文芸(単行本)作品一覧

来たれ、野球部
来たれ、野球部
著:鹿島田 真希
文芸(単行本)
頭脳・容姿・運動神経の三拍子揃った「選ばれし」喜多義孝と、幼馴染みの目立たない「ふつうの」宮村奈緒。10年前に自殺した女子高生の一冊の日記をきっかけに学園のエースは異変をきたす。そのとき、彼女は――!? 純文学の気鋭が挑む、ハイテンション学園ラブストーリー! 私は文学を高尚なものにはしたくはなくて、ドストエフスキーやバルザックのように三面記事を読んでネタにするような娯楽読みものでありたいと、この小説を書きました。――(鹿島田真希) <あらすじ> 頭脳・容姿・運動神経の三拍子揃った「選ばれし」喜多義孝と、幼馴染みの目立たない「ふつうの」宮村奈緒。10年前に自殺した女子高生の一冊の日記をきっかけに学園のエースは異変をきたす。そのとき、彼女は――!?
おまえさん(下)
おまえさん(下)
著:宮部 みゆき
文芸(単行本)
事件の真相が語られた後に四つの短篇で明かされる、さらに深く切ない男女の真実。 知らなきゃよかった? 謎解きは終わっても、恋心は終わらない。 どうしてこんなふうに「こころ」が書けるんだろう 二十年前から続く因縁は、思わぬかたちで今に繫がり、人を誤らせていく。男は男の嘘をつき、女は女の道をゆく。こんがらがった人間関係を、“ぼんくら”同心・井筒平四郎の甥っ子、弓之助は解き明かせるのか。真犯人が判明した後、さらに深く切ない謎が読者を待つ。男は男で、女は女で、それでも男女で生きていく。 宮部みゆきにしか書けない奇跡の大長編。
おまえさん(上)
おまえさん(上)
著:宮部 みゆき
文芸(単行本)
大人気“ぼんくら”シリーズ第三弾 あの愉快な仲間たちを存分に使い、前代未聞の構成で著者が挑む新境地。 断ち切らない因縁が、さらなる悲劇を呼び寄せる。 出会えてよかった? 日本人の強さと優しさがぎゅっと詰まった贅沢な大長編 痒み止め薬「王疹膏」を売り出し中の瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。本所深川の“ぼんくら”同心・井筒平四郎は、将来を期待される同心・間島信之輔(残念ながら醜男)と調べに乗り出す。その斬り口は、少し前にあがった身元不明の亡骸と同じだった。両者をつなぐ、隠され続けた二十年前の罪。さらなる亡骸……。瓶屋に遣された美しすぎる母娘は事件の鍵を握るのか。
塔の中の女
塔の中の女
著:間宮 緑
文芸(単行本)
早稲田文学新人賞作家、怒濤の450枚。「公爵を破壊せよ」。エレクトラの命令はオレステスを震撼させた。気鋭の想像力が架空都市を燃焼させる。圧倒的筆力で描くノンストップ純文学 荒れ地の図書館でエレクトラと再会したオレステスは、城の中心部へ、塔の頂へと近づいていく。 僕は永久に少年のまま年を重ねてゆくはずだった――。 「僕は、自分の姉さんの名前を知りたい」と、恐れながら、やっと言った。「エレクトラ」姉は突っ伏したまま、顔も上げずに返答した。《エレクトラ》……《エレクトラ》……僕は何度も呟きながら、だんだんと嬉しさがこみ上げてくるのを感じた。ずっと昔から知っている名前であるような気がした。その名前と、僕に顔を見せない姉が一体となって、僕の心に浸透してゆくような、よろこびだった。「素敵な名前だ。羨ましい」「ばか!」と姉は言いすてて、あきれたように書庫の中へ戻っていった。――<本文より> 新鋭が紡ぎ出す、圧倒的な物語
電子あり
神様 2011
神様 2011
著:川上 弘美
文芸(単行本)
くまにさそわれて散歩に出る。「あのこと」以来、初めて――。 1993年に書かれたデビュー作「神様」が、2011年の福島原発事故を受け、新たに生まれ変わった――。「群像」発表時より注目を集める話題の書! 2011年。わたしはあらためて、「神様2011」を書きました。原子力利用にともなう危険を警告する、という大上段にかまえた姿勢で書いたのでは、まったくありません。それよりもむしろ、日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。――<「あとがき」より>
電子あり
<世界史>の哲学 中世篇
<世界史>の哲学 中世篇
著:大澤 真幸
文芸(単行本)
本書によって西洋中世史は書き換えられた! 都市はなぜ死体を中心に繁栄したのか。愛を説く宗教がなぜセックスを原罪とするのか。誰もが知っているのに誰も明確には答えられない世界史史上の謎。平易に語られる瞠目の真実が中世史を書き換える! 殺されても死なない死体が創った「中世」という時代。 死体を中心に繁栄する都市。なぜセックスは「原罪」で「隣人」は嫌なやつなのか。愛と矛盾とドラマに満ちた時代を鮮やかに読み解く。 第1章 フィリオクエをめぐる対立 第2章 信仰の内に孕まれる懐疑 第3章 二本の剣 第4章 謝肉祭と四旬節の喧嘩 第5章 罪から愛へ 第6章 聖霊と都市共同体 第7章 <死の舞踏>を誘発する個体 第8章 聖餐のカニバリズム 第9章 教会を出産する傷口 第10章 空虚な玉座に向かう宮廷愛的情熱 第11章 利子という謎 第12章 「物自体」としての聖地
<世界史>の哲学 古代篇
<世界史>の哲学 古代篇
著:大澤 真幸
文芸(単行本)
イエスの不条理な死はなぜ必要だったのか。その死と復活を記した福音書の物語は喜劇なのか。近現代社会の根幹をなす、資本主義とキリスト教から全貌を説き明かす。常識を覆しつつ紡がれる、まったく新しい<世界史>という物語。知的興奮に満ちた新しい哲学!
