文芸(単行本)作品一覧

夏のしっぽ
夏のしっぽ
著:前川 麻子
文芸(単行本)
情が薄く、無責任な男に惚れた。 そういう男ばかりが、私を誘う。 家を飛び出した母から届いた、結婚式の招待状。新郎はかつての自分の恋人だった。そのいびつな関係が、初子を疼かせる――。独自の世界を切り拓く恋愛小説集 母が送るはずの人生を身代わりで引き受けるために産み落とされたのだ。母が送るはずの人生を、そのまま初子が代わって送っている。そして、初子が送るはずの人生を、母が代わって送ろうとしている。――<「夏のしっぽ」より>
闇の釣人 本所深川七不思議異聞
闇の釣人 本所深川七不思議異聞
著:長辻 象平
文芸(単行本)
犬公方に立ち向かう武器は、ただ一本の釣り竿 夜の帳の中を行く何ものかの気配。幽霊か、物の怪か。 生類憐みの令のもと、ご禁制を破り、命をかけて釣りを続ける者たちを描いた書下ろし時代長篇 本所深川七不思議 一 置行堀 二 明かりなし蕎麦 三 足洗え屋敷 四 片葉の葦 五 送り提灯 六 狸囃子 七 津軽の太鼓 加えて、 八 たびらこ釣り 人を遠ざけ、密かに釣りする人々とともに、闇を生きる怪異なり。
向井帯刀の発心 物書同心居眠り紋蔵
向井帯刀の発心 物書同心居眠り紋蔵
著:佐藤 雅美
文芸(単行本)
紋蔵に不倶戴天の敵、現る 次男坊の養子話に頭を悩ます中、子供の喧嘩が原因で吟味方与力・黒川静右衛門に逆恨みされて――。 紋蔵の周りは相も変わらず難題ばかり。
法月綸太郎ミステリー塾 海外編 複雑な殺人芸術
法月綸太郎ミステリー塾 海外編 複雑な殺人芸術
著:法月 綸太郎
文芸(単行本)
海外ミステリーへの比類なき愛とクリティーク明晰な論理で語られた、至高の評論集●ミステリー通になるための100冊(海外編)●作家(オーサー)、脚本家(ライター)、編集者(エディター)、探偵(スルース)――(『犯罪カレンダー』エラリー・クイーン)●この人を見よ(『魔法』クリストファー・プリースト)●密室――クイーンの場合ほか 海外ミステリーへの比類なき愛とクリティーク 明晰な論理で語られた、至高の評論集 ●ミステリー通になるための100冊(海外編) ●作家(オーサー)、脚本家(ライター)、編集者(エディター)、探偵(スルース)――(『犯罪カレンダー』エラリー・クイーン) ●この人を見よ(『魔法』クリストファー・プリースト) ●密室――クイーンの場合 ほか
電子あり
法月綸太郎ミステリー塾 日本編 名探偵はなぜ時代から逃れられないのか
法月綸太郎ミステリー塾 日本編 名探偵はなぜ時代から逃れられないのか
著:法月 綸太郎
文芸(単行本)
戦後から現在までの日本ミステリーを縦横無尽明晰な論理で語られた、至高の評論集●挑発する皮膚――島田荘司論●日付は亡霊である(『鏡の中は日曜日』殊能将之)●誘拐という名のゲーム(『さらわれたい女』歌野晶午)●誘拐ミステリ三番勝負!ほか 戦後から現在までの日本ミステリーを縦横無尽 明晰な論理で語られた、至高の評論集 ●挑発する皮膚――島田荘司論 ●日付は亡霊である(『鏡の中は日曜日』殊能将之) ●誘拐という名のゲーム(『さらわれたい女』歌野晶午) ●誘拐ミステリ三番勝負! ほか
電子あり
一所懸命
一所懸命
著:岩井 三四二
文芸(単行本)
まずはあったかい飯をたらふく食う。守り、生き抜き、生き残る。 『難儀でござる』の著者が描く 戦国の世を静かに暮らすために戦った人々の姿。 <収録作品> ●「一所懸命」 「わしは生き残るぞ。そして、土と百姓を相手に静かに暮らしていきたい」――それだけが右京亮の望みだった。小説現代新人賞受賞作。 ●「渡れない川」 葦の茂みの中で、兵は孤立していた。なんでこんなところにいるのや。七郎は、落ち込んで行く気持ちをもてあましていた。 ●「魚棚小町の婿」 また合戦が始まる。荷運び人足3人をだせとの下知が届いた。役のオトナ・仁右衛門には頭が痛い毎日が続く。 ●「八風越え」 田仕事がようやく終わった又二郎と五郎三郎は、一生、納屋暮らし、部屋住みの身からはい上がるため、一か八か、戦火をかいくぐっての商売を思いついた。 ●「わからんやつ」 とても有徳人の住むところではない町場の、となりに越してきたのは、烏帽子をつけた中年男と、市女笠の女房らしい女。ふたりの子供も上等の小袖を着ていた。しかも、先の中納言などと言っている……。 ●「一陽来復」 一族郎党を負け戦に導くわけにはいかない。だから、右京亮は斎藤義龍に味方した。それ以来、家の中の空気は、あきらかに別のものになっていた。
『愛の流刑地』 オフィシャル・ガイドブック 男と女で極める愛とエクスタシーの真髄
『愛の流刑地』 オフィシャル・ガイドブック 男と女で極める愛とエクスタシーの真髄
著:『愛の流刑地』公式ガイド委員会
文芸(単行本)
拓かれる悦びに浸り、その究極で死を選んだ冬香。 愛するがゆえに、獄につながれる菊治。 本書を読み終えたあなたは、圧倒的な悦びへの「予感」に包まれているはず。 渡辺淳一氏・ロングインタビュー 「性をまっすぐに見つめないのは、人生をちゃんと見ていないことと同じ」 あなたのうちに潜む「冬香」と「菊治」を探るチェックリスト/菊治のお小遣い帳「倹約と奮発」/至言、名言、愛の辞典/愛ルケのエロスを科学する・絶頂までの4つのステージ・エクスタシーの直前に人の体は重くなる・“八秒間のズレ”を忘れるな/愛の交歓名場面集/私の心の中の「冬香」・妻たちの赤裸々告白/国際弁護士・八代英輝が「愛ルケの法廷」に立ったなら etc.
パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.1 One Ace~ひとつのエース~
パーフェクト・ワールド What a perfect world!Book.1 One Ace~ひとつのエース~
著:清涼院 流水
文芸(単行本)
「なんて不完全なんだ、この世界は!」 京都で車イスの生活を送る一角英数――“エース”は特殊な能力に目ざめ、1日に1分間だけ、秘密のヒーローとして人助けを行っている。そんなエースの家に1年間ホームステイすることになった金髪の美青年“レイ”にも、まだだれにも知られていない危険な秘密があった……。 衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第1弾! 物語を読むだけで、“英語”と“京都”と“運命”の達人に!
刀語 第一話 絶刀・鉋
刀語 第一話 絶刀・鉋
著:西尾 維新,絵:竹
文芸(単行本)
「虚刀流はよ、刀を使わないからこそ強いんだ」 伝説の刀鍛冶、四季崎記紀(しきざききき)がその人生を賭けて鍛えた12本の“刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と美貌の奇策士・とがめが征く!刀語(カタナガタリ)、第1話の対戦相手は真庭忍軍十二頭領が1人、真庭蝙蝠! 衝撃の12ヵ月連続刊行企画“大河ノベル”第1弾! 西尾維新が挑む時代活劇!こんな物語を待っていた!!
電子あり
DDD(1)
DDD(1)
著:奈須 きのこ
文芸(単行本)
それは骨の軋む幽(しず)かな夜。花開くような、美しい命の音。 ――Decoration Disorder Disconnection 感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病、A(アゴニスト)異常症患者――俗に言う“悪魔憑き”が蔓延(はびこ)る世界。左腕を失った男、石杖所在(アリカ)と、漆黒の義手義足を纏い、天蓋付きのベッドで微睡(まどろ)む迦遼海江(カイエ)の2人が繰り広げる奇妙な“悪魔祓い”とは――!? “日常”と“非日常”が溶け合う“たった今”の世界を“奈須きのこ”という稀代の才能が描破する! 衝撃の“新伝綺”新章!物語は境界の“向こう側”へ!
