文芸(単行本)作品一覧

物語る
文芸(単行本)
語りが交錯し、閃きが生まれ、文字になる。
千原ジュニアの新境地。
作家、放送作家の樋口卓治さんを相手に、TVや舞台では聞けないエピソードを語り、セッションを重ね物語になっていく。語りの過程はジュニアさんのYouTube「千原ジュニアYouTube」で毎週公開!
・駐車場に置かれたベビーカー、誰がなんのために?
・車のAIアシストが余計なことをしてしまう状況って?
・気が利くと自認する後輩がやらかして……。
・家を建てる幸せ×恐怖=?

図書館の魔女 高い塔の童心
文芸(単行本)
多様な都市国家の思惑が交差する海峡地域。その盟主、一ノ谷には「高い塔の魔法使い」と呼ばれる老人タイキがいた。歳のころ六、七である孫娘マツリカは、早くに両親をなくし祖父のもとに身を寄せている。
ある日、タイキを中心に密談が開かれた。海を隔てた潜在的敵国・ニザマとの海戦に備えてのものだった。一方、マツリカは好物の海老饅頭の味が落ちたことを疑問に思い、その理由を解き明かそうとする。
国家の大計と幼女の我が儘が並行し、交錯していく……。

魔城の林檎
文芸(単行本)
禁断の果実が、親友を消した。
幼い頃からの親友を追って大手美容会社マルムに就職した神楽七星。しかし彼女は二週間前に退社扱いとなり姿を消していた。「彼女は死んじゃいない。私は絶対に諦めない」。七星は親友を見つけるため、彼女が恋をしていた人物を捜す。しかし見えてきたのは予想外の真実だった。特別な林檎を使った化粧品で業界のスターダムに躍り出たマルムの、絶対に外に知られてはならない黒い秘密。やがて七星は日本中を震撼させるような暗い渦に巻き込まれていく。
「ビストロ三軒亭」「神楽坂つきみ茶屋」などのシリーズを手掛けてきた著者初の単行本。
斎藤千輪は、シスターフッドも絶品!

アレアレ!
文芸(単行本)
僕は、変わる。
もう一度、妻に会いに行く。
1,200kmの過酷な旅路を輝かせる、勇気と優しさの物語。
還暦を過ぎ、突如ひとり身に。
途方に暮れる男は、一念発起しフランスへ飛ぶ。
8,000人が集う、伝説の自転車イベントに参加するためだ。
完走すれば、平凡な自分も胸を張れる――。
家族の再生をかけた戦いが始まった!
〈あらすじ〉
「好きな人ができた」。
その一言で、穏やかな日々はひっくり返った。
妻に捨てられ呆然とする進は、自転車イベント〈ブルベ〉に出会う。
勝ち負けは存在しない。目指すのは、制限時間内の完走だけ。
ままならない現実から目を逸らし、無我夢中でペダルを漕ぎ続けるうち、進は決意する。
「僕は、弱い自分を変えたい」
世界中の自転車乗りが憧れる大イベント〈パリ・ブレスト・パリ〉で1,200kmを走り切り、これまでの自分と決別する。
そして、妻に会いに行く――。

冷たい骨に化粧
文芸(単行本)
このラスト、中毒必至。
いまもっともアツいBL小説界から一般文芸界へ、新たな才能が花開く!
――残酷な世界を生き延びるため、彼女は唇に嘘を纏った。
夕暮れ時に訪ねてきたのは夫の不倫相手だった。(あやか)
「おじいちゃんを殺した」。母と娘の逃避行ともう一つの秘密。(真夜中のドライブ)
愛する妻に殺されたい。男が挑んだのは命を賭けた悪女の証明。(愛妻家)
作り話が得意なミユは、今日もクラスの人気者。(楽しい話をしてあげる)
バス停で出会った不思議な女。その声はどこか懐かしかった。(赤い傘)
ほか、全9編を収録。
隠し通すと決めた秘密、守るために握った刃、騙し抜いてほしかった甘い言葉。
その正体に気付くとき、9つの衝撃があなたを射貫く。
衝撃の結末を、心してご堪能ください。

養生する言葉
文芸(単行本)
この世界が、あなたにとって、ちょっとでも生きやすくなりますように。
自分自身を優しくいたわる「ヒント」がつまったエッセイ集。
大江健三郎、ハン・ガン、津村記久子、文月悠光、『ブルーロック』、『君と宇宙を歩くために』……文学研究者が出会った、人生に寄り添ってくれる「言葉」と「物語」。
「養生という言葉を私は自分自身の生を養うさまざまな物語とつなげて考えてきた。ちょこんと横に置いて、ヒントとなる物語。自分の感情を教えてくれたり、生きる力をくれるような表現。それらを養生する言葉として捉えてきた。養生する言葉は、生きるための知恵であり、私よりも先に生きてきた人たち、同時代に生きている人たちが重ねてきた、輝くような実践の集積である。」
装幀・装画:鈴木千佳子

