文芸(単行本)作品一覧

家族ホテル
文芸(単行本)
東京下町にアメリカ育ちの少年が帰ってきた!
スポーツ&ギターVS.銭湯&おでんや……日米間の違いと老若男女の違い、傷つき悩みながらも伸びやかに生きる少年のグローイング・アップ・ストーリー。
「成田に着いたら、真っ直ぐ日本橋蠣殻町のフォレストホテルへ行くんだ。すべてはそれからだ」日本を発つ日を決める前から、しきりに父は言っていた。渡航手続きを終えたときも、飛行機のチケットを手渡すときも、それを繰り返した。そして、最後にロスの空港で別れたときにも。飛行機に乗り込んだとき、これで悪夢は終わるかもしれないと吾郎は思った。強烈なラッシュを浴びてノックアウト寸前だったボクサーが、なんとかゴングに救われたような気分だった。──(本文より)
愛の博物館
文芸(単行本)
めくるめく物語の旅へ誘うある少年の幻視行少年は旅に出た。自分自身と、愛を探すための旅に……。行く先々には、不思議な博物館の数々が待ち構えていた。超現実的な風景の中、いま少年の幻視行が始まる。

曼陀羅華
文芸(単行本)
末法の世に開花するという妖しの華・曼陀羅華とは?
時は平安時代末期、右大臣藤原冬忠の娘・桂姫を襲った数奇な運命。跳梁跋扈する物怪の影に立ち向かう姫と陰陽師・土御門典明。
桂姫は12歳の春をまもなくにひかえていた冬のある日、庭を歩いていて月蝕に出会った。脳裏に甦るのは、東源寺の法円上人の言葉、「いよいよあくる永承7年から末法の世が始まり、1万年の間この世は滅びへと至る法滅の日々を歩みだすのだ」だった。懐妊した母・蒼井の上から遠ざけられてしまった桂姫の胸騒ぎ。姫の周囲に次々と起こる妖しくも恐ろしい怪事。陰陽師・土御門典明の咒文は魔を払うことができるか!

もっとおもしろくても理科
文芸(単行本)
不朽のロングセラー『おもしろくても理科』第2弾!
シミズ博士とサイバラ生徒の不仲は決定的なものとなった!?
や、だからね、だから私の言いたいことはさ、理科なの。ね、理科。
だから私としては、理科をもっと大切にしようと、お父さんお母さんも大切だけど理科も大切なんだぞーと、言いたいわけ。
や違うな、科学じゃないの。科学というような家賃の高そうなもんじゃなくて、理科でいいの。小学校でやったあの理科。さあ今日は太陽の光を鏡で反射させてみようね、わー光ってまっすぐ進むんだー、の理科。そういう理科をね、みんなに面白く伝えていきたいと、ね、そう思ってるわけよ。――本文より抜粋

愛しく候
文芸(単行本)
直木賞・女流文学賞作家・安西篤子の連作時代小説集
再婚が決まった日に、置手紙をして家を出た卯乃(うの)――愛をいとおしむ武家の女たちの物語

窓
文芸(単行本)
ほんの一歩、踏み出せば、疑われずに済んだのに……。
高校3年生の麻里子の揺れ動く心に宿る大きな不安。新直木賞作家による書下ろし長編サスペンス。
西麻里子は聴覚障害のある高校3年生。両親はすでにないが、結婚間近の姉、脱サラの兄、兄の親友の新聞記者・有作らに囲まれ、暮らしている。ある日、レストランで毒入りジュース事件が発生。容疑者の1人に、麻里子と同じ障害を持つ直久という少年がいるらしい。

春秋の名君
文芸(単行本)
古代中国の誘惑。待望のエッセイ集
春秋の名君12人。さらに司馬さんのこと、生まれた家のこと等、待望の書。

眠れない
文芸(単行本)
あくなき性の追求!
中年男と若い女の激しい別離の性宴。抑えきれない欲望の疼き、性愛の極致を描く現代の性的風景。

わが幻の国
文芸(単行本)
近代日本の文学者は中国をどう表現したか。
構想十年、日中の文学交流を、余すところなく書ききった画期的評論。
【本書に登場する作家たち】永井荷風、谷崎潤一郎、芥川龍之介、佐藤春夫、竹内好、武田泰淳、田山花袋、志賀直哉、北原白秋、長谷川四郎、木山捷平、中島敦、横光利一、火野葦平、井上靖、石川達三、安部公房、村上春樹……。

カジュアル離婚 ナチュラル不倫
文芸(単行本)
マイナス要素をプラスに!
人生の一大事、離婚と不倫の賢い選択と飛び方を、具体的ケースをとりあげて綴る体験的エッセイ集。

八年後のたけくらべ
文芸(単行本)
没後100年記念!樋口一葉の愛と死、明治の秋。
信如と美登利のその後の運命、注目作「お力のにごりえ」、妹邦子の見た一葉葬儀の朝の「葬列」さらに「日記」等、樋口一葉に捧げる名品集。

聖豹紀
文芸(単行本)
ジャガー(地底王国の戦士)VS.サーベルドラゴン(魔人)死闘ふたたび!
「バンドネオンの豹(ジャガー)」の闘いから20数年の月日が流れた。ふたたび現れたサーベルドラゴンが狙うのは、人の魂を操れる機械。それに対して、美しい地底王国アガルタと地球を守るため、ジャガー、藤村たちが立ち上がる。チベットのラマ僧や謎の美少女マリも登場し、中央アジアの地底で前代未聞の“400枚連続バトル”が始まる!

