文芸(単行本)作品一覧

デッドボール
文芸(単行本)
16万円5000円借りていた彼女にふられた23歳のノボル。このカネだけは返したい。でもカネがない。そこに、絶対に関わってはいけない男からの電話。報酬は1000万円。先が見えない人生を再スタートするには充分だが、手助けするのが誘拐って。しかし話を聞いてみると、この計画、失敗する恐れだけはない。やるか。やった。だが……。

恋する原発
文芸(単行本)
【内容紹介】
あなたは、この小説に、賛成ですか、反対ですか?
―表現の自由をかけた過激な言葉の羅列。原発事故がもたらした日本の混乱に鋭く切り込み、私たちが人間であるために、そして、人間である意味を問う、愛と悲しみの超エンターテインメント―
東日本大震災の被災者たちを救うため、チャリティAVを作ろうと制作スタッフが立ち上がった。その前に立ちはだかったのは現代ニッポンのモラルと言葉の厚い壁だ。制作会社の社長も、監督も、自分自身の人生と生活をかけて、プロジェクトに挑む。そして、元72歳のAV女優・ヨネさんの福島で行われた葬儀で、スタッフは姪のヨシコさんに再会する。郷里は放射能汚染で帰れない。
そこに、近所の小学生サオリちゃんがやってきた。ヨシコさんとサオリちゃんは愛の問答を開始する。
過激な表現のなかに優しい詩情が入りまじるストーリーと、想像を超えた美しい結末が感動を呼ぶ渾身の長篇小説。放射能に汚染された時代に、表現の自由をかけて挑んだ現代日本小説の勇気と愛!

千里伝 武神の賽
文芸(単行本)
物語は、佳境へ。千里伝シリーズ、最高潮の第三弾!
どうしてあなたはそんなに恵まれているんだ! かつての仲間が、いま世界を破壊する。
――また私は役に立てなかった。
仙人の弓作りを命じられた千里、吐蕃(とばん)の王のため嶺羊(れいよう)を追うバソン、謎の老人に師事する絶海(ぜっかい)。共に旅をした仲間たちは、武を極めた者たちが集う「武宮大賽」にて相見え、かつてない壮絶な戦いと、別れを経験する。

転落少女と36の必読書(下)
文芸(単行本)
ハンナ・シュナイダーを取り巻くブルーブラッズの5人には、それぞれに秘められた過去があった。ハンナの自宅で不審な死を遂げた男の本当の姿とは何か。平穏なはずの日常の背後に、ブルーは自分が触れてはならない恐ろしい秘密の存在を感じる。さらなる事件によって、知とミステリーの迷宮に「転落」した彼女が見るものは、どこまでが作られた事実なのか。文学概論を模した「最終試験」に、驚愕の真相が!
The New York Times年間小説ベスト5選出!
世界中の読書愛好家に捧ぐ、恐るべきデビュー作。
アメリカ女子高生版「薔薇の名前」!
小説巻末の「最終試験」までに、この謎が解けますか?
世界23ヵ国で翻訳出版。
かつてどこにもなかった物語が生まれた。
物語は、独創的な言葉遊びや深遠な引用文にいろどられながら、謎めいた事件へと疾走していく。ナボコフ的な文体、ヒッチコック的なプロット、そして随所にうかがえる豊かな感受性。──The Washington Post
ペスルは、クラシックとモダン、軽いおしゃべりと重たい悲劇をあざやかに合成してみせた。──The New York Times
本書を読み終えた人はだれでも、また最初から読み直したいと思うにちがいない。実際に再読すると、一度目には気づかなかったヒントや手がかりに必ず気づき、なぜ結末が予測できなかったんだろうと思うはずだ。──Los Angeles Times