声に出せずに叫んでる
文芸(単行本)
母さんを殺したのは、俺だ――。
許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。
高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。
男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。
あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。
「俺、絶対認めないから」。
気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。
切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。
突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイト――。
それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。
本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。
誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。
僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。
デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、
「痛み」の先にある一筋の「救い」。

ハザマの思考 なぜ世界はニッポンのサブカルチャーに惹きつけられるのか
文芸(単行本)
「形而上の存在の逆説を導き出す」映像というメディア「サブカルチャーとサブカルのハザマ」から始まった考察は、文学、哲学、社会学…、様々なフィールドを越境、流浪しながら、普遍的な構造、逆説のさらなる探究、メタレベルの意識の高みへ。
人は揺れる。情報と教養のハザマで人は成長を求め続ける。
「欲望のサブカルチャーシリーズ」ほか、数々のNHK異色教養番制作で著名な著者が伝える、Ai化と脳化、二極化と分断が進む社会にいま求められる日本的サブカル的思考法。なぜ世界はニッポンのサブカルチャーに惹きつけられるのか。

虚傳集
文芸(単行本)
虚も語れば実となる。
稀代の名手が贈る偽書歴史小説集!
凄面白くて唸らせる……数々の名巨編を放ってきた著者初めての短編集!
【収録作品】
「清心館小伝」 「兵は詭道なり」と説き異彩を放った江戸の道場
「印地打ち」 真田氏の下、投石の奇襲で名を馳せた山の三兄弟
「寳井俊慶」 出奔した天才仏師の数奇な生涯
「江戸の錬金術師」 猫屋敷の蘭方医にしてからくり興行の山師
「桂跳ね」 幕末の世、将棋で結ばれた若者二人の友情と運命

あえのがたり
文芸(単行本)
2024年元日、能登半島を襲った大地震によって多くの人が傷つけられました。
残念ながら、小説を読むだけでは暖を取ることも、おなかを満たすこともできません。
ですが、いつか、魂を励まし、心に寄り添える力が物語には宿っていると信じています。
さて、奥能登地域の農家では、古くから稲作を守る“田の神様”を祀り、感謝をささげる「あえのこと」という儀礼が行われてきました。
「あえ=おもてなし」、「こと=祭り」をあらわします。
物語によるおもてなし「あえのがたり」のために集まったのは、今、もっとも新作を待たれている10人の小説家。
10人の作家による、1万字のおもてなし。
ぜひご堪能ください。

雫峠
文芸(単行本)
神山藩が舞台の『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』『霜月記』に連なる最新作。
国を棄てるかもしれぬ。
だが俺が知らぬ顔したら、義妹は死ぬ。
武士の理にあらがった二人の逃避行を描く表題作を含む、
四季薫る神山の原風景と、そこに生きる人々の気品が漂う作品集。
山本周五郎賞作家が織りなす、色とりどりの神山のすがた。
「半夏生」
国の堤を支える父と弟。彼らの背中は清く大きかった。
「江戸紫」
藩主の病が招く騒擾を防ぐ妙案はいかに。
「華の面」
能を通じて思い知る、同い年の藩主の覚悟。
「白い檻」
神山の厳冬。流刑先での斬り合いに漂う哀愁。
「柳しぐれ」
町を駆ける盗人の、一世一代の大仕事。
「雫峠」
神山を出ると決めた、二人の間に芽生えた思い。
~「神山藩シリーズ」とは~
架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。

氾濫の家
文芸(単行本)
「お前のためを思って言っている」「お前は黙って従っていればいいんだ」「誰のおかげで食ってこられたと思ってるんだ」
これ、うちのことじゃんーー全国の書店員さん騒然!
郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。
ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。
平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。
『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異色のサスペンス作家、今回のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」!

千年のフーダニット
文芸(単行本)
永き眠りを妨げる殺人者は誰だ――?
時を超えた”奇想”が爆発する――壮大無比な特殊設定ミステリ
若くして妻を喪い失意に沈むクランは、人類初の冷凍睡眠(コールドスリープ)実験に参加する。さまざまな事情を抱えた男女7名は「テグミネ」という殻状の装置で永きにわたる眠りについた。
――そして、1000年後。目覚めたクランたちはテグミネのなかでミイラと化した仲間の他殺体を発見する。犯人は誰なのか。施設内を調査する彼らが発見したのは、さらなる“顔のない死体”で――
俊英が魅せる、本格ミステリの新たな地平。