正しく時代に遅れるために 有栖川有栖エッセイ集
正しく時代に遅れるために 有栖川有栖エッセイ集
著:有栖川 有栖
文芸(単行本)
日常はミステリーにあふれている。すべての人間は<六段階の距離>でつながっている!? ネット書店で著者がオススメされたものは……? 日々の生活、映画、小説に隠れた謎。作家・有栖川有栖のことがもっとよくわかるエッセイ集。 日常はミステリーにあふれている。 すべての人間は<六段階の距離>でつながっている!? ネット書店で著者がオススメされたものは……? 日々の生活、映画、小説に隠れた謎。作家・有栖川有栖のことがもっとよくわかるエッセイ集。
電子あり
「おかしな二人組」三部作
「おかしな二人組」三部作
著:大江 健三郎
文芸(単行本)
ノーベル賞受賞後に紡がれた後期の傑作 特装版。 あらためて大江文学と本当に出会うために―― 人生の困難と悲哀を乗り越えて見出すもの。 友人の映画監督の死をきっかけに書き始めたノーベル文学賞以降、後期作品の集大成。 ●『取り替え子(チェンジリング)』 ●『憂い顔の童子』 ●『さようなら、私の本よ!』 特別付録・自著解説小冊子/全冊奥付に著者検印。 小説作者:「ところできみと塙吾良の「おかしな二人組」で、師匠格の吾良から弟子格のきみが教育された、その核心は何だと思う?」 長江古義人:「作中人物の私に、それを聞くのかい? 私が知ってること、私が小説のなかでしゃべったり考えたりすることすべて、きみが構想し、きみが書いたものじゃないのか?」 小説作者:「そうだよ。しかしその僕の書き方がさ、作中人物のモデルの小説家である僕、そして友人の映画監督の、実際の両者の関係を、小説では単純化してしまっているのじゃないか、そう思うことがあるのでね。もしきみが、小説の側の人物として、この両者が現実に生きた相互関係はもっと複雑だったのじゃないかと疑う。そういう部分があったならば知りたい、と思ってね。」 ――<特別付録・自著解説小冊子『長江古義人と小説作者の対話』より>
逃げ出した死体 伊集院大介と少年探偵
逃げ出した死体 伊集院大介と少年探偵
著:栗本 薫
文芸(単行本)
少年探偵、名探偵に挑む 自分の家の中に突然、死体が転がっていたら!?――探偵を夢見る14歳の少年が、自宅を襲った怪事件の謎に挑む。伊集院の推理を超えられるか! 「驚いたね。こんな目にあっても、それでもまだ、本当に探偵になりたいなんて思う?それはなかなか、根性があるかもしれないね、元気君。――ほんとに、名前のとおりなんだ」――<本文より>
情報源
情報源
著:赤坂 英一
文芸(単行本)
スター選手「恐喝事件」の真相 またも「真実」は、もみ消されるのか?プロ野球界の暗部を見つめ続けてきた著者が書き下ろす、あまりにリアルな長編小説。 スター選手「エース」が強請(ゆす)られている ――ネタは暴力団関係者との黒い交際。昔付き合っていた女も関わりがあるらしい。情報を嗅ぎつけたスポーツ記者たちが色めく。警察も動き出した。球団広報部は庇おうとしない。――熾烈な取材競争を経て、事件は意外な幕引きを迎える!!
