文芸(単行本)作品一覧

ゾウに魅かれた容疑者 警視庁いきもの係
文芸(単行本)
連ドラ化もされた大人気「警視庁いきもの係」シリーズ2回目の長編!
警視庁「いきもの係」のオアシス、田丸弘子が行方不明になった。弘子の自宅を捜索した須藤は、動物園のチケットを発見し、それが弘子からのメッセージだと確信する。薄に連れられ動物園に向かうと、弘子は休日にゾウを見に来ていたことがわかった。どうやら動物園で親しくなった女性に間違われて拉致されたらしい。偽造パスポートまで使って連れ去られた先は東南アジアのラオス。薄と須藤は弘子を救うべく、現地へ向かう。

長い一日
文芸(単行本)
小説家の夫と妻は、住み慣れた家からの引っ越しを考え始めた。長いつきあいの友人たちやまわりの人々、日々の暮らしの中でふと抱く静かで深い感情、失って気づく愛着、交錯する記憶。かけがえのない時間を描く、著者4年ぶりの長編小説。
「どこまでも伸びる一日。そして過ぎてみれば、たった一日。」(本書より)

ザ・ベストミステリーズ2021
文芸(単行本)
ミステリーの最前線、ここにあり! どれを読んでも面白い。他では得られない高揚感とスリルをあなたに!
第74回日本推理作家協会賞短編部門受賞作、結城真一郎「#拡散希望」も収録!
2020年に発表された短編推理小説の中から、プロの読み手たちが熟練の目で選び抜いた8作品を収録。
長年の愛好者に向けたコレクションとしても、ミステリーの入門書としてもぴったりの一冊。
新鋭からベテランまでキャリアに関係なく、「とにかく面白くて優れた」短篇のみを集めました。
巻末には昨年のミステリー界の動向を記した「推理小説・二〇二〇年」に加え、推理小説関係の受賞作を完全網羅したリストも収録!

新風記 日本創生録
文芸(単行本)
日出づる国、日ノ本はいかに興ったのか。
遥か昔。民のためにその身を捧げ、長く苦しい旅に出た若者がいた。
まだ日本が日本でなかった時代。日向の里の跡継ぎ・彦火火出見(ヒコホホデミ)は、天災で農地が深刻な被害を受け、各々の里が争い合う現状に心を痛めていた。耐え忍び、助け合え、とただ語り掛けるだけで果たして皆を救えるのだろうか。自らが行動し、未来を示してこそ多くの民を救うことに結び付くのではないか。火火出見は、よき理解者である長兄・五瀬(イツセ)、武芸に長けた次兄・稲飯(イナヒ)、稲作の名人である三兄・三毛入野(ミケイリノ)らとともに理想郷として伝わっていた「豊葦原」への旅を決意する。豊葦原で、人々を束ねる国を作り、民を導くことこそ己の使命だと信じて。
気鋭の歴史作家が、大胆な着想とアプローチで迫った「神武東征録」。
『古事記』『日本書紀』をベースに、立国の礎を描いた歴史スペクタクル巨編!

パンダより恋が苦手な私たち
文芸(単行本)
その恋、叶えたいなら「野生」に学べ!
ヒトよ、何を迷っているんだ?
サルもパンダもパートナー探しは必死、それこそ種の存続をかけた一大イベント。
最も進化した動物の「ヒト」だって、もっと本能に忠実に、もっと自分に素直にしたっていいんだよ。
――今泉忠明氏(動物学者 『ざんねんないきもの事典』監修)推薦!!
動物たちの求愛行動が、恋の悩みをスパッと解決!?
イケメン変人動物学者 × へっぽこ編集者コンビがおくる、新感覚ラブコメディー!
「それでは――野生の恋について、話をしようか」
月の葉書房の「リクラ」編集部で働く柴田一葉。夢もなければ恋も仕事も超低空飛行な毎日を過ごす中、憧れのモデル・灰沢アリアの恋愛相談コラムを立ち上げるチャンスが舞い込んできた。期待に胸を膨らませる一葉だったが、女王様気質のアリアの言いなりで、自分でコラムを執筆することに……。頭を抱えた一葉は「恋愛」を研究しているという准教授・椎堂司の噂を聞き付け助けを求めるが、椎堂は「動物」の恋愛を専門とするとんでもない変人だった!
恋に仕事に八方ふさがり、一葉の運命を変える講義が今、始まる!