つぶやきのクリーム The cream of the notes
つぶやきのクリーム The cream of the notes
著:森 博嗣
文芸(単行本)
「何から手をつけたら良いのかわからない状態とは、なんでも良いから手をつけた方が良い状態のことである」 「大部分の失敗は、やらなければならない失敗だった」 「子供は自由だというが、大人ほどではない」 世界の見え方を変える。 作家・森 博嗣の“つぶよりのつぶやき”。
黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎
黄金の太刀 刀剣商ちょうじ屋光三郎
著:山本 兼一
文芸(単行本)
直木賞作家が渾身の筆で紡ぐ本格時代小説 刀剣商の誇りにかけて人と刀の真贋見極め候! ちょうじ屋光三郎VS稀代の詐欺剣相家 騙し騙され、目利き二人の真剣勝負! 刀は、男の生き方さ。覇気が溢れ、見ているだけで命の力が湧き上がってくるような刀がいい。江戸を騒がす「黄金の太刀」をめぐり、とある大名家で一万両の刀剣詐欺が勃発。事件の鍵を握るのは、稀代の詐欺剣相家・白石瑞祥。相州、美濃、山城、大和、備前――。瑞祥を追い、光三郎は日本刀「五か伝」の地をゆく!
幸福の基準
幸福の基準
著:冨田 リカ
文芸(単行本)
48歳、私は決めた。 ありのままの自分を愛せていますか? 大事なのは、いまを精一杯生きること。 20代でも30代でもわからなかったことをこの本は直球で教えてくれた。――(40代・女性) 人生の後半は、決して折り返しではない! ●I love me!からはじめよう ●女性は40歳から始まる。遅すぎることはない ●「年齢の四捨五入」にとらわれるな ●生きる魅力とは、夢中で何かをすること ●「加齢美」を味方につけよう! ●限界は自分でつくっているだけ。挑戦もまた、自分が決めるだけ ●裸になることは心の鎧を脱ぎ捨てること ●すべての「恥」をさらせ ●いい男の条件は「3K」である ●大人の恋は深く切ない ――<目次より> さあ、未開拓の50代へ――
レオとノエ
レオとノエ
文:鈴木 光司,絵:アレックス・サンダー
文芸(単行本)
親子で体験する「命をめぐる物語」 お魚や木々も生きている! みんな、つながっているんだ!! 鈴木光司とフランスの人気絵本作家がコラボレーション 「心の耳で聞くんだ。耳を当てれば、木の声が聞こえてくるよ。」 ノエはおそるおそる木に耳をつけます。「やあ、ぼうや、どこからきたんだい。」 木の声が聞こえて、ノエはびっくり。 ――<本文より>
真夜中の探偵
真夜中の探偵
著:有栖川 有栖
文芸(単行本)
平世22年──。空閑純(そらしず・じゅん)は、17歳。5年前から行方不明の母・朱鷺子の消息を追っている。ある日、父母に仕事を仲介していた押井照雅という人物と会える機会が訪れ、母が失踪直前に手掛けていた事件の調査で九州へ行ったことを知る。数日後、押井の別邸で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見される。被害者は元探偵で〈金魚〉と呼ばれていた男だった。 第二次世界大戦後、南北に分割された日本。北海道は〈日ノ本共和国〉として独立。日本国内では北のスパイが暗躍し、政府は国内外に監視の目を光らせている。平世元年に私立探偵による警察類似行為を禁じる法律が成立して以来、探偵狩りは激しさを増している。 平世22年──。空閑純(そらしず・じゅん)は、17歳。両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子〈水無月〉は5年前から行方不明。父の誠〈調律師〉は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。 ある日、父母に仕事を仲介していた押井照雅という人物と会える機会が訪れ、母が失踪直前に手掛けていた事件の調査で九州へ行ったことを知る。数日後、押井の別邸で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見される。被害者は元探偵で〈金魚〉と呼ばれていた男だった。容疑者リストに入った純は、自ら「水の棺」の謎を解くために調査をはじめる。 純は探偵としての一歩を踏み出せるのか、母の行方の手がかりはえられるのか……?
