講談社ノベルス作品一覧

カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ
カレイドスコープ島 《あかずの扉》研究会竹取島へ
著:霧舎 巧
講談社ノベルス
八丈島沖に密やかに寄り添い浮かぶ月島と竹取島。昏(くら)く謎めいた因習に呪縛されたこの島を《あかずの扉》研究会のメンバーが訪れたとき、五月の日差しのなかで惨劇の万華鏡(カレイドスコープ)は不気味に煌きはじめた!あの島田荘司の推挙を得てデビューした新本格ルネッサンスの旗手が放つ、これぞ霧舎巧版『獄門島』!
月は幽咽のデバイス
月は幽咽のデバイス
著:森 博嗣
講談社ノベルス
伝説に包まれた館に出現した奇妙な「密室」 「自称科学者」瀬在丸紅子が明かす驚愕の真相! 薔薇屋敷とも、月夜邸とも呼ばれる豪邸には奇妙な噂が囁かれていた。狼男が住んでいるというのだ。邸内のオーディオルームで血まみれの死体が発見される。衆人環視で密室状況の室内は、なぜか床が水に濡れ、ガラスの破片が散らばっていた。瀬在丸紅子が指摘する意外なる真相とは!?大人気シリーズ、第3弾!
飛高山に死す
飛高山に死す
著:峰 隆一郎
講談社ノベルス
大久保のラブホテルでホストクラブのホストが殺された。そして、高山行きの「ワイドビューひだ9号」と、東京行きの「スーパーあずさ4号」の車内で、探偵が相次いで殺された。時と場所を跨いで起きた3件の殺人事件の容疑者には完璧なアリバイが!!パズルのような完全犯罪計画に、女誑しの悪漢探偵・鏑木一行が挑む!!
悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談
悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談
著:高里 椎奈
講談社ノベルス
「当ててごらん。これらの事件には、共通点がある」喫茶店で毒死した男。マンションから飛び下りた会社員。プログラマーは列車事故で死に、書店員の娘は手首を切った。だが、それらはすべて解決したはずの事件だったのだ。そこに「なにか」の意思が働いていたというのか──?おなじみ薬屋3人組、東奔西走す!!
天魔の羅刹兵 二の巻
天魔の羅刹兵 二の巻
著:高瀬 彼方
講談社ノベルス
巨大人型兵器「羅刹兵」を駆り、天下布武への道を邁進する織田家の前に出現した最強の敵──それは、最新の兵装を備えた戦国最強の「羅刹兵」であった!明智光秀の操る「蒼月」も、穴山小平太の乗鬼「狗神」も太刀打ちできぬ最強の敵に対し、戦国最高の軍師、竹中半兵衛があみ出した「秘策」とは!?大人気第2弾!
妖奇切断譜
妖奇切断譜
著:貫井 徳郎
講談社ノベルス
戊辰(ぼしん)戦争の傷跡がいまだ濃厚に残る明詞の東京で、ばらばらに斬殺された美女の死体が、次々に発見された。死体は体の一部が必ず持ち去られ、稲荷に捨てられるのが、奇妙な共通点だった。事件に関わることとなった元公家の九条惟親(くじょうこれちか)は、友人の朱芳慶尚(すおうよしなお)の推理に期待をかけるが……。最後に待ち受ける驚愕の真相!
ろくでなし
ろくでなし
著:新堂 冬樹
講談社ノベルス
黒鷲。不良債権者を地の果てまでも追う黒木の呼称だ。彼の眼前で婚約者は凌辱され、精神(こころ)は死んだ。2年後、偶然目にしたレイプ犯の写真で、黒木は再び黒鷲として蘇り、復讐に動き出す。だが次々と関係者は殺され、覚醒剤中毒者(ジャンキー)、娼婦(ばいた)、金融屋、ヤクザたちの影が蠢(うごめ)く。欲望を漲(みなぎ)らせて、最底辺を生きる人間(ろくでなし)の恐怖!
百鬼解読
百鬼解読
著:多田 克巳
講談社ノベルス
京極夏彦「妖怪シリーズ」公式サブテキスト! 姑獲鳥(うぶめ)と絡新婦(じょろうぐも)の関係とは?魍魎(もうりょう)と火車(かしゃ)はなぜ同一視されたのか?陰摩羅鬼(おんもらき)とはどんな妖怪なのか?『姑獲鳥の夏』からはじまる京極夏彦「妖怪シリーズ」に登場した全ての妖怪を、該博な知識で「妖怪博士」多田克己が解読。妖怪初心者にも研究家にとっても必読の1冊。京極夏彦オリジナル妖怪画全42点収録!