Voyage 想像見聞録
文芸(単行本)
さぁ、出かけよう! 「物語」という旅へ。
様変わりした生活、奪われる自由――。
でも大丈夫、私たちには「小説」がある。
国境、日常、現実を飛び越え、行き先は無限大!
宮内悠介、藤井太洋、小川哲、深緑野分、森晶麿、石川宗生――。
最旬の作家たちが想像の翼を広げて誘う、魅惑のノベル・ジャーニー!
宮内悠介 「国境の子」
対馬から韓国まではわずか一時間。でも「ぼく」にはそれが遠かった。
藤井太洋 「月の高さ」
旅公演スタッフとして遠征中、あの日見た月が胸に去来する。
小川 哲 「ちょっとした奇跡」
自転が止まった地球。カティサーク号は、昼を追いかけ移動を続ける。
深緑野分 「水星号は移動する」
移動式の宿・水星。今日はどんなお客様と出会うのだろう?
森 晶麿 「グレーテルの帰還」
あの夏、最後の家族旅行での惨劇が、私の運命を大きく変えた――。
石川宗生 「シャカシャカ」
地表が突然シャッフルをはじめた!? 姉弟の生き残りをかけた旅が始まる。

あなたにオススメの
文芸(単行本)
気づけば隣にディストピアーー
世界が注目する芥川賞作家・本谷有希子が描く、心底リアルな近未来!
「推子のデフォルト」
子供達を<等質>に教育する人気保育園に娘を通わせる推子は、身体に超小型電子機器をいくつも埋め込み、複数のコンテンツを同時に貪ることに至福を感じている。そんな価値観を拒絶し、オフライン志向にこだわるママ友・GJが子育てに悩む姿は、推子にとっては最高のエンターテインメントでもあった。
「マイイベント」
大規模な台風が迫り河川の氾濫が警戒される中、防災用品の点検に余念がない渇幸はわくわくが止まらない。マンションの最上階を手に入れ、妻のセンスで整えた「安全」な部屋から下界を眺め、“我が家は上級”と悦に入るのだった。ところが、一階に住むド厚かましい家族が避難してくることとなり、夫婦の完璧な日常は暗転する。

まりも日記
文芸(単行本)
真梨幸子が放つネコミス登場!
人を魅了してやまない猫たちに惑わされた愚かな人間の行く末、そして猫たちのその後--。
第一話 まりも日記
第二話 行旅死亡人~ラストインタビュー~
第三話 モーニング・ルーティン
第四話 ある作家の備忘録
第五話 赤坂に死す
最終話
小説現代、メフィストに掲載された短編に書下ろしを加え、大幅改稿した著者懇親の猫×イヤミスの傑作登場!

光をえがく人
文芸(単行本)
つらいとき、悲しいとき、アートがあるから
浮かび上がる大切なもの
拾ったアドレス帳の持ち主を探しに韓国へ。現代美術作品がきっかけの、女性二人旅の結末は──「ハングルを追って」を含む、芸術が照らし出す5編のショートストーリー集!
「ハングルを追って」
ハングルが書き込まれたアドレス帳を拾った美大事務職の江里子は、油画科の親友に相談し、ソフィ・カルにちなんで韓国へ行ってアドレス帳の持ち主を探すことに……。
「人形師とひそかな祈り」
伝統の御所人形を作り続ける正風は子どもにも弟子にも恵まれず、そろそろ工房を畳もうと考えていた。そんな折、フィリピンからの留学生を紹介され心を開いていく……。
「香港山水」
現代水墨画家の成龍は、コレクターたちのパーティに駆り出される。そこで地元実業家の夫人・美齢と出会い、デモ隊と警察が衝突する混乱のさなかに二人は再会し……。
「写真家」
有名な写真家だった父が、記憶をなくして海外から帰国。娘は世話をしながら、母から写真家としての父の話を聞き、生涯を辿ることになる。知らなかった真実がそこに……。
「光をえがく人」
ミャンマー料理店の店主に、自国の政治犯についての話を聞くことになった。学生のころ反政府運動に加わって投獄され、劣悪な監獄生活のなかでの奇妙な体験とは……。

〈世界史〉の哲学 近代篇2 資本主義の父殺し
文芸(単行本)
近代には不思議な性質がある。近代はいわば自分自身を否定するのであり、その否定を含めて近代なのだ。その奇妙なメカニズムに迫るため、本書はまずドストエフスキーの小説に挑む。
ドストエフスキーの小説を通じて何が解明されるのか。資本主義のメカニズムである。と、書くとびっくりされるかもしれない。ドストエフスキーの文学と資本主義とはあまり関係がないと思えるからだ。だが、両者のつながりを理解するには、資本主義の本質を理解しておく必要がある。資本主義は一種の宗教である。
資本主義が宗教の一種であるならば、ドストエフスキーの文学を媒介にしてそのメカニズムへと通じる道があっても不思議ではない。考えてみると、ドストエフスキーの小説では登場人物がたいていおカネのことで苦労している。と同時に彼らは絶えず神のことで思い悩んでいるのだ……。
小説同様に資本主義と骨がらみの産物として美術や歴史意識が生まれ、19世紀以降今日にいたるまでわれわれを規定している。その軛からのがれることは可能なのか? 精神の自由を求める認識の冒険はさらに佳境へ!

