文芸(単行本)作品一覧

葛藤
文芸(単行本)
愛して、恨んで、それが人。
生まれたばかりの我が子を誘拐され、失意を拭えぬまま夫婦だけの生活を続けてきた三好紗英は、16年後ある女子高生と出会う。少女は誘拐された自分の娘なのではないか? しかし、たとえ我が子だったとしても、今さら名乗り出ては少女を混乱させ心に傷を負わせてしまうかもしれない。
少女の幸せと、喪失を抱え生きてきた自分の希望を天秤にかけ、紗英がとった行動は……。

パラソルでパラシュート
文芸(単行本)
第165回直木賞ノミネートで話題をさらった『スモールワールズ』著者、感動の長編小説!「できること、やりたいこと」何もない――。大阪の一流企業の受付で契約社員として働く柳生美雨は、29歳になると同時に「退職まであと1年」のタイムリミットを迎えた。その記念すべき誕生日、雨の夜に出会ったのは売れないお笑い芸人の矢沢亨。掴みどころのない亨、その相方の弓彦、そして仲間の芸人たちとの交流を通して、退屈だった美雨の人生は、雨上がりの世界のように輝きはじめる。美雨と亨と弓彦の3人は、変てこな恋と友情を育てながら季節は巡り、やがてひとつの嵐が訪れ……。

ロミオとジュリエットと三人の魔女
文芸(単行本)
ロミオとジュリエットとフォルスタッフとイアーゴーとヴァイオラとシャイロック……さらにはシェイクスピアまでが一堂に会して、どたばたを繰り広げる。あの世界的名作群の誕生秘話が、今明かされる!?

R.I.P. 安らかに眠れ
文芸(単行本)
優しかった兄が、三人もの自殺志願者を殺めた――。世間から極悪人と糾弾される村瀬真也。連続凶悪事件を犯した兄が語り始める不可解な動機を解き明かそうと、妹の薫子は奔走するが、一線を越えてしまった真也の「知らなかった一面」に衝撃を受ける。自殺志願者を次々殺めた男の告白から見えてきた真実とは――。行きすぎた正義と、無関心な親切は、どちらが正しいのだろうか。誰もが目を逸らしたくなる問題に、著者自身も懸命に向き合い書き下ろした長編小説。

みぎがわ
文芸(単行本)
ギターを手に歌う少女のシンデレラストーリー。
彼女のデビュー・活躍の裏には、1人の男の子の存在があったーー
「私の音楽でだれかを救う『英雄』になりたい」
YOASOBI「夜に駆ける」の原作が生まれた小説・イラスト投稿サイト「monogatary.com」(運営:ソニー・ミュージックエンタテインメント)から、
新たなアーティストが誕生!
「普通がいちばん」をモットーに生きてきた高校3年生の智也。
代わり映えのしない日々を過ごしていたが、ある日の放課後、通学路の土手で、ギターを手に歌うリカに出会った。
リカの歌は、もっと多くの人に聴かれるべきだ。
彼女のために力を尽くす智也だったがーー。
青春時代、かけがえのない相手と出会った2人の感動の物語。
「monogatary.com」主催「モノコン2020」優秀作品、待望の書籍化。

私たちは空になれない
文芸(単行本)
「時は確実に、私を大人へ押し出そうとしている。」
衝動的に、姉の形見のペンダントを、川に放ってしまった「育音」。
そんな時に声をかけてきたのが、青年「沖田」だった。
レンタル役者を生業としている彼に、「育音」は「共犯者」を演じてもらいたいと願う。
「沖田」の仕事を手伝い、かかわるうちに、「育音」の想いは次第に変化してーー
「俺に演じてほしいのはどんな役?」「共犯者」
切ない衝撃が胸を打つ、メフィスト賞作家快心の傑作青春ミステリー!

現代生活独習ノート
文芸(単行本)
偶然録画していた興味のない番組
冷蔵庫内の陣地争い 貧弱な食事ばかりのSNS画面 資料室の籠城騒動
キラキラはしていなくても、
冴えない日常は、案外愛しく、悪くない。
短編の名手がおくる 私たちの‘今’が詰まった8つの物語
怒り、あきらめ、情けないこと、ときどきは幸せなこと
“通り過ぎていくものたちのどれかは、手になじんで輝いてくれるだろう”
収録作
「レコーダー定置網漁」
「台所の停戦」
「現代生活手帖」
「牢名主」
「粗食インスタグラム」
「フェリシティの面接」
「メダカと猫と密室」
「イン・ザ・シティ」

法月綸太郎ミステリー塾 怒濤編 フェアプレイの向こう側
文芸(単行本)
日本編、海外編、疾風編に続く「怒濤編」は「フェアプレイの向こう側」。
ミステリー界の至宝が語る輝ける最新評論集。

ミチクサ先生 下
文芸(単行本)
皆が読みたい小説を書いてほしいんです!
「こんなに美しい富士山と海を、どんな文章でお書きになるのか、読んでみとうございます」鏡子の言葉は、金之助の胸の奥を揺り動かした。
英語教師として松山で子規と過ごした金之助は、次に赴任した熊本では鏡子を迎えて新婚生活が始まる。英国に留学している間に子規は亡くなり、帰国すると帝国大学の教師に。高浜虚子から子規ゆかりの句誌「ホトトギス」に小説を書いてほしいと頼まれ、初めて書いた小説「吾輩は猫である」が大評判に。やがて東京朝日新聞の社員として連載した数々の小説で国民作家となり、後進の文学者たちにも多大な影響を与える――。
処女作「吾輩は猫である」がいきなり評判となり、「坊っちゃん」で国民作家に。
『機関車先生』『いねむり先生』に続く「先生」シリーズ第三弾!

