文芸(単行本)作品一覧
書物の旅
文芸(単行本)
直木賞作家、初の“書物エッセイ”全80編古本が好き、ミステリ-が好き、西部劇が好き……。当代一流の読み手と折り紙つきの著者が、“書物の旅”をガイドします。何と、匿名書評まで収録のコダワリ本!

愛死(下)
文芸(単行本)
かけがえのない人と生きたいと願う時、愛は赦し、死は癒す
「ぼくを探さないで」「私を憎んで下さい」
エイズの前に立ち尽くし、離れ離れになった恋人、そして夫婦。人は愛するために生き、死ぬために生きる。妻の告白に動揺した末、夫・昌平が選んだ道は……。

愛死(上)
文芸(単行本)
その病は“愛の踏絵”若き恋人の心が試され夫婦の絆が問われる
遥子が旅先で知り合った美青年・亮は、パートナーをエイズで失ったホモセクシュアルだった。血友病とエイズの二重苦に悩む祐二を愛する少女・舞、過去の不貞による感染に脅える大学教授夫人・彰子。愛するがゆえの病苦が、遥子のまわりを取り巻いていた。
ジェ-ムス・ディ-ンの向うに日本が視える
文芸(単行本)
いまだかつてないシネマ・ミステリ-登場!ジェ-ムス・ディ-ンのル-ツは、日本にあった!綿密な考証と大胆な推理。24歳で夭折した俳優の向こう側に視える日本を捜すゲ-ムにあなたも参加しませんか。
影のド-ベルマン
文芸(単行本)
ド-ベルマンと家族愛を謳う感動のロマン!漆黒の犬ブラッキ-は少年一家とともに南ア共和国へ渡った。激しい人種差別と暴力に立ち向かう愛犬と一家の運命。アフリカを舞台にした気鋭作家の書下ろし長編。
海よ島よ《歴史紀行》
文芸(単行本)
海から眺めると日本歴史の新しい姿が見える人気作家が自分の足でたどった歴史紀行エッセイ。瀬戸内海の島々を根城に活躍した村上・九鬼水軍から博多・長崎・堺の商人まで、日本歴史を新視点で掘り起こす。

小さな一歩から
文芸(単行本)
自分にもできる小さなことから始めよう誰かのために
北国から優しさに満ちた言葉の花束
小さな犠牲なら、私たちも捧げられるかも知れない。例えば、自分の庭に咲く一番美しいバラを、病んでいる人のために切って捧げることはできないか。そう思った時、捧げようと思えば、もっともっと捧げ得ることに私は気づいた。つまり、どんなに忙しくても、1日に十分の時間を誰かのために割くことはできないかと思ったのだ。電話でもいい、葉書でもいい、その人のために祈るだけでもいい。要は小さな一歩から始め得るのではなかろうか、と――本文より
ねえ、ここ、なおして
文芸(単行本)
触れただけで女性を治す、雷蔵クンの大冒険「そこそこイイ線のセンシティヴな僕」を自認する雷蔵クンは26歳の独身青年。ある日雷に打たれて妙なパワ-を身につける。その力ゆえに思わぬ出来事の連続が…

高杉晋作(下)
文芸(単行本)
《限りなく哀れな生死》
薩摩土佐、ともに美しからず!日本の国際化する瞬間に着目し、忠臣蔵をしのぐダイナミックな歴史と傑出した個人を描く傑作!
居間と客間と、わずか2部屋の狭い家に2人は起居を共にした。滞留が7日8日と過ぎた頃、布団を並べて寝た望東尼(もとに)は、晋作に問いかけた。「筑紫の旅で、何か得るところがありましたか」「さよう……世間、というものを知ったことかな」「世間の冷たさ、でしょうか」晋作は寝返りをうった。望東尼の白い顔が闇の向こうにあった。「世間を相手に一喜一憂しても始まらない。要は時勢を動かすこと。世間は長州の勢いで動く」望東尼は、晋作を見つめていた。この絶望の底で、何という不敵な……。──人は困ってはいけない。困ったと思うだけで何の考えも浮かばなくなる。人の仕出かした事態が、人の智恵で打開できぬ筈がない。「では……あなたも、死物狂いなのですね」──本文から

