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ブリヤ=サヴァラン「美味礼讃」を読む
ブリヤサヴァランビミライサンヲヨム
- 著: 辻 静雄

18世紀フランスの政治家・法律家にして稀代の美食家であったサヴァランが著した『Physiologie du Gout(味覚の生理学)』は、「ガストロノミー」、食というものについての総合学の聖典として、世界中で現在まで読み継がれている。
とりわけ日本においては、『美味礼賛』という邦題と、「どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人であるかを言いあててみせよう」という警句とともによく知られるが、では実際にどのような事が書かれているのか、なぜこの本が、サヴァランという人物が、かくも偉大なものとされているのかについては、詳しく知る者は多くはないだろう。
日本の料理文化を大きく展開させた辻静雄が、食はもとより歴史・地理・美術・文学についての広汎な知見を総動員し、サヴァランの思考を辿り、料理の精髄を縦横無尽に語り尽くす!
【本書より】
「私は豚肉を食べています。それで……」と言ったら、ブリヤ=サヴァランは人となりなど言ってくれるどころか、絶句して卒倒してしまうんじゃないでしょうか。
【本書の内容】
第一講 ブリヤ= サヴァランと『味覚の生理学』
I ブリヤ= サヴァランはどういう人だったか
II 『味覚の生理学』初版その他
III 『味覚の生理学』の構成、その他
第二講 食べ物と新しい歴史学
I 『味覚の生理学』の背景も知っておきたい
II ブリヤ= サヴァランの対極にいた人たち
III パリの食糧、その他
第三講 「おいしさ」とその表現
I 「教授のアフォリスム」を読む
II ブリヤ= サヴァランが好んだ料理
III 「おいしい」という言葉/味の表現
第四講 ワイン事情
I ブリヤ= サヴァランとワインのことなど
II 一九世紀のワイン事情
第五講 ガストロノミーとガストロノームの系譜
I ガストロノミーとグルマンディーズ
II ガストロノームの系譜
あとがき
参考文献
※本書の原本は、1989年に岩波書店より『ブリア-サヴァラン「美味礼讃」を読む』として刊行されました。
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書誌情報
紙版
発売日
2022年12月15日
ISBN
9784065298855
判型
A6
価格
定価:1,408円(本体1,280円)
通巻番号
2746
ページ数
368ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2022年12月14日
JDCN
06A0000000000581299Y
初出
本書の原本は、1989年に岩波書店より『ブリア-サヴァラン「美味礼讃」を読む』として刊行されました。
著者紹介
著: 辻 静雄(ツジ シズオ)
1933-1993。東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。大阪読売新聞社で社会部記者を務めた後、大阪に辻調理師学校(現・辻調理師専門学校)開校、辻調グループを創設。フランス政府よりフランス最優秀職人章名誉賞受賞、教育功労章シュヴァリエ、農事功労章オフィシエを受章。『フランス料理理論と実際』『フランス料理研究』『JAPANESE COOKING A SIMPLE ART』など著書多数。
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