転落少女と36の必読書(上)
文芸(単行本)
ブルー・ヴァン=ミアは、大学教授の父の影響で古今の文学や映画に精通している女子高生。幼くして母を亡くし、父の転勤にともないアメリカ中を転々として成長したブルーは、高校の最終学年で、ある私立のエリート校に転入する。人づきあいも恋も苦手な彼女だが、女性講師ハンナを囲む大人びた生徒たちのグループに取り込まれ、彼らとともに謎めいたハンナのプライバシーを探ることになる。衝撃の知的青春ミステリー!
少女成長小説と知的ミステリーの奇跡の融合!
本書の各章題には古今の名作タイトルが並んでいる。
「オセロ」(シェイクスピア)、「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)、「すばらしき新世界」(ハクスリー)、「危険な関係」(ラクロ)、「ボヴァリー夫人」(フローベール)、「スタイルズ荘の怪事件」(アガサ・クリスティ)、「白鯨」(メルヴィル)、「眺めのいい部屋」(フォースター)、「闇の奥」(コンラッド)、「カッコーの巣の上で」(ケン・キージー)、「百年の孤独」(ガルシア・マルケス)、「大いなる眠り」(レイモンド・チャンドラー)、「チェ・ゲバラ、若者たちに語る」(ゲバラ)、「審判」(カフカ)、「失楽園」(ミルトン)、「秘密の花園」(バーネット)etc.
知とミステリーの迷宮に足を踏み入れた主人公ブルーは、いかなる真実にたどり着くのか。

獅子は死せず
文芸(単行本)
戦国最後の勇者を描いた、本格歴史長編
真田幸村より上手がいた!
毛利勝永。この男がいたからこそ、大坂夏の陣で真田隊は奮戦し得た。
裸城と化した大坂城を背に、迎え撃つ敵は幕府軍15万。この絶望的な形勢のなかでも、勝永の勝算は揺るがなかった。
慶長二十年五月七日、獅子の陣羽織をまとい、死士すなわち死を覚悟しきったもののふが、徳川方の大軍に立ちはだかった。
毛利勢は勝永の理想のままに、一頭の獅子と化して敵を爪牙にかけていた。「これが軍兵というものだ。うぬらはまことの死士だ」勝永は強い感慨をおぼえた。だが、家臣たちを犬死にさせるわけにはいかない。死士の死には目当てがなければならないのだ。俺は、家康の首を獲りにゆく!

精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦
文芸(単行本)
いまをときめくお狂言師の歌吉は、幕府隠密をひそかに助ける「手駒」も務める。将軍家の姫の嫁ぎ先をめぐり下される密命。お吉でなければ聞き出せないことがある。「どの大名家でも将軍家のご息女を迎えるのを災厄のように恐れておる。迎えれば家格は上がるが、莫大な費(つい)えがのしかかってくるからだ」。町娘お吉の活躍が冴える直木賞作家の人気時代小説シリーズ第三弾!
将軍家の姫は“厄介嫁”か。七万七千両のご縁組騒動。
いまをときめくお狂言師の歌吉は、幕府隠密をひそかに助ける「手駒」も務める。将軍家の姫の嫁ぎ先をめぐり下される密命。お吉でなければ聞き出せないことがある。
「どの大名家でも将軍家のご息女を迎えるのを災厄のように恐れておる。迎えれば家格は上がるが、莫大な費(つい)えがのしかかってくるからだ」
町娘お吉の活躍が冴える直木賞作家の人気時代小説シリーズ第三弾!

海薔薇
文芸(単行本)
老舗百貨店・菊本屋のニューヨーク店に勤務する柘植波奈子は、仕事で訪れた倉敷で陶芸作家の栄森徹司と出会う。じつはふたりは高校の同級生で四半世紀ぶりの再会だったが、波奈子にはその記憶が全くなかった。しかし、徹司の作品、それを生み出す指、そして海のような徹司自身の大きさに、波奈子は惹かれていく。夫がいる身の波奈子はその気持ちに抗おうとするが、ふと徹司に伝えてしまう──「一年後のきょう、また会いたい」と。
老舗百貨店「菊本屋」のニューヨーク店に勤務する柘植波奈子は、仕事で訪れた倉敷で陶芸作家の栄森徹司と出会う。じつはふたりは高校の同級生で四半世紀ぶりの再会だったが、波奈子にはその記憶が全くない。徹司の作品、それを生み出す指、そして海のような徹司自身の大きさに、波奈子は惹かれ、恋に落ちる。夫がいる身の波奈子はその恋に身をゆだねることにためらい、抗おうとするが、ふと徹司に伝えてしまう──「一年後のきょう、また会いたい」と。

