能性も大きくなっているのです。
複雑な人工物の出現は、それを補完する社会制度を作ってきました。その制度の基本にある人間観、倫理観を考察します。すると明らかになってくるのが、事故と責任の関係です。
人工物が複雑化すればするほど、事故の因果関係は不明瞭になります。被害は存在しても、加害者を特定できなくなります。また、過失ともいえない過失が、巨大事故を引き起こす可能性がますます大きくなっています。
ディープラーニングしたAIの判断の責任は、だれがとればよいのでしょうか?
人工物が第二の自然になり、事故が第二の天災となる時代に、倫理はどうあるべきなのでしょうか。
現在進行中の問題に深く切り込みます。
【目次】
はじめに ソーシャル・アクシデントの時代
第一章 事故を考えるための技術論
第二章 安全は科学を超える
第三章 組織・システム・制度
第四章 無過失責任の誕生
第五章 人工物の存在論
最後に 天災化する事故
注
あとがき
ⒸNorifumi Saito
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書誌情報
紙版
発売日
2019年03月13日
ISBN
9784065145241
判型
四六
価格
定価:1,815円(本体1,650円)
通巻番号
695
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2019年03月12日
JDCN
06A0000000000099963B
著者紹介
1953年奈良県生まれ。京都大学理学部ならびに文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。 現在、関西大学社会学部教授。専門は、工学の哲学と倫理。 著書に、『テクノリテラシーとは何か』『〈ものづくり〉と複雑系』、『はじめての工学倫理』(共編著)、『誇り高い技術者になろう』(共著)などがある。