ミチクサ先生 上
文芸(単行本)
ミチクサが多いほうが、人生は面白い!
てっぺんには裏から登ったって、足を滑らせたっていい。あちこちぶつかったほうが道は拓ける。
夏目家の「恥かきっ子」金之助は生まれてすぐに里子に出されたり、年老いた父親にガラクタ扱いされながらも、道楽者の祖父の影響で子供ながらに寄席や芝居小屋に入り浸る。学校では異例の飛び級で頭角をあらわし、心のおもむくままにミチクサをして学校を転々とするように。その才能に気付いた兄に英語を仕込まれ、東京大学予備門に一番で合格した金之助は、そこで生涯の友となる正岡子規と運命の出逢いを果たす――。
伊集院静がずっと共鳴し、いつか書きたかった夏目“漱石”金之助の青春
「日経新聞」大人気連載、待望の書籍化!

恋侍 ー中目黒世直し編ー
文芸(単行本)
真実の恋を手に入れるのは、この僕だ。
恋侍・落合正泰の前に現れたのは、美人双子と外資系キャリアウーマン。
中目黒・歌舞伎町で繰り広げられる恋愛試合。今宵の勝敗はいかにーー
イヤーコンテンツ配信サイト「NUMA」より『恋侍』待望の書籍化!
――口説かずに後悔するより、口説いてから後悔しろ。
僕が双子と出会ったのは、いまから二時間前、小洒落た中目黒の小洒落た立ち飲み居酒屋だった。
立ち飲み居酒屋がいかに素晴らしい場所かは以前から巨匠に教えてもらっていた。
恋愛示現流・免許皆伝の恋侍 落合正泰。鍛え上げた知性を武器に、いざ、参る!
『三軒茶屋星座館』シリーズの著者による、等身大ラブコメディ!
巻末には、柴崎竜人×現代アーティスト・杉田陽平 特別対談も収録!

視えない線を歩く
文芸(単行本)
2011年3月11日。あの日から続く非常事態を人々はどう生きたか。何を考えたか。
論争の中で塗りつぶされていく多様性、忘却されていく過去を、ていねいに見つめ直す。
第1回PEPジャーナリズム大賞受賞のノンフィクションライターが綴る傑作。
第1章 先取りされた「緊急事態」の記録
第2章 人に会いに行く
第3章 理解、その先へ
第4章 トモヤの10年
第5章 何も知らない
終章 家族の時間

ヌルハチ 朔北の将星
文芸(単行本)
清の初代皇帝、英雄・ヌルハチの生涯。
父と祖父を殺されたヌルハチは、復仇のために立ち上がった。
挙兵後、敵対勢力を次々と制圧し、全女真人の頂点に上り詰める。
それは強大な明との対決を意味していた。
圧倒的な大群に対し、ヌルハチの策はーー

おおあんごう
文芸(単行本)
「かが屋」加賀翔、初小説!
切なく、熱く、優しく紡ぐ、ぼくと家族の物語。
「この父親なのめちゃめちゃたいへんじゃの!」
岡山の田舎の小さな町。
細いゴリラのような父に振り回され、
繊細な心を削られて生きるぼく。
凛とした母、ふんわりしたおばあちゃん、無二の親友。
痛みと悲しみは「笑い」に変わり、いつか「夢」を運んできてくれる。
「なぜか、涼やかな風が吹きとおった。
うつむくと胸もとに、
ビール缶みたいな穴がまんまるく空いていた」
いしいしんじ
「私もこの絶望を知っている。悔しくて恥ずかしくて、それでもまた期待してしまう。そして当然に裏切られる。
少年には憐れみも情けもいらなかった、笑いとなることだけが救いになった。
自然をかき分けて歩き続けた日々を、カエルのぬいぐるみと一緒に抱きしめたい」
吉澤嘉代子
「理不尽な父の言動に早く大人になるしかなかった少年が、生きる。
苦しくて、優しくて、悲しくて、笑えて。
岡山の鮮烈な言葉がざくざく刺さる、とてつもない小説です!」
東 直子
「読みだした時は、相方だからか照れ臭かったのですが、
気付いたらいつの間にか、悲しくなったり、思わず吹き出したり、ムカついたり。
皆、幸せになって欲しいです」
「かが屋」賀屋壮也