夜宵
文芸(単行本)
全てが手に入る場所で彼が唯一手に入れられなかったもの。
一番大切なものが奪われる。人間の欲望渦巻く異形の<市>で紡がれる、連作幻惑ミステリ。
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らないものはないという。ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。異形の者たちが跋扈(ばっこ)する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」……

戦国BASARA3 伊達政宗の章
文芸(単行本)
「戦国BASARA3」が本格小説に!
大人気ゲーム「戦国BASARA3」の4人の武将を4人の作家にて本格小説化!第1弾は、小説すばる新人賞を受賞した矢野隆氏による伊達正宗。小田原攻めの再、石田三成に敗れ、深い傷を負った伊達正宗。誇りを取り戻すため、ライバル・真田幸村に再び遭うため、奥州筆頭は関ヶ原へと向かう!

帝王、死すべし
文芸(単行本)
――あの子は私には心を開かない。すべて秘密なのだ。野原実は、息子輝久の部屋に入り、机上に置かれた1冊の本を手に取った。『てるくはのる』。そのカバーを取ると、出てきたのは真っ白な本。その中に書かれていたのは、輝久が綴った、“帝王”によるいじめの記録だった。息子を狂気から守るため、実は己のすべてを懸けてひた走る。魔術師・折原一、渾身の最新書き下ろし長編!
私を識別する記号――てるくはのる。
ミステリ界の鬼才、折原一が秘密の日記に仕掛けた数々の謎と驚愕のサスペンス!
「親父だ。親父がぼくを止めに来た」
――あの子は私には心を開かない。すべて秘密なのだ。
野原実は、息子輝久の部屋に入り、机上に置かれた1冊の本を手に取った。『てるくはのる』。そのカバーを取ると、出てきたのは真っ白な本。その中に書かれていたのは、輝久が綴った、“帝王”によるいじめの記録だった。息子を狂気から守るため、実は己のすべてを懸けてひた走る。
魔術師・折原一、渾身の最新書き下ろし長編!

あのフェアウェイへ
文芸(単行本)
雨の日も、晴れの日も人生はゴルフに似ている
親子で、夫婦で、仲間で、仕事で、ときには他人同士で嬉しさも、悔しさも、苛立ちも、孤独も、感動も
青春小説・スポーツ小説の名手が贈る、読めば元気になる12の物語!
●楽しかったあの頃を思い出させてくれた「忘れもの」
●お義父さん、またゴルフしましょうね!「時間ドロボー」
●似た者同士の父子(おやこ)の溝は埋まるのか!?「ドライバーショット」
●見知らぬ他人を支えるのがわたしの矜持「パートナー」
●廃れゆく商店街。家族からは大ブーイング「最後のコンペ」
●孤独な戦いが気付かせてくれた最高の仲間「あるがままに」
……誰かと分かち合いたくなる全12編

異界兵装 タシュンケ・ウィトコ
文芸(単行本)
この世界の危機を救うのは、恋する馬型ロボット――。
世界初! 馬型巨大ロボット一人称恋愛小説
突然、背中に重みを感じた。ついで、腹をぐいと押される感触。僕は少し前のめりにされる。馬術における基本動作、前進気勢。彼女が、異界に半潜航している僕のコクピットに乗り込んだのだ。僕のコクピットは、本来不定形。彼女が僕をどう操作するかのイメージが、その形を決める。彼女のイメージは、馬だった。
「不思議……。本当に馬みたい……」
「君の手綱捌きで戦況を変えられるかもしれん」
「私の」
馬型ロボット、タシュンケ・ウィトコは、二十年前に暴走して以来、化石化して首府大学理工学部異界科学研究室の敷地内で眠っていた。一方、ある年の春、異界研は五人の新人を迎えた。その中の一人・貴志範子に語り手の「僕」は一目惚れしてしまう。そんなとき、十年ぶりに異界から戻った天才女性研究者・長木を追ってきた人型ロボットが首府大を襲う。その襲撃から、「僕」は範子を守って戦うが……。
「彼氏はどうにも戦い方がなってない。君がなんとかしてやれ」
「……はい」
僕は戦う。愛する女性(キミ)に操られて。