ここはとても速い川
文芸(単行本)
第一詩集で中原中也賞を受賞した注目詩人による、初めての小説集。
児童養護施設に暮らす小学5年生の集(しゅう)。園での年下の親友・ひじりとの楽しみは、近くの淀川にいる亀たちを見に行くことだった。温もりが伝わる繊細な言葉で子どもたちの日々を描いた表題作と、小説第一作「膨張」を収録。

白医
文芸(単行本)
「先生の手で、終わらせてくれないか」
ホスピスで起きた3件の不審死。沈黙を貫く医師が抱える真相とは?
救うべきは、患者か、命か――。
『闇に香る嘘』『同姓同名』の著者渾身、“命の尊厳”に切り込む傑作医療ミステリー!
「先生は、患者を救ったんです――」
末期がん患者の水木雅隆に安楽死を行ったとして、裁判を受ける天心病院の医師・神崎秀輝。「神崎先生は私から……愛する夫を奪っていったんです…!」証人席から雅隆の妻・多香子が悲痛な声をあげるも一向に口を開こうとはしない。そんな神崎には他にも2件、安楽死の疑惑がかかっていた。患者思いで評判だった医師がなぜ――?
悲鳴をあげる“命”を前に、懊悩(おうのう)する医師がたどり着いた「答え」とは?
“安楽死”をテーマに描く、乱歩賞作家渾身の医療ミステリー!

薔薇のなかの蛇
文芸(単行本)
変貌する少女。呪われた館の謎。
「理瀬」シリーズ、17年ぶりの最新長編!
英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・デイヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。
可憐な「百合」から、妖美な「薔薇」へ。
正統派ゴシック・ミステリの到達点!

文学2021
文芸(単行本)
未知の災厄に覆われた世界を
文学はどう描いたか?
日本文学の最前線をなす
2020年のベスト短編アンソロジー
解説:富岡幸一郎
我が人生最悪の時 磯﨑憲一郎
移民の味 王谷 晶
母になる 木村友祐
猫はちゃんと透き通る 最果タヒ
あたらしい日よけ 井上荒野
ばばちゃんの幽霊 朝吹真理子
サクラ 尾崎世界観
四半世紀ノスタルジー 町屋良平
斧語り 松田青子
ふらここ 山下澄人
ダン吉の戦争 高橋源一郎
ヨブに会う 加藤 櫂
スカピーノと自然の摂理 金子 薫
あなたのことを話して 長島有里枝
下品な男 上田岳弘
その一匹を殺したのは誰か 高山羽根子

檸檬先生
文芸(単行本)
第15回小説現代長編新人賞受賞作。
世界が、色づいている。
小説現代長編新人賞、史上最年少受賞!
十八歳の作家が放つ、鮮烈なデビュー作。
<内容紹介>
私立小中一貫校に通う小学三年生の私は、音や数字に色が見えたりする「共感覚」を持ち、クラスメイトから蔑まれていた。ある日、唯一心安らげる場所である音楽室で中学三年生の少女と出会う。檸檬色に映る彼女もまた孤独な共感覚者であった。
本を開けば白黒の紙面のうえで、色と音とが踊る。読み終わり、それが幻だったとしたら、あなたは耐えられるか。
――水野良樹(いきものがかり)
先生は鮮烈な青春そのもの。みずみずしい感覚で心が開かれる傑作。
――茂木健一郎(脳科学者)
『こころ』の末裔か令和の『彼岸先生』か。全体に血が通っていて、小説を読む原初の喜びのようなものがあった。
ーー宮内悠介
音と色の響き合う世界を見事なまでに小説に引き込んだ。その生きづらさ、苦しさだけでなく、新しい世界に目を開かされた瞬間があった。台詞と地文に新鮮な発露があり、檸檬先生の台詞には実がある。
ーー朝井まかて
作品のテーマが珠川さんの背中を押している気がした。何より支持できたのは対象を見つめる無垢にも似た視点から言葉を紡いでいる点だった。これは才能であろう。
ーー伊集院静
共感覚という独特な感性を小説として描こうとした意欲を大きく買い、またそれが見事に成功していると思える作品だった。
ーー薬丸岳

