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なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論
ナゼウチュウハソンザイスルノカハジメテノゲンダイウチュウロン
- 著: 野村 泰紀

「宇宙論」は、ここ100年で非常に目覚ましい発展をとげています。これら直近100年の宇宙論の歩みを、最先端の発展までを含め、宇宙論や素粒子論、量子重力理論などを専門とする著者が、徹底解説。はじめての「宇宙論」として本格的な、そして現代的な宇宙論を知ることができるような1冊になっています。
人間の宇宙への興味は、古来より尽きることはありませんでした。実際、古代エジプトからインド、ギリシャに至るまで、様々な「宇宙論」が考えられ、それらに基づいた神話や哲学が発展してきました。にもかかわらず、現代の宇宙論につながる「観測に基づいた系統的な世界観の構築」が始まったのは、かなり最近、ここ400年あまりのことなのです。
理論物理学の最前線では、私たちの宇宙を超えた、その外側や生まれる以前などについても議論できるようになってきています。これらの驚くべき成果は、主に20世紀に入って起こった爆発的な物理科学の発展によってもたらされたものであり、それはアルベルト・アインシュタインをはじめとする多くの科学者の長年における仕事の結果として得られたものです。
現代の宇宙論で科学的に調べることができる、私たちの宇宙が誕生してから約10のマイナス30乗秒後といった宇宙の「超初期」について紹介したり、恒星や銀河、銀河団といった現在私たちが見る構造の起源が、このような宇宙の超初期にどのようにして作られたのか、理論的な説明や、それを確認するための観測についても触れていきます。
よく耳にする「ビッグバン宇宙」や「インフレーション宇宙」といった言葉についても理解が進むように詳しく解説しています。
さらに、近年理論物理学者の間で急速に受け入れられつつある描像である「マルチバース理論」を紹介します。この最新の描像によれば、私たちが全宇宙だと思っていたものは無数にある「宇宙たち」の一つにすぎず、それら多くの宇宙においては素粒子の種類、性質およびそれを支配する法則、さらには空間の次元に至るまで、多くのことが私たちの宇宙とは異なっているとされるのです。
私たちのこの宇宙が始まる前から寿命について、またこの宇宙の外側まで、壮大なスケールで語られる、わかりやすい最先端の宇宙論です。
Ⓒ野村泰紀
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目次
第1章 現在の宇宙
1-1宇宙論の扱う宇宙
1-2宇宙観を一変させる発見
1-3ダークマター(暗黒物質)
1-4ダークエネルギー(暗黒エネルギー)
第2章 ビッグバン宇宙 1ーー宇宙開闢約0・1秒後「以降」
2-1変化する宇宙
2-2若い宇宙は見えている!
2-3構造の形成
2-4ビッグバン原子核合成
第3章 ビッグバン宇宙 2ーー宇宙開闢約0.1秒後「以前」
3-1さらに初期の宇宙
3-2超初期の宇宙で起きたこと
3-3ダークマター候補1:「ウィンプ」
3-4ウィンプの実験的探索
3-5ダークマター候補2:「アクシオン」
3-6なぜ物質が反物質より多いのか
第4章 インフレーション理論
4-1初期の宇宙に残る謎
4-2ビッグバン宇宙に残された謎を解く
4-3原始揺らぎの生成
4-4原始重力波
第5章 私たちの住むこの宇宙が、よくできすぎているのはなぜか
5-1私たちの宇宙の全貌
5-2光速とはなにか
5-3素粒子、その不思議な構造
5-4本当に基本法則なのか?
5-5真空のエネルギーの大いなる謎
第6章 無数の異なる宇宙たち「マルチバース」
6-1真空のエネルギー密度と「人間原理」
6-2超弦理論、余剰次元、そしてたくさんの宇宙
6-3生成される宇宙は永久に無数にある!?
6-4私たちの宇宙は泡宇宙なのか
6-5ユニバースからマルチバースへ
6-6マルチバースと観測
エピローグ ~ 私たちの宇宙の将来
書誌情報
紙版
発売日
2022年04月14日
ISBN
9784065277225
判型
新書
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
2199
ページ数
264ページ
シリーズ
ブルーバックス
電子版
発売日
2022年04月13日
JDCN
06A0000000000480490L
著者紹介
カリフォルニア大学バークレー校教授。バークレー理論物理学センター長。東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員、ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員を併任。 1974年神奈川県生まれ。1996年東京大学理学部物理学科卒業。2000年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。米国フェルミ国立加速器研究所、カリフォルニア大学バークレー校助教授、同准教授などを経て現職。ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構連携研究員も務める。著書に『マルチバース宇宙論入門』(星海社)など。
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