闇の喇叭
闇の喇叭
著:有栖川 有栖
文芸(単行本)
――平世21年。探偵行為を禁止する法律が成立し、探偵狩りが行われている現代。少女・空閑純は、かつて名探偵として名を馳せた両親に育てられたが、母親はある事件を追う最中に行方不明となっていた。母の出身地である奧多岐野に父とともに移住し、帰りを待つ純だったが、そこで発見された身元不明の他殺死体が、父子の日常を破壊する! 存在意義を否定された探偵に謎が牙を剥くとき、新たな物語が動き出す!! 第二次世界大戦後、日本は南北に分断され、北海道は<日ノ本共和国>として独立。日本国内では北のスパイが暗躍し、政府は警戒を強めていた。 ――そして平世21年。私的探偵行為を禁止する法律が成立し、探偵狩りが行われている現代。 少女・空閑純は、かつて名探偵として名を馳せた両親に育てられたが、母親はある事件を追う最中に行方不明となっていた……。母の出身地である奧多岐野に父とともに移住し、帰りを待っていた純だったが、そこで発見された身元不明の他殺死体が、父子の日常を破壊する! 存在意義を否定された探偵に謎が牙を剥くとき、新たな物語が動き出す!!
炎の放浪者
炎の放浪者
著:神山 裕右
文芸(単行本)
帰るべき場所のために戦う人々に捧げる物語。 14世紀初頭、端麗王フィリップ四世が統治するフランス。パリに暮らす鍛冶屋ジェラールは、ある日突然、妻と共に投獄される。無実の罪を訴える彼に王の腹心が出した解放の条件は、神殿騎士団逮捕直前に失踪した、一人の神殿騎士を探し出して捕らえるというものだった。妻を囚われたジェラールに選択肢は無く、わずかな手がかりを頼りに、謎の騎士を追う旅に出る――。 妻を救うため、男は理不尽を受け入れ、旅に出た。幾多の苦難を乗り越え、使命を果たした彼が最後に見たものは――。 江戸川乱歩賞作家・神山裕右の才能がついに放たれた、慟哭のサスペンス。
戯史三國志 我が槍は覇道の翼
戯史三國志 我が槍は覇道の翼
著:吉川 永青
文芸(単行本)
新・三國志、今度の戦いは呉! クライマックスは赤壁! 君に大望はあるか? <江東の虎>孫堅が問う。 とるべきは野心の槍か、義の翼か。 呉の<いぶし銀>程普の怒りが、悩みが、悦びが、誰も読んだことのない三國志の扉を開ける! 信念を抱き、誇り高く戦った程普の生き様に思いを馳せながら、静かに酒を呑みたい……。そんな心地よい余韻を味わえる力作といっていい。――(富樫倫太郎)
地上生活者 第4部 痛苦の感銘
地上生活者 第4部 痛苦の感銘
著:李 恢成
文芸(単行本)
七〇年代、八〇年代は世界史の転換期であった。「愚哲」が組織を離れたそのときの秘密がいまはじめて開示される。「ぼく」に接近する謎の革命家・宋東奎(ソンドンギュ)。はたして北朝鮮の武装革命路線は正しいのか。その反省から新しい民主主義を探求し、「自生的社会主義」思想が生まれようとしていた。 七〇年代、八〇年代は世界史の転換期であった。「愚哲」が組織を離れたそのときの秘密がいまはじめて開示される。「ぼく」に接近する謎の革命家・宋東奎(ソンドンギュ)。はたして北朝鮮の武装革命路線は正しいのか。その反省から新しい民主主義を探求し、「自生的社会主義」思想が生まれようとしていた。とはいえ、その時期、韓国では金大中事件、大統領狙撃事件、光州抗争、拉致疑惑などが相次いで起こっていた。隠された歴史的事件の真相は、いままさに白日の下に晒されようとしている。その歴史の亀裂は、日本と南北朝鮮そして在日の間にも波紋を引き起こす。サハリン朝鮮人(カレイスキー)の抑留はどこまで続くのか。北朝鮮に帰国した趙一族の崩壊、それは小さいこととはいえ、埋もれた民衆史の一つの暗喩たりうるだろう。愚哲はドン・キホーテよろしく挫折しては起き上がろうとする……。
電子あり
未来方程式-fate equation-
未来方程式-fate equation-
著:神世希,絵:mebae
文芸(単行本)
