講談社ノベルス作品一覧

突破 BREAK
講談社ノベルス
腐敗した官房長に天誅を下す機会を狙う大蔵官僚。日本各地で発見される指を切断された死体。究極のXディに向けカウントダウンは始まった。対するは気合いと腕力が頼りの豪快探偵・大文字一徹。アル中のヤクザ捜しに全力投球、大事件に無縁のはずが大暴走!?日本冒険小説協会優秀賞の新鋭が放つ痛快娯楽作!!
●日本の冒険ハードボイルド小説史上、最強の探偵ヒーローが現れた。フィリップ・マーロウも顔負けの騎士的魂とキングコングばりの膂力を具えたこの男、脳の大きさもまた獣並みだが、その傍らには何故か頭脳明晰な美女が。装いも新たに登場した西村健の新宿大活劇シリーズ第3弾は、サイコな大蔵官僚の企みと連続猟奇殺人の謎をめぐる異端の犯罪ミステリーであると同時にスラプスティック冒険活劇の正統を往く一気通読の快作だ。──香山二三郎

ハサミ男
講談社ノベルス
第13回メフィスト賞受賞作
連続美少女殺人事件。死体ののどに突き立てられたハサミ。その残虐性から「ハサミ男」と名づけられたシリアル・キラーが、自分の犯行を真似た第3の殺人の真犯人を捜す羽目に……。殺人願望と自殺願望という狂気の狭間から、冷徹な目で、人の心の闇を抉るハサミ男。端麗なる謎!ミステリ界に妖しい涼風が!
最近、推理小説らしい推理小説がないとボヤいている人へ。そんな貴方には、『ハサミ男』との心躍るひとときがお勧め。小気味よいユーモアと警句、三重四重のたくらみを秘めた構成の妙、ありきたりの「狂気」に居直らない志の高さ──異能な才気がほとばしる注目新人の1st.は、久しく忘れがちだったミステリのダイゴ味をたっぷり堪能させてくれる。気分は〈クライム・クラブ〉系、ネオサイコ・パズラーの快作!──法月綸太郎

上海デスライン
講談社ノベルス
「黒社会」と「民族派テロ」の活発化で政情穏やかならぬ現代上海。その実態を調査しようとした日本人ルポライターが失踪した。捜査を依頼されたのは李振玉(リーチェンユイ)、公安局刑事処に勤務する百戦錬磨の刑事である。李振玉の前に次々と現れる謎、暗号、そして脅迫。事件の背後には、さらに巨大な犯罪が隠されているのか!?

百鬼夜行-陰
講談社ノベルス
怪異。「姑獲鳥」から「塗仏」に至る事件の背後に何があった!?
揺るぎ無いはずの「日常」が乱れる時、人は心の奥に潜む「闇」と直面する。精神の内から湧き出る「妖怪」という名の怪異。他人の視線を異常に畏れる者。煙に格別の執着心を持つ火消し。笑うことが出来ない峻厳(しゅんげん)なる女教師。海に強い嫌悪感を抱く私小説作家。人が出合う「恐怖」の形を多様に描き出す10の怪異譚。

野良犬
講談社ノベルス
野良犬記者は、組織の壁を破れるか!?
現役自衛官殺人事件の捜査本部が、何の手がかりすらつかめぬまま、解散同然となった。以後の捜査は自衛隊の警務部が行うという。自衛隊は捜査状況の一切を秘匿する。あきらめる報道陣の中で、ひとり事件を追う決心をする男がいた。警察すら手出しできない殺人事件の謎に、何の力も持たぬ男が迫ることはできるか?
著書のことば――最近読む小説の主人公は、往々にしてシブい、カッコいい。もちろんそうでない主人公もいるけれど、ぼくはその辺にいるごく平凡で、うだつの上がらない、スケベでだらしのない男が、ある日、突然、奮起することを知っている。そんな親しみを感じさせる魅力的(?)な主人公を書いてみたかった。そして、これがそれだ!ジャジャーン!と、颯爽と登場できない主人公がここに誕生した。

黄色い目をした猫の幸せ 薬屋探偵妖綺談
講談社ノベルス
――それは何の変哲もない、ただの箱に見えた。幾分、湿った感触の、大きめの段ボール箱。湿っているのは昨日の雨のせいだと思った。だが開けた瞬間、そんな考えは消しとんだ。中にあったのは遺体だった。首も手足も切り落とされた、血塗(ちまみ)れの子供の遺体だった……。おなじみ「深山木薬店」の3人が恐怖の事件の謎に挑む!!
著者のことば――もしかすると貴方の隣の席に……などと、それは言い過ぎだとしても、貴方が1日に会うあらゆる人達の中に、最低1人は人間でない生き物が紛れていることでしょう。しかし特別、だからどうという訳ではありません。ここはそういう世界なのです。ただ、それだけです。

