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日本霊異記(上) 全訳注
ニホンリョウイキ
- その他: 中田 祝夫

日本霊異記は、日本最古の説話集。奈良末~平安初期に成立した。巻頭の第1話は、雄略天皇時代(5世紀)の奇談。以後約4世紀にわたる説話120篇ほど。記紀・万葉集だけを上代人の全容と信じていた者は、上代の半面を霊異記に見て驚愕する。霊異記の作者は、奈良西京の薬師寺景戒(きょうかい)。彼は悪行は必ず悪結果で報いられる、善行は好結果を生むと熱心に信じ、彼と同時代の説話、及び上代以来の説話に、その理法を見出そうとした。
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目次
序
1.仏教の伝来
2.因果応報
3.著者、薬師寺景戒の抱負
第1 電(いかづち)を捉へし縁
第2 狐を妻(め)として子を生ましめし縁
第3 電を憙(むがしび)を得て、生ましめし子の強力在りし縁
1.雷神の子の誕生
2.雷神の子の強力
3.元興寺の強力童子
第4 聖徳太子の異(くす)しき表(しるし)を示したまひし縁
1.聖徳太子と病める乞食
2.百済の僧、円勢の奇蹟
第5 三宝を信敬したてまつりて現報を得し縁
1.大部屋栖野古(おおとものやすのこ)の造仏
2.大部屋栖野古の功績
3.大部屋栖野古、極楽国に往還す
第6 観音菩薩を憑(たの)み念ぜしによりて、現報を得し縁
第7 亀の命を贖(あか)ひて放生し、現報を得て亀に助けらえし縁
第8 聾(みみし)ひたる者の方広経典に帰敬したてまつり、報(むくい)を得て両つの耳ながら聞こえし縁
第9 嬰児(みどりご)の鷲に擒はれて他の国にして父に逢うこと得し縁
第10 子の者を偸(ぬす)み用ゐ、牛と作りて役はれて異しき表を示しし縁
第11 幼き時より網を用ちて魚を捕りて、現に悪報を得し縁
第12 人・畜に履まれしひと髑髏(ひとかしら)の、救ひ収めらえて霊しき表を示して、現に報いし縁
第13 女人の風声(みさを)なる行を好みて仙草を食ひ、現身を以て天を飛びし縁
第14 憎の心経を憶持し、現報を得て奇しき事を示しし縁
第15 悪人の乞食の僧を逼(おびえか)して、現に悪報を得し縁
第16 慈(うつくし)びの心なくして、生ける兎の皮を剥りて、現に悪報を得し縁
第17 兵災に遭ひて、観音菩薩の像(みかたち)を信敬したてまつり、現報を得し縁
第18 法花経を憶持し、現報もて奇しき表を示しし縁
第19 法花経品を読む人を呰(あざけり)りて、現に口ゆがみて悪報を得し縁
第20 僧の湯を誦す薪を用ちて他に与へ、牛と作りて役はれ、奇しき表を示しし縁
第21 慈びの心なくして、馬に重き駄(に)を負せ、以て現に悪報を得し縁
第22 勤
書誌情報
紙版
発売日
1978年12月08日
ISBN
9784061583351
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
335
ページ数
209ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 中田 祝夫(ナカタ ノリオ)