だから捨ててと言ったのに
文芸(単行本)
こんなことになるなんて!
1行目は全員一緒、25編の「大騒ぎ」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第四弾。
著者一覧(掲載順)
潮谷 験
真下みこと
須藤古都離
黒澤いづみ
岡崎隼人
砥上裕將
河村拓哉
五十嵐律人
荒木あかね
似鳥 鶏
皆川博子
清志まれ
金子玲介
舞城王太郎
高田崇史
伊吹亜門
背筋
芦沢 央
にゃるら
多崎 礼
柾木政宗
谷絹茉優
夕木春央
最果タヒ
麻耶雄嵩

二十四五
文芸(単行本)
第172回芥川龍之介賞候補作!
大事な人が、かつてここにいた
確かなしるしを何度でも辿る──
喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。
ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作。
「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり方で繰り返しほのめかされ時には泣かされたところでぴんぴんしている、根深い恨みである。」
実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。
五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。
装幀:川名潤
装画:イワクチコトハ

11ミリのふたつ星~視能訓練士 野宮恭一~
文芸(単行本)
「たった11ミリ。小指で押した先ほどの的を通して、人は世界を見ている」
不器用な青年・野宮恭一(のみやきょういち)は視能訓練士として着実に力をつけていた。ある日、野宮が喫茶店で出会ったのは、世界を立体的に見ることが難しい四歳の少女・灯(あかり)だった。限られた時間の中で灯の訓練を重ねるうち、野宮はロービジョンの小学生や糖尿病網膜症の漫画家など、さまざまな悩みを抱えた人々に出会う。目に宿る奇跡に向き合い、野宮が見つけた答えとはーー。

下垣内教授の江戸
文芸(単行本)
ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。近代美術のすごみが横たわる圧巻の長篇時代小説!
東京美術学校の発足に携わり、帝室博物館でも要職を務めるなど、「日本美術」の目利きと称された下垣内邦雄が、関東大震災、金融恐慌、世界恐慌に襲われたあとの1931年、歴史の大きなうねりの中で亡くなった。思い起こされるのは、ある新聞記者による4年前の単独取材だった。美術に関する意図とおりの質問のあと、下垣内教授は自らの半生について語り始める。「俺は人を斬ろうとしたことがあるんだよ」。凡百の出世物語とは似ても似つかぬ、幕末活劇とはまったくちがう話に、記者はかっさらわれたのだった……。

17歳のサリーダ
文芸(単行本)
元JK、一人ぼっちの出口(サリーダ)を目指す!
「はぐれものに居場所はない」
親友と自分のいじめを放置した先生はそう言ったけど、わたしは違う!
突然差し伸べられた赤の他人の手を取った彼女は、フラメンコに出会いーー。
今なら何でもない事に、傷つき、悩んだあの頃。
あなたの中の少女にやさしく語りかけたい。
「大丈夫。たとえまた暗い夜が来ても、わたしはそこから抜けだせる!」
小説現代長編新人賞作家、待望の最新作
〈あらすじ〉
新菜は親友と自分のいじめを放置した学校をやめた。暇を持て余す彼女はある日、プロのフラメンコダンサー玲子とカンタオール(歌い手)ジョージと出会う。二人の誘いでフラメンコを始めた新菜。玲子の優しさとジョージの歌に触れながら、止まっていた新菜の17歳は再び時を刻み始める……。

MIDNIGHT PIZZA CLUB 1st BLAZE LANGTANG VALLEY
文芸(単行本)
【たちまち話題沸騰&続々重版!!】
目的なんて後付けでいい。
ただ胸が躍って、気づけばここまできていた。
降り立ったのはネパール、挑んだのは「世界一美しい谷」。
俳優・仲野太賀を被写体に、写真家・阿部裕介が撮り、TVディレクター・上出遼平が綴る!
見て、読んで追体験するクレイジーなトラベル・レコード、ここに爆誕!!
「ミッドナイト・ピッツァ・クラブ(MPC)」――真冬のニューヨークで天啓がごとく授かった名に導かれるようにして旅立った3人。ネパールはランタン谷を歩く一週間がはじまった。カトマンズを爆走する四輪駆動車、激痛を生む毒の葉、標高2440mにあるホットシャワー、地震で一度壊滅した村で韻を踏み続ける青年、ヒマラヤの甘露「アップルモモ」、回転するマニ車、見え隠れする陰謀の影(!?)数々の危機を乗り越え、出会いと別れを繰り返した先、3人を待ち受けていた光景とは――?
これは、食って歩いて歌って寝て、泣いて笑って怒り狂う男たちの、汗と泥と愛にまみれた旅物語。

カメオ
文芸(単行本)
第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュー作。第64回群像新人文学賞・優秀作が待望の単行本刊行。
本社からの命令で何としても期日までに倉庫を建てなければならないのに、犬を連れた隣地の男・カメオがたちはだかる。不条理な可笑しみに彩られたデビュー作。