ルーティーンズ
文芸(単行本)
無数のルーティンで、世界は回っている。作家と漫画家夫婦と2歳の娘がおくる、コロナ下のかけがえのない日常。長嶋有デビュー20年目の家族小説。
「途中で読むのをやめました。ひと晩で読み終わってしまうのがもったいなくて!」藤井隆さん絶賛!
2020年春、緊急事態宣言で娘の通う保育園が休園になった。あらゆるものが静止したコロナ下でも、子どもの成長は止まらない。作家の夫と漫画家の妻は、交替で育児をしながら非常時の日常を歩きはじめる――。
コロナ以後、宙ぶらりんになったままの願いや欲望を、本書が慰めてくれた気がした。 ――綿矢りささん
伝えたい気持ちと、見つけたなにかを言葉にしていくことが、一日一日を支えてくれる。 ――柴崎友香さん
不要不急の言葉で、僕の生活も止まった。この本を読んで、あの時期のごたついてた気持ちをひとつ整理してもらえた。
――藤井隆さん

ほんのこども
文芸(単行本)
横溢する暴力と身体、無垢なる魂の軌跡。「やさしく恋するみたいに他の人体を壊す」
元同級生あべくんからのメールにあった文章から着想したシーンをつないで、
商業作家はあべくん自身の人生を小説にしようとする。
父による母殺傷事件、両親がころしころされていたあべくんはやさしく恋するみたいに他の人体を壊す。
殴られても反発するようによろこぶ身体。やさしさや暴力で愛撫し合い痛みをこらえるようによろこぶ身体。
物語にかえろうとするから人生はつらく、日常が重すぎてひとをころしたくなる。
恋人をころして自分も死んだところで折り返し、あべくんの物語は無限に再生を繰り返す。
小説家があべくんなのかあべくんがかれなのか、やがてふたりの境界は曖昧になり、問い自体が意味を失う。
言葉を与えられていない領域に光をあて小説は紡がれ、大量虐殺の記憶が時空を架橋しやがて物語は侵蝕される。
ーー世界文学に接続する芥川賞作家の真骨頂・新境地。ーー
鴻巣友季子さん絶賛!読書量と強靭な知性に瞠目!
“すべてのポートレイトは画家の自画像であり、すべての小説は自伝を目指すと言う。おそらくすべての小説はどこかしら、一人称の失恋なのだ。”
“小説でなにかを「再現」することは、過去のよみがえりのように見えて、未然の予告なのだ。すべてのフィクションは自伝を目指し、すべての自画像は他人の顔をしている。”
“かきあうこと、傷しあうこと、死にあうこと。「かれ」と「私」、その人称空間のよじれは経験と真実味との落差そのものだ。落差から、小説は来る。”――鴻巣友季子(翻訳家)

ブラックガード
文芸(単行本)
きっかけは、謎の資産家からの依頼だった。
2億円の価値ある商品。
購入の条件はただ一つ。
最も危険な探偵を雇うこと。
小学三年生の娘と二人暮らしの私立探偵・矢能。久しぶりの仕事は「2億円の商品取引」の交渉人。
だが、なぜ彼が選ばれたのかは明かされなかった。
そして、取引現場で目的不明の殺人が起きる。
立て続けに起きる誘拐と殺人。
次々に現れる新たな依頼人と行方不明者。
シリーズ史上、最も難解な事件の幕が上がる。
元ヤクザの探偵×掟破りのミステリー
「なにが起こっているんです?」「俺にもわからん」
「矢能シリーズ」第5作!

毎日世界が生きづらい
文芸(単行本)
メフィスト賞作家の新境地。
小説家と会社員。二人の幸せを探す物語。
「やっぱり、小説を書きたいよ。自分の本が書店に並んでいるところを見たい。私、器用じゃないから、全部をやるのは無理。……子供を産んで、作家になれなくて、『子供がいなかったら作家になれたのにな』なんて言うような大人にはなりたくないの」――本文より
あなたの居場所もきっと見つかる。

OTOGIBANASHI
文芸(単行本)
小説家とアーティストが出会い、新たな「物語」が生まれるーー
小説家の「歌詞」から生まれた5つの小説と楽曲。
収録作品
<小説>
「みちくさ」彩瀬まる
「南極に咲く花へ」宮内悠介
「透明稼業」最果タヒ
「星野先生の宿題」重松清
「Lunar rainbow」皆川博子
<楽曲>
「光る野原」彩瀬まる×伊藤沙莉×横山裕章
「南極に咲く花へ」宮内悠介×坂本真綾×江口亮
「透明稼業」最果タヒ×崎山蒼志×長谷川白紙
「ステラ2021」重松清×柄本祐×トオミヨウ
「哀歌」皆川博子×吉澤嘉代子×世武裕子
作曲・Project Produce 水野良樹

近代を彫刻/超克する
文芸(単行本)
〈思想的課題〉としての彫刻を語りたい。
街角の彫像から見えてくる、もう一つの日本近現代史、ジェンダーの問題、公共というもの……。
都市に建立され続け、時に破壊され引き倒される中で、彫刻は何を映すのか。
注目の彫刻家・批評家が放つ画期的な論考。