
日本列島 空襲の記録
ニホンレットウ クウシュウノキロク
- 編: 平塚 柾緒

80年前、空からの爆撃で、日本の都市は焼き尽くされた。この無差別空襲は、全国都道府県のすべてにおよび、終戦の日まで続けられ、その死傷者数はいまだ確定されていない。
本書は、戦史研究家・平塚柾緒氏が主宰する太平洋戦争研究会による全国各地への取材・調査と、アメリカ国防総省などから入手した膨大な写真をもとに、北海道から沖縄まで、日本本土への米軍の空襲の実態を解き明かす。
日本への米軍機の空爆は、昭和17年4月の「ドゥーリットル空襲」に始まる。その後、「超空の要塞」B29の投入によって昭和19年から本格化する日本本土への空襲は、おもに軍需工場を標的にした「精密攻撃」、昭和20年3月の東京大空襲を皮切りに5月まで続いた大都市への焼夷弾による無差別爆撃、さらに5月以降の全国中小都市への焼夷弾爆撃へとエスカレートし、広島・長崎への原子爆弾の投下にいたった。
その間に日本本土へ出撃したB29機はのべ3万3041機。連合国軍機が投下した爆弾は約16万トン。この「爆撃の嵐」にさらされた日本国民の体験とはいかなるものだったのか。日本列島をカバーするデータと、250点あまりの貴重写真から、あらためて考えていきたい。〔原本:2015年、洋泉社刊『日本空襲の全貌』〕
目次
はじめに――八〇年前、米軍の無差別攻撃で日本の都市は焼かれた
第一章 B29の開発と本土攻撃の開始
第二章 狙われた日本の軍事産業
第三章 東京大空襲への道:ルメイの無差別攻撃
第四章 炎につつまれた五大都市:名古屋・大阪・神戸・横浜・川崎
第五章 地方都市への拡大
第六章 アメリカの原爆投下作戦
〔特別ルポ〕原爆誕生の地・トリニティサイトをゆく
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目次
はじめに――八〇年前、米軍の無差別攻撃で日本の都市は焼かれた
第一章 B29の開発と本土攻撃の開始
第二章 狙われた日本の軍事産業
第三章 東京大空襲への道:ルメイの無差別攻撃
第四章 炎につつまれた五大都市:名古屋・大阪・神戸・横浜・川崎
第五章 地方都市への拡大
第六章 アメリカの原爆投下作戦
〔特別ルポ〕原爆誕生の地・トリニティサイトをゆく
書誌情報
紙版
発売日
2025年07月10日
ISBN
9784065402450
判型
A6
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
通巻番号
2873
ページ数
360ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
1937年茨城県生まれ。戦史研究家。太平洋戦争研究会、近現代フォトライブラリー主宰。著書に『玉砕の島々――サイパン・グアム・ペリリュー・硫黄島』『見捨てられた戦場』(洋泉社)、『玉砕の島ペリリュー――生還兵34人の証言』(PHP研究所)ほか、編著書・共著に『米軍が記録した日本空襲』(草思社)、『図説 写真で見る満州全史』(河出書房新社)ほか、訳書に『GHQ知られざる諜報戦――新版ウィロビー回顧録』(山川出版社)、『ブラック・チェンバー』(角川新書)ほかがある。
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