「セカイの未来を護るため――」 最悪、初音未来(ハツネミライ)は殺さなければならない。 “あり得ない”が“あり得る”矛盾(ゲンジツ)。セカイには許容できない逆説(パラドックス)―― 未来予知能力を持つ謎の少女、初音未来。「絶対に外れない」脅威のチカラで運命の歯車すら創り出してしまう彼女は、都内連続絞殺事件、秋葉原爆破事故、そして終には未曾有の東京崩壊を予言してしまう。警視庁秋葉原警察署、迷探偵萌野(もえの)探偵事務所がそれぞれ独自に失踪した初音未来の行方を追うなか、おれは100%の確率で的中する彼女の予言をとめられるのか!? この世ならざる不正。それは――神の悪戯か……?? 怪人ツインテール【かいじん・ついんてーる】 秋葉原連続婦女暴行事件の犯人の通称。この事件の犯人は二次元美少女だけでは飽きたらず、三次元女性の髪型にまでツインテールを求めてしまうほどの、日本ツインテール協会顔負けの極度のツインテール狂。
ゴーストの条件 クラウドを巡礼する想像力
ゴーストの条件 クラウドを巡礼する想像力
著:村上 裕一
文芸(単行本)
最もリアルで最も同時代的なキャラクター批評の最新形。 固有名(キャラクター)に宿る哲学、クラウド化する二次創作、現実化されなかった可能性――水子の物語。現在を彩る物語たちを三つの異なる視点から照射し、そこに見出され問われる新たな作家性“ゴースト”を浮上させる。もう成長しない日本と、その震災以後の作品(コンテンツ)に宿るべき“希望”を描き出す渾身の書。満を持していよいよ登場! 「東浩紀のゼロアカ道場」から発掘された一つの才能が、難産の末ついにデビュー! 東浩紀、推薦! 「『動物化するポストモダン』『美少女ゲームの臨界点』の精神は死に絶えていなかった――セカイ系コンテンツ批評の新たな逆襲!」
星火瞬く
星火瞬く
著:葉室 麟
文芸(単行本)
<異人斬り>が横行する幕末。全世界を相手にしたロシアの大革命家が、横浜の地に降り立った。妖しい光を放つその男に、日本の若き革命家たちは吸い寄せられていく。そして同時期、30年ぶりの来日を果たしたシーボルトと、息子アレクサンダーもまた、危険な革命家と出遭う。父から託された一挺のピストルを手に、アレクサンダーは決意する。わたしは、バクーニンと対決しなければならない! その男が、幕末を動かした―― 清河八郎 小栗忠順 勝海舟 高杉晋作 動乱の地で会わなければならなかった日本の「革命家」とは、誰なのか? 時代小説の正統派が描く、まったく新しい幕末青春小説 <異人斬り>が横行する幕末。全世界を相手にしたロシアの大革命家が、横浜の地に降り立った。妖しい光を放つその男に、日本の若き革命家たちは吸い寄せられていく。そして同時期、30年ぶりの来日を果たしたシーボルトと、息子アレクサンダーもまた、危険な革命家と出遭う。父から託された一挺のピストルを手に、アレクサンダーは決意する。わたしは、バクーニンと対決しなければならない! 作家・葉室麟がどうしても書きたかった時代、人物、物語がここにある。
峠うどん物語(下)
峠うどん物語(下)
著:重松 清
文芸(単行本)
市営斎場の前に建つ、一軒のうどん屋、『峠うどん』。 暖簾をくぐるのは、命の旅立ちを見届けたひとたち――。 『峠うどん』のお手伝いが、わたしは好きだ。どこが。どんなふうに。 自分でも知りたいから、こんなに必死に、汗だくになってバス停まで走ってい るのだ。(上巻より) 空襲から、まだ十数年しかたっていないのに。一面の焼け野原からせっかくみ んなでがんばって復興したのに、今度は一面の海になってしまって、やり直し……。それでも、ひとびとはくじ けなかった。(下巻より) 【下巻 あらすじ】 五十年前の大水害の翌日、若いうどん職人が路上でふるまったうどんは、まずくて、おいしくて、希望の味がした。 空襲から、まだ十数年しかたっていないのに。一面の焼け野原からせっかくみんなでがんばって復興したのに、今度は一面の海になってしまって、やり直し……。 それでも、ひとびとはくじけなかった。 いま一生懸命に生きているひとたちを、あたたかく、そして力強く包み込む――。