制服のころ、君に恋した
制服のころ、君に恋した
著:折原 みと
文芸(単行本)
28歳の養護教諭・奈帆は、高校時代にシンタという彼を亡くした過去があった。10年経っても喪失感から抜け出せない彼女の前に、「彼」が突然現れる。10年前の“想い”と“真実”。失ったものは取り戻せるのか? 110万人が泣いた『時の輝き』の著者から、“制服のころ”を過ごしてきたすべての人に贈る、奇跡の物語。 10年の時間(とき)を超えて、もう一度、あなたに恋をした。 110万人の少女が泣いた『時の輝き』の著者・折原みとが贈る、今を一途に生きる大人の恋物語(ラブストーリー)。 何だろう?遠い記憶を呼び覚ますような、ギュッと胸がしめつけられるような、なつかしい香り。私は、この香りを知っている。この香りに包まれて、いくつもの季節を過ごしたことがある。白いシャツに日焼けした腕。この香りをまとっていた人を知っている。それは……。 海が見える鎌倉の高校に養護教諭として赴任してきた奈帆・28歳。高校時代に恋人を亡くした過去を持ち、目の前の新たな恋に踏み出せずにいた。そんなある日、彼女に奇跡が……。
電子あり
カーライルの家
カーライルの家
著:安岡 章太郎
文芸(単行本)
自由に時空を超えて生き生きとする言葉、熟成を重ねた文学と人生のもっとも深い味わいの待望の書。
政・財 腐蝕の100年 大正編
政・財 腐蝕の100年 大正編
著:三好 徹
文芸(単行本)
守旧派 VS.改革派 現代政治に通じる権力闘争! 元老たちが牛耳る藩閥政治に対抗する政党政治の台頭。 山県有朋、西園寺公望、原敬、犬養毅らは何を考え、どう動いたのか。 シーメンス事件、第一次世界大戦、対華21ヵ条の要求、シベリア出兵、米騒動etc. 国力を増すごとに財閥は、政・官そして軍部と深く結びついていく―― 政党政治を実現することが原の念願だった。しかし、総選挙のたびに警察力を使ってそれを妨害してきたのが藩閥の牙城である内務省であった。(略)逆に藩閥のボスたちから見れば、半世紀前の戊辰戦争では賊軍だった南部藩出身の“平民”が内務省に手を突っ込んでくるなんて、およそ許し難い暴挙なのである。――<本文より>
明日なき身
明日なき身
著:岡田 睦
文芸(単行本)
全国民必読の書!――文芸評論家・清水良典 妻に逃げられ、生活保護を受けながらも、自分勝手なダンディズムを貫いて生きる。 下流老人社会を予見する、21世紀の老人文学! 毎月、5日が“セイホ”(生活保護)の支給日。2、3日前になると、きまって金がなくなる。コインだけになり、セブン‐イレブンのむすび、最低1個100円のを、1日ひとつ喰うことになる。それも買えなくなって、何も喰わずひたすら5日を待つときもある。――<本文より> テレビなし、新聞なし、ガスなし。生活保護に頼るよりない惨めな零落のきわみで、どっこい1人の作家が生きている。――(文芸評論家・清水良典)
飛竜伝 宋の太祖 趙匡胤
飛竜伝 宋の太祖 趙匡胤
著:小前 亮
文芸(単行本)
この男に会えば、惚れる。 武勲に加え、智恵と徳により頂点に推され、もっとも愛された皇帝 武人ながら、宋を建国、文治政治を推進した名君の生涯を描く中国歴史小説 乱世に生を受けた男子として、皇帝になりたいと思う。それは否定できない。だが、一武将でいたほうが楽なのもたしかだ。「おまえは気楽でいいな」と、柴栄(さいえい)はときどきつぶやいていた。地位に付随する痛みを受けとめることが、自分にできるだろうか。「あまり考えこむのは、兄上らしくありませんよ」辺りをうかがって、趙匡義(ちょうきょうぎ)が言う。「いつものように笑って、みんなの期待にこたえてください」「そうだな」期待を裏切らない、と決めたのは、いつのことだったか。目を輝かせて決断を待つ弟の顔に、今まで出会ってきた友人や、女や、部下たちの顔が重なった。――<本文より>
iKILL ィキル
iKILL ィキル
著:渡辺 浩弐
文芸(単行本)
「急ぐかい、ゆっくりやるかい」 ……イキルためには、キルしかない――。 他人の欲望を糧に暮らすネットアイドル…… 復讐のために死体を切り刻む女子中学生…… 過去を100円硬貨で清算するビジネスマン…… そして静かに稼働を始める処刑システム……。 謎の暗殺者・小田切明(オタキリアキラ)が仕掛ける終わりのない残虐遊戯。 これぞ、小説家(クリエイター)・渡辺浩弐を代表する運命の1冊!