深川澪通り燈ともし頃
文芸(単行本)
江戸が流れ江戸が匂い江戸が溢れる長篇時代小説
江戸一の狂歌師になった塩売りの喧嘩政。美男の薬売りに恋焦れる独り身の裁縫師お若。悲しい時、淋しい時、人々が心を寄せ、身を寄せる、木戸番小屋のお捨・笑兵衛夫婦。出世作『深川澪通り木戸番小屋』を超えるたのしさ。

高杉晋作(上)
文芸(単行本)
新しい青春の幕末
断然面白い歴史小説の誕生!『竜馬がゆく』から30年、いま再び幕末小説の傑作現わる。鮮やかに描かれる青春の客気、人間の魅力!
真実は1つではない。人はそのおかれた立場によって、それぞれ異なる真実を持ち、信奉する。かつて芥川龍之介は、名作「藪の中」でそれを描いた。筆者は、長州の高杉晋作の立場から、維新革命を直視しようと思い、筆を執った。高杉晋作は、18歳の時、吉田松陰の教えをうけ、以後10年、維新革命に尽瘁し、28歳で世を去る。その10年のうち、尊王倒幕の運動に奔命したのは5年に過ぎない。5年の運動によって、盤石の徳川幕府はゆらぎ、倒壊は時間の問題となるに至った。──その5年の歳月と、年歯23から28に至る晋作の客気を描きたいと願った。──(あとがきから)
あなたのお耳に
文芸(単行本)
「小説の魔術師」がかなでる7つの変奏曲!あなただけのお耳に入れますが、この話を聞いた方はまちがいなく死ぬのです――。直木賞作家が変幻自在の語り口で誘う奇妙な、奇妙な出久根ワ-ルドにようこそ!
フリ-マントルの恐怖劇場
文芸(単行本)
フリ-マントルが放つ一級ホラ-小説12篇スパイ小説の第一人者、B・フリ-マントルがホラ-ノヴェルに挑んだ傑作短篇集。怪奇、奇譚、伝奇。世にも不思議な物語の数々をまとめた恐怖の読み切り12篇。
復刻版 芽むしり子撃ち
文芸(単行本)

秋好事件
文芸(単行本)
上告中の死刑囚・秋好英明の半生記と事件の裁判記録から成る長編力作。
秋好事件とは――。昭和51年6月14日福岡県飯塚市で起こった一家4人殺害事件。秋好英明(当時34歳)が犯人として逮捕され、一審、二審とも死刑の判決が出ている。

ひとり親走る
文芸(単行本)
仕事と子どもと友情と
朝から晩まで秒きざみくるくるくるくる生きているまっすぐ立って歩いていこう子どもはあとからついてくる

桃色浄土
文芸(単行本)
珊瑚の海の向こうには、愛する死者が生き返る伝説の国がある――。
高知の海辺の村に暮らす海女とイタリア人の禁じられた恋。自然の厳粛さと人間の愛憎を描く書下ろし長編伝奇ロマン!
青い空と海の境から突然、現れた白い異国船。平和な高知の月灘村は、その日から欲望にとり憑かれた。桃色に輝く珊瑚は、人の心をもてあそびながら櫻が浦をさまよっていく――。
殺人のスポットライト
文芸(単行本)
華麗で猥雑で自由、新宿の街の人間ドラマ!大都会の影に生きる誇り高き自由人、ひとは彼らを浮浪者と呼ぶ。夜闇から注がれる視線が事件を解明し、彼らの活躍が都会の縮図をあらわにする。連作ミステリ-。

前田利家(上)
文芸(単行本)
朱武者バサラ利家の華麗なる運命!
利家は右腋に敵の槍先を受け、血が鎧直垂を濡らしていた。彼は、槍を杖に信長本陣に戻ると首級を近侍に差しだす。信長のかたわらにいた柴田勝家が、大声で告げた。「殿、利家が手柄をたててござりまするぞ。なにとぞ勘当をご宥免してやって下されませ」采配を手に、使い番に口早に下知をしていた信長はふりかえり、利家をにらむと叫んだ。「ならぬ。そやつは目通り叶わぬ」利家は信長の言葉を聞くなり槍をひっさげ、敵勢にむかい駈け戻ってゆく。勝家が信長にいう。「利家は手を負うておりまするに、追い返さば斬り死にいたしまするでや」──本文から
五里霧
文芸(単行本)
新趣向の短篇オムニバス“12ヵ月物語” 1年は12ヵ月、それぞれの月にそれぞれの想いを抱く。問われるのは人間の生き方。強姦と殺人事件をテ-マに真実追究の難しさを描いた表題作他“12ヵ月物語”