湯けむり食事処 ヒソップ亭2
文芸(単行本)
温泉と旨い料理に癒やされて。
老舗旅館の食事処には、肴と名酒と憩いを求めて人が集う――
累計110万部突破! 『居酒屋ぼったくり』著者によるグルメ小説の決定版、待望の第二弾!
数年前に有名料亭の料理人をある事情から辞めた章は、
素泊まり温泉旅館「猫柳苑」の食事処「ヒソップ亭」の主人に。
新しい仲間も加わり、さらにパワーアップした「ヒソップ亭」。
景気も世情も厳しいけれど、美味しい肴を名酒を求めて今日も誰かが訪れる――

キネマの天使 メロドラマの日
文芸(単行本)
映画は人が創る。――だから、トラブルもドラマも盛りだくさん!
読むと元気が湧いて、映画をもっと好きになる、
ユーモア×お仕事×ミステリー!
映画を愛する若手スクリプター・東風亜矢子(こちあやこ)。スクリプターとは、撮影現場で役者の動きや衣装など、映像に写るすべてを記録・管理する仕事だ。しかし、彼女の仕事はそれだけではない! 監督のあらゆる我が儘に翻弄されながら、スタントマンやヒロインの代役をこなし、さらに、殺人事件の謎解きまで――!? それでも亜矢子が頑張るのは、やっぱり映画が大好きだから! 舞い込む事件を解決し、クランクアップのその日を迎えられるのか!?
![シンジケート[新装版]](https://dvs-cover.kodansha.co.jp/0000351539/QIdfYmgYjFVc6B598aYya0uD2yRNpTJvPv8FqtAf.jpg)
シンジケート[新装版]
文芸(単行本)
伝説のデビュー歌集、31年目の新装版。1990年に第一歌集『シンジケート』で鮮烈なデビューを果たして以来、現代短歌を代表する人気歌人として、エッセイ、評論、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍する穂村弘。その原点であり、現在の短歌ブームにつながる新時代の扉を開いた伝説の歌集が、人気画家ヒグチユウコの絵と名久井直子の装丁で新たに生まれ変わりました。解説・高橋源一郎。

叶うならば殺してほしい ハイイロノツバサ
文芸(単行本)
真夜中の吉祥寺で発生した謎の火事。
被害家屋から、片手錠で固く拘束された女子高校生の遺体が発見される。
他にも男3人が死線をさまよう中、唯一無傷で確保されたのは、
その家に独り暮らししていたはずの被疑少年、T17歳。
Tが完全黙秘を貫く間、科学捜査を進めた警察は、
この家における女子高校生集団監禁の実態と、
彼女に2週間も加えられた言語道断の仕打ちを知り激昂する。
するとTは、その激昂を嘲笑うかのように完全黙秘をやめ、
自らの鬼畜の所業について雄弁な自白を開始するのだった……
取調べ官VS.被疑少年。命と誇りを懸けた一騎打ちの結末は。
元警察官が描く、慟哭必至の警察ミステリ。

猫狩り族の長
文芸(単行本)
今まで虚構を描いてきた。
初めて本当に思っていることを書きました――麻枝准
***
『CLANNAD』『Angel Beats!』『神様になった日』――
話題作を作り出し続けるカリスマの内心が初めて明かされる処女小説、緊急刊行
***
海辺で出会った彼女は、美しく饒舌で世界で誰よりも――死にたかった。
猫が戯れるのを眺めていた女子大生・時椿は、断崖絶壁に立つ女性に声をかける。
飛び降りようとする黒髪の美女・十郎丸は、多くのヒット曲を手がける作曲家だった。
彼女は予想に反して、雄弁で自信に満ちた口調で死にたい理由を語ってのける。
人生で初めて出会った才能豊かな人間が、堂々と死のうとしている事実に混乱する時椿。
なんとかその日は十郎丸を翻意させ、下宿に連れて帰ることとなる。
なぜか猫に嫌われる死にたい天才作曲家と、何も持たない大学生。
分かりあえない二人の、分かりあえなくもあたたかい6日間が、始まった。
麻枝 准の生きている世界はこんなにも苦しくて、理不尽なものだった――。
「泣ける」ことだけにこだわり創作してきた彼が純粋に書きたいものを初めて書いた処女文芸作品。