ドッペルゲンガー宮 《あかずの扉》研究会流氷館へ
講談社ノベルス
ゴシック様式の尖塔が天空を貫き屹立(きつりつ)する、流氷館。いわくつきのこの館を学生サークル《あかずの扉》研究会のメンバー6人が訪れたとき、満天驚異の現象と共に悲劇は発動した!……20世紀最後の新本格派、霧舎巧が島田荘司氏の推薦を受けて放つミステリフェロモン100%のデビュー作。第12回メフィスト賞受章。
著者のことば――本格推理小説ファンのみなさんに喜んでもらえるミステリを書いたつもりです。閉ざされた屋敷で次々と殺されていく登場人物たち。屋敷の内と外に1人ずついる名探偵。やがて、あかずの扉が開かれて……。これは、あくまでも理論的な謎解きにこだわった、本格推理小説です。

死者の贈物
講談社ノベルス
「侮辱され、ナイフで刺し殺してしまった……」その電話が、明京病院関係者を次々に襲った連続殺人事件の始まりだった。ブロッコリーの苗は犯人を見ていたのか……!?「特ニナシ」というメモは、ダイイング・メッセージなのか……!?そして、素人探偵夫婦の推理が辿りついた驚くべき真犯人とは……!?これぞ中町ミステリの真髄!!

暁天の星 鬼籍通覧
講談社ノベルス
それらは全く不可解な事故としか思えなかった。目撃していた人々も皆、口を揃えてそう言った。――ある時は混雑した駅のホームで、ある時は黄昏の色に染まった坂道で、突如、彼女たちは死に向かって身を投げた。だが、それらの遺体には、世にも奇怪な共通点があったのだ……。現役女性法医学者が鋭利な筆致で描く意欲作!!

闇の貴族
講談社ノベルス
闇の世界の支配者となるべく謀略を巡らせ、暴力とカネで禿鷹のごとく敵を食い尽し、のし上がっていく加賀篤。だが、大金と権力を手中に収めたとき、悲劇と崩壊は始まり、この世界を支配する真実の「闇の貴族」が姿を現す!金融と裏会社の修羅を生き抜いた著者が、世紀末に贈る悪漢小説(ピカレスク・ロマン)。驚愕の破壊的1作!

名探偵の肖像
講談社ノベルス
怪盗アルセーヌ・ルパンの淡い恋と冒険を描いた「ルパンの慈善」。アリバイ崩しの名探偵・鬼貫(おにつら)警部が活躍する「風邪の証言」。ヘンリー・メリヴェール卿が密室に挑む「赤死荘の殺人」。名探偵の華麗な推理に挑戦した贋作(パステイーシュ)3篇を含む5作品に、敬愛するJ・D・カーについて芦辺拓氏との熱血対談、随筆を収録した新本格作品集!!

放浪探偵と七つの殺人
講談社ノベルス
七つの短編全てが読者への挑戦!周到極まりない殺人者の犯したたった1つの過ちとは?あるべき場所に死体がなかったのはなぜ?最有力容疑者を潔白であると探偵、信濃譲二はいうが?あらゆる角度から「推理小説」の醍醐味を味わってください。袋綴じの中に入った解答編を読むのは全ての謎を解いてから!!

涙はふくな、凍るまで
講談社ノベルス
坂田勇吉、28歳。東京生まれの東京育ち、食品会社の宣伝課勤務。平凡な会社員であるはずの彼の行くところ、なぜか想像を絶したトラブルが巻き起こる。前回の大阪出張で、心ならずもやくざと渡り合うことになった彼の今回の敵は?極寒の北海道で、なぜか請け負ってしまった任務を果たすことは出来るのか?
本書は、サラリーマン坂田勇吉の激動の大阪出張を描いた『走らなあかん、夜明けまで』に続く第2弾。

西風の戦記
講談社ノベルス
平凡な女子高校生、永井香澄は苦境に陥っていた。夢に見た世界を基に小説を執筆したら、全く同じ設定の物語を書いた生徒がもう1人いるというのだ。盗作の疑惑がかかる。教師に追われ階段からおちた2人が、気絶から回復したとき、そこには、小説に書いた世界が広がっていた。傑作ファンタジー、待望の新装版!