のばらセックス
文芸(単行本)
わたしは病気なのだ。『女』という病気なのだ。“男性”しか存在しなくなったはずの世界に発生した“女性”という怪異――。世界で二人目の“女性”おちば様は、最初の“女性”のばら様が世界中にまき散らした災いと幸福の種を拾い集め、いくつもの“性”と対峙していく。軋んでいるのは、破滅の予兆か、新しい社会の胎動か――。
待望の初登場! 日日日×千葉サドルが二冊同時刊行で解き放つのは
刺激的な“性”の実験作!
ゼロ年代は終わった! 新しい波でBOXが変わる!
わたしは病気なのだ。『女』という病気なのだ。
“男性”しか存在しなくなったはずの世界に発生した“女性”という怪異――。世界で二人目の“女性”おちば様は、最初の“女性”のばら様が世界中にまき散らした災いと幸福の種を拾い集め、いくつもの“性”と対峙していく。軋んでいるのは、破滅の予兆か、新しい社会の胎動か――。
日日日――ついに<講談社BOX>へ見参!
新進気鋭の美少女絵師、千葉サドルとのコンビで解き放つ<二冊同時刊行>は、<普通>のライトノベルでは不可能な、最先端の“性”の物語を描く実験作『のばらセックス』と、過去、新聞に連載された幻の作品に大幅な書き下ろしを加え、ついに単行本化の『平安残酷物語』!
さて、貴方が先に読むのは……?

平安残酷物語
文芸(単行本)
働いたら負けかなと思っています。此処は、大人たちがすべて死に絶え、代わりに奇々怪々の異形な虫たちと共存している(せざるをえない)子供だけの世界――。そして、自称<貴族>の引きこもり――こづえと、その<親友>である小春さんに次々と降りかかるのは、可愛くも“残酷”な日常……!?
待望の初登場! 日日日×千葉サドルが二冊同時刊行で解き放つのは
可愛くも“残酷”な日常?
ゼロ年代は終わった! 新しい波がBOXを変える!
働いたら負けかなと思っています。
此処は、大人たちがすべて死に絶え、代わりに奇々怪々の異形な虫たちと共存している(せざるをえない)子供だけの世界――。そして、自称<貴族>の引きこもり――こづえと、その<親友>である小春さんに次々と降りかかるのは、可愛くも“残酷”な日常……!?
日日日――ついに<講談社BOX>へ見参!
新進気鋭の美少女絵師、千葉サドルとのコンビで解き放つ<二冊同時刊行>は、過去、新聞に連載された幻の作品に大幅な書き下ろしを加え、ついに単行本化の『平安残酷物語』と、<普通>のライトノベルでは不可能な、最先端の“性”の物語を描く実験作『のばらセックス』!
さて、貴方が先に読むのは……?

BANG! BANG! BANG!
文芸(単行本)
親友が死んだ。俺は学校でしゃべるのをやめた。
幼なじみのばんちゃんを失い、口も心も閉ざした俺。
いつからか、クラスの“裏掲示板”に、そんな俺への悪意が投稿され始める。
それは誰も守れず、信じなかった、俺への罰なのかもしれなかった――。
まだ青い魂の喪失と再生を繊細に綴る、著者新境地。
クラスメイトのばんちゃんこと、坂東が亡くなってから数ヵ月。頑なに孤独を貫き、教室で一言もしゃべらない俺・三沢に対し、いつからか、クラスの裏掲示板には“M沢”への悪口が連なるようになっていた。そんなある日、掲示板に突如、謎のメッセージが投稿される。<Bくんのことは悲しいじこで誰のせきにんでもない>。……一体、誰が? その日を境に、死んだばんちゃんと裏掲示板を巡る意外な事実が少しずつ明らかになってゆくのだが――。
失ってからわかること、失わないとわからないもの。未成熟で不器用な心の揺れを描き出す表題作ほか、書き下ろし小説「トン骨とジュリアン」収録。

