戦争シミュレーション 未来戦記の精神史

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戦争シミュレーション 未来戦記の精神史

センソウシミュレーション ミライセンキノセイシンシ

■なぜ人は「未来の戦争」を予測したがるのか?
この150年間、日本で、アメリカで、ドイツで大量に出版された
「日米未来戦記」の謎に挑む

■日米戦争を予見した膨大な数の疑似戦記を徹底的に読み解く
超弩級のアカデミズム×ジャーナリズム
想像力が招来した歴史を見透す画期的労作!

近い将来起こるアメリカとの戦争をシミュレーションした「日米未来戦記」は、戦前から最近まで、日本だけでなく世界でも、夥しい数の書籍が刊行されてきた。危機意識はどのように生まれ、いかに世論が醸成されていったのか? 150年の歴史を一括して分析し、その精神史に迫る。

(本書の内容)
■序章 日米未来戦記は何を映し出すか
日米未来戦記とは何か/日米未来戦記が注目された1990年代/「日米未来戦記」をもう一度論じる意味/メディアと現実社会との普遍的な関係性/本書の構成

■第1章 日米未来戦記を生んだヴィルヘルム二世の黄禍論

1 日本で初めて単行本化された「日米未来戦記」はドイツ製―『黄禍白禍 未来之大戦』
カール・ブライプトロイ『ヨーロッパ諸国民よ! 未来の戦争』
2 ドイツで生まれた日米未来戦記の原型、パラベラム著『バンザイ!』
3 「黄禍論」への反発で生まれた 樋口麗陽の日独未来戦記

■第2章 高まる「日米戦争」論と日米未来戦記の誕生

1 ハワイ併合と「白船」来航
2 日米未来戦記の金字塔―ホーマー・リー『無知の勇気』の衝撃
3 排日土地法と日本製日米未来戦記の登場
4 第一次大戦終了で復活した日本製日米未来戦記

■第3章 シミュレーションから精神論と秘密兵器へ―日本での日米未来戦記の定着と展開

1 未来戦記専門家の登場―石丸藤太と池崎忠孝
2 ロンドン軍縮条約の影響
3 満州事変と1936年危機説
4 新兵器・陰謀論・精神論
5 日中戦争から日米開戦へ―陰謀論と精神論

■終章 現在の未来戦記

日米未来戦記の分類/東西冷戦期の「未来戦記」―核戦争と地球外侵略者/東西冷戦終結後の世界―『ザ・カミング・ウォー・ウィズ・ジャパン』/軍事的独立から国際貢献へ―かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』/中国を仮想敵とした「未来戦記」/世紀の米中未来戦記/世紀の日中未来戦記・評論(文明論)―ケント・ギルバート『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』/歴史の語り直しとしての「架空戦記」/結語―見えない未来と見えない他者


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書誌情報

紙版

発売日

2025年06月13日

ISBN

9784065401491

判型

四六

価格

定価:2,530円(本体2,300円)

ページ数

336ページ

電子版

発売日

2025年06月12日

JDCN

06A0000000000929745P

著者紹介

著: 猪瀬 直樹(イノセ ナオキ)

作家。1946年、長野県生まれ。83年『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『日本凡人伝』でデビュー。87年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で96年度文藝春秋読者賞を受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。2002年、小泉純一郎首相より道路公団民営化推進委員会委員に任命される。07年、東京都副知事に任命される。12年、東京都知事に就任。13年、辞任。15年、大阪府・大阪市特別顧問就任。22年より参議院議員(日本維新の会参院幹事長)。主な著書に『土地の神話』『欲望のメディア』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』などのほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全12巻、電子版全16巻)がある。

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