鳥玄坊 ゼロから零へ
講談社ノベルス
日本を、世界を闇で支配する鳥玄坊一族に襲いかかる未曾有の危機。深海に眠る神獣は魔物と化して目覚め、米韓連合軍は日本殲滅に出動し、日本を地上から消しかねない巨大地震は目睫(もくしょう)に迫った。さらに鳥玄坊に匹敵する力を秘めた、狐寿琳(こじゅりん)の子・義円の覚醒も近い……。地球の誕生より古い巨大な神殿群がそびえる〈大和空間〉にくりひろげられる新創世記。人間・神・宇宙誕生の真実を明かし「永遠の今」を封印した鳥玄坊3部作ここに完結。

三姉妹探偵団(16)
講談社ノベルス
ピアノに賭けるひたむきな想い。華やかな舞台を襲う悲劇!
「私は呪ってやる。あんたたちの幸福を邪魔してやるわ」──師の深野須美子が残した遺言に怯える天才ピアニスト・高田恭二とその恋人、山根令那。その言葉どおりに起こる怪異。旅先で2人と知り合った、綾子、夕里子、珠美の三姉妹も不思議な事件に巻き込まれ、またまた窮地に!「呪い」が生んだ悲劇の真相は?

血食 系図屋奔走セリ
講談社ノベルス
この文体、この博識、この名探偵!
《血食》祖神が血のしたたる犠牲を食するの意。転じて祖先が子孫の供養をうけることをいう。
時は、昭和3年10月。三田魚籃坂(ぎょらんざか)にて探偵社を営む系譜学者、忌部言人(いんべことんど)は依頼された調査のため、友人物集高音とともに和歌山県は紀伊大島に渡る。当地の漁村で戸長の屋敷を訪れた忌部らを迎えたのは、一家皆殺しの惨殺死体だった。そこに残された、アルファベットらしき文字が記された意味不明の木片は、明治日本を揺るがした大事件の謎に忌部らを導くのか!?
驚愕の博識と、流麗なる文体が、読者を濃密なミステリー世界へと誘う。恐るべき処女長編。
端を昭和3年の東京下町に発し、明治のノルマントン号事件から雪深い地方の惨劇へと遡る、もつれた暗合の糸。その真相を解きほぐす姓氏家系と紋章学に関する博識が、たちまち近代の暗黒を照射する。雄大な構想、緻密なプロットはもとより、昭和初期という時代色の再現、軽妙でユニークな探偵役、周到なプロットの細部などが、濃密な“もう1つの世界”を構築している。才能ある新人の出現をよろこびたい。──紀田順一郎

ペルシャ猫の謎
講談社ノベルス
チェシャ猫の笑いも吹きとぶ謎・謎・謎
ミステリ史上屈指の禁じ手!?が炸裂する表題作、「ペルシャ猫の謎」、名バイプレイヤー・森下刑事が主役となって名推理を披露する「赤い帽子」他、傑作ミステリ6編&ボーナス・トラックとして「猫と雨と助教授と」を収録。臨床犯罪学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の名コンビは、さらに華麗に加速する!
人の心にある愛の謎はけっして解くことはできないけれど、それでも部分的にはわかることもあります。男も女も、老いも若きも、善人も悪人も、つまり人間全部に共通する特徴は、孤独ということ。そして猫とちがって、人は1人でそれに耐えられるだけの強さがないのです。猫が人間を支配できるのも、たぶん根底に、人は孤独の中で猫を必要とするという事実があるからでしょう。──ポール・ギャリコ(『猫の教科書』より)

黒猫の三角
講談社ノベルス
1年に1度、一定のルールに従って起きる殺人事件!
「野放しの不思議が集まる無法地帯」アパート阿漕荘(あこぎそう)の住人、保呂草(ほろくさ)探偵に奇妙な依頼が持ち込まれた。連続殺人事件の魔手から一晩ガードして欲しい、というのだ。ここ数年、那古野(なごの)市には「数字にこだわる」殺人犯が跋扈(ばっこ)している。依頼人には殺人予告が送られていた!衆人環視の中、密室に入った依頼人の運命は!?
「遊びで殺すのが1番健全だぞ」
「仕事で殺すとか、勉強のために殺すとか、病気を直すためだとか、腹が減っていたからとか、そういう理由よりは、ずっと普通だ」

法月綸太郎の新冒険
講談社ノベルス
全編、これぞ本格推理!
「あの男」がついに最前線へカムバック!!
アヴァンギャルドな謎。アクロバティックな推理。
アメイジングな解決。そして、胸を打つ余韻。
あらゆるページに本格ミステリの現在と未来が宿る!
法月綸太郎を超えるのは、やはり法月綸太郎だった!!