バンドネオンの豹
文芸(単行本)
ジャガー(地底王国の戦士)VS.サーベルドラゴン(魔人)宿命の闘い!
夢とロマンが溢れる冒険小説、待望の新装版
南米ギアナ高地で目撃された絶滅したはずの翼手竜。いっぽう大阪万国博会場で起きた女子高生の失踪事件。一見無関係の2つの事件の背後には、地球支配をもくろむ魔人・サーベルドラゴンがいた。サーベルドラゴンから地球を守ろうとするジャガーを旗頭に、地底王国アガルタの戦士たちの死闘が始まる!

柳田国男と近代文学
文芸(単行本)
「常民」の月並みな日常を、〈近代リアリズム〉を超える柳田の視線がどう捉えたか。柳田民俗学の最深部を照らし出し、その本質を問い直した傑作長篇評論。ゆるぎない分厚い伝統として、また、当たり前な自然さとして、われわれ日本人が受けとめている日本語の表象空間とは、いったいどのようなものなのか。それを内側から照らし出してみる必要を感じた著者は、その対象に柳田国男を選んだ――。
「常民」の月並みな日常を、〈近代リアリズム〉を超える柳田の視線がどう捉えたか。柳田民俗学の最深部を照らし出し、その本質を問い直した傑作長篇評論。
ゆるぎない分厚い伝統として、また、当たり前な自然さとして、われわれ日本人が受けとめている日本語の表象空間とは、いったいどのようなものなのか。それは内側から照らし出してみる必要を感じた著者は、その対象に柳田国男を選んだ――。

硫黄谷心中
文芸(単行本)
究極の愛のかたち“心中”が現代に甦る
艶やかで哀しくいとおしい生死の境をさすらう男女たち
死ねる、死ねる。
ああ、あの眼のくらむ遠い谷底の彼方まで、あたしだち2人の道なき空中の、死出の花道。恐ろしいけど恐くはない。身は震えるが心は澄んでいる。あそこへ体を投げ出せば、風があたしらを抱きとめる。身と心が2つに割れて、そこから身はあの谷底へ砕け散るが、心は何千丈の空を飛び彼岸へ行く。──本文より

無常を生きる
文芸(単行本)
無常のこの世を、いかに明るく生きるか。寂聴尼があなたにおくる、切なる愛と祈りのメッセージ。
寂庵には、この節また急に悩みを訴えに来る人が多くなった。……私はただ全身を耳にして、心を傾けて、それぞれの悲しみを聴きとるばかりだった。自然に涙があふれてもくる。言葉は虚しいと思う。悲しみや苦しみを少しでも分かちあうことで、胸が悲しみで塞っている人の心に少しでもすき間が生れ、風が通ってほしいと思うばかりだった。――(本文より)

たとえばの楽しみ
文芸(単行本)
「春と修羅」「せどり男爵数奇譚」「三四郎」「竜馬がゆく」「子供より古書が大事と思いたい」「日本文壇史」etc。
どのページから読んでも面白い!最新“書物エッセイ”134編。
題して、「たとえばの楽しみ」。ふと立ちどまって、たとえば何々であったら、とぼんやり思いを致すのも、また一興であろう、という、他愛のない意味である。書物にまつわるエッセイだけを集めた。すなわち私の日記を公開したようなものである。――「あとがき」より

砂漠の薔薇
文芸(単行本)
まさか、妻が先に……
終楽章を迎えた夫婦を襲った妻の“心”の崩壊。夫のささいな過去をなじり、冷えていく2人は、もう一度絆を求めて確認の地・アルジェへ。衝撃の恋愛巨編。
蔦が絡むように寄り添ってきたはずなのに、いつしか根が腐っていた……。同居期間が20年以上の夫婦の熟年離婚が、年々増える傾向にある。老境にさしかかった夫婦を襲う破綻。それは残り少ない時間が現実としてはっきり見える世代の夫婦にとって、人生最後の過酷な試練とも言える。本稿に登場するのも、老境にさしかかった夫婦である。長年連れ添いながら、会話が途絶えがちなふたりに忍び寄る危機。それに直面してはじめて、夫婦は限られた人生をどう生きるかを模索する。筆者はこの夫婦と“自分捜し”の旅に出てみた。――著者のことば

寛永の楔
文芸(単行本)
「天草四郎を殺したのは誰か?」
いまだ揺籃期の徳川幕府を震撼させた切支丹一揆。だが、その裏には体制崩壊を狙う様々な意志があった!気鋭の歴史作家が暴く、真実の天草四郎の乱!
本書は、昨今の政治・社会情勢を横目に見ながら、幕藩体制の成立時期にすすめられた、「鎖国」という空前絶後の事態を、時代の流れを塞き止めた巨岩としてとらえることから始まった。この国家事業の遂行中に、天草・島原の乱は勃発している。なぜ、このような大規模の一揆が起き得たのか。あるいは、この一揆がもたらした結果は、「鎖国」とどう繋がり、後世になにを残したのか。――(あとがきより)

大江戸ボランティア事情
文芸(単行本)
無償の行為で江戸の市民生活は成立していた。
江戸の街は相互扶助、それも代価を期待しない行為で生活が成り立っていた面がいくつもあった。長屋、寺子屋、火消しなどを図版多数で紹介し、暮らしを活写する。