講談社学術文庫作品一覧

考え方の論理
考え方の論理
著:沢田 允茂
講談社学術文庫
人間がものを考えたり、互いに意志を伝えたりするとき、その媒介となるのはことばである。しかしながらコミュニケーションに際しては、往々にして相互の誤解や行きちがいが起こりがちである。ことばを使う上で大事なことは表現内容を論理的に整えることである。本書は、ことばで考えることのいちばん中核にある「理づめ」の世界を、分析哲学の権威が平易な文章で説き明かす、刮目の論理学入門書。
哲学入門
哲学入門
著:田中 美知太郎,その他:蟹江 征治,装画:蟹江 征治
講談社学術文庫
西欧古典文化の研究者としてわが国の第一人者である著者が、平明な文章で哲学とはなにか、科学史をどのように理解するかを問う。著者の学生時代をふりかえり周辺の教師像を描く随筆とあわせて、読者を深い思索の道へとさそってくれる。哲学そのものを問いながら、いっぽうでは哲学を難解な言葉から解放して、やさしい言葉で一般の読者に話しかけることは至難のわざであるが、本書には、こうした著者の努力がみごとに結晶している。
電子あり
鏡の中の物理学
鏡の中の物理学
著:朝永 振一郎
講談社学術文庫
ノーベル物理学賞に輝く著者がユーモアをまじえながら平明な文章で説く、科学入門の名篇「鏡のなかの物理学」「素粒子は粒子であるか」「光子の裁判」を収録。“鏡のなかの世界と現実の世界との関係”という日常的な現象をとおして、最も基本的な自然法則や科学することの意義が語られる。また量子的粒子「波乃(なみの)光子」を被告とした裁判劇は、わかりやすく量子力学の本質を解き明したノン・フィクションの傑作として、読者に深い感銘を与える。
狩猟と遊牧の世界
狩猟と遊牧の世界
著:梅棹 忠夫,その他:蟹江 征治,装画:秋野 卓美
講談社学術文庫
自然社会から農業社会をへて産業社会と進化してきた今日、地球上にはいまもそれらの社会が展開している。本書は現代社会の基盤を解明するため、狩猟、遊牧、農耕という3つの生活様式を地球史的規模で位置づけるとともに、旧世界の東北から西南にひろがる乾燥地帯に生活する狩猟と遊牧民の社会に焦点をさだめその起源をさぐる。ここには豊富な踏査体験のうえにしか構築されえない著者特有の雄大な社会進化史の基骨が提示されている。
第二芸術
第二芸術
著:桑原 武夫
講談社学術文庫
自由な眼と卓抜な発想から下す明確な判断で、つねに論壇に新鮮な刺激を与えつづけてきた著者の、戦後を画した「第二芸術」をはじめとする日本文化論8編を収録。爽快な論理と大胆な提言に貫ぬかれた本書は、その「いさぎよいまでの透明さ」で読む人を魅了すると同時に、現代日本のゆきづまった文化的状況をあらためて見直す上からも、将来の日本文化のあり方を構想する上からも、現実的かつ理念的に多大の示唆を与えずにはおかない。
日本古典入門
日本古典入門
著:池田 亀鑑,その他:蟹江 征治
講談社学術文庫
古典の研究に殉じた池田博士が、深い専門知識を踏まえて、日本の古世から近世にいたる文学作品のなかから21種を選んで概説したのが、本書『日本古典入門』である。古典を専門の研究者のみでなく、ひろく一般の人々にも親しまれる共有の遺産たらしめたい、というのが博士の持論でもあった。したがって高度の学術論文のばあいと同様に、全力を傾注して真剣にたちむかわれた述作であることは疑いえないところである。(本書解説より)
論理について
論理について
著:笠 信太郎
講談社学術文庫
日本のオピニオン・リーダーとして活躍した著者の「論理について」、「知識と知恵」、「書物の読み方」、「死と生」、「人間ができるということ」の5論文を収録。単なる知識の集積だけの現代の学問を反省、人生のための知識と知恵をいかに築いていくかを明快にとき、1人のすぐれた知識人の生き方をおのずと伝えてあますところがない。幅広い教養と豊かな人生経験に裏打ちされた深い洞察は混迷の現代を生きるわれわれに貴重な示唆を与える。