百器徒然袋-雨
百器徒然袋-雨
著:京極 夏彦
講談社ノベルス
救いようの無い八方塞がりの状況も、国際的(ワールド・ワイド)な無理難題も、判断不能な怪現象も、全てを完全粉砕する男。ご存知、探偵・榎木津礼二郎!「下僕」の関口、益田、今川、伊佐間を引き連れて、さらには京極堂・中禅寺秋彦さえ引きずり出して、快刀乱麻の大暴れ!不可能状況を打開する力技が炸裂する3本の中編。
視えずの魚
視えずの魚
著:明石 散人
講談社ノベルス
「偶然の集積は瞬間的に奇跡として時間の先端に現象する」!推理・歴史・官能・美学・哲学……。天下の超才・明石散人のすべてを鏤めた絢爛たる処女小説にして、絶無の神品。「全宇宙の外側の風景」から視た時間の先端の奇怪にして精緻きわまるコラージュ。これを読まずして明石散人は語れない!
天魔の羅刹兵 一の巻
天魔の羅刹兵 一の巻
著:高瀬 彼方
講談社ノベルス
1543年、種子島に伝来したのは鉄砲ではなかった!?大胆な仮定の下、戦国時代が全く新しい様相を見せる。──最新式兵器「種子島式・羅刹兵」を駆り、怒濤の進軍を開始する第六天魔王・織田信長。羅刹の蠢く戦場で、勝家が吼え、秀吉が策を廻らし、光秀が独り士道を求める。俺たちの戦国物語がとうとう登場した!
とらわれびと
とらわれびと
著:浦賀 和宏
講談社ノベルス
大学構内で発生した連続殺人。被害者はみな男性で、腹を切り裂かれて殺されていた。犯人を捜していた被害者の姉は、「妊娠」した男が次々と失踪するという奇妙な事件に出くわす。非日常の犯罪は「笑わない男」の指摘で予想もせぬ真相を明らかにする。圧倒的目眩感!鬼才、浦賀がついに恐るべき真の姿を現した!! 大学構内で発生した連続殺人。被害者はみな男性で、腹を切り裂かれて殺されていた。犯人を捜していた被害者の姉は、「妊娠」した男が次々と失踪するという奇妙な事件に出くわす。非日常の犯罪は「笑わない男」の指摘で予想もせぬ真相を明らかにする。圧倒的目眩感! 鬼才、浦賀がついに恐るべき真の姿を現した!!
電子あり
幻想運河
幻想運河
著:有栖川 有栖
講談社ノベルス
アムステルダムに居ついたシナリオライターの卵・恭司は、彼の地で発生したバラバラ殺人事件の渦中に巻きこまれてゆく……。全編に乱舞する薔薇のイメージ、アムステルダムと大阪、2つの水の都をめぐる詩美性あふれるミステリとロジックの急流!まぎれもなく、有栖川ミステリ裏ベストワン。
ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人
ST 警視庁科学特捜班 毒物殺人
著:今野 敏
講談社ノベルス
東京都内で、毒物による変死が連続して発生。捜査に乗り出す、警視庁科学特捜班の5人のメンバーたち。事件の背後には、なぜか宗教とオカルトの影が?墨染めの僧衣に身を包む第2化学担当、矢吹才蔵は全ての謎を「事件の構図」に収めることができるのか!?あらゆる面白さを1冊に詰め込んだ、これぞノベルス!! ●著者のことば 癒しのブームらしい。いつの世でも人は癒しを求めるのだが、現代の癒しブームには癒されるためのトレーニングという考え方が抜け落ちていると、誰かが言っていた。心の鍛錬をせずに癒しだけを求めるのは単なる甘えなのではないだろうか。無条件に甘えてしまいたくなるほど現代人は疲れている。気づいてほしい。本当にあなたを癒せるのは、あなた自身でしかないということに。
キッド・ピストルズの慢心
キッド・ピストルズの慢心
著:山口 雅也
講談社ノベルス
いよいよ、キッド・ピストルズが講談社ノベルス初登場!名探偵が活躍する「パラレル英国」で起こるのは、童謡がらみの連続変死に、「靴の館」の雪の密室、死んだはずの子供の誘拐に、「最後の偉大な執事」の謎、拘束具に身を包んだ娼婦の惨殺と5つの怪事件!全編に溢れる、本格ミステリの粋をお楽しみ下さい! ●著者のことば 『キッド・ピストルズの慢心』は、パンク探偵キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナが活躍するマザーグース・ミステリーのシリーズとしては4冊目に当たります。しかしながら、本書では、キッドとピンクの生い立ちや彼らの最初の事件についても語られていて、実質上の第1作──シリーズ入門編と言ってもいい内容になっています。 というわけで、ようこそ、不思議の探偵王国(パラレル・ワールド)へ……。
人形式モナリザ
人形式モナリザ
著:森 博嗣
講談社ノベルス