蜩の声
文芸(単行本)
日々の移ろいのなか、おぼろげに浮かんでくるのは、男と女、今は亡き人達の思い出、戦時下の風景──。時空を超越し、生と死のあわいに浮かぶ、世相の実相。 現代文学の到達点、古井由吉の世界。
対極のあわいを往還しながら到達するさらなる高み――。
記憶の重層から滴る生の消息。
震災をはさんで書き継がれた言葉の圧倒的密度。古井文学の現在を示す最新小説集。
近代の人間はおしなべて、耳の聡かったはずの古代の人間にくらべれば、論理的になったその分、耳が悪くなっているのではないか、すぐれた音楽を産み出したのも、じつは耳の塞がれかけた苦しみからではなかったか、とそんなことまで思ったものだが、この夜、昼の工事の音と夜更けの蒸し返しのために鈍磨の極みに至ったこの耳に、ひょっとしたら、往古の声がようやく聞こえてきたのか、と感じられて耳を遠くへやると、窓のすぐ外からけたたましく、蜩の声が立った。――<「蜩の声」より>
●除夜
●明後日になれば
●蜩の声
●尋ね人
●時雨のように
●年の舞い
●枯木の林
●子供の行方

建礼門院徳子
文芸(単行本)
平清盛の娘、許されぬ愛の遊戯。「あなたがいたから、死ねなかったのです」。清盛の娘・徳子が、平家でただ一人生き残ったのは偶然ではなかった。禁忌を恐れず、憎むべき相手を愛してしまった女の懊悩とは――。後白河法皇の強さに惹かれた女の生涯。長編歴史ロマンス。
後白河法皇の強さに惹かれた女の生涯。長編歴史ロマンス。
平清盛の娘、許されぬ愛の遊戯。
「あなたがいたから、死ねなかったのです」
清盛の娘・徳子が、平家でただ一人生き残ったのは偶然ではなかった。禁忌を恐れず、憎むべき相手を愛してしまった女の懊悩とは――。
この世には、男と女しかおりませぬ。
一門の御霊を弔うために、徳子は洛北の里でひっそりと暮らしていた。そこを訪れたのは、我が子や一門を滅ぼした仇敵、後白河法皇。去来する十一歳からの想い。たとえ愛し合っていたとしても、けっして結ばれるはずはなかった。それでも――。いまようやく、徳子は何かを乗り越えようとしていた。

女神のタクト
文芸(単行本)
進め、前へ。音楽は魂だ! 『盤上のアルファ』で鮮烈デビューの著者、待望の最新刊。30歳にして職と男をなくした矢吹明菜。旅先で出会った老人に「アルバイトせえへんか?」と誘われる。金がなく公演もままならない小さな楽団に、ある男を連れてくれば報酬があるという。それが明菜と、一度は世界的に活躍した引きこもり指揮者・一宮拓斗、そしてオルケストラ神戸の出会いだった。笑いがいつしか感動になる音楽の奇跡の物語。
進め、前へ。音楽は魂だ!
お待たせしました! 『盤上のアルファ』の塩田武士、今度の舞台はオーケストラ!!
職と男を同時になくしつつもただでは起き上がらない女、矢吹明菜。
パワフルな“女神”が弱小楽団で出会った音楽の奇跡、そして、恋。
どう見てもたよりない指揮者と、あまりに濃いメンバー。
偶然、オルケストラ神戸に足を踏み入れた明菜だが、そこで封印していた「音楽」への思いを呼びさまされ――。
笑いがいつしか感動になる、猪突猛進・情熱物語!
『あんたも若い女、若い女って厚かましいなぁ。もう30回ってるやろ』
『黙れパンチパーマっ。これ以上年のこと言うと本気出すわよ』
この時、この場所でしか聴くことのできない音楽がある――

一分ノ一(下)
文芸(単行本)
米英中ソに分割統治されたニッポンで繰り広げられる大活劇。
ピンチの連続、怒濤の三日間!
テクニック総動員の奇想!
「米英中ソに分割統治されているニッポン」。東北ニッポンの地理学者のサブーシャは、大阪のヤクザ、四国の高校野球監督、美人歌手らとニッポン統一をめざし「日本統一の志士」となる。そして繰り広げられる命がけの統一運動。ついには捕らえられ、裁判にかけられるが……!? 思想、言語、テクニックをユーモアでくるんで綴った、井上ひさし未完の遺作。