衆人環視の舞台から殺人者は忽然と消えた。 神の手の殺人から2年、人形の館で何があった!? 避暑地に建つ私設博物館「人形の館」。そこに常設されているステージで、衆人環視の中「乙女文楽(おとめぶんらく)」の演者が謎の死を遂げた!被害者の一族では、2年前にも、新婚の青年が殺されていた。悪魔崇拝者だった彼は、「神の白い手」に殺されたのだと、若き未亡人は語るのだが!?ラストの一行で、読者を襲う衝撃の真実! 換言すると「役に立たない」人工物は、それが物体であれ情報であれ、目的物であれ手法であれ、ほぼすべて悪魔と神に関わっているからだ。
カーニバル・デイ 新人類の記念日
カーニバル・デイ 新人類の記念日
著:清涼院 流水
講談社ノベルス
JDC。執筆2年。極限流水節1000ページ!! 流水大説史上最大の目くるめく「解決編」! 世紀末ミステリの大怪作、『コズミック』『ジョーカー』を2乗するスケールで迫る大傑作。炸裂する事件&うなる流水節。これがエンタテインメントだ! ●「まえがき」 1999年という記念すべき年に、『カーニバル・デイ』という作品を完成させた。それだけで、この世に生まれてきた甲斐はあったと思います。質・量とともに最高の、これまでの人生と創作活動すべてを総決算する内容になりました。本作品は清涼院流水の転換点(ターニング・ポイント)であると同時に、新しい世界へと通じる扉を示す発火点(バーニング・ポイント)となるものです。この本を読み通すことで、物語の謎解きとは別に、読者(あなた)はただ1人の例外なく自分(あなた)独自の「答え」を手に入れるはずです。この本を読み終える日こそ、読者のメモリアル・デイ、新しい人生の記念日。読者の人生を監視(チェック)しているのは常に自分(あなた)自身という単純(シンプル)な事実が、この物語では明白な形で示されます。願わくば、読者が読書によって御自分に下す審判素晴らしいものであらんことを
夢幻巡礼
夢幻巡礼
著:西澤 保彦
講談社ノベルス
嵐の山荘。密室殺人。人間消失。戦慄の西澤マジック! 「ひとを殺すことが、こんなにも、おもしろいとは思ってもみなかった」──能解匡緒(のけまさお)の部下・奈蔵渉(なぐらしょう)は、警察官でありながら、連続殺人鬼。自己の狂気を冷徹に見つめる奈蔵がかつて遭遇した、人知を超えた密室殺人事件が、10年後、再び新たな闇の扉を開く。西澤保彦が壮大な構図で描く、血も凍るサイコ・ミステリ。 ●著者のことば 本作品は〈神麻嗣子シリーズ〉第4弾なのですが、内容的には番外編の体裁を取っています。神麻嗣子も保科匡緒もほとんど登場せず、能解匡緒が隠れた主役を演じます。これは、その能解匡緒に接近し、やがて神麻嗣子の「最後の敵」となる邪悪な意思が、如何にして誕生したのかという物語です。これまでとは異質なムードに驚かれる向きもあるかもしれませんが、どうかご一読いただければ幸いに存じます。
カニスの血を嗣ぐ
カニスの血を嗣ぐ
著:浅暮 三文
講談社ノベルス
嗅覚が極度に発達した隻眼の男・阿川。彼は死んだ犬に付いていた匂いを、バーで出会った女に嗅いだ。が、一夜を共にした後、女も急死。悲劇の香りを辿れば、そこには男を破綻させた過去と女の一家の不幸があった。カニス、ラテン語で犬。昏(くら)い伝言を嗅ぎ回る男にも魔手が迫る。幻想にむせ返り、心震える傑作! 『カニスの血を嗣ぐ』を読む人間は、読書という行為が、そのまま未知の体験に重なることに驚愕を覚えるだろう。こんな小説はこれまで誰も読んだことがない。まず、どこまでもリアルな現実世界があり、その裏側に、幻想的で、かつ生々しい“匂いの世界”がある。が、この小説が真に奇蹟的なのは、その彼方に遠望される“カニスの世界”の描写ではないか。郷愁に満ちた“カニスの世界”は、すでに永遠に失われているがゆえに、僕らの魂を激しく揺さぶらずにはおかない。慟哭せずにはいられないのだ。──山田正紀
誰かの見た悪夢
誰かの見た悪夢
著:積木 鏡介
講談社ノベルス
帰省する途中、大学生の醍醐(だいご)と夢摘(むつみ)は車内に脱走した子供が紛れ込んでいるのを発見した。行きがかり上、送ることになった2人が辿りついたのは醜悪至極な幽霊病院。惨劇の記憶を封印した脱出不可能な館で首切り死体が次々現れ、惨劇はやむ気配すらない。奇怪でおぞましい真相、唯一無二の奇妙な味わいを堪能あれ。 積木鏡介はどこから現れたのか。悪夢と悪夢のはざまから転げ落ちてくる生首のように、この狂熱のサンバ状態を呈する’99年新本格ミステリ・シーンに参入してきた。 誰かの見た悪夢とは、誰かに見られた悪夢である。そしてとりもなおさず、それは誰かに記述される悪夢でもある。──ここで記述される悪夢は奇術のなかの悪夢と変じ、積木鏡介による〈積み木崩し〉と〈鏡地獄〉が始まる。出口は保証のかぎりではない。途中退場もまかりならない。 かくて悪夢喰らいのホラー・ワールドは、循環式殺人ゲームの智恵較べの劇場となる。お代は見てのあとではなく、どぼんと悪夢に浸かりきってから……。積み木崩れの大技を堪能してからあとのこと。──野崎六助